【感想・ネタバレ】ファイア・ドーム 下のレビュー

あらすじ

お前の家は、人殺しだ。

真実を知っても、人は忘れていく。

25年前の夏、この町には炎が降り注いだ。百貨店受付嬢誘拐殺人事件という、身近で突然起こった全国レベルのニュースを、誰もがいつまでも終わらせたくなかった。傷ついた人をさらに傷つけてしまった土地に、事件の火の粉は、まだ残っている。夏の日、写生遠足の帰りに姿を消した少年は無事に帰ってくるのか? 25年前の事件には、「まだ明かされていない」事実が本当にあるのか?

「病気なんかで、死ねると思うな」――本文より

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

犯人が捕まって終わりではないことをこの一冊の総数からも感じた。
噂で人の人生がどうなってしまうか、噂を言った本人たちは覚えてもいないようなことかもしれないのに…
日頃の時間でも口に出さずとも勝手な憶測で印象付けて、自分の心に留めてしまっていることがあると思う。人の無意識の習性みたいなところを掘り下げている。

0
2026年09月07日

Posted by ブクログ

上巻の終わり方が気になりすぎるので、下巻をそのまますぐ手に取る。そして読み終わってしまった…

下巻は冒頭からクライマックス。手に汗握る展開からページを捲る手が止まらない。次々に事件の真相が解明されていき一気読みさせられた。

25年前に起こったデパート受付嬢誘拐殺人事件と田村晋也くんの事件。そして新たに起こった戌井光汰朗くんの失踪事件。関係ないと思われたそれぞれの事件の真相とは…

事件によって大きく人生が変わってしまった被害者遺族や加害者家族。荒唐無稽な噂がもたらした影響や翻弄された人々。登場人物一人ひとりのドラマがありありと描かれ、心を揺さぶられる。ミステリーを読んでいて、感動でここまで涙することがあるとは…

このボリュームだからこそ描くことができた壮大なヒューマンミステリー。良い読書体験だった。こんな素晴らしい作品に出会えた、この夏は忘れない。

0
2026年09月06日

Posted by ブクログ

上下巻長編小説。読み終えるまで長かった〜笑
でも、社会派ミステリー、エンタメ要素ありで読みやすかったかも。

被害者の家族、加害者の家族、先生、子供、警察、記者さん。いろ〜んな人が絡み合い、どの視点から読んでも心に刺さるシーンがあると思う。
辛くなるシーンもたくさんあったけど、人の心の中が明らかになっていくのでかなり引き込まれていった。
特に上巻の最後から下巻まではページをめくるのが早かった〜!

この本のテーマでもある無責任な噂も、人は加害者にも被害者にもなり得るんだと思うと苦しくなった。。

⭐︎噂が広がる一因となるのはまぎれもなく私たちの興味と好奇心だ。悪意だという感覚すらない。
⭐︎だからこそ、きちんと取材して、真実を届けることに意味がある
⭐︎受け手に土壌がなければ、人はたとえそれが事実であっても、事実を事実の通りに受け止められない。

0
2026年09月05日

Posted by ブクログ

面白かった…。個人的にミステリーが大好きですが、事件に区切りがついて希望の光が見える被害者遺族の最後の姿に涙が出たのは初めてです。
記者の視点、被害者遺族の視点、加害者家族の視点、噂に振り回された第三者の視点、それぞれの視点から事件の全容が明らかになっていく様がとても丁寧に書かれており、人によってはなかなか進まないので退屈に感じるかもしれませんが、私はどんどん物語にのめり込んでいきました。

噂という娯楽の恐ろしさ、そして当たり前のように忘れ去り、人を傷つけた自覚の無さ、自分にも心当たりがありすぎて…SNSもそうだけれど、面白おかしくだけではない、もっと周りの事を考えて発言していきたいと感じました。

