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Posted by ブクログ
※1巻から5巻まで同じレビュー内容です
香月日輪(こうづき ひのわ)さんの「僕とおじいちゃんと魔法の塔」シリーズ。
不思議な出来事に巡りあい、戸惑いながらも自分に正直に成長していく少年の物語です。
【あらすじ(シリーズ)】
弟と妹との三人兄弟の長男として育った小学生の龍神。
出来の良い弟と違い物静かで目立たない性格の龍神は、
真面目で厳しい父親に誉められもせず叱られもせず淡々と生活を送っていたが、
岬にたたずむ不思議な雰囲気の黒い塔を知ったことで自我に目覚める。
そこは芸術家として名を馳せた龍神のおじいちゃんが住んでいた場所で、
死んだはずのおじいちゃんが現れていろいろな考え方を学んでいった。
自分自身の立ち位置が過程の中で見いだせなかった龍神は、
両親を説得して幽霊になったおじいちゃんのいる黒い塔で暮らし始める。
それから3年あまり。
龍神も高校生になり芸術家を目指して塔の中で絵筆を走らせる日々を過ごしていた。
親友で足の悪い信久とは小学生の頃からの仲の良さが続いていて、
時々黒い等に遊びに来ては自分らしく過ごすという生活を楽しんでいた。
そんな時、塔の3階にある魔法陣に今までに無い強い魔力を持ったものが降り立った。
それは魔女の中でも最上位の魔力をもったエスペロスという魔女だったが、
どういうわけかゴスロリファッションに身を包んだエスペロスは、
龍神や信久のことを気に入って人間界に居ついてしまう。
著者の香月日輪さんは『妖怪アパートの幽雅な日常』を書かれた方で、
妖怪のすむアパートで仲良く暮らす若者を描いたこの作品は大ヒットシリーズとなっています。
そのイメージが強かったので今回の作品もそういう感じなのかなと漠然と考えていましたが、
シリーズを読み進めていくうちに胸にしみる言葉の数々に一気読みしてしまいました。
この作品は幽霊となったおじいちゃんの豪快かつ哲学的な考え方を基に、
引っ込み思案で目立つことの無かった少年が徐々に自我に目覚め、
心を成長させていくという感動的な内容です。
1巻目では主人公の龍神が小学生でしたが、
2巻目からは一気に成長して高校入学の年を迎えます。
小学校です学校でも家庭でも「目立たないおとなしい子」と思われていた龍神が、
不思議な塔でおじいちゃんと出会ってから心を成長させていき、
家を飛び出して一人暮らしをしてから3年が経っています。
登場人物は1巻目とそれほど変わりませんが、
魔法陣から最強の魔女は飛び出してくるは、
学校一の天才少年が登場するはでストーリー展開に飽きることがありません。
なによりもおじいちゃんの教える言葉にいろいろと胸を打たれます。
「善人がかならずしも善人ではない」
「優秀だと大切に育てられた子どもは心の奥行きが無い」
「自分らしく、自分の思うままに生きていけばよい」
こういった言葉は大人だけではなく、
思春期を迎えた子どもたちにこそ知って欲しい内容だなと思います。
「自分」というのは誰が決めたのか。
「自分」は「自分」が作ってきたものだと思っていたけれども、
それは「周りから見た自分」を意識して作り上げてきたものではないのか。
読み進めていくうちにそんなことを思い浮かべたりもしました。
子どもの頃、特に中高生の頃には将来に対していろいろな希望や不安を持ち、
考えても考えても答えが見つからなくて悩んだ時期がありました。
大人になっても、中高年と呼ばれる年齢になっても、
自分はいったい何者なんだろうという考えにとらわれることが少なくありません。
そんな時にこのシリーズを読むことによって、
心や気持ちが悩める青少年の頃に戻って、
自分自身を原点から考え直すことが出来るような気がします。
悩んだときに一気読みすると気持ちがリセットされて、
元気がふつふつと沸いてくるようなシリーズです。
Posted by ブクログ
おおよそ一年ぶりですね。
今回はおじいちゃんの過去と妹の人間関係のお話。
今までは主人公が成長することが多かったですが、今回は周りの成長を主人公が見て、変化を感じるようでした。
おじいちゃんの過去からは、生い立ち、家族関係、環境から、おじいちゃんのルーツを知ることができます。
そして妹のお話からは中学生らしい複雑な人間関係と成長期ならではの心の格闘が書かれています。
おじいちゃんと妹と比較して、人とのぶつかり合いの違い、難しい中での決断が昔と今ではどう違って、それぞれの良さがあることを感じました。
主人公もちょっと大人びた考えを持っている子でしたが、妹のことになると普通のお兄ちゃんで、逆に新鮮に思える。
今回は物語を動かすのが主人公ではありませんが、香月さんらしい道徳観、哲学観、倫理観は変わりませんので、楽しめる一冊でした。
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