五重塔

五重塔

440円 (税込)

2pt

技量はありながらも小才の利かぬ性格ゆえに、「のっそり」とあだ名で呼ばれる大工十兵衛。その十兵衛が、義理も人情も捨てて、谷中感応寺の五重塔建立に一身を捧げる。エゴイズムや作為を超えた魔性のものに憑かれ、翻弄される職人の姿を、求心的な文体で浮き彫りにする文豪露伴(一八六七―一九四七)の傑作。 (解説 桶谷秀昭)

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五重塔 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    古本市で2005年発行のものを読みましたが、読みやすかったです。
    いや文章芸術がすぎる、読み始めからわかる七五調のリズムにこれが日本文学かとその力に圧倒されました。感情的にではなくもはや物理的にその美しさを証明してくださいましたね。そして何より鍵かっこがなくても人って描けるのかと、そもそも小説自体書

    0
    2024年08月17日

    Posted by ブクログ

    とりあえず表向きこう言っておけば丸く収まるという事を全くしない十兵衛。超絶男気の源太親分。
    相反する2人の五重塔普請をめぐる葛藤。

    聳え立つ五重塔と魔物に喩えた嵐の描写や人々の感情描写に心が高揚しました。
    私は十兵衛にも源太にもなりえないな…。


    0
    2023年12月10日

    Posted by ブクログ

    訳が古く読みづらい。
    にも関わらず、引き込まれる文体。
    魂の職人。
    東洋版スティーヴ・ジョブス。
    何よりも良いものを、後世に遺るものをつくる。
    その常軌を逸した姿勢にあっぱれ。

    0
    2021年03月10日

    Posted by ブクログ

    日本文学史に燦然と輝く名作。
    反面、文語文が難しすぎるとの前評判からやや身構えてましたが、鴎外の「舞姫」や「うたかたの記」などで慣れていたためかさほど難しさは感じず。
    ただただ露伴の凄み圧倒されるばかりでした。

    0
    2018年12月09日

    Posted by ブクログ

    何度読んでも完璧な幸田露伴の五重塔書き出し。日本語の結晶。

    “木理美しき槻胴、縁にはわざと赤樫を用いたる岩畳作りの長火鉢に対いて話し敵もなくただ一人、少しは淋しそうに坐り居る三十前後の女、男のように立派な眉をいつ掃いしか剃ったる痕の青々と、見る眼も覚むべき雨後の山の色をとどめて翠の匂いひとしお床し

    0
    2018年11月24日

    Posted by ブクログ

    思わず音読してしまう流れるような語り口。人物もくっきりと描かれていて映像をみるようだ。飽きさせない澱みない展開。それぞれの心情に納得がいく。

    0
    2016年09月28日

    Posted by ブクログ

    エゴを超えた職人の鬼気迫る姿が圧巻の作品。
    特に「五重塔を汝作れ今直ぐ作れと恐ろしい人に言いつけられ」の部分は一種悪魔の存在を感じずにはいられない。悪魔や悪を美しいとする作品は他にもあるので、それらと比較して人間の自然に対する超人的な所業と悪魔の存在の関係性を今後考察していきたい。

    0
    2015年03月17日

    Posted by ブクログ

    高校生のころに読んだはずなのに、ほとんど覚えていなかった。
    嵐とそれに耐えた五重塔というのは覚えていたのだが。

    それにしても小説の始まりのお吉の描写の見事なこと、もうそれだけでぐぐっと引っ張り込まれてしまったよ。
    日本語はこんなにも華麗で魅力的なものだったのだなぁ。

    それとやっぱり主人公十兵衛、

    0
    2012年12月30日

    Posted by ブクログ

    わたしは、こういう双方丸く収める話が好きだ。
    義理と人情に厚い江戸っ子気質って、めんどくさいなぁ……。
    自分の中で筋を通すには、人の目に自分がどう映るかってとこが重要なのね。
    なりふり構わず意志を貫き通すのは、十兵衛みたいなわからずや、ってこと。
    けど、自分は恵まれていない、不運だ不幸だつまらん人生

    0
    2012年12月11日

    Posted by ブクログ

    五重塔
    (和書)2011年10月19日 19:34
    2001 岩波書店 幸田 露伴


    シーゲルこと飯島先生がお勧めしていた本です。多分全集で読んだらちんぷんかんぷんだっただろう。この岩波文庫版は全てにふりがなが振ってある。吃驚したが、手間が省けて良かった。

    建築に関しては必読書だというので読んで

    0
    2020年09月26日

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