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Posted by ブクログ
古本市で2005年発行のものを読みましたが、読みやすかったです。
いや文章芸術がすぎる、読み始めからわかる七五調のリズムにこれが日本文学かとその力に圧倒されました。感情的にではなくもはや物理的にその美しさを証明してくださいましたね。そして何より鍵かっこがなくても人って描けるのかと、そもそも小説自体書けるんだなと思い、このような文章にはもう二度と出会えないだろうなと思います。いやー日本人で良かった、母国語でこれが読める日本人ほんと贅沢でしょ笑
もちろん内容も素晴らしいですよ、個人的にはタイトルの五重塔が人の誇りだったり欲だったり大義名分だったりいろんな解釈で見れるようになり、これから五重塔を見るたびに職人の魂を感じるのでしょう。そんな思い出に残る作品になりました。エゴイズムで解釈するのもあると思いますが個人的には名誉だと思います。いわゆる人からの承認欲求に近いものだと思います、ありますよね、今まで私生活で蔑まれてきた分、あるいはパッとしない自身の名誉を挽回したいと言わんばかりにSNSにいい写真載っけたりすご技動画投稿したりするのと、あの感覚よりかはもっと高いものだと思いますが、おそらく読んでて気持ちわかるなって現代人なるのではと思います。
主人公の十兵衛ってまさに自分の凄みを出せるそんな機会が欲しかったんだという気がします。今ならYouTubeでいくらでも叶えられそうなので、もし現代に十兵衛がいたらYouTubeでの作品投稿でバスってそうですね笑
Posted by ブクログ
何度読んでも完璧な幸田露伴の五重塔書き出し。日本語の結晶。
“木理美しき槻胴、縁にはわざと赤樫を用いたる岩畳作りの長火鉢に対いて話し敵もなくただ一人、少しは淋しそうに坐り居る三十前後の女、男のように立派な眉をいつ掃いしか剃ったる痕の青々と、見る眼も覚むべき雨後の山の色をとどめて翠の匂いひとしお床しく、鼻筋つんと通り眼尻キリリと上り、洗い髪をぐるぐると酷く丸めて引裂紙をあしらいに一本簪でぐいと留めを刺した色気なしの様はつくれど、憎いほど烏黒にて艶ある髪の毛の一ト綜二綜後れ乱れて、浅黒いながら渋気の抜けたる顔にかかれる趣きは、年増嫌いでも褒めずにはおかれまじき風体、わがものならば着せてやりたい好みのあるにと好色漢が随分頼まれもせぬ詮議を蔭ではすべきに、さりとは外見を捨てて堅義を自慢にした身の装り方、柄の選択こそ野暮ならね高が二子の綿入れに繻子襟かけたを着てどこに紅くさいところもなく、引っ掛けたねんねこばかりは往時何なりしやら疎い縞の糸織なれど、これとて幾たびか水を潜って来た奴なるべし。”
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