あらすじ
お前の家は、人殺しだ。
真実を知っても、人は忘れていく。
25年前の夏、この町には炎が降り注いだ。百貨店受付嬢誘拐殺人事件という、身近で突然起こった全国レベルのニュースを、誰もがいつまでも終わらせたくなかった。傷ついた人をさらに傷つけてしまった土地に、事件の火の粉は、まだ残っている。夏の日、写生遠足の帰りに姿を消した少年は無事に帰ってくるのか? 25年前の事件には、「まだ明かされていない」事実が本当にあるのか?
「病気なんかで、死ねると思うな」――本文より
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Posted by ブクログ
子ども行方不明、児童虐待、真犯人が教員、子どもの叔母は25年前の誘拐殺人事件被害者、噂を信じた本間、ひと通り解決してるのにまだ下巻後半があると思った。終わってなかった。久我は子どもを轢き身代金を取れなかった失敗をしていた。それを隠し続け今頃真相を話す。狭い土地に住む人々には噂しか娯楽にならない、そんな一面も強く感じる。噂を気にしたり伝える人もほんの一部、当事者でないから他人事。離れて住む親にも理解してもらえない辛さ。心をえぐられるが素晴らしい読書体験ができた。
Posted by ブクログ
下巻は感情の乱高下がすごかった。
上巻の内容から二転三転、あることが解決して、実は…実は…とどんどん深掘りされていく。
読みながら どんどんこの物語の頑張る登場人物たちが愛おしくなり、最後の方は終わってしまうのが淋しくなって読むスピードを落としたくらい。でも待てずに読んだし、上下巻合わせて3日くらいで読破。
止まらない、そして没入感が凄かった。
是枝監督が自然と子役を捉えるのがうまいように、子供を書かせたら辻村深月先生の表現力は自分の中ではトップ。
瑞々しさ。無垢だけど子どもなりに思考していて行動する。危なっかしくもあるけれど、その行動力、万能感が懐かしい。
大人になってからすっかり忘れていたあの頃の自分の子供時代の感覚が見事に甦る。
辻村深月先生がなぜ今もなおここまで見事に子供の心情を掴むことが上手いのか…って、Another side ofか図書室で暮らしたいとかに収録されてましたっけ?どこかで目にしたことがあるような。
光汰郎の救出劇に。
アキラとユウスケの告白に。
紗英の最後に。(新聞に父が寄せたコメントが最期ではなく最後なのは意図してなのかな)
ぼろぼろ、涙が出てくる、込み上げるものがある。
心を打つ 読み応えのあるシーンがいくつも出てくる。
こんな風に胸が震えるのは、いつぶりだろう。
大好きな辻村深月先生。
2008年に子どもたちは夜と遊ぶで出会って、浅葱の幸せを心から願ってから、単独で出版されてきた著作は全部手にとってきました。
どの本も、出版社別で個性があり、細やかな心理描写、ルサンチマン、カースト、嫉妬などの捉え方がうまくミステリー、少し不思議な展開も見事。
でも、何より、やっぱり、最初の頃の講談社ノベルス時代の作品に出てくる登場人物の輝き。あの頃に触れた辻村作品は自分の中では特別。
あの頃はあの頃だからこそ書けたもの、今は今で新作の輝きがあると思って追いかけてきたけれど、ここにきてあの頃のような必死に頑張る登場人物と今の先生だからこそ書き切れる出来事が高水準で合わさって傑作が生み出されるなんて。
本を読みながら、辻村深月先生だけでなく、編集者さん、校閲の人、紙を生産してくれる人…とかこの本が届くまで全てに(あんまり工程わかってないかもですみません)感謝したい気持ちになりました。
小学館は近年ドラマ化のよる漫画原作者さんの悲しいその後や、性的問題を起こした原作者の隠蔽、ドラえもんの連載に関してなど前々からの原稿紛失に続き残念な話題がありますが、こんなに素晴らしい本が出される頑張ってる部署があるのであれば、問題のあるところを根本的に見直して心入れ替えてやっていってほしいですね…こんなに素敵な本が出るのなら尚更…。
上巻読みながら、是枝監督の『怪獣』を思い出しました。自覚なく正義を振り翳して人を傷つける。
今、東京の小学校の火災と、温泉での5歳児の行方不明の報道に関して、部外者が好き勝手言ってるコメントを目にしますが、美冬や、新沼家を責め立てたものとそっくり。
