Posted by ブクログ
2019年09月07日
ズッコケシリーズ後期の名作。評者にとって殿堂入りである『株式会社』を除けば最も好きな作品。
この文庫版の解説でも述べられているが、「武器を持ち寄って戦うなど暴力事件だ」的なことをいう先生・教育者が劇中登場せず、あくまで三人組とそれに連なる人脈で事件を解決しているのが大きなポイント。
事件の発端は...続きを読む、カブトムシが取れる穴場をある勢力(高級エアガンで武装した違う小学校の生徒たち)が占拠したことから始まる。
前半、カブトムシスポットを取り戻そうとハチベエ達は意気揚々と攻め入るも、情報管理の不徹底(陣営の1人が自軍の情報をうっかり漏らしてしまう)によりあえなく敗北。
総崩れになった3人組陣営だが、忍者としての戦い方に活路を見出す。クラスのヒロインもくノ一として参加し、新生3人組陣営が発足する。
ハカセの用意周到な準備と作戦により、最後は3人組の圧勝で幕を閉じる。
3人組たちが一度は敗北を喫するも、知恵と工夫で集団戦を制した痛快劇、それがこの作品である。
余談だが、2002年版のドラマは最後に手打ちが行われ(原作では降参した逃亡兵を見逃しているが、和解のシーンは無い)、協力してエアガン軍の基地の撤去が行われた。
原作派からすると大改変であり、原作の良さを殺してしまっているが、「実力行使に対して実力行使で解決する」という内容が児童向けドラマとして放映しづらかったのだろう。