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Posted by ブクログ
六月は夜蛾の誕生の季節。リンバロストの森で出会ったエルノラと青年フィリップにも恋の予感が…。
下巻では沼地に息づく植物や様々な鳥たちが生き生きと描かれている。採集される珍しい蛾には、ルーナ、リーガル(詩人の王)、 プロメシア、そしてあの黄色い帝王蛾。蛾は生まれてたった数日で死んでゆく。森の湿った空気を感じながら、生きものの"いのち"を思った。
コムストック夫人は、博物学の講師を受けたエルノラを手伝うようになる。
リンバロストの自然が娘への愛情を取り戻させたのだろうか。冷酷な母から賢明な母へと変わっていく過程に目が離せなくなった。
エルノラに惹かれていくフィリップには許嫁のエディスがいて…と、少女小説にはお決まりの恋のライバルが出てくる。
自分を見失うことなく判断ができて、エルノラは大人だなぁと思う。女性の逞しさ、生きていく力を感じられる物語だったが、なんと言ってもリンバロストの森が素晴らしい。著者の初めての小説『そばかすの少年』も是非読んでみたい。
Posted by ブクログ
下巻は、やはりエルノラの恋が中心。
キャサリンは上巻の仕打ちがどこへ!というくらいに、麗しき母親に。
そしてフィリップ登場。というか、私としては密かにアウトロー•ピートの再登場を期待していたのに。
やはり、出自も正しく品行方正な王子様がいいのかー。
この作品では圧倒的にエルノラが美しく、その他の登場人物は皆彼女を愛し、変化する。
そうした一方的展開に、少しひねくれた私は、影が欲しいと思ってしまう。
そんな人物描写とは別に、リンバロストの森は神秘的で、美しさも畏ろしさも兼ね備えている。エルノラさえも超えた、リンバロストの森。
そんな印象で読んでも、面白いと思う。
Posted by ブクログ
母からの愛情をほとんど受けられないで育ったエルノラは、町の高校に入学するが、進学に反対していた母は学費のことも教科書のことも教えてくれず、さえない通学服で初日から大恥をかいて帰ってくる。
最初からもう可哀想で、継母かと思ったし、訳したのが村岡花子だけにもしかして孤児?と疑ってしまった。
しかし、エルノラはこんな事でめげない。この後もたびたび苦難に襲われるが、見事に打ち勝つ。そして隣人であるウェスレイとマーガレット夫妻をはじめ、周りの人にエルノラを助けずにはいられない気にさせる。エルノラは意地悪な母に育てられたのに真っ直ぐで明るく生命力にあふれている。負けん気が強く誇り高い。それが母との共通点なだけに親子喧嘩は怖いくらい熾烈。赤毛のアンを彷彿とさせる。
だが、父が沼で溺死した原因を知った母は突然エルノラへの態度を改める。エルノラに協力する。本当は娘が可愛くて仕方なかったのだ。裁縫でも料理でもなんでも出来る人だった。そこへ登場するのが、病み上がりでもかっこいいフィリップ。エルノラとの共通点は蛾の収集。フィリップには婚約者がいることを知り、友人として接するエルノラ。やがて、別れの時がくる。お互いの思いに気づかないまま。
「そばかすの少年」に出てくる名前がいくつも出てくるので、出来たらそちらを先に読むと、より楽しめます。
鳥のおばさんが、自分の境遇と似ているエルノラに、この先、何者になるかは自分次第だから努力を惜しまないで、と伝えるところが良かった。その後のエルノラの生き方にも影響を与える言葉だった。読んでよかった。何回も読みたい本。
Posted by ブクログ
乙女は信じた道を行く。
エルノラは大学には行かず小学校で教鞭を取ることになる。知り合った青年フィリップは夏を共に過ごすうちにエルノラに夢中になり、婚約者エディスと別れてエルノラに求婚した。エルノラが選んだ道は——。
上巻であんなに感動的に獲得した蛾が早々にダメになったのが衝撃的だった。癇癪を起こしたエディスはよくなかったけど、フィリップはとにかく彼女の気持ちをわかってあげてくれ。確信が持てるまで動かないエルノラは素晴らしいが、あがいた末に失恋の痛みに耐え自分と向き合ったエディスの姿、そしてエルノラに求めていた蛾(苦手なのに)を持っていくという勇気を示したエディスの姿にとても惹かれた。
Posted by ブクログ
アンでもパレアナもそうだけど、ヒロインが美しく育ったら次はロマンス。
相手も非の打ちどころのないぼっちゃんです。
ただし、超わがままで美少女な婚約者がついてますけど。
結末はハッピーエンドというのは分かってるので、消化試合を見ているような感じ。
完全無欠なヒロインって微妙に面白くないときもあるのねということがよくわった小説でした。
欠点だらけのアンが熱狂的なファンがついたのわかります。
綺麗で賢くて心が美しく悪漢まで味方にしてしまう無邪気さ、欠けてるものは何もない。
当然、略奪になってしまうのですがそれだってヒロインが責められるところなんて全くないと来ている。上巻のオチを思い出すたび、かなりもやもやしました。
翻訳家の村岡花子さんはこの小説をとても愛していたそうですが、子供の頃あの展開読んでいて、『あれ』やっちゃったんだ……と顔がひきつりました。
たぶん、本人は乙女に気分が同化しているんでしょうけど……。
すくなくとも若人の恋愛について説教する資格はないです村岡さん、とあとがきでさらにもやもやしてしまった。
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