幸田露伴のレビュー一覧

  • 五重塔

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    めちゃ古い文体(「」ないし、句点も全然ない)で読みにくいぞ〜と思ったが、意外とすんなり読めました。露伴恐るべし。難しい語句は飛ばしましたが。
    登場人物がどんどん輪郭を帯びてきたみたいな感じがした。
    十兵衛がとにかく五重の塔を建てるぞ!という思い?エゴイズム?を軸に周りの登場人物の人間模様が描かれているので、十兵衛周りの登場人物の方が印象強くなりました。
    解説にも書いてますが、ここで描かれているエゴイズムは一貫的ではないので、エゴイズムについて書かれているとは言い切りにくいモヤモヤが残りました…
    とはいえのめり込めました。よかった。

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    2025年11月24日
  • 努力論

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    とても素晴らしい本なのだと思う。でも、私の読解力で完全に理解できなかったのが残念すぎる。現代語訳を買ってまず読み、こちらに戻ってきたい。分福、惜福とか、概念をわかるように読み込みたい。古典面白すぎる。

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    2025年11月15日
  • 五重塔

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    あらためて、本を「読む」楽しさを知った。
    言葉を会話として囲わず、そのまま流れるように書かれているところに魅力を感じました。

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    2025年09月17日
  • 努力論

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    努力論
    角川ソフィア文庫 G117 1
    著:幸田 露伴
    出版社:KADOKAWA

    幸田露伴 1867-1947 幕末から明治、大正、そして戦前の昭和を生き抜き、終戦の2年後の亡くなっている
    名前は聞いたことがあるも、どんな作品を書いた人だっけと思ってしまうほど、遠い人でした。

    難しい熟語がならびますが、注釈があり、文体も口語にちかく常用漢字になっていて、開いた時ちょっと安心しました。

    努力論、意識して努力をしてはいけない。努力とも思わないで、努力をすると努力した以上のことを成すことができるが、本旨です。

    努力、分福、そして学問を修めるに4つの標的(原則)が語られています。

    気になったのは、次です。

    ・努力して努力する。それは真のよいものではない。努力を忘れて努力する。それが、真のよいものである。

    ・好運は七度人を訪う

    ・福を惜しむということの重んずべきと同様に、福を分かつということもまた、はなはだ重んずべきことである

    ・分福とはどういうことであるかというに、自己の得るところの福を他人に分かち与うるをいうのである

    ・有福は羨むべからざるにあらず、しかも福を有するというは、放たれる矢の天い向かって上がる間の状態のごときものであって、力尽くる時は、下り落つるを免れざると均しく、福を致したるゆえんの力が尽きる時は、ただちに福を失うのである

    ・努力の堆積:努力とは厭な事をも忍んでなし、苦しい思いにも堪えて、しかして労に服し事に当たるという意味である

    ・努力より他に吾人の未来を善くするものなし

    ・修学の四標的 正、大、精、深

      正とは中道であるとの意
      大とは大望であり自らの心境を開拓し智を広くし、自己を大になさんという意
      精とは物事を精緻に、そして行き届くようになせという意
      深とは深きに努めなければ、いくら井戸をほっても水が得られないという意

    ・光には、静かな光と、動く光とがある

      静かな光とは、密室の中の灯のような光である
      動く光とは、風吹く野辺の焚火のような光である

    ・どうやったら、気が散るのを防げるか

      なすべきをなし、なすべからざるをなさぬ
      思うべきを思い、思うべからざるを思わぬ、を決行することである

      ふたつもみっつもやることがあったら、一番大事なことを、先ず実施し、
      終わらせてから次にかかるべきである

      つまらないことなどはどうでもよいと、
      つまらぬこともできないくせに威張ってはいけない

      つまらないことでも、よく行い、そして謙遜しているのが、聖賢の態である

    目次

    初刊自序

    運命と人力と
    着手の処
    自己の革新
    惜福の説(幸福三説第一)
    分福の説(幸福三説第二)
    植福の説(幸福三説第三)
    努力の堆積
    修学の四標的(その一)
    修学の四標的(その二)
    凡庸の資質と卓絶せる事功
    接吻宜従厚
    四季と一心と(その一)
    四季と一心と(その二)
    疾病の説(その一)
    疾病の説(その二)
    静光動光(その一)
    静光動光(その二)
    静光動光(その三)
    進潮退潮
    説気 山下語

    附録 立志に関する王陽明の教訓

    注
    解説 努力論について 山口謡司

    ISBN:9784044004521
    判型:文庫
    ページ数:352ページ
    定価:720円(本体)
    2019年07月24日 初版発行
    2023年10月15日 3版発行

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    2025年06月26日
  • 五重塔

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    人に勧められて随分前に読んだ本。
    文語なのではじめは句点の無い一文の長さに断念したくなるけれど、頑張って読んでいるうちに文語のリズムが心地よくなる。

