【感想・ネタバレ】努力論のレビュー

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Posted by ブクログ 2016年01月14日

悩んだり迷ったりした時に、頼りになる本を探しているなら、この本がお勧めですね。

内容はとても難しいですが、某哲学書のようにチンプンカンプンでは無く、理解できる所は非常に納得感があります。読み返してみて、わかる所が増えると、とても嬉しい気分になります。

How To 本のように「必ず~」とか「きっ...続きを読むと~」と簡単にコミットせず、「努力すれば好転するかもしれない」っていう感じも好感がもてます。

露伴の文章は、「これぞ日本の知性・教養」という感じで、読み応え充分です。

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Posted by ブクログ 2013年02月25日

いい意味で期待を裏切られた一冊。 心身を如何に統一し、コトにあたるかという点の追求という意味においてはヒルティの幸福論に近い。

昨年末、コスタリカを訪れる機会に恵まれた折、山合いを散策して「クレソン」を囓るよう勧められたのだが、それはまさに日本の(富士白糸の滝付近に生育する)山の香りを醸造したかの...続きを読むような甘味すら漂う山葵だったことを思い出させてくれたエピソードを引っ張ってみよう。

“清冽の水を好む山葵の如き植物に清冽の水を与えるのは、即ち茄子や山葵を壮美ならしめてその本性を遂げしむる所以なのであって、茄子は茄子の美味の気、山葵は山葵の辛味の気をその硫黄や清水から得来るのであるから、人の趣味に随従する事は気の上からは非常に有力な事なのである。”

そして以降は明確に感覚と意識の関係について展開して行く。非常に裾野の広い話題が知性によって練り上げられ、あるテーマに収斂して行く展開は清々しさすらあり、迫力をもって素晴らしいと感じさせられます。

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Posted by ブクログ 2012年03月22日

努力には直接の努力と間接の努力があり、「努力しても結果が出ない」のは間接の努力(準備)が足りないから。
間接の努力として、自己の革新、福の惜・分・植、着手の処、最高志望、散る気の阻害、張る気の持続が大切。

