わたしを庇わないで

わたしを庇わないで

小説・文芸
1,980円 (税込)

9pt

100万部読まれてほしい、史上最高のデブ小説!
九段理江さん(小説家)

この一年で読んだ小説の中で、一番好きかもしれない。
ラランド・ニシダさん(お笑い芸人)

あなたは人に「デブ」と言えますか?
欺瞞の薄皮をぴりりと剥ぎとる、
笑いと皮肉てんこ盛りの、傑作中編小説集!

三國造船で働く安井は、職場の人たちを「サンゾウ」と一括りにし、直視せぬようやり過ごしてきた。労働組合からの要請を受け、改めて個々のサンゾウを観察し始めるが・・・・・・。
――「世紀の善人」

小学校を卒業した望は、友人とディズニーランドに行く計画を立てたが、自分の顔が嫌いで乗り気になれない。「奇跡の一枚」を目にしたことで、自意識が変わり・・・・・・。
――「小人二十面相」

タナマル水産の広報部員として働くアヤノは、自他ともに認める「デブ」である。担当する食べ歩き企画で、その食べっぷりと自虐ネタが「おもしろい」と話題になり・・・・・・。
――「わたしを庇わないで」

【著者略歴】
石田夏穂(いしだ・かほ)
1991年埼玉県生まれ、現在東京都在住。東京工業大学工学部卒。2020年に「その周囲、五十八センチ」で大阪女性文芸賞受賞。2021年に「我が友、スミス」が、第45回すばる文学賞佳作、第166回芥川賞候補作となる。2022 年「ケチる貴方」が第44回野間文芸新人賞候補に。2023年「我が手の太陽」が第169回芥川賞候補、第45回野間文芸新人賞候補となる。他の著作に『黄金比の縁』『冷ややかな悪魔』『緑十字のエース』『ノーメイク鑑定士』等。

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わたしを庇わないで のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    デブとかブスとかに囚われた女の話!
    日常生活では言いづらい部分をズケズケと文字にしていて痛快な話だった。1話の会社のむかつくことを心の中で悪態つきまっているのはとてもおかしい、文字通りの死体蹴りすんな笑笑。2話はたぶん周りはそこまで見てないし気にしてないのに、自分が気にしてるから、意識がずっとそっちを向く事あるよね。3話の庇われると劣勢になるという文章が印象に残った。あと世間はデブに厳しすぎ、私もデブ嫌悪があるので、浴びせられる言葉たちが共感だったり言い過ぎだったりでおもしろい。急に我に帰って泣いちゃうのびっくりした。

    0
    2026年09月26日

    Posted by ブクログ

    純文学?なのかな
    短編がどれも読みやすく面白い。一番面白かったのは「世紀の善人」。すらすら読めてしまった本だった。また読みたい。

    「世紀の善人」
    主人公の安井から見たら、会社の同僚(サンゾウ)は全員同じ。自分では何もできない。それなのに安井のことをこき使ったりするなどする。なにか痛快で、また読みたいと思う話だった。

    この筆者の会社に対する視点がすごく面白い。会社という組織を俯瞰して見ており、自分では何もできない会社にいる男の人たちを批判している。この主人公のフィルターから見る同僚(サンゾウ)は、群れないと何もできない、いつまでも男尊女卑がこべりついているそんな人間たち。終わり方も良い。また読みたい。

    「小人二重面相」
    小学6年生にして自分の容姿を見るのが嫌で鏡を見ることができない主人公の話。友達と卒業旅行でディズニーを計画している。けれども、写真を撮ると嫌でも自分の顔を見なければならず行きたくない気持ちになっている。そんな話。
    小学6年生にしては考えが大人びすぎていて、そこまで大人びていたら相当頭いい子だろとか変な感情になってしまって入り込めなかった。

    「わたしを庇わないで」
    デブがデブと言われて、デブであることに対して開き直る話。自虐のワードセンスがよく、テンポ感が面白い。デブになってこれを読むと、デブであることを肯定してしまうような話だった。

     

    0
    2026年09月25日

    Posted by ブクログ

    痛快。最高。
    普段からどんなふうに世の中を見てたら、
    こんなに芯食った視点をぽんぽん生みだせるんだろう。
    作家さんに会ってみたい。

    でも、自分は
    中身ペラッペラ属性のエキストラEくらいの人物で描かれるような人間なんだろなと、
    意味のない想像で勝手に悲しくなってしまい
    この作家さんの近くには、いたくないかもしれない。

    0
    2026年08月30日

    Posted by ブクログ

    クソリプでも攻撃的でも自虐的でも自罰的でも他罰的でもあるのに、共感もするし愛おしくなってくるバランスが絶妙すぎる。
    面白かった。という感想では語弊がありそうで緊張するけど、なにも考えずハハッと笑ってしまいたくなる。