    のっそり十兵衛という人付き合いが器用でないが腕はピカイチという大工と、棟梁の話。
    名作。

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    2025年05月01日
  • 五重塔

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    ネタバレ

    源太は驕りはあったものの江戸ッ子でいい奴だから中盤からはちょっと不憫だった
    十兵衛は頑固すぎる、嘘つかれて台風の日五重塔行くシーン、まじで飛び降りたらどうしようってハラハラした
    急に百鬼夜行始まったと思ったら台風シーンで、すごく良かった、圧巻
    美しい文章
    最初はちょっと読みにくかったけど慣れる

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    2025年03月17日
  • 五重塔

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    古本市で2005年発行のものを読みましたが、読みやすかったです。
    いや文章芸術がすぎる、読み始めからわかる七五調のリズムにこれが日本文学かとその力に圧倒されました。感情的にではなくもはや物理的にその美しさを証明してくださいましたね。そして何より鍵かっこがなくても人って描けるのかと、そもそも小説自体書けるんだなと思い、このような文章にはもう二度と出会えないだろうなと思います。いやー日本人で良かった、母国語でこれが読める日本人ほんと贅沢でしょ笑
    もちろん内容も素晴らしいですよ、個人的にはタイトルの五重塔が人の誇りだったり欲だったり大義名分だったりいろんな解釈で見れるようになり、これから五重塔を見るたびに職人の魂を感じるのでしょう。そんな思い出に残る作品になりました。エゴイズムで解釈するのもあると思いますが個人的には名誉だと思います。いわゆる人からの承認欲求に近いものだと思います、ありますよね、今まで私生活で蔑まれてきた分、あるいはパッとしない自身の名誉を挽回したいと言わんばかりにSNSにいい写真載っけたりすご技動画投稿したりするのと、あの感覚よりかはもっと高いものだと思いますが、おそらく読んでて気持ちわかるなって現代人なるのではと思います。
    主人公の十兵衛ってまさに自分の凄みを出せるそんな機会が欲しかったんだという気がします。今ならYouTubeでいくらでも叶えられそうなので、もし現代に十兵衛がいたらYouTubeでの作品投稿でバスってそうですね笑

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    2024年08月17日
  • 五重塔

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    とりあえず表向きこう言っておけば丸く収まるという事を全くしない十兵衛。超絶男気の源太親分。
    相反する2人の五重塔普請をめぐる葛藤。

    聳え立つ五重塔と魔物に喩えた嵐の描写や人々の感情描写に心が高揚しました。
    私は十兵衛にも源太にもなりえないな…。


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    2023年12月10日
  • 五重塔

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    訳が古く読みづらい。
    にも関わらず、引き込まれる文体。
    魂の職人。
    東洋版スティーヴ・ジョブス。
    何よりも良いものを、後世に遺るものをつくる。
    その常軌を逸した姿勢にあっぱれ。

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    2021年03月10日
  • 二宮尊徳に学ぶ成功哲学

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    この書物の中の事実をただ記憶し、そらで前後を言えるようになったとしても何の役にも立たない。私は農業を志しているのではない。
    この書物を手から離して胸に持ち、外形ではなく、その精神を学ばなければならない

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    2020年05月06日
  • 五重塔

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    ネタバレ

    教科書にも載っている文豪による代表作。文語体で記されているが、文庫本で100ページあまりしかないので読みやすい。一読してまず感じたのは、まるで紙芝居のような作品であるということ。起承転結がハッキリした展開といい、個性的なセリフの掛け合いといい、「読む」というよりは「語る」といったほうがしっくりくる文章だし、名高い暴風雨のシーンも、まるで情景が眼に浮かぶようである。内容は、「のつそり」こと大工・十兵衞が、谷中・感應寺に五重塔が建立されると聞き、師・源太と激論の末にその仕事を勝ち取り、その後紆余曲折ありつつも、一心不乱につくりつづけて完成させるという話である。十兵衞の愚直に仕事に取り組む姿勢が、ただただ美しい。いろいろと衝突してしまうのも、すべては仕事に真剣すぎるゆえ。「のつそり」と呼ばれているほどなので、十兵衞はけっして立派な技術をもった職人でもないし、どちらかといえば醜い存在として書かれている。それでもやはり美しい。「美しい」という言葉がもつ真の意味を、十兵衛はただひたすら大工仕事だけをもって示しているのである。

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    2018年12月30日
  • 五重塔

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    日本文学史に燦然と輝く名作。
    反面、文語文が難しすぎるとの前評判からやや身構えてましたが、鴎外の「舞姫」や「うたかたの記」などで慣れていたためかさほど難しさは感じず。
    ただただ露伴の凄み圧倒されるばかりでした。

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    2018年12月09日
  • 五重塔

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    何度読んでも完璧な幸田露伴の五重塔書き出し。日本語の結晶。

