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――クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、歴史は変わっていたかもしれない。
こんな名言が誕生するほど、昔から議論の的となっている「美醜」。
この作品は、美しかった大女優の母・淵 透世と違い、醜い容姿で周囲からいじめられている累(かさね)が、母に託された口紅の不思議な力で他者の顔と入れ替わり、望みを叶えていく物語。
口紅という変身アイテムに「テク○ク○ヤコン」的なキラキラ魔法変身少女を期待すると、大きくしっぺ返しを食らうのでご注意を。
累が葛藤するたびに母の幻影が現れ、悪魔のような囁きを続ける。さらに一度覚えてしまった「人に羨望のまなざしを向けられる快感」は、麻薬のように累を虜にし、次の欲望を生み出す。
累の名前は江戸時代に流布した「累ヶ淵」という怪談を彷彿とさせ、物語に登場する人々の執念は底知れぬ淵にも似たものがある。
累の絶望を知ってなお、「人は見た目じゃない、心だ」と言えるだろうか?
作者はまだ新人とのことですが、これが初連載作とは思えないほどの構成力で、特に目力が素晴らしく引きこまれます。表紙の美しい瞳に魅入られたら、ぜひ。
Posted by ブクログ 2021年07月13日
うーん。元々誘は、それほど強い悪意を持って透世に近付いたわけではないというのがやるせない。それにしても透世はなかなかに馬鹿な女だ…。こんなだから良いようにやられるんだよ…。そこが彼女の魅力なのかもしれないけれど。
海道与の与えた影響があまりに大きすぎた結果が、2人を益々地獄に引きずり込んだのだろうね...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年11月13日
野菊の企みはすべてバレていた…
裏切られた累はショックを受けつつも、吹っ切れる
完全に母と同じく顔を提供するだけの駒となる
誘の過去編
忌み子として生まれた誘は隠されて育つ
ある日顔を交換できる口紅を手に入れ、村に火を放ち逃げる
たまたま転がり込んだ劇場で透世と出会う
演技が苦手な透世の代わりに舞...続きを読む
最初に全てのプロットを組んで書き始めたのかな?と思うくらい絶妙なバランス加減で進むストーリー。過去の回想も面白いがやはり現在で起こる演劇でのドラマが面白い.
Posted by ブクログ 2018年11月13日
野菊の計画、失敗するとは思っていたけど累にもバレてたー。累にも気付かれないうちに羽生田さんが止めるとか、そーゆう展開かと予想してただけに驚き。カーテンコールでの累の笑顔が怖すぎた。野菊は状況が一変して監禁されることに。累はもう吹っ切れて咲朱として完成してしまった感じだけど。「あなたの母親を不幸にした...続きを読む
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