    0
    2026年08月23日

    Posted by ブクログ

    やばいです。読みながら、笑いながら、悲しくなりながら、恐れながら、苦しくなりながら、一気に3篇、ページをめくりました。「人間の嫌な部分を書きたい」という著者インタビューに誘われて手にしました。著者は『我が友、スミス』でかつてない小説体験を与えてくれた石田夏穂。この新作を読むことによって『我が友、スミス』のような小説が、なぜ生まれたか?がちょっとわかったような気がしました。一貫しているのが「自意識」と「肉体(五感、顔、体型も含む…)」と「社会」のままならない関係です。前作の感想で「2022年のビルディングスロマンは筋肉女子によって成し遂げられた」と書きましたが、新作はそんなものじゃなかった…です。もっと出口がなくてきっとずっと解決されない葛藤のジェットコースター。メンタル、ブス、デブ、(あ〜あ、文字にしちゃった…)コンプライアンス時代に絶対的にケアしなくてなはならなくなった事象についての、言われているケアなんてものじゃ解決しない心の奥底のつぶやき文学。著者のいう「人間の嫌な部分」は相手の側にあるのではなく自分の中にあって、それに徹底的に寄り添っていることに、この作家の現代的な特質を見ました。そしてこの心の奥底は、誰にでも(男女関わらず、美醜関わらず、体型関わらず)あると気づかせてくれるのもこの小説の力かな。それでも、この3つの短篇の主人公に『カウンセリングとは何か』を書いた臨床心理士、東畑開人はどうカウンセリングするのだろう?なんて、つい思いました。

    0
    2026年08月17日

    Posted by ブクログ

    小人二十面相、こういう時期あった…というか今も大概そんな感じ
    自分の見た目とうまく付き合っていくことに四苦八苦する
    誰かに見られる外面が整ったものであるようにしたいということと、自分自身が気分よく過ごせるようにしておきたいということ
    結局後者のモチベーションが強いのかも

    わたしを庇わないで、ルッキズム批判へのもやもやがぴったりと言語化された
    "デブ"は事実であって、その言葉自体に評価的な意味は持たない?いやいやいや、と思うけど庇うことの意味を考えるとたしかにそれはそれで酷いことであって…?
    笑われる方が楽なんだけど、その蓄積は後々響いてくるんだよなぁ

    0
    2026年08月11日

    Posted by ブクログ

    タイトルとテーマ設定が面白そうという理由で購入し、しばらく積読でしたが、思い立って読んでみたところ、それぞれの登場人物の歪みみたいなものがとても好みでした。

    本作は3編からなる短編集で、コンプレックスや、ルッキズム、会社の人間関係などをテーマにした作品です。女性が主人公ということもあり、それぞれが抱える問題も割と女性の悩みをテーマにしたものが多めだったかと思います。

    しかし、その悩みを悲観的に捉えているのではなく、どちらかといえばユーモラスな切り口で捉えている主人公たちばかりで、そのステレオタイプにおさまらない視点が本作の魅力だったかなと思います。

    個人的にはルッキズムを題材にした「わたしを庇わないで」が特に好みだったかなと思います。ルッキズムを否定する社会に変貌しつつある中で、直接的な誹謗中傷は減ったものの、間接的なものはまだまだ減らないのだなと感じる作品でした。

    本作は割と思想感強めと言いますか、割と陰気のある切り口から物事をとらえる主人公多めなので、考え方に共感できる、できないは分かれそうな作品かなと思います。

    0
    2026年09月27日

    Posted by ブクログ

    3つの短編集

    ○三國造船(サンゾウ)で働く安井さんと大勢のサンゾウたちとの日々
    ○春には中学生になる望と鏡との関係
    ○タナマル水産の広報部員として働く太めのアヤノが向き合った「デブ」

    楽しめた
    キレのある文章が好き
    読みやすいのだが私なりに太っているという見た目を改めて考えさせられた

    私は「世紀の善人」がシュールでより面白いと感じた

    0
    2026年09月27日

    Posted by ブクログ

    おもしろぉ。
    淡々としたこの感じ、『黄金比の縁』の著者か!
    知らずに手に取ったけどやっぱりおもしろい。
    かなり卑屈な女性を主人公にした作品が3作。どれもなかなか独特で。

    特に『世紀の善人』は痛快だった。
    職場の嫌な人、嫌な事を何とかして自分の中で消化してやり過ごす。それを必死でやるんじゃなくて一歩引いてるのがまたおもしろい。
    ラストのドタバタも笑えた。

    表題作の『わたしを庇わないで』もよかった。
    「デブ」ってさ、言わなくなったよね。
    言葉の暴力、優しい言葉に変えても心の中で蔑んでいるなら同じだよねって事。
    でも初めて「デブ」って言われて頭が真っ白になったり、なぜだか水回りの掃除を始めちゃったりするってことはやっぱり言われたらショックなんだよ。
    容姿の自虐ネタはやっぱり笑えないなぁ。

    0
    2026年09月23日

    Posted by ブクログ

    表題作びっくりおもしろかった…!デブにデブと言わないのはデブを内心では蔑んでいるから…!断言が過ぎるけど一理ある。傷つけたくないと言葉を選ぶ時、そうしないと相手が傷ついてしまうという価値観が自分にあるから。傷つけたくないのにすでにその考えが相手を傷つけるパラドックス。
    筆者の繰り出すパワーフレーズもびっくりおもしろい。赤信号≠止まれ=you are デブ、シートベルト≠あなたを守ります=you are デブ。

    0
    2026年09月20日

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