とてもよい本です。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

努力:直接の努力(当面の努力)、間接の努力(準備の努力)/ 努力という事が人の進んで止むことを知らぬ性の本然 / 努力の結果が佳良ならざると
き:努力の方向が悪い、間接の努力が欠けている / 努力して努力する、それは真のよいものではない。努力を忘れて努力する、それが真の良いものである。⇒愛か捨の体得...続きを読むが必要 / 進んで自ら運命を造るべきのみである。是の如き気象を英雄的気象といい、是の如きの気象を有して、終にこれを事実になし得るものを英雄という / 成功者は自己の力として運命を解釈し、失敗者は運命の力として自己を解釈して居る。…両様の見解を併合する時は全部の真となるのではなかろうか。…成功者は運命の側を忘れ、失敗者は個人の側を忘れ、各一方に偏した観察をなして居るのである / 時計の針の進行が即ち運命である / 自らを責める⇒自己の欠陥を補い行く⇒成功者の資格を得る、自らを責める⇒他の同情を惹く⇒自己の事業を成功に近づける / 自己の掌より紅血を滴らすか、滑沢柔軟のもののみを握るか。この二つは、明らかに人力と運命との関係の良否を語る所の目安である / 教には着手の処の不明なものなぞがあるべき訳はない。(高邁な教でも着手の処が不明なら、教える側が「ある程度に達していない」ということ)/ 教が一場の座談になる傾向がないか。聞く側も籠耳で終わる傾向にないか。/ 着手の処、着手の処と逼り詰めて学ぶのでなくては、百日過ぎてもまだ講堂の内に入らぬのである、一年経ても実践の域に進まぬのである。…着手の処、着手の処と逼り詰めて、人々各自がその志す所の道程においてある点を認め出した方が妙味があるであろう。汝、脚あり、汝、歩むべし、汝、手あり、汝、捉るべしである。/ 新しい自己を造り得ない道理があってではなくて、新しい好い自己を造るに適しないことを為して歳月を送ったから / 同じ貨幣は同じ価値を有するの道理である / 同一の自己=同一の運命=同一の状態=繰り返しで活力が減る=幸福を得ざるのみならず、幸福を得べき予想さえ為し能わざるに至ってしまう / 他によって自己を新にする方が、自己によって自己を新にする難行よりやり易い。我流で碁が強くなる望みはうすい / 他力によって自己を造る道の最も重要な点は、自分は自分の身を寄せて居るところの人の一部分同様であるという感じを常に存する事なのであって、決して生賢しい智慧やなんぞを出したり、自己のために小利益を私しせんとする意を起こしたりなんぞしてはならぬのである。他人によって自己を新になそうとしたらば、昨日の自己は捨ててしまわねばならぬ / 化石的自己、蓬的自己 / 自己を新たにする方法は、新にせねばならぬと信ずるところの旧いものを一刀の下に斬って捨てて、余ゲツを存せしめざること / 今までの習慣でも思想でも何でも悪い旧いものは総べて棄てなければならぬ / 従来と反対な結果が得たくば、従来と反対な原因を播くがよい / 太上は徳を立て、その次は功を立て、またその次は言を立つる / 惜福:福を使い尽し取り尽してしまわない。倹約ではなく、冥々たり茫々たる運命に預け置き積み置く / 幸運の調子に乗ってしまうのは、福を惜まぬこと / 分福:自己の得るところの福を他人に分かち与える / 動物になく人にのみあり得ること「物に足らざるも心に足りて、慾に充たざるも情に充ちて甘んずる」 / 福を惜しむ工夫をしない人は、人の下で愛重されず、福を分つ工夫が乏しい人は、人の上として信頼されない / 分福の工夫の欠けた人は自己の手脚のみを頼るわけで、人の力によって福を得ることは少ない / 植福:我が力や情や智を以て、人世に吉慶幸福となるべき物質や情趣や知識を寄与する / 有福は祖先の庇陰=尊むべきところなし、惜福=やや尚ぶべし、分福=いよいよ尚ぶべし、福を植うる=真に敬愛すべき人たり / 福を有する人はあるいは福を失うことあらん。福を惜しむひとはけだし福を保つを得ん。能く福を分つ人はけだし福を致すを得ん。