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【第149回直木賞受賞作】北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く――。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昂揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。
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「ホテルローヤル」
2020年11月13日公開 出演:波瑠、松山ケンイチ、余貴美子
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Posted by ブクログ
7篇のショート短編集。 最初の話で、舞台であるホテルローヤルはすでに廃業し、廃墟となっていることが示される。時代が逆戻りする構成で、読み進むにつれて、ホテルローヤルに関わってきた人たちのドラマがひとつずつ語られる。 自分は一人旅が好きで、旅先ではよくホテルの廃墟を見てまわる。 当たり前だが、どの廃...続きを読む墟にも、人が住み、人が訪れ、毎日さまざまな出来事があったはず。今は誰もおらず、建物も朽ち果てている。そんな事を考えながら廃墟を見ると、何もかも終わってしまうのだなあ、でも、その時々でそれぞれの物語があったのだなあ、と考える。それぞれの物語の中では、それぞれの人が主人公だったのだろう。 この作品でも同じことを感じる。作者の目線はやさしく、普通の人たちの日常、あっという間に消えていってしまい、誰も覚えていることもないだろう日常を、丁寧にすくい取り、語っている。 最初は映画から見たのだが、(仕方ないことがが)、原作の深みには及ばなかった。 集英社文庫、218ページ。
場所から連想する下世話な感じはさほどないけれど、好奇心は刺激され続ける。その中で交錯する人間模様は構成の妙と文学的な余韻に満ちている。外堀を埋めてからの高校教師と生徒のエピソードには唸った。グイグイ読めました。
ホテルローヤルで 非日常を求める男女や、その経営者、家族が出てくる7編の短編ストーリー ラブホテルが舞台なのが面白い 正欲って年齢を重ねても意外とあるもんなんだな それによって人生を狂わされるって やっぱり三大欲求って言われるだけあるよなとか お金が無いのは嫌だと思った バブルバス ほっこ...続きを読むり 星を見ていた いいかミコ、何があっても働け。一生懸命に体動かしてる人間には誰も何も言わねえもんだ。聞きたくねえことには耳ふさげ。働いていればよく眠れるし、朝になりゃみんな忘れてる。
全体を読むと
一つ一つの物語がそれとなくつながっていて、時間の流れもさまざまで、それが読者にその間の出来事を想像させる。そんな全体の構成はすごいと思う。
全体的に寂れててジメッとした雰囲気が漂う ホテルにまつわる連作短編集 時系列が通常とは逆で、廃墟となったホテルローヤルから始まり、終盤はホテル開業前まで時間が遡って描かれていく。ギリギリの生活をしている登場人物ばかりで、非現実感やそういった世界の恐怖なども感じる。どこか物悲しさが漂うが、不思議と引き...続きを読む込まれる作品だった。
辛い。 この人の取り上げる人たちのギリギリ感はいつもきつい。 上手な分、目を背けたくなる。 「えっち屋」「バブルバス」で少し息ができる。
たくさんの芸術家が影響を受けたと口にされているのので遅ればせながら。 すでに評価が確立された本に対していうのもあれだけど、面白かった。独特の世界観と呼ばれるものがなんなのかよくわかった。そして惹きつけられた。 行間から登場人物の人間味が感じられてとてもよかった。これを噂に違わず、というのだろう。
章ごとに時間が逆行してるのはなかなかおもしろい。最初では廃墟になってるラブホテルが、章を追うごとに「こんな過去もあったのね…」となり、もの悲しい気持ちになる。
桜木紫乃さんの作品は、北海道、特に道東の風景が頭に浮かんでくる描写に惹かれます。北の大地に慎ましくも力強く生きる人間模様を感じる。
めっちゃいい。どこか哀れさを感じさせる色々な人々の悲しみや歓びが、人生そのものが、ホテルローヤルという場所で交錯する。美しい。
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