0
2026年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

⭐︎5.0

25年前に誘拐事件が起きた町で子供の誘拐事件が発生し、その事件との繋がりや真相が解明されていく話。

傑作。
心情描写がとんでもなく上手く、上巻前半では美冬に感情移入しすぎて読むのが辛かった。そして、光汰朗くんが生きているとわかった時の嬉しさも半端ではなく、こちらも涙目になってしまった
被害者遺族、加害者家族、子供達、そして噂を広めてしまう世間の心情までも見事に描き切っていると感じた。

展開も(いい意味で)令和らしく、読み終わったあとにとにかく各登場人物に「良かったねぇ」と声をかけてあげたくなる。

晋也くんの事件も光汰朗くんの事件も犯人自体は察しがつくが、それが判明するまでの経緯や判明してからの描写も素晴らしい。
辻村深月先生の本は初めてだったが、他の作品も読みたいと強く感じた。
(上巻前半ほんと優しい子供達だけが光で辛かった…)

0
2026年09月04日

Posted by ブクログ

上下巻で重厚感ある内容でした。登場人物が少なかったのも良かった。ひとりひとり丁寧に描いててみんなに感情移入させられるのは筆者の力量のたまものか。ふだん新聞は読まないけど、こういった記事が書かれているのなら読む価値あると感じた。新聞社の人はどう感じたのかな?

0
2026年09月04日

ネタバレ 購入済み

現代の誘拐事件は過去の事件とそれに関わる噂にとらわれたひとによる犯行だった。子どもが危険な目に遭い、それによって傷つけられたひとも多くいるが、その犯罪行為によって過去の真実を知る人がそれを明かすことを選んだ。田舎の噂が都会には届いていないというのも、スノードームのように隔てられた世界が想起された。

#泣ける #感動する #ドキドキハラハラ

0
2026年09月04日

Posted by ブクログ

小学4年生の男の子が誘拐されてしまう話

圧巻!年間ベスト確定。購入は必ず上下セットで。伝聞の不確かさと人間の感心について書かれた本。実態のない悪意のない噂に人生を狂わされた人たちの、不幸の連鎖を止め真実を正確に伝える決意と葛藤に涙が溢れる

東野圭吾の『白夜行』や宮部みゆきの『模倣犯』を読み切った時のような、壮大で重厚な物語を味わった読後感だった。今後確実に「辻村深月?あぁファイア・ドームの人ね」となるだろう

0
2026年09月04日

Posted by ブクログ

人間が噂話を好きなのはDNAに刻まれた生存本能という話を聞いたことがあるけど、人間の本能とインターネットって本当に相性が悪いな……とつくづく思った。インターネットに限らずだけど、噂話、特に「『本当は』どうだったの」って言葉はどうしても興味を持ってしまう。
登場人物や噂が引き起こす出来事に対して嫌気が差すと同時に、お前も無関係じゃない、なり得るんだぞって言われてる気がした。
「誰も当事者にならないし、反省しない」という噂の性質を理解して、人を傷つける可能性がある噂の扱いに慎重になる人が増えてほしいと思った。
それと同時にネットリンチを行うような一番読んで欲しい層には届かないんだろうなと思い少し悲しくなった。。

上巻がとんでもない場面で終わるから二冊とも手元にある状態で読めてよかった。
最後はいろんな登場人物それぞれにとって美しい結末だなと思った。

0
2026年09月04日

Posted by ブクログ

何度も呼吸が苦しくなった

自分が息を止めて読んでいることに気がついた

呼吸するのを忘れてしまうほど
時間が経つのを忘れてしまうほど

切なく、哀しく…
あたたかいお話でした





0
2026年09月03日

Posted by ブクログ

上下のまとめての感想です



めちゃくちゃ面白かった
圧巻でした
楽しみに待っていた甲斐がありました




これだけの長編


何度も息を呑み、
何度も唸りました


先が気になりすぎて
ちょっとページを覗いてしまったり


声が出る時もありました
涙が出る時もありました



心臓がバクバクしながら読んでいました
胸が潰れそうになることもありました



事件の行方、登場人物それぞれの想いが丁寧に描かれていて、思わずこの先の未来に想いを馳せてしまいます



こんな作品が描けるって本当にすごい
やはり辻村さんすごいなと感じました





今年ベスト3に入る作品です
(今年ベスト3がもう2作決まっちゃったけど大丈夫かな)





