作品一覧

  • クラシック音楽の大疑問  角川選書ビギナーズ

    角川選書ビギナーズ

    ビジネス・実用

    5.0
    1~8巻1,540~2,200円 (税込)
    指揮者は何のためにいるんですか? どうして曲が長いんですか? 国ごとに個性があるんですか? 初めて聴くならどの作曲家がいいですか? クラシック音楽が生まれたのはどんな時代ですか? そもそも、音と音楽の違いは何ですか? 専門家に素朴な疑問を投げかけたら、音楽そのものの「本質」がみえてきました。クラシック音楽に原点をもつポップス、ジャズ、現代音楽まで、新しい音楽の聴き方に出会える入門書。
  • 遠野物語 全訳注

    遠野物語 全訳注

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    全部読まなければ、この本のすごさはわからない! 日本民俗学の創始者である柳田の原点にして代表作には、いったい何が論じられ、企てられたのか。 「平地人を戦慄せしめよ」という高らかな宣言に込められたものとは何か。 「ザシキワラシ、オシラサマや河童たちが躍る不思議な世界」 「叙情豊かな日本人の原風景」 という本書がまとってきたイメージの奥にある真価を読み取るための、 懇切な解説つき全文現代語訳。
  • 日本の絶滅危惧知識

    日本の絶滅危惧知識

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    「未来へ継承したい日本の宝というべき知識を愉しく学べる玉手箱のような一冊の誕生です!」“ひふみん” こと加藤一二三先生、大絶賛! ◆縁起のいい箸の選び方とは? ◆日本には「一年分の嘘が帳消しになる日」があった! ◆招き猫はあるのに、招き犬がないのはなぜ? ◆うなぎを食べても引っ越すな。◆掃除が億劫な人へ。大掃除に絶好の日がある! ◆日本にはたくさんの種類の「縞模様」があった。 ◆畳をへりを踏んではいけない! ◆あんぱんとかまんじゅうとか食べられる現代は幸せ。 ◆お月見ってって2回するものらしい。 ◆ “ふんどし”はもう穿かなくなってしまったけど・・・ etc. 絶滅寸前の「日本のしきたり」103個を百年先まで保護したい! 日本のしきたりって、知ってるようで知らないコトばかり。本書では、昔の人には身近だった日本古来の風習に焦点を当て、「絶滅危惧知識」としてトリビア的なネタを絡めつつゆるっと解説しています。なんだかくすっと笑える挿し絵も必見!幅広い世代に愛される天才棋士「ひふみん」こと加藤一二三先生も大絶賛です。 監修は「チコちゃんに叱れる!」でもお馴染みの、日本の民俗学者の第一人者・新谷尚紀先生。◉親子はもちろん、おじいちゃん・おばあちゃんとも楽しく読めて、学べる! 家族で話が弾む!!
  • 神社とは何か

    神社とは何か

    小説・文芸

    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    神社には、なぜ鳥居があるのか。神社の本殿は、なぜあのような形をしているのか。神社のルーツは何か。どのようにして今の形になったのか──伊勢神宮、出雲大社、あるいは沖ノ島、熊野三山、三輪山の磐座祭祀といった代表的な神社とその信仰のかたちを分析するとともに、日本各地に今も残る古い信仰のかたちの中に神社のルーツを探る。神社についてのすべてがわかる決定版。
  • 日本人の葬儀

    日本人の葬儀

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    日本人の「葬儀」はどのような歴史をたってきたのか。各地に伝わる葬送や墓制の実態と意味を検討し、そこに現れる日本人の死生観、他界観、民俗的心性を探る。現代人の終末を考える基礎となる民俗学の名著。
  • 伊勢神宮と三種の神器 古代日本の祭祀と天皇

    伊勢神宮と三種の神器 古代日本の祭祀と天皇

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,815円 (税込)
    原初の三種の神器(銅鏡・鉄剣・勾玉)は、天皇制が確立すると、「勾玉」が「神璽」に取って代わられました。勾玉は、呪術具・祭祀具・儀礼具・宝飾具という多義的な宝器として古日本では重要な役割を持っていました。民俗的信仰から国家的信仰へ、地方の王から国の天皇へ……。神器の意味づけはどう変わったのか? 武家の時代に神器の扱いはどうなったのか? 神器を通してみる、日本の歴史と民俗を問い直します。(講談社選書メチエ)
  • 京都異界に秘められた古社寺の謎―歴史を動かした京千二百年の舞台裏