探偵ごっこしてる人はいつになったら気付くのかな、と思ってましたが、例えば小学校の火災なら、「現職の教師です。」など同じ職業の人がするコメントはリアリティがあるものとして今まで受け止めてしまっていました。
ファイアドームを読んでから、職業が同じだからと言って、状況のことを詳しく知らなければ、わからないのだなと当たり前のことをようやく自覚しました。
週刊リアルの篠田とか、鍼治療の先生とか、苦手です。
最たるものは、久我。
ああいう無鉄砲に人の命を奪い罪悪感も浅い深度でしか抱けないような一部の人の悪事がどれだけの人を傷つけ振り回して その悪行について整理しようとするのにどれだけの人が苦労するのか。
ノイジーマイノリティなのに。少ないのに。まともで毎日普通に頑張って過ごしてる人がほとんどなのに。
一部の少数の人の悪行に振り回され、根本的な解決がないのがこの世なのでそこの辺りがやるせない。
光汰郎が帰ってきたこと、犯人がちゃんと捕まること、田村晋也くんの事件のことも明らかになること。
物語ならではの予定調和とスカしては見れなかった。どれもが心の底から信じられるほどに精密に絡み合ってリアリティを伴っていた。
新沼紗英さんと田村晋也くんは帰ってこない、不条理に命を奪われ、苦しんだ家族がいることがしっかり描かれているからなのかな。
光汰郎くんの行方不明事件の犯人は予測できた、辻村深月先生の作品ではいつも展開や真犯人について驚かされることが多いから、予測できてしまったことが少し残念だなと思ったけど、犯人が誰か、が大きなものではないのかなと思った。
本間先生が何故、田村晋也くんについてそこまで思い込んで行動したのか、本間先生の独白を読んだら、切なくて切なくて切なくて。
積極的に暴力を振るうとかの毒親ではなかったし、田村くんも兄弟仲は良かった。現代の常識じゃなくて、昔なら、兄弟の中で応対に差がつくはよくあったと思う。大仰なネグレクトとか名前をつけるくらいじゃなく、親側が深く考えない程度の。
田村晋也くんは不幸が少しずつ重なってしまってたけど、成長に従い伸び伸び育っていって普通に素敵な大人になったと思う。だからこそ久我の蛮行が許せない。それで一変してしまった。命がありさえすれば…。
晋也くんのランドセルのクレヨンとか、子どもの様子が想像できる愛用していたものの描写とか、胸にくるものがあった。
もしかしたら晋也くんの親に対して、苦言を呈したくなる読者もいるのかもしれないと思うけど、私たちは晋也くんの事件も、親御さんのことも晋也くんのことも詳しく知らない。
わかることは事故で命を奪われてしまったこと。
やるべきことは冥福を祈ること。
だから、光汰郎たちも、美冬たちも、晋也くんの事故現場にお参りに行ったこと、とても素敵だなと思う。
一樹くんや速斗が光汰郎のこと、なんかいいな、と思うそのきっかけとか理由が些細なことすぎてすごく、良い。
なんとなくいい、フィーリングがあったならもうそれで、友達。かわいい。
光汰郎の名付け、漢字の選び方、
『朝が来る』の朝斗の名付けを思い出した。
私は、大学の卒論で『辻村深月論』を書いた。
辻村作品の特徴と、出版社別の作品の傾向について書いた気がする。
自分の中ではそれなりにわかりやすく出版社別で違いがあるなという印象が強かった。
小学館から辻村深月作品が出るのは初めてだと思うのですが、初めてでここまでの傑作が世に出たこと、小学館の編集者さんと辻村深月先生の間でどんな話がなされたのか気になります。
透真にしても、美冬にしても
懸けてる職業についているのが羨ましいなと思った。
この世の中はみんなエネルギーを持て余していて、本当は使い切ってしにたいのに、健康すぎて暇な時間が多すぎてエンタメもありすぎてSNSで他人をこき下ろしたり歪な推し活で代理戦争したり、エネルギーの発散が迷走してる感じがする。
そうじゃなくて、生き切る誠実な人たちにスポットライトが当たったこの物語が、すごく心の栄養となりました。
満たされすぎて、活字中毒みたいに本が手放せない私がまだ次の本読めてないです。
余韻に浸ってます。
子どもたちは夜と遊ぶに並ぶくらい
自分の中で特別な本になりそうです。
