となり町戦争

となり町戦争

440円 (税込)

2pt

ある日、突然にとなり町との戦争がはじまった。だが、銃声も聞こえず、目に見える流血もなく、人々は平穏な日常を送っていた。それでも、町の広報紙に発表される戦死者数は静かに増え続ける。そんな戦争に現実感を抱けずにいた「僕」に、町役場から一通の任命書が届いた…。見えない戦争を描き、第17回小説すばる新人賞を受賞した傑作。文庫版だけの特別書き下ろしサイドストーリーも収録。

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となり町戦争 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年01月11日

     となり町と自治体の公共事業として戦争する舞坂町に住む主人公。戦況も報じられず、大義名分やそもそもの戦争の是非について論じられることなく、日常の延長線上に戦争が行われている。偵察任務を命じられた主人公ですら、となり町との戦争を実感することなく、いつも通り仕事に行き生活している。個人が実感できない事象...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月05日

    「戦争」は「日常」の対極にあるのではなく、「日常」の延長戦にあるのだという意識をもつべきだと訴えられた。
    「戦争」という言葉を聞くだけで、言い伝えられたイメージに固執していると、私たちは本当に、自分の歩んでいる道がどこへ続いているものなのかを見失ってしまう気がする。

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    Posted by ブクログ 2021年08月07日

    となり町戦争というのは、何かの比喩で、暗示にあふれた小説なのかな、と思っていたけど、
    読後3年ぐらい経過すると、実際に起きたことだったかなと思ったりした。

    現実感というのは私にとってはそのぐらい曖昧で、その瞬間をつかんでいないと、すぐに現実か、非現実か、判断がつかなくなる。

    たぶんそういうこと。

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    Posted by ブクログ 2023年02月22日

    通常、戦争を描いた作品はその戦争の残酷さ、非日常さをまざまざと描くものが多い。
    しかし、この作品は違う。主人公は戦争が行われているという実感をはっきりとは得ないまま、偵察業務を行い、そして戦争を終える。同じ戦争に対しても、仕方の無いものだと受け入れる者、憤りを感じながら正義のために参加しようとす...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年12月30日

    となり町との戦争だから実感を伴わないことに違和感を感じるが、では、相手が遠くの国ならどうなのか。当事国でなければ加担していないと言えるのか。そのリアリティをすぐ隣まで引っ張ってきてしまった、そんな本。

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    Posted by ブクログ 2021年09月22日

    香西さんと主人公のやりとりにだけあるリアリティと、起きている戦争のリアリティの無さの差が見事だった。

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    Posted by ブクログ 2021年03月14日

    地域振興のため、日本各地で隣町同士が戦争をする。
    コンサル会社が双方につき、両町で何年も前から協議して開戦と終戦までも話し合われている――。
    こんな突拍子もない設定だが、私は奇妙なことに受け入れられた。
    この書き手のデビュー作だそうだが、作品世界の破たんもないし、整理されていて、とても読みやすった。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年09月12日

    見えない戦争、感じることのできない戦争、新聞やニュースで伝えられるだけの戦争。数字だけの戦死者。映画やドラマで見るリアルっぽい戦争に流す涙。第二次世界大戦後の平和な日本では、戦争ってそんなものかもしれない。でも今日もどこかで繰り広げられてる戦乱、もしかしたら自分も遠い因果で関わっているかもしれない戦...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年03月17日

    町の公共事業の一環として、となり町との戦争が開始した。

    しかし町には銃声が鳴り響くこともなく、死人が倒れているわけでもない。

    ただただ平穏な暮らしが続く中で町内会の掲示板だけが戦死者の増加を告げる。


    ホントに戦争が起きているのか―?



    そんなことを考えていた主人公の元に町役場から“任務”...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年02月11日

    日本は戦争を放棄していながら、軍需産業を通して戦争に関与していることを想起する内容だが、ドラマチックな変化を起こす強権が排除された法治国家を舞台に小説を書く手法のひとつとして、秩序を立ててドラマチックな変化がもたらされること(秩序だっている以上、急激な変化ではない。)を描いているのか。
    ただひたすら...続きを読む

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