    京都異界に秘められた古社寺の謎―歴史を動かした京千二百年の舞台裏

    小説・文芸

    3.7
    1巻1,430円 (税込)
    ■民俗学第一人者による「もうひとつの京都」案内 1200年もの歴史を有する京都には「裏の貌」と呼べるべき痕跡が至る所にあり、神社や古寺は時代を超え、「現世」と「異界」のつながりを感じやすい場でもある。「怨霊と御霊」「殺戮と鎮魂」「葬地と聖地」…テレビ番組でも話題を呼び、広がりつつある京都異界ブーム。オモテとウラの両面から知る「もうひとつの京都」。 <本書で紹介する古寺社の例> 【怨霊鎮魂】史上最強の怨霊を鎮める「白峯神宮」 【天変地異】敗者の霊を鎮め疫病を祓う「御霊神社」 【冥 府】冥界への通路が潜む「六道珍皇寺」 【首 塚】二つの怨霊を封じ込めた「明智光秀の首塚」 【怪異譚】安倍晴明と魔界をつなぐ「一条戻り橋と真如堂」 【丑の刻】京都の深層に宿る鬼女の怨念「貴船神社と鉄輪井」 【酒呑童子】鬼の首を埋めて化外の民を退ける「首塚大明神」etc. [目次] 序 章 京都のほんとうの魅力 第1章 敗者の怨念を鎮める神社 第2章 異界との境界だった神社・古寺 第3章 京都に生きた人びとの墳墓としての神社・古寺 第4章 古都の魔界への入口としての神社・古寺 <編者略歴> 新谷尚紀(しんたに・たかのり) 1948 年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部史学科卒業。同大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程単位取得。社会学博士(慶應義塾大学)。現在、国立歴史民俗博物館名誉教授、國學院大學大学院客員教授。著書に『伊勢神宮と出雲大社』(講談社学術新書)、『神道入門』(ちくま新書)など多数。 <執筆協力> 古川順弘 (ふるかわ・のぶひろ) 1970年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。宗教・歴史分野を扱う文筆家・編集者。『人物でわかる日本書紀』(山川出版社)。『古代神宝の謎』(二見書房)、『神と仏の明治維新』(洋泉社)ほか著書多数。本書では第1〜4章、コラムを担当。 【写真提供】 仏野念仏寺、積善院、青蓮院門跡、瑞泉寺、Adobe Stock、写真AC、国立国会図書館、古川順弘 ※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『京都異界に秘められた古社寺の謎―歴史を動かした京千二百年の舞台裏』(2020年9月17日 第1刷)に基づいて制作されました。 ※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
  • 神道入門 ──民俗伝承学から日本文化を読む

    神道入門 ──民俗伝承学から日本文化を読む

    ビジネス・実用

    3.6
    1巻990円 (税込)
    日本の神道とは何なのか。それは、いくつもの信仰が、繰り返し「上書き保存されたもの」と捉えることができる。古代天皇の神祇祭祀に、仏教や儒教・陰陽道等が流入、さらに幽界霊界の存在への信仰が加わって、混沌としたまま全てを含みこむ形で展開。そのため、日本の神道は複雑に見えるのだ。本書では、その後、さらに天皇崇拝を中心とする近代の国家神道を経て、現代の宗教法人神社本庁が統括する神社神道へと至る変遷全体を追う。伝承分析の手法によって上書き保存の履歴を解明しつつ、変わることなく伝承されてきた神道の中核部分をあらわにする。
  • 民俗学がわかる事典

    民俗学がわかる事典

    ビジネス・実用

    3.5
    1巻1,364円 (税込)
    「なぜ敷居を踏んではいけないのか?」「ひな人形はなぜ3月3日を過ぎたら飾ってはだめ?」「ハレとケとは何か?」等、日本古来の習わしや不思議な言い伝え、民俗学の基本用語など全150項目超を解説。
  • 季節の行事と日本のしきたり事典ミニ

    季節の行事と日本のしきたり事典ミニ

    ビジネス・実用

    3.5
    1巻1,017円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は、好評既刊『おうちで楽しむ 季節の行事と日本のしきたり』の内容をコンパクトにまとめ直し、いつでも持ち歩ける文庫サイズに再構成した本です。 日本の伝統的なしきたりについて、その内容や意味をまとめ、親しみやすいフルカラーのイラストで解説。 お正月や端午の節句などの日本の古きよき伝統から、現代から根付いた行事までを詳しく紹介。 家族や親戚と一緒に楽しめる、ミニ事典になっています。
  • すぐ忘れる日本人の精神構造史

    すぐ忘れる日本人の精神構造史

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    いくら外国を真似ても、結局日本人は日本人! 生活が苦しくても「しかたがない」と我慢する、責任追及をせず問題点をふわっとさせたまま何となく進み、やがて忘れる――そんな日本人の思考や行動の傾向性は「稲作を土台に、律令制+荘園制+武家政権の時代」を経て培われてきたといえる。本書では日本の歴史の経歴、慣習の積み重ねを民俗学の視点から歴史を追跡することで、どうやってそのような日本人が育まれたのかを知り、これからの社会のあり方、日本人のあり方を考える。 日本にあるのは「宗教」ではなく「信仰と学問」、「民主主義」や「人権」の理解は欧米とは異なる日本流、明治政府の体制は西洋化のと思いきや古代律令国家の体制の復活、など、いわゆる「日本史」を通して学ぶだけでは見えない視点が、民俗学の視点を通すことで浮かび上がってくる。
  • 氏神さまと鎮守さま 神社の民俗史

