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黒々組若頭・黒井と弁護士・白樺は、生まれたときからずっと一緒の37年ものの幼馴染同士。白樺は幼少期から黒井のことが好きで、30歳のときには彼の気を引くためだけに1ヶ月だけ結婚したこともあるほど。しかし、黒井はカタギである白樺を巻き込みたくないという思いから彼を遠ざけています。白樺も白樺で、黒井のそばにいるため、組の顧問弁護士のポジションを狙っていて……。
ヤクザとカタギというロミジュリ的なカップリングはある種の定番ですが、本作の尊さは幼馴染として長年育まれてきた友情がベースにあること。周りのクラスメイトより早く大人びなければいけなかった小学生の黒井に憧れたり、彼の孤独を癒やしたいと感じたり、高校生のときには現実的に黒井と一緒にいるための方法を考え出したり――黒井に対する白樺の気持ちの移り変わりは、その年齢ごとの切実さがにじみ出ていて思わず胸が熱くなります。
さらに、ただ純粋に黒井を思うだけでなく、「親友である自分を失いたくないなら」と、黒井の体を手に入れるといった狡猾さも備えているのがまたたまりません……!
『睨めば恋』や『偲べば恋』(ともに海王社)など、ヤンキーBLが人気のゆくえ萌葱先生。青年誌よりの糖分低めなタッチが男たちのかっこよさを一層引き立てます!