10周年サイン会で、自分の質問を読み上げてもらった時の回答、まだ希望持ってます。
浅葱が元気でいてくれたらいいな。
Posted by ブクログ
読むのが遅く、老眼で目が追いつかない私が、1冊500ページ近くある2冊を5日ほどでよみました。
今回のファイア・ドームは人の無責任な噂の怖さが 上下巻を通じて書かれていました。
1994年に起こった百貨店の受付嬢誘拐殺人事件と、少年の轢き逃げ事件、25年後である現在の受付嬢の甥っ子の失踪事件について、甥っ子の担任教師、その彼氏である新聞記者、受付嬢の父親等、それぞれの立場で色々な場面が展開するけれどわかりづらいところはひとつもなくそれぞれの感情に胸が締め付けられるシーンがたくさんありました。
最後の結末や犯人についてはいつもの辻村深月さんのような意外性や伏線的なものは感じられはしませんでしてが、各人の気持ちに心が打たれました。
とても良い作品だと思いました。
Posted by ブクログ
辻村さんの渾身の作品ということでワクワクして読み始めた。
結果、私が予想していたワクワクを裏切るような形で圧倒され、後半は涙が止まらなかった。
正直、ストーリー自体は予想の範疇であったのに、なぜこんなに涙が出るのかと驚いた。
注目される事件の当事者たちの感情がとても生々しく、リアルで読むのが辛い場面もあった。
でも、人間の醜い部分が描かれている一方で、捜索を手伝う人達などの温かさ、思いやりも感じられてそこが辻村先生らしいなと思った。
私は大学生の時に被害者支援のボランティアをしていて、家族を殺されたご遺族の方にも会ったことがあるけど、この小説は被害者遺族に対する解像度がとても高いと思う。
また、犯人の久我についても、世にいう「悪人」でないところ、他者に対する想像力が低く「要領が悪い」というところがリアル。
私は、悪意なく噂を広める人達は「当事者に対する想像力のなさ」「客観性のなさ」が問題であると思う。
明日は自分たちが、紗英さん、美冬、忠治、久我の息子たちなどの立場になるかもしれないということを、現代を生きる全ての人に知って欲しい。
本当に、圧巻で、凄い小説を読んだという気持ちになります。
Posted by ブクログ
娘を殺された忠治は、深い悲しみと大きな怒りを抱えていたはずだ。それにもかかわらず、なぜ根も葉もない噂によってさらに傷つけられなければならなかったのだろう。忠治の気持ちを想像すると、本当に胸が痛くなった。
少し前にテレビで、「フェイクニュースは通常のニュースよりも何倍もの速さで拡散される」という驚くべき事実を知ったことを思い出した。人は真実よりも、より面白く興味を引く情報を信じやすいという人間の性質に恐ろしさを感じた。しかし、自分にも心当たりがないわけではないため、複雑な気持ちになった。
私は、この作品を読んで「噂とは何なのだろう」と改めて考えさせられた。噂は人々の娯楽のように広まり、それを広めた人は自分の言葉に責任を負うことはほとんどない。さらに、時間が経てば噂は次々と忘れられ、消費されてしまう。私自身も、ネット上にあふれる不確かな情報や、人から聞いた根拠のない話を無意識に信じてしまっていないだろうかと、何度も考えた。
また、不確かな噂を信じて罪を犯してしまった本間は、思慮が浅く愚かだと最初は思った。しかし、もし自分が本間と同じ立場だったら、本当に噂に惑わされずにいられただろうか。犯人の手がかりがない状況では、唯一耳に入ってきた噂を信じてしまったかもしれないとも考えた。
この作品は、単なるミステリーとして面白いだけでなく、噂や情報との向き合い方について深く考えさせられる小説だった。これからは、不確かな情報を安易に信じたり広めたりすることのないよう、自分自身の行動を見直していきたいと思った。
Posted by ブクログ
教育関係の仕事をしていると度々感じることがある。
子どもと関わる仕事
=良い人。素晴らしいこと。
ある種どこかで崇められるような感覚がある。
また特に寄付などをいただく際、寄付者の方からありがたい言葉をたくさんいただく。どこか誇らしくもあり、自分がしている仕事が誰かの役に立つことへの「意味」があることへの求心力に拍車がかかる時がある。
