【感想・ネタバレ】死にいたる病 現代の批判のレビュー

あらすじ

絶望という病根にこれほど深くメスを加え、これをえぐり出した書物は他に類がない。そしてその絶望や不安から脱する道、自己回復の道をさし示した本書は、実存思想の始点となった。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

個人心理学としても有名なアドラー心理学と「個人」の指す意味は違えど趣旨はかなり近いように思う。
結局は「未来を諦めず、過去に固執せず、自分の限界を見抜きながら今を生きる」という趣旨と解釈した(信仰云々に関して除けば)。

1
2023年08月24日

Posted by ブクログ

自己自身になろうとすること、透明な私になることこそが死に至らないとしても、いま、ここにいる私を捨て去ることができるのだろうか?いま、ここにいる私を捨て去るのは、やはり死に(精神的な死ではないにしても、肉体的な死はある気がする)かわらず、私としてはどうしても捨てきれない私が残る気がする。キルケゴールからすれば、それも絶望に違いないのだろうけれど、〈神がそこにいるのにもかかわらず、自分を捨てきれない弱さ〉というのはあるのではないか。日本で言えば、遠藤周作が海と毒薬や、沈黙でそれを描いてきたのだろう。

0
2024年06月30日

Posted by ブクログ

一言で言うなら、「自分病」か?

現代社会の大衆的平均的な人間の在り方については、百年経った今でもそれは顕著だと感じる次第。

0
2014年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

キルケゴールの最高傑作なのではないでしょうか?

これまでつちかった神学から導きだされた。
絶望と人間の関係!

絶望とは自由の目眩である!
最高の名言ではないでしょうか?

とにかく丁寧に書き上げるキルケゴールに脱帽。

0
2011年10月13日

Posted by ブクログ

 哲学は、時代や場所・人種の区別を超えて、言葉のみを用いて「死」を解き明かそうとする試み。そう定義するのなら、キルケゴールは間違いなく哲学をしている。見た目は、気弱な文学青年のような容姿と雰囲気だが、この著書で書いたものには、それとは真逆の力強さと潔癖さがあった。
 保証や予測もつかない未来に、自分の全てを放り投げろ。そうしなければ、熟慮と反省の檻から抜け出すことができず、絶望のうちにとどまり続ける。祈りは、己を放下する境地でこそ意味をなす行いだ。それ以外は、全て冒涜でしかない。
 見返すたびに、そこから何かを持ち帰れるような、良書です。

0
2013年10月09日

Posted by ブクログ

キルケゴール。高校の倫理の時間に軽く学んで以来とっても興味があったけど、なかなか手を出せずにいました。このたびいよいよその著作に目を通しとても感銘を受けました。あらゆるシチュエーションでの『絶望』というところから、神と出会うことの重要性を説きます。明らかな教化的著作だけども、哲学書としても一流だと感じました。巻頭にキルケゴールの生涯を簡単にまとめたものがついています。その中で「キルケゴールほど、その人生と思想とが肉薄している人物も珍しい」とありましたが、まさにその魂の哲学だったのだと感じます。更に読み進めていきたいです。


09/5/17

0
2009年10月04日

「学術・語学」ランキング