翻訳地獄へようこそ

翻訳地獄へようこそ

1,760円 (税込)

8pt

翻訳業界の中でもその博識ぶりと名訳者ぶりがリスペクトされている宮脇孝雄氏による、翻訳者と志望者、英語学習者、海外文学愛好家に有用な珠玉のエッセー集。
「翻訳は難しい」とはよく言われること。文法的に一応正しく訳したつもりなのに、著者が本当に言いたいことはまるっきり伝わっていない―――そんなことがままあるのが「翻訳の世界」なのです。表層的な訳から脱したい、時代や文化背景の違いを乗り越えて、より正確でより魅力的な訳にたどりつきたい、ともがき苦しむ翻訳者たち。知恵を振り絞りあらゆる手段を使い、正しく訳せた時の歓びは格別ながら、心残りのある訳文しかひねり出せなかった時には悔いがいつまでも尾を引き……。

本書は、そんなちょっとマゾヒスティックな翻訳者や翻訳コンシャスな人々に贈る書。古今のさまざまなジャンルの英語の読み物に通じ、英語圏の文化や言葉への造詣が深い宮脇氏が、数多くの翻訳実例も引用しつつ、翻訳のやり方、アプローチ法を実践的に紹介します。読めば読むほど翻訳者の苦悩と奮闘、そして翻訳の奥深さ面白さがじわじわ伝わってくる一冊なのです。
●エッセー41篇が3つの章に分かれています。
1 翻訳ビギナー講座:単語の意味の選択の間違い、イディオム、構文のまずい訳し方など、翻訳者が最低限心得ておきたいこと
2 翻訳に必要な文化背景:歴史、習慣、風俗などについてのさまざまな調査をした上でさらに推理をすることが必要
3 実践的翻訳講座:「表現の翻訳」とはどういうことか。長めの英文を使った翻訳過程を実況中継的に

<目次より>
慣用句は時に破壊力のある地雷となる
謎の人物が出て来たらディケンズを当たれ!
翻訳で失われるものは意味だけではない
なぜカウボーイは独立分詞構文で描かれたのか?

【著者プロフィール】宮脇 孝雄:
翻訳家・随筆家。40年以上にわたり、ミステリ『死の蔵書』や文学作品『異邦人たちの慰め』など多様なジャンルの作品を手掛けてきた。翻訳に関するエッセイをはじめ、料理や英米文学・ミステリに関するエッセイ、評論も多い。現在、(株)日本ユニ・エージェンシーで翻訳教室を開講、専修大学で非常勤講師を務める。
主著:『翻訳の基本』『続・翻訳の基本』『英和翻訳基本事典』(研究社)
主訳書:『死の蔵書』『幻の特装本』『異邦人たちの慰め』(早川書房)、『ジーン・ウルフの記念日の本』『ソルトマーシュの殺人』(国書刊行会)

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翻訳地獄へようこそ のユーザーレビュー

3.9
Rated 3.9 stars out of 5
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    Posted by ブクログ

    先日、「誤訳も芸のうち」などと悪びれもせず堂々と言い切っている某翻訳家の本を読んだら、解釈と訳があまりにも気持ち悪くて大変にストレスがたまった。(「超訳」は芸のうちかもしれないと思うけど、誤訳は誤訳だろ、と言いたい。まあそのタイトルの本は読んでないけど)
    とにかく「口直ししたい!」との思いから、宮脇

    0
    2018年08月24日

    Posted by ブクログ

    文句なしに面白い翻訳指南書。翻訳やりたくもなるし、怖すぎて絶対無理とも思う。あーもっと読んでいたかった!

    0
    2018年07月02日

    Posted by ブクログ

    翻訳ミステリー好きの人や、日常で英語と関わる機会が多い人にはとても面白い一冊。翻訳者の頭の中が覗けて、どんな本を読んでいるかも紹介してあって興味深い。英語が出来るだけでは訳せない翻訳の奥深さが面白かった。

    0
    2024年08月24日

    Posted by ブクログ

    翻訳ものが大好きなので、このタイプの本も大好きです。
    個人的には誤訳も何のその、気にならないタイプですが、確かに時々読みにくい翻訳があるなあ、と思っていたことに対して、回答を得たように思います。スッキリ。

    翻訳から、いろんな雑学に発展する感じで、とてもおもしろいです。
    残念なのは、引き合いに出され

    0
    2023年05月02日

    Posted by ブクログ

    翻訳者の苦労が実例と共に説明されていて面白い。

    英語を更に知ることもできて参考になる。
    コンマ1つでそこまで意味が変わるとは意識していなかった。例えばEats, Shoots & Leavesについて。
    『コンマが入っているので、「食べて、撃って、去る」だが、コンマがなければ、Eats S

    0
    2020年05月02日

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