「ファイヤー・ドーム」を読んで、中でも登場人物の佐村先生と周りを取り巻く様々な人/もの/ことを読み進めていくにつれ、「教育」に携わる仕事への責任を強く思い知らされた。
いつか、もし仕事上で何か問題があった時、瞬間的には自分の決断がどんな影響を及ぼすのか考えることもしなかったような出来事であったとしても、後々原因はそこにあったのだとわずかでも可能性が残る場合、これまでの崇めるような態度は手のひらを返したかのように翻ること。
「子どもたちのためならなんでもする。」
「たとえそれが自己犠牲的であったとしても。」
「何よりも優先するべきである。」という価値観や声は、時に教育に携わる人を追い詰める。
しかもその声は自分自身の中にもある。
だからこそ無関係な人こそ安易に口にできるし、言われたとしても心当たりがあるので、より一層自分を苦しめる。
現場で、子どもたちと我々にどんな関係性が育まれているのかは第三者には分からない。分からないからこそ、目の前の子どもたち、信頼できる仲間たちとの間で交わされる言葉を大事にしていきたい。
Posted by ブクログ
一気読み。
噂は人の興味と関心、そして好奇心が引き起こす罪深いものだと痛感する。
娯楽と例えられる噂話はそれを話した当事者からは一瞬で忘れ去られてしまうという事実。
その噂話を信じた人が引き起こす悲劇まで想像力が働かない。
ましてや真実なのにそんな偶然無い…だったり、面白みに欠ける真実は捻じ曲げられ、面白そうな噂話の方が広まる残念さ。
今回のように被害者家族、噂話に振り回されて危うく人生を棒に振りかけた人のことまで想像力を働かせること、こんなこと、あるのだろうと思いを馳せること、それによって自分が軽率な噂話を広めない、ストッパーになることを決めた。
誰も傷付けない報道は難しいのかもしれないけれど、少なくともその報道を鵜呑みにしない。
たくさんの人に読んでもらってSNSなどで根拠ない噂話を拡散すること、広めることの先にある不幸を防いでほしい。
全人類必読でお願いします。
Posted by ブクログ
上巻・下巻合わせての感想
上巻
上下巻ということもあって、上巻だけで見ると物語が動き出すまでに時間がかかる印象。しかし、序盤で丁寧に登場人物の人物像が描かれているので、後半の展開がグッと面白く感じられた。
下巻
上巻の展開に負けないくらいの展開だった。読んでいて苦しくなる心理描写もあったが、それだけ夢中になって読むことができた。個人的には忠治さんの変化が好きだった。
初めて辻村さんの作品を読みました。面白いなあ。
Posted by ブクログ
読みごたえがあった。
読みながら、京都の南丹波の事件が脳裏をよぎった。あの事件があんなに注目されたのは、行方不明だった少年の無事を願う人がそれだけ多かったからだと思う。善意、良心から集まったはずの注目が、あっと言う間に誰かの好奇心を満たすためのゴシップのように報道されるようになった。あの時のゾワっとする感覚が、この本の中にリアルに、もっと細やかに描写されている。
SNSが普及して、誰でも簡単に不特定多数の誰かに向けて噂を流せてしまう時代。無責任に人を傷つけ、追い込んでしまうことの怖さを、忘れないでいたいと思う。
作中の透真の言葉が印象的だった。
…顔の見えない者同士の間で流布する噂でなく、責任をもって、目の前にいると信じられる誰かに向けて、丁寧に情報をつなぎたい。小さな世界だからこそ、その世界の中で、言葉を守りたい。
私もそうでありたい。
無責任に誰かを傷つける言葉を選ぶんじゃなくて、自分の発する言葉に真摯でいたい。
Posted by ブクログ
様々な事件が絡んで最後にはきれいに収まりハッピーエンドになるのが気持ちよかった。被害者・犯人のそれぞれの家族はなにも悪いことをしていないのに巻き込まれて普通の生活ができなくなってしまうのはおかしいと思った。
Posted by ブクログ
888ページ一気読みです。
気が付けば、しなければならないこと以外の全ての時間をこの『ファイア・ドーム』に捧げていた。
辻村深月さんが7年をかけて書き上げた小説は、二つの事件を通して人のどうしようもない性(さが)の本質に迫る。
