あらすじ
人はなぜ大きな事件に魅了されてしまうのか。
噂は、軽薄な娯楽だ。
25年前、平穏だったはずの地方都市は、百貨店受付嬢誘拐殺人事件の発生、その報道により揺り動かされ、「噂」という大量の炎が、加害者のみならず被害者にも降り注ぎ、燃えさかった。ようやく静けさを取り戻したかに見える町に燻り続ける因縁が、いま新たな事件を呼び起こす――。
「もう言われてるよ! どうせ、親が殺したんだろうって!」――本文より
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Posted by ブクログ
今から25年前の誘拐殺人事件の被害者であるのに、その前後に起きた別の事件や、取材に対するコメント等から、被害者自身が仕組んだものではないのかという噂が生まれ、未だに近所からは奇異な目で見られる家族がいる。
そこには、普段は平和な地元で起きた事件であり、全国の人より事情も知っているという気持ちや好奇心、知人として事件に少しでも関わっているという優越感がある。
いざ自分の身の回りでそういったことが起きた場合、自分はそのような気持ちを持たずに冷静に被害者の気持ちを考えて動けるのかどうか、正直なところあまり自信はない。
作中では、その被害者家族の息子が再び行方不明になり、当時を知る息子の祖父は、息子の母親に対して記者会見をすることであらぬ疑いをかけられることを嫌う。しかし、母親はここで動かなければ捜索も進まないため、世間など気にしている場合ではないという気持ちに切り替わる。その葛藤にはとても胸が痛くなった。
この前編では25年前の誘拐殺人事件の真相と、今回の行方不明についての関わりを含めていくつか伏線が登場する。終盤でそのキーとなりそうな人物も登場するが、後編もどのような展開になるのかまだ読めず、ページをめくる手が止まらなそうである。
Posted by ブクログ
二十五年前に起こった誘拐殺人事件は町を騒然とさせたが、それ以上に事態を混迷に陥れたのは「噂」だった。事件が終息し平和を取り戻したように見える町で、再び事件が起こる。そしてそれにともないまたしても広がる根拠のない「噂」。どうしようもなく興味を引き付けられ、しかし同時に息苦しくなるような思いも強い作品です。
地方だからこその空気というのは確かにあって、狭い範囲で起こった「事件」だからこそ他人事とは思えない、それはわかります。臨場感を覚え、特別引きつけられることも当然だろうと思います。だけどなぜ、近いはずの事件関係者に対してここまで無神経になれてしまうのだろう、と思いました。悪意があるわけではなく、むしろ善意のつもりであっても、部外者が興味本位で事件に関わろうとすることそのものがどれほど当事者にとって残酷なのか。当事者サイドの立場になって考えないと、案外分からないことなのかもしれません。事件をエンターテインメントとして楽しむのは、虚構の世界だけにしておきたいです。
事件の当事者たちの心境がとにかくしんどすぎる上巻。そしてあまりに恐ろしすぎるラスト。下巻を手元に用意したうえで読むことをお勧めします。
Posted by ブクログ
面白い。
読み進めるには苦しい展開…でも先が気になる。
下巻がどういう展開か、どういう結末を迎えるのか全く想像がつかない。
みんな、無事でいてほしい。
Posted by ブクログ
もし息子がそうなったら、、と苦しくなった。息が吸えなくなるような感覚をもつ、すごい小説。
噂ってなんだろう。何が正解なんだろう。
同じようなニュースが最近あったからこそ、余計に想像ができて辛かった。
Posted by ブクログ
あれこれ感想を書くとこらから読む人の喜びを奪うので書かないけれども、今まで読んだミステリーの中でも傑出した作品。登場人物がしっかりと描かれていて、読んでいて不快感がない。辻村深月という小説家の新たな魅力を十分に堪能させてくれる。読んで絶対に損はない。
Posted by ブクログ
登場人物が多く最初は関係性を掴むのに少し時間がかかったが、中盤から一気に物語へ引き込まれた。
毎度のことだが、通勤時間とかにしか読む時間が取れず、ほんとに細切れで読んだのが辛かった。
それでも「この先どうなる?」とページをめくる手が止まらず、上下巻という長さを感じさせない作品だった。
下巻へ続く終盤は、続きが気になって仕方がなかった。
Posted by ブクログ
2年ぶりの辻村深月さん。話題作『ファイア・ドーム』です。事前情報を極力シャットアウトしようにも帯の文言が目に入り、あぁ「"黒"辻村」なんだなと、だいたい察してしまいます。
辻村さんはご存知の通り、心温まる"白"も心の闇を描く"黒"も、人間心理を巧みに描き分けます。ただ、本書(上巻)を読み進めてみると、同じ"黒"でも人の狂気じみた感情の闇が核心と言うより、「悪意のない噂」の恐ろしさが根幹にある気がしました。
舞台となる山間の田舎町は、閉塞感漂うあたかもドーム。25年前の事件に加えて新たに子どもが失踪し、田舎町はスノードームではなく、揺らされて赤い炎が降りかかるファイアドームと化します。
地方特有の濃密な空気感がリアルに描かれます。重大事件へ好奇心で飛びつき、無責任な推理や軽薄な憶測で参加したい心理…。これらが傷ついた人をさらに傷つける「噂」となり、その連続する恐ろしさが読み手を震え上がらせます。
物語が内包する不穏な空気感が、螺旋状の軌道から抜け出せず中心へと徐々に向かい、やがて漏斗状の穴から闇に向かって落ちていく感覚…と言えばいいでしょうか? 読み手を惹きつけ離さない物語は下巻に続きます。
Posted by ブクログ
苦しすぎて、辛すぎて号泣
あのときこうしていれば、、、と深く落ち込む中での、根も葉もない噂、誹謗中傷。
当事者ではない人たちがあたかも全てを知っているかのように語る怖さにゾッとした
Posted by ブクログ
過去の事件と、現在の事件が交差する。
誰も言っていない言葉が勝手に一人歩きしていく怖さ。
思い込み、イメージだけで誰かを簡単に攻撃出来るこの世の中ほど恐ろしい物は無い。そのせいで見えなくなっていく真実。
美冬の、申し訳ないという気持ちの表現が本当に追い詰められた人間のそれで、きちんと自分に課せられた責任感と向き合ってきた人物なんだなと、怖いながらも思ってしまった…。私なら耐えられないよ。
映画化発表まだですか?下巻に続く!
