セーレン・キルケゴールのレビュー一覧

  • 愛について

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    ネタバレ

    「己自身のごとく、汝の隣を愛すべし」

    隣人愛として有名なこの一節がメインに据えられた上で、
    キリスト教における愛とは何か、
    隣人とは何か、
    己自身のごとくという言葉の意味、
    愛「すべし」という命令に含まれる意味

    など、深く考察していきその困難さを語る本です。
    キリスト教とキルケゴールを浴びれます。

    テーマが分かりやすいのでかなり読みやすい!
    隣人愛についての前提知識があるとさらにわかりやすい気がします。
    あとこれ調べても偽名出てこなかったから、この本の内容部分は本名名義で書いたんだと信じます。

    そういう意味でもキルケゴールっぽさを浴びたい人に最初に勧めたさがあります。
    代表作「死に至る

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    2025年12月06日
  • 死に至る病

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    実存主義の創設者と言われる哲学者キェルケゴールの主著。

    死に至る病とは、要するに絶望(死にたくても死ねない状態)のことで、これを解決するには信仰しかないとのこと。

    読み始めて、早速このような難解な書を読むためにはどうすれば良いかという問題に直面したので、無理矢理にでも自分自身の問題に置き換えるという方法で読み進めた。

    まずは第一編の以下の冒頭は「自己」に別の言葉を入れることで、読者各々の実存(生きるとはどういうことか)を取り出すことが可能だと思った。

    「人間とは精神である。精神とは〇〇である。〇〇とは〇〇自身に関係するところの関係である」

    (私は〇〇に「運命」や「笑い」を当てはめて読

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    2024年09月24日
  • 死にいたる病 現代の批判

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    自己自身になろうとすること、透明な私になることこそが死に至らないとしても、いま、ここにいる私を捨て去ることができるのだろうか?いま、ここにいる私を捨て去るのは、やはり死に(精神的な死ではないにしても、肉体的な死はある気がする)かわらず、私としてはどうしても捨てきれない私が残る気がする。キルケゴールからすれば、それも絶望に違いないのだろうけれど、〈神がそこにいるのにもかかわらず、自分を捨てきれない弱さ〉というのはあるのではないか。日本で言えば、遠藤周作が海と毒薬や、沈黙でそれを描いてきたのだろう。

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    2024年06月30日
  • 死にいたる病 現代の批判

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    個人心理学としても有名なアドラー心理学と「個人」の指す意味は違えど趣旨はかなり近いように思う。
    結局は「未来を諦めず、過去に固執せず、自分の限界を見抜きながら今を生きる」という趣旨と解釈した(信仰云々に関して除けば)。

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    2023年08月24日
  • 死に至る病

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    キルケゴールを解説書などではなく、直接読むのは初めてだが、その信仰に身震いした。この歳まで読まずに来たことを悔やむ。つくづく読書は若いうちからはまるべきだ。これまで人生の何分の一かを損した気持ちになった。ただ私のラッキーは聖書に馴染み生きてきたことだ。多くの日本人にとって難解な書と思うが、聖書のバックグラウンドがあることで一文字一文字が沁みるように入ってくる。文体そのものは一見古いが、キルケゴールの言葉運びそのものは、要点が分かりやすく、それをさらに砕いていくのでとても読みやすい。

    人間の最初の姿は絶望である。神の前に犯した罪の故にエデンを追い出されて必ず死ぬものとされた人の姿は絶望そのもの

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    2021年12月20日
  • 死にいたる病

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    死にいたる病
    (和書)2011年07月06日 21:43
    1996 筑摩書房 セーレン キルケゴール, Soren Kierkegaard, 桝田 啓三郎


    キルケゴール「死にいたる病」を読むのは2回目なのです。1回目は何処が凄いのかピンとこなかった。でも今回読んでみて吃驚するぐらいすばらしい作品だと思いました。

    1回目を読んだ時の自分と2回目を読んだ時の自分が全く違う人間に変わってしまったような、新鮮な衝撃を受けました。

    読書って1回読んだだけでは読み切れないって強く思いました。前回は必読書だから力が入りすぎたのかもしれない。

    カントの啓蒙とキルケゴールの教化が繋がっていてヘーゲルに

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    2020年09月26日
  • 死に至る病

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    文章は哲学調で読みにくいが、趣旨は明快。実際、本書が示す段階に沿って一段二段と歩を進め、生きてきた人は少なくないのでは。哲学と馬鹿にさせないだけの見事な現実洞察があると思いました。

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    2020年09月19日
  • 死に至る病

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    引用のされ方によるかもしれないけど、その姿勢や感覚は好印象。読み通すのは大変だけど読み通してよかったと思える。前提に対する共感がある程度必要かなと思う。そうでない人には響かないかもしれない。しかし、やはり名のある哲学者だけあり感じたことは有意義だった。

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    2017年12月18日
  • 死に至る病

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    絶望は自分が存在するというこの驚異的な当たり前を知ろうとしない、そのこともまた絶望。
    絶望ということを知るからこそ、ひとははじめて死というものの存在に驚ける。死に至る病が絶望というのは、生きること死ぬことが、偏に、この絶望から起こるからだ。生に至る病と言ってもいい。存在するということを知ってしまう、当たり前に驚いてしまう、これが病的だと彼は言う。生きることに自覚的になるとき、それまでと同じように生きることなどできない。死ぬことさえできないと知ってしまうのだ。これを病気と言わずに何と言えばいいのか。
    学問的で教化的、彼ははじめにそう言った。
    絶望から罪へと至るプロセスとその状態の分析、そして罪か

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    2016年04月09日
  • 死にいたる病 現代の批判

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    一言で言うなら、「自分病」か?