ひとたび大きな事件があると、人々は自分の身に置き換えることなく、想像力のカケラも働かすことなく、熱狂し考察し噂を振りまく。
近しい人たちの間で、職場で、SNSで...まるで煽るようにも思える報道も拍車をかける。
どうして誰も「もし自分がその立場だったら?」と想像することをしないのだろう。
ティッシュを何枚も引き出すように次々と出てくる「新事実」に飛びついては使い捨てる。
そしてそんな噂やデマはまるで最初からなかったかのように忘れ去っていく。
深く深く傷を負っている当事者を置き去りにして。
私たちはもう少し立ち止まって考えるべきなのでは?それが自分の身に決して起こらないことだと言えるのか?と。
私たちはもう少し成熟した社会を築くべきなのでは?何もかもを消費し続けることがどんな未来をもたらすのだろうか?と。
読み始めてすぐ、この小説にあまりにも似た事件とその報道がほんの少し前にあったことを思い出し、戦慄した。
辻村深月の凄さを改めて感じた。
Posted by ブクログ
人間の心理描写だけで
お腹いっぱいになる一冊でした
SNSが悪の権化のように
言われていますが
噂を娯楽にする人たちも
無責任に煽り利を得るメディアも
全く変わっていないと感じました
Posted by ブクログ
面白くて一気に読み終わった。
主に先生・過去の事件の被害者の父親・クラスメートの視点から描かれており、それぞれの事件や考えが絡んでいくのが面白い。
昔は地域社会の信憑性の低い噂がささやかれるが、現在はインターネットを通して誹謗中傷される。自分に関係のない人の話でよくそこまで盛り上がれるなぁ、とそのような意見を見るたびに思っていたが、そのようなものに人生を狂わされた人たちがこの物語で体験することができた。
Posted by ブクログ
圧倒的な没入感
胸をえぐられる筆力
壮絶な過去、背景、なのに
胸熱くなる、これ以上ない終わり方
直ぐにこの世界に引き戻されるストーリー
初めて辻村深月先生の書籍を手にしましたが、
衝動買いした自分を褒めたいです。
後悔ない圧倒的な作品
出逢えて良かった!
Posted by ブクログ
上下巻通しての感想。
さすが辻村深月だと思う作品だった。 人の噂、現在なら顔も知らない人のSNSの投稿。SNSは誰でも投稿できるものだから、それ自体を止めることは不可能なのだけど、自分の投稿は悪意のないものと信じ込む人たち。それがどんなに追い込むものだとわからずに、、。
現在社会に心に刺さる話しだった。でも最後に救われる事があり、そこが辻村深月の話は読んでいて後味がいいんだよなと、改めて思う本だった。
Posted by ブクログ
25年前デパート受付誘拐殺人事件。被害者の甥が現在行方不明。根拠のない噂がもたらす害悪。
めちゃくちゃ面白かった&読みやすかった。殺人被害者家族の思い、生徒の担任の思い、担当記者の思いの複合的描写が巧い。今年全国民必読の一冊。いや上下巻なので二冊。
Posted by ブクログ
途中の展開が読めたにも関わらず、そこから更に予想もしないような展開に持っていかれてすごいわーとなりました(語彙力)。
現実の世界はこんな終わり方にはならないことにちょっと絶望しつつ、本作では良心と思いやりで行動できる子どもたちや美冬・透真が幸せに生きていけることを心から願いました。
Posted by ブクログ
おそらく今年No.1の本になるのではないか?という予感がします。
上巻、冒頭の方。
新沼家の人達が、周りの人達との交流が無く、時が止まったような暗い雰囲気を出している描写がありました。
ヤバい人達なのか?と思いながら読んでいたら、物語が進むにつれて、普通の、本当にごく普通の人達であることが分かりました。
私自身も、『噂』に踊らされていました。
私は田舎出身です。治安があまり良くない地域でした。
地元で殺人事件が起きた時『本当に強盗目的なのか?だったら普通逃げようとするじゃん』『犯人は旦那ではないか?』など、いろんな人が、好き勝手に話していたのを思い出しました。
その事件は現在も未解決事件となっており、時効ではありません。
情報量が多く、時代も、場面もコロコロ変わるのですが、さすが辻村深月さん、混乱することもなく、読みやすかったです。
