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日本の人びとと風物を印象的に描いたハーンの代表作『知られぬ日本の面影』を新編集。「神々の国の首都」「日本人の微笑」ほか、アニミスティックな文学世界や世界観、日本への想いを伝える一一編を新訳収録。
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Posted by ブクログ
訳者本人も書いているが、意訳に徹底しているため、とても読みやすい。 大正期に発行された『知られざる日本の面影』も読んでいる途中だが、こちらよりも読みやすい日本語になっているのは確かだ。
言うことなし! 日本の文化、宗教、言い伝え、価値観が詳しく書かれていて、逆輸入的に日本の素晴らしいところについて知ることができた。明治時代の日本にタイムスリップしたような感じがして、タイムマシンがあるなら、明治時代に戻ってみたいものだ。 最後の章で、日本の教育は素晴らしく、ハーンが勤めた中学から軍...続きを読むに行く学生は必ず素晴らしい日本を作ってくれるだろうと期待を述べていた。ハーンは教育勅語のとおり、政府が子供らを教育すれば、強い日本になると確信していた。よほどのことがない限り、血は流さないだろうとも書かれていたが、結局のところ第二次世界大戦が起こってしまった。 この戦争に関しては、さまざまな要因があると思うが、西洋列強がアジアの植民地化を進めたからという説がある。日本をここまで愛してくれた西洋人がいた一方、非西洋圏を支配しようとした西洋人の大きな力もあった。だからこそ、起こってしまった戦争なのだと思う。 この本に、ハーンの知り合いのイギリス人が年老いた侍を手伝いに雇った話があった。侍を黒人を扱うようにぞんざいに扱ったことで、侍がカッときて刀を不要に抜いてしまい、後に侍の道を外した自分を恥じて自死してしまったエピソードがあった。 これは、人を人と思わず、リスペクトもしないで一方的な力で制圧しようとした西洋人の思想があったのではないかと思う。例え、科学レベルで発展していなくても、文化的に劣っているとは限らない。ミクロ的な視点にはなるが、人を人と思う、文化をリスペクトするということが全ての平和を作るのではないかと思う。
紛れもなく星5。感想が山ほどあり文字にできない。ハーンの日本への愛と恐ろしいほどの観察眼にあふれた作品。日本人の微笑の考察は素晴らしく、日本人も気づいていない・考えることさえしない視点が多い。日本人とは、について大いに考えさせられる。 時に英語の原著も読み比べてみたが、和訳に落とし込んだ訳者陣にも脱...続きを読む帽。ハーンの表現を、ハーンの伝えたい心情や情景を取りこぼすことなく上手く日本語に置き換えていると感じた。 まだまだ読みたいラフカディオ・ハーン。朝ドラを機に多くの日本人が読むことを願う。
日本の文化がどのようなものなのかを知る上で外国人の視点は欠かせない。それも過去の日本の地方都市のこととなるととても貴重だ。ハーンはこの国の文化に心酔して、非常に好意的な捉え方をしている。 特に民間伝承に触れたときの新鮮な感動はとてもよく描かれている。山陰の独特な民俗を伝えている点においても注目し...続きを読むた。 また、教壇から見た当時の師範学校の様子など興味深い記述が多かった。
ばけばけ効果で本屋で平積みですね。これに乗らぬ手はありません。(笑) 11編が収録されていますが、「日本の庭にて」がまるで夢の中にいるようで特に好きでした。池田雅之先生の訳が素晴らしく他の訳本も読もうと思います。
朝ドラ予習、第3段!(もう始まってるけど) 1980年に来日したハーンの最初の作品集。「東洋の第一日目」で日本の第一印象を描いている。日本人の精神性に触れ、花木鳥虫を細やかに観察し、英語教師としての経験を書き記すが、どれも豊かで美しい文章!