    現代社会の大衆的平均的な人間の在り方については、百年経った今でもそれは顕著だと感じる次第。

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    2014年05月06日
  • 死に至る病

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    「人間とは精神である。精神とは何であるか?精神とは自己である。自己とは何であるか?自己とは自己自身に関係するところの関係である。」有名な冒頭文だがこれだけ読んだ時点でさっぱり分からないが、読み進めていくと何となく分かるような分からないような・・・。
    実存主義者の先駆けとなったデンマークのキェルケゴールの「キリスト教」における「罪」や「絶望」そして、「自己」の「関係」ということを深く考察している。
    死に至る病と言うのは、それでは決して死ねない病、死ぬに死ねない病を指す。それがちょうど「絶望」と呼ばれるものである。死ぬに死ねず、絶えず死に面し死に至りながら永遠に死を死ななければいけないというこ

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    2013年08月05日
  • 死に至る病

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    ―自己が自己自身に関係しつつ自己自身であろうと欲するに際して、自己は自己を措定した力のなかに自覚的に自己自身を基礎づける。

    人が全く絶望していない状態を叙述したキルケゴールさんの定式である。

    キルケゴールさんはほとんど全ての人間は絶望していると言う。絶望していない人はほとんど存在しない。存在しているとしたら上記の定式に当てはまっているというわけである。

    この本では絶望の様々な形態が抽象的かつ具体的に細かく描写されている。それぞれの絶望が目に浮かぶ。
    何も考えることなく日々の辛い日常に埋没している人、単に享楽に浸り込んでいる人、世の中を恨み引きこもっている人、自分は成功者と人々にもっともら

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    2012年07月28日
  • 死に至る病

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    死に至る病=絶望として、
    キリスト教の観点から徹底して絶望を見つめる。
    絶望が罪であるということ、
    その罪がキリスト教にある原罪と関係があることなど、
    深い考察が行き渡っている。
    僕らが口にする絶望という言葉が、
    どれだけ多面性を帯びているか、
    それを知るだけで、暗闇に目が慣れていくように、
    絶望を冷静に見渡せるようになれるとも思う。

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    2012年01月06日
  • 死にいたる病 現代の批判

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    ネタバレ

    キルケゴールの最高傑作なのではないでしょうか?

    これまでつちかった神学から導きだされた。
    絶望と人間の関係!

    絶望とは自由の目眩である!
    最高の名言ではないでしょうか?

    とにかく丁寧に書き上げるキルケゴールに脱帽。

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    2011年10月13日
  • 愛について

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    ネタバレ

    汝愛すべし。

    愛とはなにか?
    絶望してなお汝は愛さねばならぬ。
    愛の切実さ、
    生きる人間の悲嘆、
    人生の悩みのほとんどを解決する一冊。

    文章に使われている漢字が古い漢字だらけなので漢字辞典は必須でしたが、その読み難さを考慮してもなお星5つの大傑作です。

    絶対おすすめ。

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    2011年10月13日
  • 死に至る病

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     いかに生きるか。絶対的な可能性という永遠者を見つめ、それに対する内なる永遠者(つまり自己)の声を聞き、その声に従って生きよ。それこそが神に近づく信仰者の道であり、真の生き方である。
     
     絶望について書いたものでありながら、そこを端緒に人間とは何か?自己とは何か?生きる意味とは?といった疑問に答える道筋を丹念に示している。
     
     信仰者キェルケゴールの著した全人類必読の啓蒙書。

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    2011年08月22日
  • 死に至る病

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    大学1年の6月頃に読んでた気がする。
    色々と付き合いや家庭の事が原因で4年間ほど湧いてた鬱な感じを、CLASHの「London Calling」のジャケットのギターのようにぶち壊してくれた。
    バカみたいだったよ、長い間抱いてた思いが数時間で壊されちゃったんだもん。
    今思い返すと、この本がきっかけで実存主義哲学に興味が湧いたんだったな。

    題名にたじろぐ人も居るかもしれないけれど、人の血が通ったとっても温かい本でした。

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    2011年07月16日
  • 死に至る病

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    人はいつも頭の中で自分のあるべき姿というものを作り出し、それになろうとする。しかし、「いまここにあるがままの自分」は決してその像とひとつになることはできない。

    あるべき自分像は、内心の要求でもあれば、社会や周囲の人々の要請から作り出してしまうものでもある。これに重なろうとすることは、長期的に自分の人生をどこにも連れて行ってはくれない。その場しのぎで向きの変わる、目的を持たない風である。

    決して達成できないこと、達成できたとしても自分をどこへも連れていってくれないこと。そんなことに向かって努力を積み重ねている生が絶望(=死に至る病)である。キルケゴールは、この絶望は自覚の有無によらずそこにあ

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    2011年06月01日
  • 死に至る病

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    世界を認識する“私”という存在。西洋哲学の中でそれに眼を向ける実存主義。まず、題名に衝撃を受けました。
    キルケゴールはキリスト教における神を通して、己の存在を受け入れる、ということになりますが、キリスト教に限らず、その“神”を別のものに置き換えて、己のあり方、それを考えるきっかけになる本でした。
    己の存在を受け入れ、社会との関わりを、その責任を全うする事――
    それを放棄してしまうことが“死に至る”事でした。

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    2014年05月28日
  • 新訳 不安の概念

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    不安や罪、恐怖について、原罪や哲学的視点から切り込んだキルケゴールの著書。それらの解決には宗教による信仰的側面が必要であると最終章で論述される。

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    2025年10月05日