追記:何故この人はそんなにも25年も前の事件に熱心なんだろうと疑問だったけど、最後の方を読んで理由が分かりました。歪んでしまったけど、本当は純粋にいい人だったんだなと思いました。
Posted by ブクログ
上下巻合わせて、かなりの長編でしたが、必要のない所が全くなかった。読んだ方なら共感していただけるのではと思うことは、噂を信じてしまい、疑ってはいけない人を疑ったことがあるってこと。これを読んで、私自身、変わらなくてはいけないんだと思いました。是非、読んでいただきたいです。
Posted by ブクログ
『噂は軽薄な娯楽』
そのせいで引き起こされる、人間の苦しい部分の様々が描かれている。
少し長すぎるというか、重複する描写が気になるところはあったが、読書の楽しいところが全部体験できるような作品だった。
野次馬心がくすぐられてしまうような散りばめられた謎と疑念と、それが解き明かされていく快感や、ふとした一文から予期される展開にワクワクする。
メインの人物ではないが、鍼灸院の先生のキャラクターが印象的だった。悪い人ではないのだが…垣間見える好奇心が隠せないかんじがリアリティあった。
読み終わっても、この物語の登場人物たちが、どうか幸せな人生を歩んでいてほしいと願ってしまう。
匿名
面白いです。
でも、タフでしんどい話なので心身のパワーを削られまくって、クライマックスで一度数日リタイアしました。頑張って最後まで読みましたが。
ー 殺さないでくれてありがとう!
何という言葉だろうと思う。
この言葉が焼き付いてしまう私もまた、喪失を知っていると言うことなんだな。
このしんどい話の中で、
光汰朗君、速斗君、一樹君が出てくる場面が救いでした。
Posted by ブクログ
自分もこの事件にかかわりたい、真実を知りたい
そんな気持ちにさせるような没入感で一気に読み進めました。
読んだ後はもうこれ以上のミステリーをこの先読めるのか、
記憶を無くして一からまた読みたい。
そしてこれからの実生活に向けて噂についてどう向き合っていくのか話し合いたいと思う作品でした。
ドラマ化希望!!!
Posted by ブクログ
辻村深月先生の新刊。発売を知ったときから読むのを楽しみにしていました。
読み始めてすぐに漂う不穏な空気に、一気に物語へ引き込まれます。緊張感が途切れることなく続き、ページをめくる手が止まりませんでした。
「人はなぜ大きな事件に魅了されてしまうのか。噂は、軽薄な娯楽だ。」
この作品を読んで、「事件を消費する」ということについて考えさせられました。
私たちは大きな事件が起きると、真相を知りたくなり、噂や憶測に飛びついてしまう。でも、その先にいるのは物語の登場人物ではなく、現実に傷つき、苦しみ続けている当事者やその家族なのだと、改めて気づかされました。
現実でも、行方不明事件が起きると、何の根拠もなく両親を疑うような心ない噂が広がることがあります。そんな私たちの無責任な視線や、「知りたい」という欲望を鋭く問いかけられた気がしました。
それでも、この物語はただ苦しいだけではありません。登場人物たちの思いが重なっていく終盤は胸が熱くなり、人を信じることや寄り添うことの尊さを感じました。
Posted by ブクログ
テーマは噂。
久しぶりにしっかりメッセージ性のある小説を読んだ気がする。
噂の持つ影響力とか負の部分を所々小説に乗せて訴えてる感じ。
今までの、辻村深月作品は娯楽として楽しいって感じだったけどこの作品はプラスアルファメッセージ性もあるので素晴らしかった。
Posted by ブクログ
現代に生きるすべての人が読むべき物語であると私は思う。
噂に振り回される人々を通し、人間の価値、真実の価値を正面から問う話運びには作者の覚悟を感じた。
また社会派ミステリーでありながら、衝撃の展開と読者の予想を裏切ってくる点で、1つのエンタメ作品としても1級品の出来栄えである。
辻村深月の心理描写の巧みさには度々驚かされるが今作でもそれは健在で、途中読んでいて気持ち悪く感じるポイントや涙が止まらなくなるポイントがあり、善悪、快・不快、両面で読者の心を揺さぶる手腕には脱帽である。
