【感想・ネタバレ】リンバロストの乙女 下のレビュー

あらすじ

エルノラは、優秀な成績で高等学校を卒業し、美しい女性に成長した。娘への愛情にようやく気づいた母親に見守られながら、大学を目指す。ある日、療養のためにリンバロストの森を訪れた名家の青年フィリップと出あい、惹かれあうエルノラ。しかし、彼にはすでに許嫁がいた。この作品を誰よりも愛した村岡花子の名訳で贈る。

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Posted by ブクログ

The Girl of Integrity の話

最後まで色々な意味でドキドキしながら読んでいました。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

面白かった。下巻はロマンス編といったところだった。なんだろう。清く正しいロマンスなのだけど、読む方も素直に読めた。こういう恋愛に憧れていた頃を思い出した。恋に恋する時代を経て、普通に色々あって、今また新たな気持ち、新鮮さをもって読めることに感謝したくなる。それにしても、お母さんはなかなかエキセントリックでDV気質満載。ちょっとえっと思う所が上巻には多かったけど、下巻は良き理解者に変貌していた。その変貌ぶりもある意味エキセントリックだったなぁ。こういう世界で生きていきたい、と現実逃避的に思う。とても良い読書体験ができた。

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2025年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

母からの愛情をほとんど受けられないで育ったエルノラは、町の高校に入学するが、進学に反対していた母は学費のことも教科書のことも教えてくれず、さえない通学服で初日から大恥をかいて帰ってくる。
最初からもう可哀想で、継母かと思ったし、訳したのが村岡花子だけにもしかして孤児?と疑ってしまった。
しかし、エルノラはこんな事でめげない。この後もたびたび苦難に襲われるが、見事に打ち勝つ。そして隣人であるウェスレイとマーガレット夫妻をはじめ、周りの人にエルノラを助けずにはいられない気にさせる。エルノラは意地悪な母に育てられたのに真っ直ぐで明るく生命力にあふれている。負けん気が強く誇り高い。それが母との共通点なだけに親子喧嘩は怖いくらい熾烈。赤毛のアンを彷彿とさせる。
だが、父が沼で溺死した原因を知った母は突然エルノラへの態度を改める。エルノラに協力する。本当は娘が可愛くて仕方なかったのだ。裁縫でも料理でもなんでも出来る人だった。そこへ登場するのが、病み上がりでもかっこいいフィリップ。エルノラとの共通点は蛾の収集。フィリップには婚約者がいることを知り、友人として接するエルノラ。やがて、別れの時がくる。お互いの思いに気づかないまま。
「そばかすの少年」に出てくる名前がいくつも出てくるので、出来たらそちらを先に読むと、より楽しめます。
鳥のおばさんが、自分の境遇と似ているエルノラに、この先、何者になるかは自分次第だから努力を惜しまないで、と伝えるところが良かった。その後のエルノラの生き方にも影響を与える言葉だった。読んでよかった。何回も読みたい本。


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2024年03月26日

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大学に行けなくなってしまったエルノラは博物学の教師となる。
あるとき授業のための標本採集にいつもの森に出かけるとフィリップという青年に出会い、恋に落ちる。
ここからは2人がゴールインする道のりが描かれる。
なんか訳した村岡花子の半生がきっと反映されているからだと思う。特に前半とか。
だから好きだったのかな。と勝手に思う。

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2015年11月15日

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六月は夜蛾の誕生の季節。リンバロストの森で出会ったエルノラと青年フィリップにも恋の予感が…。

下巻では沼地に息づく植物や様々な鳥たちが生き生きと描かれている。採集される珍しい蛾には、ルーナ、リーガル(詩人の王)、 プロメシア、そしてあの黄色い帝王蛾。蛾は生まれてたった数日で死んでゆく。森の湿った空気を感じながら、生きものの"いのち"を思った。

コムストック夫人は、博物学の講師を受けたエルノラを手伝うようになる。
リンバロストの自然が娘への愛情を取り戻させたのだろうか。冷酷な母から賢明な母へと変わっていく過程に目が離せなくなった。

エルノラに惹かれていくフィリップには許嫁のエディスがいて…と、少女小説にはお決まりの恋のライバルが出てくる。
自分を見失うことなく判断ができて、エルノラは大人だなぁと思う。女性の逞しさ、生きていく力を感じられる物語だったが、なんと言ってもリンバロストの森が素晴らしい。著者の初めての小説『そばかすの少年』も是非読んでみたい。

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2024年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アンでもパレアナもそうだけど、ヒロインが美しく育ったら次はロマンス。
相手も非の打ちどころのないぼっちゃんです。
ただし、超わがままで美少女な婚約者がついてますけど。
結末はハッピーエンドというのは分かってるので、消化試合を見ているような感じ。

完全無欠なヒロインって微妙に面白くないときもあるのねということがよくわった小説でした。
欠点だらけのアンが熱狂的なファンがついたのわかります。
綺麗で賢くて心が美しく悪漢まで味方にしてしまう無邪気さ、欠けてるものは何もない。
当然、略奪になってしまうのですがそれだってヒロインが責められるところなんて全くないと来ている。上巻のオチを思い出すたび、かなりもやもやしました。
翻訳家の村岡花子さんはこの小説をとても愛していたそうですが、子供の頃あの展開読んでいて、『あれ』やっちゃったんだ……と顔がひきつりました。
たぶん、本人は乙女に気分が同化しているんでしょうけど……。
すくなくとも若人の恋愛について説教する資格はないです村岡さん、とあとがきでさらにもやもやしてしまった。

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2014年12月23日

Posted by ブクログ

母娘の確執、物語の展開についていけない部分も、自然への造詣の深さ、当時の生活描写の細やかさは素晴らしく、特筆すべきはエルノラのお弁当!
描写が優れているだけで物語はどうでもいいというか、納得できなくてもまあいいやって思ってしまえるからすごい。
下巻におけるエディスには同情を禁じ得ない。

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2014年11月07日

Posted by ブクログ

懐かしい本、下巻。
上巻が“母と娘”物。
下巻は“恋愛物”
海外文学の恋愛物は、どうも私の肌には合わない。
ヒロインよりも、ライバルのエディスに同情してしまった。
生まれてこの方、自然に親しみ、生物学の知識を深め、なおかつ、母との人間関係に置いて苦しみの中で人間性を磨いてきたヒロイン。
20年あまりの年月をかけて磨かれてきた人間性は、ここに到って揺らぐことはない。
しかし、美貌にも生まれにも財産にも恵まれ、長年をかけて築いてきた女王様気質を覆すに至ったエディスの変化の方に、むしろ注目してしまった。

梨木香歩氏の解説も、とても良い。

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2014年08月30日

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