Posted by ブクログ
根拠のない噂から始まる事件。
行き交う憶測に心無い言葉。苦しめられていく表現はあまりにも生々しい……。
本は分厚く上下巻あるため、読む時間を割かないと読み進められそうにないなと思ったが、そんなことない。どんどん飲み込まれ、上のラストは特に続きが気になってそのまま下のページを開いてしまうほど本当に面白い作品。
手に取る際には絶対に、どんなに金欠でも上下巻セットで買った方が良い。
登場人物の人間らしさ、犯人の傲慢さ、事件内容の残酷さ……すべてがリアルで、ノンフィクションだと言われても信じてしまいそうな表現は素晴らしい。
事件を知った無関係な者が、前のめりに興味関心が湧く姿。時が経てば忘れてしまう、怖さ。
読者もその一人ではないのだろうかと、読み進めていて思ってしまった。
暑い夏の日に読みたいミステリー。
Posted by ブクログ
読み終わってすぐ、胸が苦しい。バクバクする。
特に後半の進み方がえげつない。
そしてリアル。
だからこそ自分含め、家族がこんなことに1ミリたりとも巻き込まれてほしくないと強く思った。
待ちきれない。すぐに下巻を読む。
Posted by ブクログ
読む手が止まらない。
大きく取り上げられる事件に色めきだつ人達。
無責任な噂の犠牲になる人達。
一人一人のことを想うと辛くて苦しくなる。
どうかこの話に救いがあってほしいと願わずにはいられない。
Posted by ブクログ
2026年15冊目
黒辻村よりも白辻村が好み、なのにこの本だけは物凄く読みたくて手にした一冊。
上巻ラスト、息をするのを忘れる程の没入感。こんな本にはなかなか出会えない。
Posted by ブクログ
重たいテーマが始まったと思った。でも読み始めると、ものすごい勢いというか渦に巻き込まれていく。辻村深月さんの言葉の力になすすべもなく、飲み込まれていく感覚。
Posted by ブクログ
なんと重くて、辛くて苦しい物語だろう。
ただ、ページを捲る手が止められない。
悪意の無い無意識の好奇心、嫌悪感、根も葉もない噂が噂を呼び、膨大な尾鰭をつけて爆速で広がっていく、当事者でない者の無責任なコメント…
現代社会に渦巻くドロドロとしたものを、北陸の人口200万ほどの街を舞台に繰り広げられる。
作者の気合いが感じ取れる渾身の作品だと感じた。
ラスト5ページは特に緊迫感溢れる場面で、ドキドキが…
早く下巻を読みます!