巧みな構成で、もうなんてレビュー書いたらいいか全くまとまらないです





大きなテーマは『噂』でしょう




読んだ人誰でも該当する話で、
物語を読みながらも自分のことと捉えて考える人もいるでしょう


過去を振り返ってみて
反省する人もいるかもしれません
直視したくないと思う人もいるかもしれないです



普段なら炎上したニュースとか見ても
私はそんなことしないと思ってしまう


SNSの書き込みとかはしないしね、
人の噂話も苦手だし。とか。
他人事として捉えてしまう



でもこの作品を読んで、
自分のことを振り返る機会になった人は沢山いるはず


そうやってちょっとでも自分の言葉を見直すきっかけをつくれたらという作者の願いも感じます




悪気なく言葉を発してる人に、その怖さを知らせるには充分すぎる作品でしょう



それくらいそれぞれの想いが胸に突き刺さってきました。読んでいて苦しくなりました。


私も自分の言動を振り返らずにはいられませんでした




いろんな人に読んでもらいたい作品です

素晴らしい作品と出会えたことに感謝します

0
2026年09月03日

Posted by ブクログ

この作品を読んで私が考えさせられたのは、本の主題と言える「噂」というものの恐ろしさだった。

噂という、根拠のない軽薄な娯楽によって人の行動も変わる。
その割には、噂を広めた人達にはそのような記憶は残らないということも多い。それほど、噂は軽薄な娯楽。

人は人間性、倫理観、またはそれざれの価値観といったものなどから噂を生み出す。そしてさらに噂が噂を呼び、人々はそれぞれ別の噂を信じ込む。

噂はグループとなっているわけではなく、個人がそれぞれに違った解釈をして、それを繰り返すことで、いつの間にか事実とは異なる妄想になっていく。

人が人を批判した時、批判された側は、いい評価より悪い評価を見てしまう。さらに、基本的に人間はプラスの印象よりもマイナス印象のほうが記憶に残ってしまう。

さらに恐ろしいのは、噂を囁く多くの人々に、必ずしも悪意があるわけではないということだ。

ただ伝えた人からすれば、「こうなのではないだろうか」と思ったことを、ネットなどで人に伝えたに過ぎない。しかし、その言葉を見た人が噂を信じ込み、それをその人が行動の根幹や根拠としてしまえば、人の気持ちを傷つけるものになる可能性がある。

具体的な例としては、関東大震災だ。
関東大震災の後、「朝鮮人が井戸に毒を入れている」という話があり、民間人が朝鮮人を殺し、軍も噂に乗じて朝鮮人を殺した。

恐怖や興味、好奇心などから来る妄想が人を追い詰めてしまう。

これほど怖いことはない。

娯楽が人を堕落させるのは、歴史からも読み取れる。軽薄で、悪意もなく、気づけば一つの大きな刃となって被害者や関係者を襲う。

ネットなどで人が様々な意見を言うが、所詮他人事でその発言で他人に与えた影響に、最後まで責任を持つわけではない。

「二次被害」と言うものは、事件の後に起きるものの、終わりはない。
心に楔を打たれれば、何かで塞ごうとしても穴はある。
その穴が大きければ大きいほど、心は比例して壊れていく。
だからといって、噂をすることを悪いことだとは思わない。