    “木理美しき槻胴、縁にはわざと赤樫を用いたる岩畳作りの長火鉢に対いて話し敵もなくただ一人、少しは淋しそうに坐り居る三十前後の女、男のように立派な眉をいつ掃いしか剃ったる痕の青々と、見る眼も覚むべき雨後の山の色をとどめて翠の匂いひとしお床しく、鼻筋つんと通り眼尻キリリと上り、洗い髪をぐるぐると酷く丸めて引裂紙をあしらいに一本簪でぐいと留めを刺した色気なしの様はつくれど、憎いほど烏黒にて艶ある髪の毛の一ト綜二綜後れ乱れて、浅黒いながら渋気の抜けたる顔にかかれる趣きは、年増嫌いでも褒めずにはおかれまじき風体、わがものならば着せてやりたい好みのあるにと好色漢が随分頼まれもせぬ詮議を蔭ではすべきに、さりとは外見を捨てて堅義を自慢にした身の装り方、柄の選択こそ野暮ならね高が二子の綿入れに繻子襟かけたを着てどこに紅くさいところもなく、引っ掛けたねんねこばかりは往時何なりしやら疎い縞の糸織なれど、これとて幾たびか水を潜って来た奴なるべし。”

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    2018年11月24日
  • 五重塔

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    思わず音読してしまう流れるような語り口。人物もくっきりと描かれていて映像をみるようだ。飽きさせない澱みない展開。それぞれの心情に納得がいく。

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    2016年09月28日
  • 努力論

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    悩んだり迷ったりした時に、頼りになる本を探しているなら、この本がお勧めですね。

    内容はとても難しいですが、某哲学書のようにチンプンカンプンでは無く、理解できる所は非常に納得感があります。読み返してみて、わかる所が増えると、とても嬉しい気分になります。

    How To 本のように「必ず~」とか「きっと~」と簡単にコミットせず、「努力すれば好転するかもしれない」っていう感じも好感がもてます。

    露伴の文章は、「これぞ日本の知性・教養」という感じで、読み応え充分です。

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    2016年01月14日
  • 五重塔

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    エゴを超えた職人の鬼気迫る姿が圧巻の作品。
    特に「五重塔を汝作れ今直ぐ作れと恐ろしい人に言いつけられ」の部分は一種悪魔の存在を感じずにはいられない。悪魔や悪を美しいとする作品は他にもあるので、それらと比較して人間の自然に対する超人的な所業と悪魔の存在の関係性を今後考察していきたい。

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    2015年03月17日
  • 五重塔

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    ネタバレ

    昔、大学生ぐらいの頃に読んだ時には読みにくくて難しいなと感じ、30代も半ばになった今になって読み返してみたら面白くて仕方なかった。格段に読みやすくなったというわけではないけど、読み進めることが楽しくて、一気に読み切ってしまいました。

    文語体で書かれていますが、言葉の運び方の美しさに加え、絶妙な場所に打ってある読点のおかげもあり、非常に気持ちよいテンポでするすると読める文体です。ただこの文体をスムーズに読んでいくためには、落語のような古典的な言葉運びに慣れているか、あるいは時代小説のような現在では死語となっている単語が頻繁に出てくる作品をそれなりに読みこなしている経験がないと難しいかもしれません。その点で、古典的な日本語力が必要とされる作品だとは思います。

    序盤、この岩波版では24ページから26ページにわたり、主人公の十兵衛が五重塔建立に対する自らの思いを吐露する場面がありますが、十兵衛の感情の奔流が圧倒的で、打ちのめされてしまいそうになります。この部分を読むだけで、この作品の底力が分かると言ってしまって過言ではないでしょう。

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    2014年10月09日
  • 超訳 努力論

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    「深…井戸を深く掘れば水が出てくるように、学問も深く探求すれば必ず結果が得られるものだ。
    自分の専門分野を深く究めよ。
    小さくても深い井戸を掘れ。いったん目標を定めたなら、どこまでも深く探求しなければ、水を得ることはできない。」
    非常によい本でした。驚くほど好きな言葉の連続で、気づいたら赤線だらけになっていました。努力は本当に素晴らしいことだと感じる言葉で溢れている本でした。

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    2013年12月08日
  • 努力論

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    いい意味で期待を裏切られた一冊。 心身を如何に統一し、コトにあたるかという点の追求という意味においてはヒルティの幸福論に近い。

    昨年末、コスタリカを訪れる機会に恵まれた折、山合いを散策して「クレソン」を囓るよう勧められたのだが、それはまさに日本の(富士白糸の滝付近に生育する)山の香りを醸造したかのような甘味すら漂う山葵だったことを思い出させてくれたエピソードを引っ張ってみよう。

    “清冽の水を好む山葵の如き植物に清冽の水を与えるのは、即ち茄子や山葵を壮美ならしめてその本性を遂げしむる所以なのであって、茄子は茄子の美味の気、山葵は山葵の辛味の気をその硫黄や清水から得来るのであるから、人の趣味に随従する事は気の上からは非常に有力な事なのである。”

    そして以降は明確に感覚と意識の関係について展開して行く。非常に裾野の広い話題が知性によって練り上げられ、あるテーマに収斂して行く展開は清々しさすらあり、迫力をもって素晴らしいと感じさせられます。

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    2013年02月25日
  • 努力論

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    努力には直接の努力と間接の努力があり、「努力しても結果が出ない」のは間接の努力(準備)が足りないから。
    間接の努力として、自己の革新、福の惜・分・植、着手の処、最高志望、散る気の阻害、張る気の持続が大切。

    とてもよい本です。

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    2012年03月22日