Posted by ブクログ
上巻がいいところで終わるので、そのまま下巻まで読み終えてしまった。運命って皮肉なことに巡り巡っているんだなと思ってしまった。迷ってる人は読んだ方がいいです。
Posted by ブクログ
ひさしぶりにミステリーを!やっぱりミステリーって一気によんでしまう、2日間でよんじゃった
ミステリーというよりかはサスペンス寄り?分厚くて長いのに(しかもまだ上巻)、1つ1つの描写がしっかり必要なものだと感じられた。間延びしているかんじはまったくなく、すっごく引き込まれた
深層心理を説明するときに、教訓めいていないのがすごい。あとは、子どもの視点やセリフがすごく自然でよかった(どうしてもカフネと比べちゃう)
下巻もたのしみ(^.^)
Posted by ブクログ
教師関係の責任問題はよく題材になっていて、毎回胸が締め付けられる。最近だと、「でっちあげ」「鉄槌教師」が思い当たる。上の立場の人が責任逃れともいえる対応をして、話題性を意識し穿った見方でメディアが報道する。結果、当該の教師を世間が強くバッシングする。それでも抵抗し続けるのか、観念して諦めるのか。
今回は、佐村先生が闇落ちしそうになりながらも、同じような経験をしてその辛さを知っている新沼一家だからこその対応をしてくれたことで、再びするべきことを思い出せたのが良かった。それがなければ、読んでて胸が苦しすぎた。
上下巻に渡るミステリ小説を読んだことがなかったけど、上下巻まとめて買っといて良かったとこれほどまで思うとは驚いた。
Posted by ブクログ
【痛覚の相違と類似を味わう本】
25年前に発生した事件と、同じ家族が巻き込まれた現代の事件の関連性に迫るミステリー。
小さなコミュニティーで自然発生的に生まれる噂やデマで、追い詰められていく人間模様が生々しく描かれていた。自分の思っている常識が、他人にとっての当たり前ではないという感覚のすれ違いが、人の心を強く苦しめる。事件そのものの苦痛だけではなく、更にその後に巻き起こるドラマによって、歪んでいく人間関係とその心境の変化に、胸を鷲掴みにされた感覚が残った。
一方で、被害者家族とその担任の先生との心で通じ合う、同じ苦痛を味わった者同士にしかわからない後悔の同調は、辛さと同時にあたたかさをもたらしてくれる。
主要登場人物による複数視点で描かれていたが、その心情と言動のコントラストがあり、過去と現在の時間軸の相違もあった。ひとつの物語を多方面から見ることができたので、ストーリーの厚みを感じられた。
ただ、事件によって生まれた憎悪だけではなく、真相に迫ることのできる希望が見える描写もあった。点と点が結びつくであろう後編の展開を読むのが非常に楽しみである。
Posted by ブクログ
上下巻でかなりの厚さと重さなのに気にならない。
一気に読める。
被害者家族がなぜそこまで言われないといけないのか、なんかとてもリアルで怖かった。
25年前の事件とどんな繋がりがあるのか気になる
Posted by ブクログ
上下巻合わせて1,000頁あまりの長編だが、どんどん読み進めていける。
上巻のほうが,スリルもあって良かったが、下巻の最後はグタグタ感あり。とはいえ、一気読みさせる話の展開、25年前と現代を交錯させながら、読み手を惑わすことのない筆致力。手応えのある良い作品だったとき思う。
Posted by ブクログ
地縁、狭い地方社会、噂などのワードがこの作者らいしなと。
ただ、いつものようにまわりくどく、分かりにくい文章ではなく、クライムサスペンス然とした読みやすい文章でどんどん読み進めた。
上巻最後で一つの真相に辿り着いた感があるが、下巻でどのように話が膨らむのか楽しみである。
Posted by ブクログ
さすが辻村美月さん。
描写が細かくてどんどん引き込まれていく。
設定もまた面白い。
わたしはやっぱり教師の気持ちに引き込まれて
苦しくなってしまった。
人って怖い。
噂って厄介。
なかなか進まなくて
焦ったい部分もあったけど
後半一気に加速。
これは下巻をすぐ読まなくては。
Posted by ブクログ
話にのめり込めず、ちょっと退屈に感じてしまった。でも「やっぱりそこで終わるのかー」というところで上巻が切れるので、下巻も読みたくなるのよねー。
Posted by ブクログ
うわぁーーー。すんごいところで終わるやん。怖。
・25年前の百貨店の受付嬢の誘拐事件
・25年前の小学生の事故
・現代の小学生行方不明事件
この3つが軸にストーリーが進んでいく。
噂怖い。でも噂が娯楽ってのもすごく分かる。
Xで話題になったり、ワイドショーも人気やもんね。
自分も何かでどこかで加担しているのでは?と考えてしまう。
辻村さん作品読むといつも思うけど、登場人物が多すぎる…。すごいちょい役でもほぼ全員名前がついていて、読んでて誰が重要なのか分からなくなる。
ってか全員覚えないとと思ってしまって、頭の中で収拾がつかなくなる。ノートにメモ取りながら頑張ってるけど…もうノートがすんごい事になってるわ。
辻村作品すきなんだけど、苦手な部分でもある。
でも、面白くなってきたので下巻も頑張って読むよ。
ちなみに上巻は6/18-7/14まで。約1ヶ月かかった。
Posted by ブクログ
発売前からかなり話題となっていた本で
私もすぐ手に入れたのだけれど
読むのに体力が必要そうだと感じ
いつから読もうか、などと考えていた。
ちょうど1年前、私は犯罪被害者家族となり、
どこの誰かも分からない、顔も知らない正義マンたちに打ちのめされていた。
ネットニュースのコメントを読むシーンあたりなど
心当たりが多すぎてかなり消耗した。
きっと正義を振りかざす本人たちには
なんの悪意もないんでしょう。
自分が思う憶測や意見、正しいと思うことをネットに書き
分かった風なことを言う。
なんとまあお手軽な正義。
やはり体力使う本だったな。下巻へ。