赤川学のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
リサーチ・リテラシーについての本。
データに騙されるな!という『社会調査のウソ』の実践版という感じかな。
著者は問いと答えを以下のように記している。 p.24
・男女共同参画は少子化対策と結びつくべきなのか。→「否」
・少子化は問題なのか→「多少、問題」
・仮に少子化が問題だとして、出生率回復策で対応することが容易ことなのか→「否」
・出生率の回復よりも、優先すべき課題はあるか→「ある」
・少子化を食い止めることは可能か→「不可能」
・人口減少社会が到来する今後、どのような政策が望ましいか→「出生率低下を与件とする制度設計が望ましい」
これらの問答に「えっ」と感じた方は是非読んで欲しい。
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Posted by ブクログ
名著!!
新書でここまで説得力のある
本に出会ったのは久しぶり。
リサーチリテラシーの観点から、
「男女共同参画が進めば、出生率は上がる」
という欺瞞を見事に暴いている。
フェミニズムについても言及しており、
『「性からの自由」と「性への自由」は等価であることが理想である』
は至玉の名言。
その他にも
・男女共同参画と出生率回復の理念的欺瞞
・特定ライフスタイルへの政府の偏った支援
・子育てフリーライダー論
・保育・育児支援政策の欺瞞と偏り
・アファーマティブアクションの矛盾
・「無限という病」=アノミー論
・「産みたくても産めない」の嘘とメカニズム -
Posted by ブクログ
タイトルがトンデモ本のようでアレなんだけど、中身はちゃんとしたもの。
インパクトを与えたかったんだろうね。
社会学者が社会学的に「少子化は何の問題もない!!」と斬っている。
しかもこの先生、社会学でもこの分野は専門外らしい。
それだけ少子化対策とかジェンダーフリーに疑問を持っていたのだろう。
自分も少子化は問題ないと薄々思っていて、何か学術的にそういう本が読みたいと思っていた。
思想としてそういう本はあるんだけどね。
そして実際にこの本を読んで納得した、と。
まあ、でもこれは思想的に偏りのある人からは攻撃、もしくは黙殺されるだろうね。
実際出版から数年立っているけど、少子化は -
Posted by ブクログ
少子化と男女共同参画が一緒くたに論じられることについて厳しく批判した本。労働などの面での男女平等をはかると出生率があがるということで「男女共同参画」を推し進めたフェミクラートへの批判も含むので、業界ではいろんな評価がある。でもワタシは自分でこいつを読んで、この人は基本的には正しいと思った(細部ではまぁ、いろいろあるにしても)。どちらにしたって、こどもが増えようが減ろうが、不平等はあってはならないし。少子化は女性労働の変化によるものでなく、都市化現象の一つなので、少子化傾向を労働に関する政策やましてや倫理道徳では解決できない、少子化を視野にいれた政策を立てるほうがいい、というのはわかりやすい。
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Posted by ブクログ
猫と人間の関係を社会学の観点から理論的・実証的に研究する「猫社会学」のスタートアップとして、5つの論考と1つの特別対談を収録。具体的には、猫の可愛さの理由、猫カフェでの猫たちと客・客同士の関係性、猫島に人が訪れる理由、漫画に登場する猫、猫と人が作り出す相互行為秩序といったテーマが取り上げられている。
猫と人との関係を様々な社会学的な理論や手法で分析・考察していて、なかなか興味深い内容だった。特に、猫の可愛さ・魅力を質的統合法により抽出する「第1章 猫はなぜ可愛いのか?」、「サザエさん」全話の読込みにより「猫の家族化」の変遷の分析する「第4章 猫から見た「サザエさん」―猫が「家族」の一員になった -
Posted by ブクログ
「猫は、猫であるということ自体が可愛く、見た目も鳴き声もすべてが可愛く、可愛くないところが一つもない」
猫を学問、とりわけ社会学の俎上に載せて考えた一冊。
というと少々身構えてしまうが、そこまで学問学問しているわけではなく、猫好きが学者だとこうなる、のように楽しめる。
猫カフェについて研究したり、サザエさん全話(7,000話以上)を読み解いたりと、アプローチは様々だが、結局のところ共通するのは、「猫はすごい」ということ。
猫の何がそこまで人を惹きつけるのかという部分も度々言及されており、犬との相違点や、普段何気なく考えていることが明文化され、あらためて気付かされる。 -
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