Posted by ブクログ
2021年12月06日
自分はまだ幹部にはなっていないが、それでも普段の仕事に役立つ金言が多数記載されていた。CEOならなおさら響くのではないだろうか。
内容としてはエピソードが多くエンタメとして面白い。
同時に苦難から学んだ著者の「経験則」が羅列されているという作りになっている。中項目、小項目とまとめられておりわかりやす...続きを読むい。
自分が共感できた「経験則」を備忘にて書き記す。
辛い時に役に立つかもしれない知識
・1人で背負いこむな。
・被害者意識を持たない。自分の責任だ。
・良い手がなくとも最善手をうつ。
管理職、あるいはCEO
・事実は部下にありのまま伝えろ。部下にはなんだかんだ全て伝わっているのだから、隠すのは信用を失うだけだ。
なぜ部下を辞めさせることになってしまったのか
・全て企業側に資する。不必要な人材を必要であると謳って、採用したからだ。特に大きいのは、採用担当はダメな部分を見つける「ことのみ」得意である。その際CEOの求める「必要なスキル」は度外視されがちである。
・つまり、「必要なスキルがない」が、「短所がない」という理由で採用が行われがちだ。必要なスキルに身を向けろ!そしてそれを大きく標榜し、周知するのだ。
物事の解決策
・銀の弾丸はない。それは人月の神話でも言われているように。戦いからは逃げてはいけない。我々にできることはしなければいけないとわかりきっている鉛の弾丸を大量に撃つことだけなのだ。どこかで必ず、命がけで戦わなければいけない。
どうしてこうなったかを考えない
・失敗したかどうかなんてメディアも投資家もはたまた家族も気にしていない。理由が立派でもそうでなくても変わりはない。
どうすればよいのか?「やるべきことをやるだけだ」
人、製品、利益を順に大切にせよ
・組織が大きくなるにつれ大切な仕事は見過ごされ、熱心に仕事をする人々は秀でた政治家に追い越されていき、官僚的プロセスは創造性の芽を摘み、あらゆる楽しみを奪う
・人を大切にし、自分の会社を働きやすい場所にせよ。
良い会社でいるのはそれ自体が目的である
・なぜ会社に経営者は行くのだろう。みなが働きやすい環境で生き生きと働いていれるようにするためだ。
・健全な組織は皆が仕事に集中し、それがどのような効果をもたらすか知っている。一方で不健全な組織は、組織の壁、内紛、崩壊したプロセスと戦っている。仕事がキャリアにどう役立つのかもわかっていない。それは部下が訴えることでようやくわかるが、あまつさえ経営陣は無視する。
・だが、部下と常に面談しなければ上記の状態かどうかすら知り得ないのだ。
教育は必ず必要である
・マネージャー「「自身が」」教育すべきだ。義務である。そうすることで部下自身もさらに下の部下を教育することが義務になる。
・それだけで人数×効率の生産性が上がる。
・教育する=「何を」期待しているかがはっきりしている。同時に部下も「何が」できていないか、を理解できている。それが業績管理に伝わる
・教育無くして製品品質は上がらない。
・「上司は何も見てくれていない」から部下は会社を去る。
大企業とスタートアップ企業の幹部は違う
・大企業では割り込み駆動型。恐ろしいほど予定が埋まる。スタートアップでは自分から動かないと何もない。
・なぜかというと。大企業には全てが構築されている。スタートアップには組織すらない。
・求められるスキルも違うが人材が最も重要。「創造しようとしている」人でないといけない。会社に採用してからも常に創造させてスキルを磨かせること。
社内政治
・政治活動とは、会社の利益を向上させる以外の活動で自分の権益を獲得することである。
・社内政治を少なくするには、昇進、昇給制度を明確にしなければならない。
正しい野心で埋めろ
・一般社員は自分のキャリアパス充実を考えて良い。ただし経営に携わる状況社員は、正しい野心をもって行動する者のみで構成されなければならない
個人面談の効果
・個人面談は不要というのは評価のためなど上司を主体とした時の考えだ。部下を主体として考えた時、部下自身の、ひいては会社自身の不満、問題を拾い上げる場と化す。
心を鎮めるテクニック(心理的問題が起きた時)
・友達を作る。アドバイスをもらうこと
・問題点を書き出す。決断が正しい論理をそれに沿って詳細化するのだ。
・側壁でなくコースを見ろ。問題一つ一つもしっかり見ないといけないがそれに集中してはいけない。「何を避けるべきか」の前に「何をなすべきか」という先を見据えること。
経営者のワン型ツー型
・ワン型は情報を収集しまくり、決断を下すのが上手い。しかし日常業務には目を向けず、企業は潜在能力をいかしきれない。
・ツー型はその逆。
・大企業ではCEOはワン型、部下はツー型。であることを理解すること。そのため新しいCEOを見つける、育てるには労力がいるのだ。ツーをワンにしなければいけないのだから。
平時のCEO、戦時のCEO
・平時であれば、各位が創造性を発揮させることが重要だ。平時であれば。戦時であれば創造性発揮の余地はない。全員がプラン通り厳密に、正確に行動することを求める必要がある。そのために平時は企業文化を育成させる。戦時は企業文化を自ら作る。何を重要視しているのか行動で示すのだ。怒りを持って。
社員のパフォーマンスの評価とフィードバック
・権威をもて。感情を和らげるような言葉は不要。叱責として意味あるものにせよ。
・「成長してほしいから言うのだ」と感情のせて。
・フィードバックの仕方は「一人一人に合わせて」
・単刀直入に言え!余計なおためごかしはいらない。
戦略とストーリー
・あらゆる仕事、活動には「なぜそれをするのか」というストーリーがある。それを常に明確で説得力のあるものにしなければいけない。でなければモラールが低下する。
CEOの評価
・単純な目標と実績の比較ではその人の能力を測れない。過去の実績は将来の運用成績を保障しないのだから。
ただ、
①「自分が何をすべきか明確に意識している」つまりストーリーを常に説得力あるものとし、意思決定が早い=常に必要に(なるかもしれない)情報収集を続けているか
②なすべきことを会社に実行させられているか、つまり能力のあるものを適切に配置し、すべての社員の動機付けができていて、大量の知識共有ができている。かつ社内政治に煩わされることもない状態。
責任追及と創造性のパラドクス
・創造性のためのスケジュール遅延というものがある。
遅延を詰めると創造性発揮をしようとしなくなるが、遅延を責めないと「なんであいつは」となり、周りの真面目な人のモラールが低下する。どうべきか?
①その人の役職
低ければ指導し、高ければ厳しくチェックする
②怒鳴らない。創造性を誉めよう。
③リスクの取り方は正しかったか。結局解決された問題の遅れるリスク、機能リスクをきちんと精査していたかどうかが大事である。
常に最高を維持する
・人は衰える。であるからこそ「誰であるか」ではなく「何をなすか」で評価する。
・環境が変われば職務内容が変わる。異動がなくとも環境や会社の体制の変更により、やり方を変えなければいけないのだ。そしてそれに適用する必要がある。