福を植うる人に至っては即ち福を造るのである / 奮闘=仮想の敵、努力=自己の最良を尽くすことで、より高大、中正、明白 / 嗜好=苦しいことを忘れ、厭う感情もなく、意思と感情が平行線的、同一線上に働く、努力=意思と感情が対立する場合も意識の火を燃え立たせて感情の水に負けぬように為し、そして熱して熱して已まぬをいう⇒意識が感情を上回るのが努力 / 努力の堆積 / 努力より他に吾人の未来を善くするものはなく、努力より他に吾人の過去を美しくしたものはない。努力は即ち生活の充実である。努力は即ち各人自己の発展である。努力は即ち生の意義である。/ 教育の標的:1)正=中正公明、学問の道もおのずから大門があり正道がある。書を読んでいまだ万巻に達せず、識いまだ古今を照らすに及ばざるほどの力量分際。反対は「人の知らざるを知り得、人の思わざるに思い至り、人の為さざるを為し了せんとする傾」。2)大=力めて限界を拡大し、心境を開拓し、智を広くし識を多くし、自ら自己を大になさんことを欲せなければならぬ。人学べば即ち漸く大、学ばざれば即ち永く小。大は広の意味を含む。眼も大、胆も大ならねばならぬ。3)精=粗の対照。ゾンザイならざるもの。一事が万事。4)深=人力に限りある故に、深を標的とする場合は自ら限られたる場合でなければならぬ。専攻部面にのみこれを求むべき。人々個々によりて予め考えねばならぬ。予め自ら選択するところがなければならぬ。「ただ大なるを勉めて深きを勉めなければ、浅薄となる嫌がある。ただ精なるを勉めて深きを勉めなければ、渋滞拘泥のおそれがある。ただ正なるを勉めて深なるを勉めなければ、迂闊にして奇奥なるところなきに至る。」/ 志はまず高く、それから固く / 性格がその志に適応しなければ駄目 / 性格には高い人、中位、低い人がある / むやみに最大範囲における最高級に達することを欲せず、比較的狭い範囲内において志を立てて最高位を得んことを欲したならば、平凡の人でも知らず識らず世に対して深大なる貢献をなし得るであろう / 性癖は如何とも為し難いにせよ、人はなるべく「やわらかみ」と「あたたかみ」とを有したいものである。助長の作用を為して剋殺の作用を為したくないものである / 気が凝ったり気が散ったり過ごすのが凡人 / 少年は純気⇒長ずるにつれ凝り出す⇒内慾盛ん、外物外境を追随するに至る。駁気 / 駁雑不純が凡庸の常 / 散る気の習の付いて居る人は、瞳がその舎を守らない(チラチラ動くか、沈んで動きが鈍くなり気のみ忙しく動く)、耳がその円を保たない(聴きはずす)、血行がよろしくない / 気が凝れば脳に充血し、気が散れば脳は貧血する / 心を治め意を固くして、思うべきところを思い、為すべきところを為さんと決定し決行する / 詰らぬ事さえ全気全念を以て打対わるる健全純善の気の習 / 血を以て気を率いる勿れ、気を以て血を率いよ、気を以て心を率いる勿れ、心を以て気を率いよ、心を以て神を率いる勿れ、神を以て心を率いよ / 世に「時間」というものの存在する以上は、同一の物というものは実は存在せぬ / 努力は「力めて気を張る」のであり、気の張りは「おのずからに努力を生ずる」。不自然と自然の差、結果を求めるのと原因となるのとの差。/ わが打対うところにわが心の一ぱいになる気合 / 全幅の精神を以て事に当り務を執ることの大敵は散る気、弛む気の習癖 / たかぶる気も張る気の子気として生ずる / 張る=心が一ぱいに充ちて居る、凝る=気が注潜埋没してしまう / 張る気の起って来るところ:1)「我と我が信との一致の自覚」。信は意と情と智との融和の上に立つの信を上品とする、2)意の料簡、3)情の感激、4)智の光輝、5)美術、音楽等からの共鳴作用 / 真面目に張る気を積み積みして、終に澄む気を保つに至る。澄む気を養い得て已まざれば、終に冴ゆる気に至る。/ 凝る気は、ただ熟するという事があって更に進むという事がない / 人の朝の気は実に張っている。天地の陽性の気に影響されて然る / 昧爽より午に至るまでの気象、人須らくその気象を体得して生を遂ぐべしである。世界は生々の気に張られて居るのである。天数、人事、人寿、この三者を考察して、張る気を持続せよ。ただそれ能く日において張り得よ、夜において善く弛まん。ただそれ生において張り得よ、死において善く弛まん。進潮退潮、潮よく動いて海長えに清く、春季秋季、季よく移って年永く豊かならんである。