それに加え私が辻村深月の作品で好きなポイントである、子供たちの活躍も本作では全面に押し出されている。正直読んでいる初めは、これだけ大きな事件で子供が介入できる隙などあるのだろうかと思っていたが、隙どころか真正面から真実に向き合っていた。大人になってから忘れがちな子供としての強さ、子供でいることの誇りのようなものを感じられこれまた心が熱くなった。
しかし、ここまで素晴らしく皆が読むべき小説も本当に必要な人には届かないのかもしれないと思い虚しさにかられた。
そんな中でも少しでも多くの人に届くように私にできることは、クチコミで良さを伝えるしかないと思いレビュー書いている。ネットの評価で本を決めつけるあなたに届くように。
Posted by ブクログ
これまで読んだ辻村深月さんの作品はどれも最高で本作も期待大で読みました
評判通り、構成も読ませ方も申し分なかったのですが、今までの作品では感じなかった作者の個人的な思想の押し付けを感じてしまいました
前半から少し臭ってはいたんですが、後半はより強くなって、これまでとは違う読後感でモヤッてます
Posted by ブクログ
長編映画を見終わったかのような満足した読後感を得られた。
人の噂の怖さを存分に表した本作。噂の被害者は有る事無い事に噂を立てられ貶されるが、加害者たちはその場の娯楽として噂を楽しんでいるだけであり、すぐに忘れ去ってしまう残酷な現状を描いていた。
個人的な感想だが、田村晋也くんの両親や本間に対して嫌悪感を抱いてしまった。
田村家は弟につきっきりで晋也くんを蔑ろにし、本間は勝手に新沼家を犯人と思い込んで犯行に移した。最後の本間視点の話でも「誰かが新沼家を守るために工作してるんじゃないか」と言った時は腹立だしかった。
何かに追い込まれた時に、そばに頼れる人がいるかどうかが本作の登場人物たちの分岐点だったのだと思う。
家族に借金を隠すしかなかった久我隆太。
妻や娘に愛想を尽かされていた本間。
対して、噂に追い込まれながらも家族で助け合った新沼家や久我家。
一度は突き放されたと感じるも協力して動いた佐村先生と桜木。
友達として事件後も寄り添い合う光汰郎、速斗、一樹。
「お父さんたち、みんな、捜してくれたんだね」「だけど、見つけたのはオレたちだったけどな」
このやりとりが子供らしく、そして微笑ましくて涙が出てしまった。
子供関係の事件はどうしても涙腺が弱くなる。
自分のこれからの人生、誰と過ごしてその人に何を与えられるか。協力することができるか。
噂ではなく、真実を軸に、生きていきたいと思う。
Posted by ブクログ
いやあ…
辻村さん、やっぱりすごい好き
もう、毎日少しずつ読むのが本当に楽しくて。
よかった
宮部みゆきさん作品もすごく好きで、
ちょうどこの直前に読んだ孤宿の人と
同じ感想になるな、と思ってる
美冬さんも透真さんも、忠治さんも、
暁さんも祐介さんも
速斗くんも速斗くんのお母さんも
一輝くんも
光汰郎くんも、絵里さんも、光汰郎くんのお父さんも
さえさんも、
みんな強くて懸命で、
そういう、人として大事なものを持ってる人たちが
中心となって話は進んでいくんだけど、
いつも小説読むと思うんだけど、
自分は計算高くて汚くて弱くて、
噂流すようなその他大勢の人だなって
悪い、だめ、と表現されるような人だよなって
だから自分には悪いことが起きてもしょうがないなって思うんだけど、こういうすてきな人たちが苦しい思いをするのは、作品の中だけど、いやだなって思う
宮部みゆき作品は現実に近くて
そういういい人たちも容赦なく
悲しい結末迎えたりするんだけど、
辻村深月作品は、
現実こんないい人ばっかりでうまくまわらないよな、
っていう展開で、
だからこそほっとする。よかったな、って
心がきちんとしてる人が、少しでも救われてよかったなってなる。
どちらがいい悪いではなく、
どちらも読んでいて、いろいろ、思う
結局まったくまとまらないけど、
よい本を読むことができて、よかった
Posted by ブクログ
過去の誘拐事件・行方不明事件と、25年後に起きた事件。悪意を持った人間もいたが、多くは"噂"の犠牲者なのか。強大なその力の前には抗う術も無く、ただ耐えるしかないのか。
"噂"とは何なのか。
2026年トップクラスの傑作です。