赤井三尋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東西新聞社に入社が決まったのは20年前に嬰児誘拐殺人事件の犯人が父親の娘朝倉比呂子だった
その事実がどういうわけか週刊誌に取り上げられ、東西新聞は何としてでも比呂子を入社させようとする。
しかし、比呂子は入社後に噂されるのがつらいと入社辞退を考える。
それを覆そうと、20年前の嬰児誘拐事件についてもう一度洗い直すこととなり、犯人は男女の2人の他にもいたのではないか?と疑い始める
徐々に事実が明らかとなり、嬰児殺害の真犯人は東西新聞に務める武藤の自殺した妻であることが分かった。
読み応えがあって、話も難しくなく面白かった
2021/09/03 22:51 -
Posted by ブクログ
20年前に起きた誘拐事件。
容疑者は逃走中に死亡し、誘拐された子供の行方はわからないまま事件は終わった。
大手新聞社に容疑者の娘が内定したが、週刊誌にスクープ記事として掲載されてしまう。
内定を辞退しようとする娘に対して、新聞社の社主は思いとどまるように説得をする。
同時に、当時の誘拐事件の再調査を窓際記者である梶に命じる。
娘の入社に何故これほどまでにこだわるのか。
社主の思い入れがいまひとつ説得力に欠けてはいたけれど、張り巡らされた伏線と描写のリアル感がさすがに乱歩賞受賞作だと感じた。
忘れ物を取りに戻ったときに見かけた奇妙な光景。
交わされた会話に隠された真実、結末への助走はみごとだった