幸田露伴のレビュー一覧
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努力論
角川ソフィア文庫 G117 1
著:幸田 露伴
出版社:KADOKAWA
幸田露伴 1867-1947 幕末から明治、大正、そして戦前の昭和を生き抜き、終戦の2年後の亡くなっている
名前は聞いたことがあるも、どんな作品を書いた人だっけと思ってしまうほど、遠い人でした。
難しい熟語がならびますが、注釈があり、文体も口語にちかく常用漢字になっていて、開いた時ちょっと安心しました。
努力論、意識して努力をしてはいけない。努力とも思わないで、努力をすると努力した以上のことを成すことができるが、本旨です。
努力、分福、そして学問を修めるに4つの標的(原則)が語られています。
気になった -
Posted by ブクログ
古本市で2005年発行のものを読みましたが、読みやすかったです。
いや文章芸術がすぎる、読み始めからわかる七五調のリズムにこれが日本文学かとその力に圧倒されました。感情的にではなくもはや物理的にその美しさを証明してくださいましたね。そして何より鍵かっこがなくても人って描けるのかと、そもそも小説自体書けるんだなと思い、このような文章にはもう二度と出会えないだろうなと思います。いやー日本人で良かった、母国語でこれが読める日本人ほんと贅沢でしょ笑
もちろん内容も素晴らしいですよ、個人的にはタイトルの五重塔が人の誇りだったり欲だったり大義名分だったりいろんな解釈で見れるようになり、これから五重塔を見る -
Posted by ブクログ
ネタバレ教科書にも載っている文豪による代表作。文語体で記されているが、文庫本で100ページあまりしかないので読みやすい。一読してまず感じたのは、まるで紙芝居のような作品であるということ。起承転結がハッキリした展開といい、個性的なセリフの掛け合いといい、「読む」というよりは「語る」といったほうがしっくりくる文章だし、名高い暴風雨のシーンも、まるで情景が眼に浮かぶようである。内容は、「のつそり」こと大工・十兵衞が、谷中・感應寺に五重塔が建立されると聞き、師・源太と激論の末にその仕事を勝ち取り、その後紆余曲折ありつつも、一心不乱につくりつづけて完成させるという話である。十兵衞の愚直に仕事に取り組む姿勢が、た
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Posted by ブクログ
何度読んでも完璧な幸田露伴の五重塔書き出し。日本語の結晶。
“木理美しき槻胴、縁にはわざと赤樫を用いたる岩畳作りの長火鉢に対いて話し敵もなくただ一人、少しは淋しそうに坐り居る三十前後の女、男のように立派な眉をいつ掃いしか剃ったる痕の青々と、見る眼も覚むべき雨後の山の色をとどめて翠の匂いひとしお床しく、鼻筋つんと通り眼尻キリリと上り、洗い髪をぐるぐると酷く丸めて引裂紙をあしらいに一本簪でぐいと留めを刺した色気なしの様はつくれど、憎いほど烏黒にて艶ある髪の毛の一ト綜二綜後れ乱れて、浅黒いながら渋気の抜けたる顔にかかれる趣きは、年増嫌いでも褒めずにはおかれまじき風体、わがものならば着せてやりたい好 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昔、大学生ぐらいの頃に読んだ時には読みにくくて難しいなと感じ、30代も半ばになった今になって読み返してみたら面白くて仕方なかった。格段に読みやすくなったというわけではないけど、読み進めることが楽しくて、一気に読み切ってしまいました。
文語体で書かれていますが、言葉の運び方の美しさに加え、絶妙な場所に打ってある読点のおかげもあり、非常に気持ちよいテンポでするすると読める文体です。ただこの文体をスムーズに読んでいくためには、落語のような古典的な言葉運びに慣れているか、あるいは時代小説のような現在では死語となっている単語が頻繁に出てくる作品をそれなりに読みこなしている経験がないと難しいかもしれませ -
Posted by ブクログ
いい意味で期待を裏切られた一冊。 心身を如何に統一し、コトにあたるかという点の追求という意味においてはヒルティの幸福論に近い。
昨年末、コスタリカを訪れる機会に恵まれた折、山合いを散策して「クレソン」を囓るよう勧められたのだが、それはまさに日本の(富士白糸の滝付近に生育する)山の香りを醸造したかのような甘味すら漂う山葵だったことを思い出させてくれたエピソードを引っ張ってみよう。
“清冽の水を好む山葵の如き植物に清冽の水を与えるのは、即ち茄子や山葵を壮美ならしめてその本性を遂げしむる所以なのであって、茄子は茄子の美味の気、山葵は山葵の辛味の気をその硫黄や清水から得来るのであるから、人の趣味