学校の女子だって、恋バナでキャアキャア言っている。

要は、その娯楽を自分がどう捉え、どう扱うかって信じるかだ。

私はこの先の人生、誠実に生きるためにも物事をしっかりと考え、自分事として捉えて学ばなければいけない。

思想などの物事を捉えるための道具を拾い、その道具がその物事に適したものなのかを考えなければいけない。

絶望に押し殺されてしまった時、頼れる何かを見つけていなければいけない。
それはきっと学生や社会人のみならず、死ぬまで続くのだろう。

学びは義務などではなく、あくまでも権利だ。

幸せになるための権利。

でも、それと同時に、やはり生きるための道具なのだろう。

学生の私にとって、社会に出る前の私にとって、学びの大切さや重要さを今一度教えてくれた。

900ページ書くだけのことはある。

学ぼう。学んで読み返そう。

そうすればきっと、もっと幸せになるためのヒントがあるはずだから。

0
2026年09月03日

Posted by ブクログ

上下巻、それなりの厚さがあったけれども、ちっちり内容も濃く、読み応えがあった。ちょっと宮部みゆきさんを読んでいるかのような錯覚をおこしたりもした。
複数の事件が絡み合って、それが一つのラストにちゃんと終結していくところは見事。
そして噂の怖さ。
噂をしていた本人たちが忘れてしまう、当時は自分はそうは思っていなかったとか、ほんとにこのパターンあるよなと思う。
最後は救いのある終わり方でよかった。

0
2026年09月01日

Posted by ブクログ

解決編

子供たちが凄い
小学生4年生リアルに書かれてると思った
意外と大人なんだよね。
大人の気持ちまでわかってる、わかってて子供やってるところある

0
2026年08月31日

Posted by ブクログ

犯人は誰か、ときかれると、どの??という答えになるような結末。最終的に、後味が悪くなるようなストーリーでなく救いがある感じが好き

0
2026年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

辻村さんの過去作品に比べて、ダントツの出来栄えでバランスのとれた小説。第3章が意図的に上巻と下巻に分けられているので、手法の評価をともかく、ページターナーとしては圧倒的な効果だった。口伝やSNSなど手法はあれど、広まった噂から誤導された妄実に圧し潰された人々の物語。被害者家族としてだけの物語ならば普通の話になるが、多面層として描かれることで、強いメッセージを持つ物語になった。全体のトーンは、上巻と下巻で大きく変わった。連載時からしばらく経っての発刊は準備万端、満を持してということだろう。

0
2026年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

過去と現在の事件が重なり合って浮かび上がった衝撃の真実。これだけ複雑な物語なのに無理矢理な展開もほぼ無く、登場人物一人一人の苦悩や覚悟の描き方がとても丁寧なのでそれぞれに感情移入しながら読み進める事が出来た。
光汰朗、生きてて良かった…。保護されたのに犯人の話をしたがらない理由、本間に言われたことを話せなかった理由が「おじいちゃんの大事な子どものことだから聞けない」って。あの日どんな覚悟で学校に向かったのだろう。この小さくて優しくて勇敢な命が新沼家に帰ってきて本当に良かった。
忠治が本間に放った「殺さないでいてくれてありがとう!」もなかなか胸に響いた。孫を攫った憎むべき相手なのに矛盾してるのに忠治の気持ちが痛いほど分かる。この納得のさせ方が本当に上手で凄いと思った。本間先生も後悔してくれて良かった。てにかけなくて良かったと安堵してくれて良かった。
物語の終盤、みんながそれぞれの平穏を取り戻して生活してる描写だけで涙が溢れた。暁と祐介もどうか幸せになって。
美冬と透真、教師と記者として互いに成すべき使命を見つけて覚悟決まったから、別れてそれぞれの道で頑張ろうendになるんかなーと思ってたら、あら意外と?透真はこれから伝えてくれるのでしょうか。

