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Posted by ブクログ
25年前の誘拐殺人事件の被害者となった家族に向けられた噂が、新たな事件を呼び起こす社会派ミステリー
25年前、老舗デパートの受付係をしていた新沼紗英が誘拐され殺害される
そして、地方の小さな町で事件についての噂が流れる
「被害者の父親が保険金目当てで殺害を依頼したらしいよ…」
「新沼紗英は子どもをひき逃げしていたらしい…」
そんな興味と好奇心だけで広まる「噂」という火の粉が瞬く間に広がり、被害者家族は孤立していく…
そして25年が経ち、被害に遭った新沼家は再び事件に巻き込まれていく
「なんで、またうちが…」
本作ではそれぞれの登場人物の内面が丁寧に描かれ、被害者家族のみならず、加害者家族、彼らを取り巻く人達にさえ感情移入してしまい、胸が熱くなる
そして後半で新沼紗英の父親が放ったある言葉に嗚咽する
言葉は暴力にもなるが、また救いにもなる
改めて自分が発する言葉とも真剣に向き合いたいと思った
Posted by ブクログ
何か問題がありそうな巽コーチが廃校となった奥野小学校で指導してるサッカーチーム選手の個人指導をしているところに行きあった速斗と一樹。見つかってしまい、追いかけられて廃校に逃げ込み、ついに探していたものに行き着きます。このピンチを脱出できるのか?というハラハラの展開で始まる下巻です。上巻で“怪しいな、コイツ“と思っていた巽コーチ、本間先生、収監されている久我が隠していること、それらの真実が少しずつ明かされていき、噂のモヤが晴れていきます。
現実ではこんなにスッキリとはしないだろうけど、全ては何か完璧じゃなかったことに起因しているのかもしれないです。遺品が見つからず、遺体も突然現れたのに事故として放置された田村晋也。子どもたちの被害の声もあったのに放置され続けたサッカーチーム。噂を晴らすのは確固たる真実なのかもしれません。逆に言えば真実が不明瞭なうちに関係者でもないのに感情や憶測を不特定多数が見られるような場所で発信してはいけないなぁと思いました。そして、辻村深月さん、こちらの期待を越えてくるのがすごいです。暗い話でしたが、読後感は悪くなく、大変面白かったです。
子どもに不埒なことをする人や殺人あり、中学校以上向けです。
Posted by ブクログ
上巻に引き続き、下巻が怒涛の面白さ!
行方不明の子供、周囲の大人達、繋がる情報と事件、
揺れ動く衝撃の真実!!!
とても読みやすくテンポよく展開される物語で次々に読み進めてしまう。
嘘と噂が作り出す複雑な心理模様や人間関係の変化、些細な感情の揺らぎ等を見事に表現されていて、上下巻通してファイアドームの世界観にどっぷり引きずり込まれました!
なんと言ってもこの緻密な描写は筆舌に尽くし難いですね、だって読者の感じ方によって様々な感じ方を出来るだろうなと思えるので。
内容については触れません、是非読んでこの世界観を体験して欲しいです。
僕はこの世界を彩る文字のひとつひとつが自分を包むファイアドームに感じる程楽しみました!!!
Posted by ブクログ
「人の噂も七十五日」と言うが、本作における噂は二十年という歳月が過ぎてもなお、消え去ることはない。二十年前に誘拐致死被害に遭った紗瑛は、根も葉もない噂によって、同時期に起きた晋也のひき逃げ事件の加害者という疑惑を向けられ続けてきた。そして、その悪意ある噂はさらなる悲劇を引き起こす。
悪質な噂に対峙したとき、人はどう傷つき、どう振る舞うのか。心を閉ざす者、吹聴する者、自分に都合よく解釈する者、そして必死に食い止めようとする者。それぞれの立場から生まれる人間心理が交錯し、見事に描かれていた。自分なら、浅はかで不確かな情報には関わらない。それくらいしか思い浮かばなかったが、作中で真実と誠実さをもって噂に立ち向かっていく姿には、大きな救いを感じた。
帯にあった「噂は軽薄で残酷な娯楽」という言葉通り、被害者である紗瑛のみならず、美冬にまで噂の刃が向けられた展開には身につまされる思いがした。だからこそ、人は悪意ある噂の前にただ無力なだけではないのだと知らされ、心から胸を撫でおろした。
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