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Posted by ブクログ
美しい薔薇には棘がある
著者が神代植物園を訪れて描いたという薔薇の記述は、その美しさを読者に伝える。
西洋的なイメージがある薔薇だが、実は東洋の血を掛け合わせて作っているために、謎めいて魅惑的な花になったのだそうだ。
可憐な要望の中に鋭い棘をもっているために、正反対の代名詞であったり、死、美などのイメージを持って語られることもある薔薇。
本書ではその薔薇が咲き誇る屋敷の中で殺人事件が起きる。
雪子という第一の夫人が亡くなった。
屋敷の住人たちは何かにつけ、雪子、雪子と懐かしむ。
どれだけ彼女は美しかったのだろう、どれだけ素晴しかったのだろう。
彼女の魅力は屋敷の皆を虜にした。
一方、第二夫人はつまらない女と評され、誰かに殺されたのか、自殺なのか曖昧なまま。
そして主人公の花梨は第三夫人となって屋敷に嫁ぐ。
まもなく誰かからの脅迫状が届く。
私の推理は半分当たって半分はずれた。
雪子にまつわる話は読みが当たる。
しかし第二夫人については外れた。
狂気、逃避。
これがヒントとなる。
結末が何とも苦い。
エピローグで暗示されるものがブルリと身を震わせる。
印象的だったのが、「新しいものはその部分から古くなっていく」という言葉。
新しいものは人目を引くが、飽きられ、忘れ去られるのも早い。
これは著者自身の戒めでもあるのかもしれない。
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