いや⸻、凄い作品でした。長かったけど最後まで完走できて良かった。言葉の重みを私も感じながらこれから生きていきたい。

0
2026年08月31日

Posted by ブクログ

最後の、記者として腹を括った透真の思いは、職種は違えど“言葉”を扱う作者自身の思いであり誓いなのだろうな、と感じた。

0
2026年08月30日

Posted by ブクログ

人の悪意から始まったが、善意で締めくくられて良かった。
後味がわるかったら、眠れなくなるところだった。

0
2026年08月30日

Posted by ブクログ

速斗と一樹は少年サッカーライバルチームのコーチ・巽の車を廃校で発見した。見出されたメンバーとの秘密の特訓が行われるという話だが様子がおかしい。
巽に追いかけられて逃げ込んだ廃校で、まさか行方不明の光太朗を発見するなんて。美冬の依頼で探し回っていた桜木と地域の見回り員が保護して通報、行方不明事件は解決に至ったと思われたが…。


下巻は隙間時間があれば頁をめくって、細切れでもどんどん物語に引き込まれていった。現在発覚した2つの出来事、児童虐待と誘拐時間のあらまし。25年前の2つの事件の顛末。いやぁ、面白かった。
時効成立した未解決事件をどう進めていくのかと思ったが、ひとりひとりの責務と執念で明るみにした。緊迫した場面が続くところはハラハラが止まらなくて。
全てが「終わった」と紗英の墓前に報告する場面は新沼家と共に涙が止まらなかった。

久しぶりにあぁ~読書楽しいって時間を過ごせた。辻村先生ありがとうございました。

0
2026年08月30日

Posted by ブクログ

派手な作品ではなく確かに長いが、脳内に映画みたいに映像が浮かんでくるので飽きずに読み進められた。
本筋とは関係ないが、責任を取る側の立場で考えてしまった。

何周回って考えてもタイトルが秀逸。

0
2026年08月30日

匿名

ネタバレ 購入済み

面白いです。
でも、タフでしんどい話なので心身のパワーを削られまくって、クライマックスで一度数日リタイアしました。頑張って最後まで読みましたが。


ー 殺さないでくれてありがとう!

何という言葉だろうと思う。 
この言葉が焼き付いてしまう私もまた、喪失を知っていると言うことなんだな。


このしんどい話の中で、
光汰朗君、速斗君、一樹君が出てくる場面が救いでした。

0
2026年06月14日

Posted by ブクログ

さすが辻村さん、ぐいぐい読ませる筆力でした。
面白かったです。
「噂」で人生がこれだけ翻弄されてしまうんですよね。小説ですからもちろん極端な例かもしれませんが、ありうる内容。
私見ですが本屋大賞間違いなしかと!

しかし犯罪を犯した方は、変わらないんでしょうか。
変われないんでしょうか。
ある意味心を病んで犯罪を犯すのかと思いますが、その前になんとかできないものかと。

0
2026年09月06日

Posted by ブクログ

上下巻のある大作だが、辻村深月さんの作品は、流れるような文で、選択された言葉も平易で分かりやすくとても読みやすい。
解決したはずの25年前の百貨店受付嬢誘拐殺人事件と、未解決の小学生のひき逃げ、遺棄と思われる事件、それに現在の小学生失踪事件。
様々な人が悪気なしに発信し、そこに安全地帯から好き勝手に拡散する人がいる『噂』がテーマ。
しかし、それだけではなく、登場人物それぞれが傷つきながらも重なり合う。
上巻の最後が緊迫した場面で、下巻はゆっくりと展開したが、爽やかなエンディングだった。

0
2026年09月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2026.09.05

上巻がかなり不穏な展開で終わってしまったので下巻を読むのが怖かった。
でも上巻より救いがあり上巻での伏線回収もきちんとされ、良い終わり方だったと思う。
下巻序盤に、巽が廃校の小学校で逸斗たちと遭遇してボールを蹴り込んでからの光汰郎を見つけた流れはとてもドキドキハラハラさせられた。
それと、金子兄弟が久我の更なる罪を告白するところも胸が詰まった。