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Posted by ブクログ 2020年12月10日

幸田露伴 「努力論」 

努力より運命に関する記述の方が印象に残る。運命があるか否かではなく、運命を人間の力によってどうひき出すかに目付けしている。

著者は 人間の力で運命をひき出す方法を2つ提示
*英雄のように「運命を造る」
*何事も原因を自己に帰する(自己の掌より紅血を滴らす)ことで 「運命の...続きを読む断片である好運」を招く

運命を造る、自己の掌より紅血を滴らす という表現に、運命をひき出すには、自己の主体性を前提とした 大きな犠牲や手間を必要とする著者の強いメッセージを感じる

著者は 運命を時間や有限性から捉えている。一日が始まれば一日が終わる時が来ること、人が生まれれば死ぬ時が来ることなどを運命としている。好運、否運は 運命の断片を 人間が評価した事象にすぎないとしている。

成功者と失敗者の運命の捉え方の違いは興味深い
*成功者は自己の力を運命と捉え、失敗者は運命の力を自己と捉える
*成功者には自己の力が大に見え、失敗者には運命の力が大に見える

名言「自らを責むるほど、有力に自己の欠陥を補うことはなく〜有力に他の同情を惹くことはない〜自己の実業を成功に近づける」


名言「努力の堆積〜努力より他に未来を善くするものはない〜努力は即ち生活の充実、努力は即ち生の意義である」


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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年01月13日

「何をしても人はよい。一生瓜を作っても、馬の蹄鉄を作っても、また一生杉箸を削って暮らしても差し支えない。何によらずそのことが最善に達したなら、その人も幸福だしまた世にも幾許かの貢献を為す。」
最近の自己啓発書の「俺が、俺が」の暑苦しさと比べると、清清しい滋味が心に染みる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年12月03日

努力した人が全て報われるわけではない。だが成功した人はすべからく努力している…。

この本にそう書いているわけではないが、とにかく努力はしないと。

明治末、大正初めのころ、
みずからを不幸と思い込み、悩み苦しみ、陰鬱なおもいに沈んでいる人があまりに多く、
それを見かねた氏はこの本を執筆した。

...続きを読むの持ちよう次第で人はいかにも明るくのびやかに生きられる。
努力論ではなく幸福論なほうが、題名としてはよいかも。
純東洋思想から説いているから、受け入れやすい。
厳しくも温かい、現代にも通じる幸福論。

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Posted by ブクログ 2012年09月17日

努力論というよりも心の持ち方について書かれている。僕の今の頭ではその内容のすべてを理解することはできない。何度も読み返したい一冊です。

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Posted by ブクログ 2012年01月08日

他の自己啓発本で推薦させていたこともあって手にとってみたが、初めはその文章の難解さにかなり手こずった。この本に書かれている「努力していることを自ら感じない」自分になる方法は、自分が無意識にでもやってしまうこと、没頭できることを見つけ、それをやり続けることだと思うが、いかがだろうか。

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Posted by ブクログ 2010年12月11日

齋藤孝の現代語訳『幸田露伴『努力論』小さな努力で「人生の幸福」を増やす方法』がよかったので原文に当たってみたくなり本書を手にした。難しい四字熟語や見慣れない漢字で最初は読みづらかったが、徐々に読めるようになった。努力というよりも前向きに生きるための考え方を示している。中野孝次が解説しているように、人...続きを読むと社会が幸福になるための書。うつ病のどん底にいる人は読むべきではない(読めないだろうし)が、少し気持ちが上向いたら、読んでみるといいかもしれない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年06月02日

明治時代に、尾形紅葉とともに、紅露時代と呼ばれる一時代を作った幸田露伴の代表作。

運命と人力
着手の処
自己の革新
3つの福(惜福、分福、植福)
努力の堆積
修学の4標的
凡庸の資質と卓越せる事功
接物宜従厚
四季と一身と
静光動光
進潮退潮
山下語

以上の章から構成さ...続きを読むれている。

1912年に発表された評論で、難度の高い文章であるものの、著者の凛とした人生観、自己への厳しさ、人としての温かさ、宗教観、精神論、様々なものを盛り込んだ名著だとは思います。

論説は当然とはいえ、立派な人でないと説けない内容ではないでしょうか。

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Posted by ブクログ 2011年02月10日

努力論という題ではあるが、その中身は修身の目標であったり自己の革新であったり、惜福分福植福の幸福論であったりと非常に多岐な話題である。


「努力している、もしくは努力せんとしている、ということを忘れていて、我がなせることをおのずからなる努力であってほしい」は納得の一言である。

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Posted by ブクログ 2011年07月17日

文語の勉強のために読んでみました。書いてある内容はそんなにむずかしいことではないのに、言葉に馴染みが無さ過ぎるので読むのに苦労した。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

06/4/13L 4/14〜4/22
「惜福、分福、植福」や「修学の四標的」などはいいこと言っているなぁと感じた。最後のほうはちょっと難しかった。

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