来日して、いろいろなものに興味を持った、ラフカディオ・ハーン。興味を持つ対象が、次第に物体から、日本人の心の内面へと変化していく。 その様子を嬉しく思いながら、本作を読み進めていきました。
日本名 小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが、1840(明治23)年、日本にやってきて初めて書いた「知られぬ日本の面影」の翻訳アンソロジーである。 ハーンは来日後、間もなく会った親切な英国人教授に「日本の第一印象は、出来るだけ早く書き残しておきなさい。」と言われ、あわただしく書き留めたものをまとめ...続きを読むた。本当によく書き残してくださったと思う。なぜかというと、その時外国人ハーンが見た、今から180年前の日本は、我々の国だけれど、もうそんな素敵な国は世界のどこにも無いのだから。 「東洋の第一日目」という章からの抜粋。 『人力車ほど居心地の良い小型の車は想像できない。わらじ履きの車夫の動きに合わせて揺れる、キノコのような笠越しに見える通りの景色には決して飽きることなく想像を掻き立てられる。まるで何もかも、小さな妖精の国のようだ。まるで、人も物もみんな小さく、風変わりで神秘的である。青い屋根の小さな家屋、青いのれんがかかった小さな店舗、その前で青い着物姿の小柄な売り子が微笑んでいる。………見渡す限り幟が翻り、濃紺ののれんが揺れている。かなや漢字の美しく書かれたその神秘的な動きを見下ろしながら、最初はうれしいほど奇妙な混乱を覚えていた。町並みの建築や装飾に、すぐにそれと分かるような法則は、感じられない。それぞれの建物に、一風変わった、特有のかわいらしさがあるようである。一軒として他とそっくりな家はなく、全てが戸惑ってしまうほど目新しい。』 スピリチュアルなものに惹かれるハーンは、上陸した横浜から神々の国、出雲へ人力車を乗り継ぎながら(すごい)四日間の旅をする。その過程で、山あいの田んぼ、杉や松の森の薄暗い影、遠くの藍色の山並み、藁葺屋根の連なり、道端の小さなお地蔵様や祠など、日本独特の田舎のやさしい景色を目にする。 松江に着いて迎えた最初の朝の印象。 『山の麓という麓が霞に覆われている。その霞の帯は、果てしなく続く薄い織物のように、それぞれ高さの違う頂きを横切るように広がっている。その様子を日本語では、霞が「棚引く」と表現している。』 出雲大社で外国人として初めて本殿への昇殿を許され、宮司に謁見しお話を伺う機会を持った後は、山陰地方の神秘的な海辺の村を旅し、そこに伝わる伝説や宗教など興味深い話を収集する。 そして、一年ほど松江で中学校と師範学校の英語教師として赴任するのだが、そこで、日本の学校について今から見れば意外な印象を伝えている。 『近代日本の教育制度においては、教育は全て最大限の親切と優しさをもって行われている。教師は文字通り教師(teacher)であって、英語の“mastery”の意味におけるような支配者ではない。教師は彼の教え子たちに対し、年上の兄のような立場にある。………どの公立校も、まじめで、固有の精神を持ったひとつの小さな共和国であって、そこでは、校長と教師は、大統領と内閣の関係に立っているに過ぎない。』 私の親の時代は、もっと教師は威圧的であったと聞くし、私はそのような教師には巡り合わなかったが、「日本は管理教育」と長らく言われていると思う。ハーンの居た学校がたまたま民主的な学校であったのかもしれないが、まだ、明治23年ごろはそのようなのびのびした教育であったのかと思った。 『日本人の微笑』という章では、イギリス人は深刻で生真面目であるが、日本人は決して生真面目で深刻ではなく、その分、幸せだと思うと書いている。そして、苦しかったり、悲しかったり、愉快でないときでも、相手に不愉快な印象を与えないため、いつも微笑を浮かべている日本人の礼儀作法を美しいと書いている。 今の日本を見たらハーンはどう思うだろう。自分の知らない日本を教えてくれた外国人の記録。記憶にはないけれど、どこか体の奥に眠る記憶のようなものをくすぐられ、照れ臭く、申し訳なく、温かく、涙が出そうな、自分のひいおじいさんの友人から聞いた自分の先祖の話のような素敵な記録であった。
2012.8記。 突然ですがやっぱり地元の夏祭り・盆踊りというのはよいものです。なぜか振付を熟知しているおばちゃん、よくわからない役割を与えられてねじり鉢巻きで周囲ににらみを利かせているおっさん・・・ 私が小学生(30年前、1980年前後)のころから変わらない風景だが、思えばこのおっさんおばちゃ...続きを読むんも30年前はせいぜい30代。つまり1980年代にはそこそこ「盆踊りだせー」とか言っていた世代ではないのだろうか?2030年ごろには僕も地元の公園辺りで「自治会」のテントの下で東京音頭の音量を調節したりしているのだろうか?日頃は都心に電車で働きに出てしまう僕だが、そうやって将来どこであれ地域の行事の継承役の一角を担えるならそれは嬉しいことだ・・・こういう廃れそうで廃れない日本の季節の風物詩を大事にしたいと思う今日この頃。 さて、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が描写した(おそらくは19世紀末の)出雲における盆踊りの様子は、日本人が読んでもめまいがするほどに美しい。 以下、少し長いが引用です。 「かつてのお寺であった本堂の陰から、踊り子たちが列をなして月の光を浴びながら出てきて、ぴたりと立ち止まった。(中略)・・・すると、太鼓がもうひとつ、ドンと鳴ったのを合図に、さあ、いよいよ盆踊りの始まりである。それは、筆舌に尽くしがたい、想像を絶した、何か夢幻の世界にいるような踊りであった・・・(中略)こうして、いつも無数の白い手が、何か呪文でも紡ぎだしているかのように、掌を上へ下へと向けながら、輪の外側と内側に交互にしなやかに波打っているのである。それに合わせて、妖精の羽根のような袖が、同時にほのかに空中に浮き上がり、本物の翼のような影を落としている。(中略)・・・空を巡る月の下、踊りの輪の真ん中に立っている私は、魔法の輪の中にいるような錯覚を覚えていた。まさにこれは、魔法としかいいようがない。私は、魔法にかけられているのである。幽霊のような手の振り、リズミカルな足の動き、なかでも、美しい袖の軽やかなはためきに、私はすっかり魅了されてしまっていた。幻影のように、音も立たない、なめらかな袖の揺れは、あたかも熱帯地方の大きなコウモリが飛んでいるかのようである。いや、夢だとしても、こんな夢はこれまで見たことがない。」(ラフカディオ・ハーン「日本の面影」(池田雅之訳))
のちの小泉八雲の滞在記です。とにかく日本文化を誉めまくってます。一番興味深かったのは「日本人の微笑」の項で、その中でもイギリス人と老サムライのエピソードが印象的でした。
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日本の面影
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ラフカディオ・ハーン
池田雅之
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