八月の御所グラウンド

八月の御所グラウンド

小説・文芸
781円 (税込)

3pt

京都を舞台に忘れえぬ時を描く直木賞受賞作
万城目学、ホルモー・シリーズ以来の青春京都小説にして、
第170回直木賞受賞作!!

八月の京都の暑さに勝てる者などいない。
すべての者は平等に、ただ敗者となるのみ――。

四回生の夏休み。
彼女にフラれて京都に取り残された大学生がひとり。
京都の暑い暑い夏。絶望的なほどに粘っこい空気のなか、朽木が自転車を漕いでいるのは、五回生の友人・多聞に焼き肉を奢ってもらうためだ。
ようやくありついた焼肉。
しかし多聞は、なぜかおもむろに野球の話をはじめる。
話が妙なほうへ転がり出したのを感じていると、
多聞は、朽木に貸した三万円のことを持ち出した。

「タダより高いものはないのだよ、朽木君」

送り火の季節、こうして謎の草野球大会「たまひで杯」に巻き込まれることになり……。
(「八月の御所グラウンド」)

十二月に開催される全国高校女子駅伝。
今回は走ることはないと思っていた一年生の坂東だったが、先輩の体調不良で急遽アンカーを走ることに。
しかし、坂東は絶望的なまでの方向音痴なのだった。
(「十二月の都大路上下(カケ)ル」)

京都で起きた幻のような出会いは、じんわり優しく、少し切ない。
心の奥底に火をともす、奇跡のような二編の青春小説。

単行本 2023年8月 文藝春秋刊
文庫版 2026年8月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。

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八月の御所グラウンド のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     中編2作とも良かったが、やはり表題作が素晴らしい。真夏の野球グラウンドで起きる出来毎に心震わせ、深い余韻が残る。今年読んだ本の中でも、トップクラスの出来映え。
     万城目学、個性豊かなキャラ作りが本当に巧い。

    0
    2026年09月26日

    Posted by ブクログ

    駅伝の話も面白かった。
    しかし、それ以上に御所グラウンドの話は、読み終えて、スゲー…と唸ってしまった。
    ダラダラと続く京都の暑さのごとく、ダラダラと、何故にか草野球大会が展開されていく中、唐突な、一迅の豪速球が物語の沈黙を破る。日常世界から急に非日常なファンタジー世界へと連れ込まれる。
    非日常なファンタジー世界でありながら、夢と希望に溢れた類のものではない。我々が今生きている世界と地続きの、かつて存在し、多くの若者たちが生きたくても生きられなかったあの世界である。
    時代に翻弄され、己の望まぬ人生を歩み、命を落とすこととなった若者たちを想像すると文字を追う目にじわりと涙が浮かんでくる。

    私たちは、確かに、生きているのか。

    心に火を灯す物語であった。

    0
    2026年09月25日

    Posted by ブクログ

    何が起きても「京都だから」で済ませる作品群に飽きが来て、しばらく読んでいなかった。しかしこの作品のまとまりかた、京都であることの必然がとてもよかった。

    セカンドハウス!

    0
    2026年09月25日

    Posted by ブクログ

    私の超絶お好みの作品でした!駅伝と野球の短編作品でしたけど、とにかく面白い!!ちょっと不思議でありそうでなさそうで、でもありそうな話で、そして少しホロっときて、ちょっぴり感動して、よし!ってやる気になる本。私はめちゃくちゃ気に入りました!

    0
    2026年09月16日

    Posted by ブクログ

    万城目学さんらしい、京都が舞台の2作品。
    駅伝の甲子園と言われている全国高校駅伝。
    実際、毎年都大路を走る姿は、思わず見惚れてしまう。大好きなスポーツのひとつでもある。
    高校生だからというのもあるのだろうか?とにかく惹かれる。雪の中走る姿は感動そのもの。
    物語はその駅伝。突然メンバーとなった一年生の葛藤と活躍を描く。その中に何故か新撰組が登場するのだけれど‥‥
    それこそ万城目さんらしい。
    その奇抜な設定がまったく違和感なく組み込まれている。また来年もきっとこの子たちは、都大路にやってくる!そう思わせてくれる。

    もうひとつの表題の物語は、また違った感動を与えてくれる。
    京都は学生がやたら多い。大学が多いから。
    だから8月、お盆の頃は学生は少ないのだろう。
    そんな時期に何故か催される野球大会。
    大学の教授に卒業という人参をぶら下げられた学生が、教授の願いを請け負うことに。
    朝から集うなんだかわからない集団の野球大会。
    毎回、メンバーが足りないのに、何故かどうにかなってしまう。
    御所グランドでの拙い野球大会はそれでも、大盛況!そんな中ある事実が浮かび上がってくる!
    京都だし、お盆だしの心温まる物語。
    素敵でした!
    解説がなんと!陸上界で大活躍の田中希実さんでした!

    0
    2026年09月12日

    Posted by ブクログ

    万城目学さんの作品は読んだことあったが、本作は直木賞受賞作とのことで大きな期待を持って読んでみたところ、こんな漫画みたいな展開が待っているとは想像していなかったので驚いた。居酒屋べろべろばあの名前が出てきた時は、思わず「鴨川ホルモー」のことを思い出しまた読み返してみたくなった。実に面白い小説だった!

    0
    2026年09月06日

    Posted by ブクログ

    現実にはいるはずのない人物たちが、何事もなく活躍している不思議。京都や野球を知ってるからか、すごく身近に感じた内容であった。田中希実さんの解説にあった「人は、目に見えるものしか信じてくれない、目に見えないとなかったことにされる」という言葉が印象的。目に見えない情報こそ大事にしたいと感じた。

    0
    2026年09月05日

    Posted by ブクログ

    ほぼ一気読み。万城目さんならではの展開で楽しめた!田中希美さん(陸上選手)の解説らしからぬ解説も興味深く拝読した。

    0
    2026年09月02日

    Posted by ブクログ

    直木賞受賞作品とあった事から手に取りました。タイトルの「8月の御所グラウンド」は私に共通する場面が沢山あり興味深く読みました。北京オリンピックが開催された時は中国赴任中だった事、学生時代は野球部に所属していた事、そして京都に住んでいる事、
    想像を超えたストーリーの中にメッセージ性も盛り込まれていました。時代が大きく変わりましたが歴史に翻弄されながらもその時代を必死に生き抜いた青年達を思い浮かべながら読みました。とても心に残る一冊でした。

    0
    2026年09月01日

    Posted by ブクログ

    スポーツ×京都×不思議の2編の青春短編集。 スポーツの事は全く分からず、きっと野球を知っていれば情景が広がるのだろうと思うのだけど、登場人物の心情もきっちり描ききっているので最後まで楽しめた。不可思議に答えはないですね。

    0
    2026年08月29日

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