かなり社会的に重たいストーリーであり、自分の何気ない無責任か「噂話」を日常で気に留めるシーンは少ないので、この小説を読んで、過去自分はどうだっただだろうかと不安になった。たぶん根も葉もない噂を信じ、または面白がり、それを吹聴してしまったことも何度もあると思う…。

とにかく読みやすくてストーリー構成もとても上手で、力のある小説家はやっぱりすごいなと唸らされた。このボリュームで一度もダレずに読み終えられたことが素晴らしい。

0
2026年09月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人の噂の恐ろしさという新たな知見を得た。今後色々なニュースを目にした際に、改めて考えるきっかけになったと思う。話の内容に関しては、正直長いと感じたが、面白かった。最後はスッキリしてよかった、、

0
2026年09月02日

Posted by ブクログ

上巻読み終えた時点で感じていた、気持ちの悪さ。
その感情の深度がどんどん深まってゆく。どこまでも果てしなく。祈りを求めることが、この物語におけるたった一つの真実であるかも知れない、という希望を塗りつぶしてゆく悪意の深さ。黒い光というものはないけども、じわじわと着実に、ひたひたと静かに押し寄せてくる暗黒の前に慄くしかない。

これは犯人の告白から出たもので、彼からすると告白という行為自体に悪意がないのが、読者を含む第三者には悪意となって目の前に現れる、というのが本当に恐怖でしかない。未知のもの、理解の及ばないものに対する恐怖は、これです。
人を傷つけようとかの思考hないんだよ。ただただ、秘密の暴露をしたい、というある意味では純粋な気持ちで行なっているのが、非常に気持ちが悪い。
無自覚の悪意によって生まれたファイア•ドーム。一つ一つは小さいものでも、多数となり止められなくなってしまった炎の勢いにまかれる怖さが上巻で感じたものでした。

一人の炎。埋み火となって隠されていた炎が、再び発火したときの強さと熱さに感じる恐怖。このままでは明らかに焼かれてしまう、という恐怖。
過去と現在で田舎町で発生した事件。ファイア•ドームの発端であるほくちが、一人の軽率な行動、身勝手な思考にある。火種を消すことができず発火し、無自覚無責任な多くの人間の煽動で燃え広がり、燃えさしがなくなったところで唐突に鎮火してしまった。
表面的には。
消えない消せない焼け跡を隠して過ごした人たち。熾火として自分の正義を焦げつかせた人もいた。惨禍を忘れないよう真実の追求と、自省をつづけた人もいた。
誰もが、あのドームの中で受けたものと共に生きてきた歳月を、無邪気に見せつけ無慈悲に破壊する所業は悪であると思います。

どれだけの炎がドームの中で燃えていたとしても、ドームの外にいる人にとっては、何も響かない残さないという残酷な事実。自分は、読者として神の視点であっても、この田舎町に存在しているという気持ちが少なからず生まれていた状態で読み進めていました。多少なりとも、この事件に関しての不安な不穏な雰囲気は感じていたのですが、ドームの外からの視点を語られたときのショックの大きさ。そして、神の視点にいる以上、そういうものだよな、と納得してしまう自分の冷静さも怖さでありました。結局のところ、無自覚無責任にドーム内を燃え広がらせた人たちと変わりはいないのだなぁ、という感覚です。


この事件にとって産み出されたファイア•ドームは、消えることなく存在し続け、これから先も炎は消えることなく、ドームの中にあり続けるのでしょう。真実が語られ始め追及と解明が進んだ先に、閉鎖されたドームが壊された時に、炎は消えるのだと思います。

焼き尽くされた大地からでも、生命は生まれ育まれます。その大きな力で、ドームをぶち壊してくれることへの祈りがやまない。
芽吹きは確実にある。今回の事件の結果、生まれた新たな繋がりは、必ず未来への希望となるはず。


