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Posted by ブクログ 2017年09月07日
主人公は川路聖謨。川路は幕末の幕府官僚であり、最高の地位である勘定奉行に上り詰めた人物。高邁・清貧、知的でそのくせユーモアのセンスも抜群な有能な人物だった。その彼の大仕事が、ロシアとの和親条約及び修好通商条約の締結。ロシア大使プチャーチンを相手に一歩も引かぬ姿勢は、当時の鎖国情勢の中でも情報収集に努...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年01月19日
勘定奉行 川路聖謨の生涯にわたる話である。幕末に生を受け、半生を主に日露和親条約の取り交わしの命を完うするためにプチャーチンらと命を厭わずに懸命に交渉を重ね、幕政に尽くした人物である。その人格は高く、今の外交官の模範となる静謐さと沈着冷静な判断力と物事の先を見抜く力を持った役人であった。これまでの...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月24日
尊王攘夷の志士が主役の幕末。不甲斐ないと言われた幕府の官吏に焦点が当たる。長崎、下田でのロシアとの交渉。頑固過ぎるほどに法に固執し、とことんまで国益を主張する。一つ誤っていれば、間違いなく現代の国勢、そして世界地図も変わっていただろう。その後の展開もあったが、結果として日本という国は残り、植民地にも...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年07月01日
幕末のロシア使節プチャーチンとの交渉記録を丹念に。
そんな交渉の場、下田で大地震・大津波があったことを知る。
いつか下田に行って見たいし、ここに出てきた町を自転車で巡って見たい。
交渉の詳細、外交官気質(当時はそういうものはなかったでしょうが)みたいなものが克明に記述されていて、自分とはまったく違...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年05月13日
記録文学とは、こういうものかとの思いで読み進んだ。
幕末時代は、とかく倒幕側の人物ばかりに焦点が当たりがちだが、幕府側にも、その崩れかかる屋台骨を何とか支えたいと必死の思いで誠心努力する、優秀な幕吏がおり、もっと光を当てるべき人材がいるのではないか。
本作品の主人公川路聖謨は、その筆頭たる人物と言っ...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年08月17日
江戸幕府に交易と北辺の国境策定を迫るロシア使節のプチャーチンに一歩も譲らず、領土問題にあたっても誠実な粘り強さで主張を貫いて欧米列強の植民地支配から日本を守り抜いた川路聖謨。軽輩の身ながら勘定奉行に登りつめて国の行く末を占う折衝を任された川路に、幕吏の高い見識と豊かな人間味が光る。(親本は1996年...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年08月06日
幕末、日本が諸外国から開国を迫られた頃、ロシアのプチャーチンと、開港・通商・領土についての交渉をした勘定奉行・川路聖謨(としあきら)の存在の大きさを知った。
明らかに軍備、近代化の遅れを目にしながらも、屈せず、粘り強い交渉力、そして人柄が豊か。才能ある者は身分に関わりなく、埋もれず出てくる養子制...続きを読む
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