圧倒的なまでの悪意の黒さに嫌悪と拒絶を覚えた物語でしたが、それに負けない、と立ち向かう強さに支えられながら読み進めることができた、と思います。
職務への誇りや、人としての倫理観も大きく支えてくれましたが、友達への友情が最も誇らしく素晴らしい。犯人に感じた悪意は、人間の根っこから生まれたようなもので、説明がつけられない感覚になりましたが、自分が立ち向かう助けになったのは、同じく根っこから発した単純な感情によったと思います。
根源の悪意と善意の物語だったなぁ。

0
2026年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻は途中で読むのダルなったけど、上巻の最後から下巻はおもろかった。
美冬がしんどい時に、透真がインタビューしたいって言うたのはドン引き。そんで、別れようって美冬が言った後に、1人になったらダメだよ的なこと言ったのまじでお前のせいで孤独になるねんぞ!!!って思ってマジイライラした。
あとは、良い人やと思ってた整骨院の先生とか何か事件が起こった時に、期待した行動をとってもらえなくて美冬が裏切られたって思うシーンも美冬が勝手にその人に期待してしまってるから悪気なく裏切られた気がするけど、そう言うことって私らも体験したことあるし、勝手に良い人、自分の都合のいい行動をとってくれる人って思ってしまうから裏切られたとか思ってしまうんかもなってのは思った。
ドラマの考察が流行ってるけど、そんな感じで未解決事件が起きた時に、当事者以外はどこかで勝手に信憑性のない根拠のない噂を元にあたかもあってるかのように考察して犯人を特定してどこかで楽しんでしまっている気がする。それが悪いとか良いとかは分からんけど、当事者は出来事だけでも苦しいのにそれによる二重被害?で苦しみ追い込むことになるんやって思った。
久我は、人を殺してなお、世間の目、家族から失望されたくないというを気にして罪を隠して、罪を重ねるっていうどこまで行ってもクソやし自己中。

0
2026年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯人逮捕により事件解決かと思ったとのも束の間、25年前の事件の犯人の告白に翻弄される。被害者家族、そして加害者の息子たちの苦悩が辛いが、「私たちみんなで、一緒に背負おう」という被害者の父の言葉に救われた。
噂とは何なのか?「噂とは軽薄な娯楽」という言葉にドキッとした。自分も「軽薄な娯楽」を楽しんだことはないか?
大きな事件が起きると問題視されるマスコミのあり方も含め、考えさせられる重いテーマだったが、事件を追って一気に読んだ。
希望が感じられる明るさのあるラストで良かった。

0
2026年08月31日

Posted by ブクログ

ファイア・ドーム下巻
地方の小さな町での過去と現在の事件。
怖かった。
聞いた話なんだけど。私も聞いたことある。
そんな一言で噂は真実味を帯び人の不幸がエンタメとなる無責任な興奮。人間の狂気。
噂という軽薄な娯楽。
被害者遺族と加害者家族。
どちらにも悲しみしかなく読んでいて辛かった。
無責任と言う恐怖。

0
2026年09月03日

Posted by ブクログ

面白く無くはないんだが、いかんせん長い。
まず上下巻にすることが決まってから書き始めたのか、と勘ぐるほど、同じ文章が何度も何度も出てくる。
上巻で事件が起こった状況や背景などを地の文が詳しく説明しているのに、下巻で全く同じ文章を裁判中の検察官に言わしていたりする。
よって、物語の余韻が大味になってしまった。
どなたかも仰っていましたが、一冊に纏められる実力が作者にあれば傑作になっていたと思う。

0
2026年09月02日

Posted by ブクログ

 けっこうグイグイ読ませる。
 “噂“ “保身“ “疑惑“ ・・色々、人間たちを惑わすことはたくさんあるということ。
 意外な人物が真犯人だったというのは、推理・ミステリーのド定番であるが、ネット社会の“噂“の拡散の怖さというところを描いている。
 全体の構成は、さすが!

0
2026年08月30日

「小説」ランキング