    氏神さまと鎮守さま 神社の民俗史

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻1,815円 (税込)
    日ごろ意識することは少なくとも、初詣や秋祭り、七五三のお宮参りと、私たちの日常に神社は寄りそっている。我々にとって、神とは、そして日本とはなにか? 民俗調査の成果をふまえ、ごくふつうの村や町の一画に祭られる「氏神」や「鎮守」をキーワードに、つねに人びとの生活とともにあった土地や氏と不可分の神々や祭礼を精緻に探究。日本人の神観念や信心のかたちとしての神や神社の姿と変容のさまを、いきいきと描き出す。
  • 神社に秘められた日本史の謎

    神社に秘められた日本史の謎

    ビジネス・実用

    -
    1巻880円 (税込)
    神社がわかると、日本の歴史が見えてくる! ◆伊勢神宮、出雲大社……。全国の有名神社から読み解く古代日本の姿とは? ◆古代豪族から近代の軍人まで。歴史上の人物を祀った神社はなぜ生まれたのか? ◆八幡、稲荷、伊勢……。代表的な信仰はどのように広まったのか? 古代から近現代まで、誰も触れてこなかった神社の正体に迫る!
  • 伊勢神宮と出雲大社 「日本」と「天皇」の誕生

    伊勢神宮と出雲大社 「日本」と「天皇」の誕生

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,430円 (税込)
    こうして「日本」は形づくられた! なぜ、大和は出雲を必要としたのか? 朝日と夕日、太陽と蛇、陸と海、現世と他界― 天武・持統の大和王権を守る「両端の象徴的霊威」をになうものとして伊勢・出雲をとらえ直し、日本の起原に鋭く迫る試み。 「神とは何か」という民俗学による理論的分析の視点と、歴史学による記紀をはじめとする文献研究、考古学の発見を融合させた、新しい古代探究! 【本書の内容】 第一章 伊勢神宮の創祀 第二章 〈外部〉としての出雲 第三章 祭祀王と鎮魂祭 終 章 〈日本〉誕生への三段階 ※本書の原本は、2008年に講談社選書メチエより刊行されました。
  • 絵でつづるやさしい暮らし歳時記

    絵でつづるやさしい暮らし歳時記

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 行事食のレシピ、歳時記や時候の挨拶などの実用情報も充実。その行事が旧暦でいつ頃かもわかります。2006年刊行の、写真でつづった歳時記『和ごよみと四季の暮らし』を、ほっこりとしたイラストにして全面改訂。新暦の1月から12月まで、暦に従って日本のしきたりや二十四節気などの季節にまつわる年中行事などを紹介しています。七十二候や十干十二支、六曜など暦にまつわる解説から、こいのぼりや七夕飾りの折り方、梅干しの漬け方、風呂敷包みのしかた、柏餅や月見団子の作り方、歳時記や時候の挨拶などまで、実用情報が充実しています。
  • おうちで楽しむ 季節の行事と日本のしきたり

    おうちで楽しむ 季節の行事と日本のしきたり

    ビジネス・実用

    -
    1巻781円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 暮らしの歳時記12か月―新年の迎え方、豆まきの作法、お祭り…毎日を豊かにする年中行事が1冊でわかる! 日本の伝統的なしきたりについて、その内容や意味をまとめ、親しみやすいフルカラーのイラストで解説。お正月や端午の節句などの日本の古きよき伝統から、クリスマスやハロウィンなど現代から根付いた行事までを詳しく紹介します。行事の由来はもちろん、七草粥など季節のレシピや雛人形・五月人形の飾り方まで掲載。家族や親戚と一緒に楽しめる歳時記です。 ※本書は、2007年12月に刊行した『季節の行事と日本のしきたり』を再編集したものです。

ユーザーレビュー

  • 日本の絶滅危惧知識

    Posted by ブクログ

    日本に古くから伝わるものの豆知識を増やせます。古いのもの、取り入れられることものは取り入れて、大事にしていきたいものです。

    0
    2026年09月27日
  • 神社とは何か

    Posted by ブクログ

    1045

    新谷尚紀(しんたに たかのり)
    一九四八年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程単位取得。国立歴史民俗博物館教授、総合研究大学院大学教授などを歴任。現在、国立歴史民俗博物館名誉教授、國學院大學大学院客員教授。社会学博士。『伊勢神宮と三種の神器』『氏神さまと鎮守さま』(ともに講談社選書メチエ),『ケガレからカミへ』(岩田書院)など多数の著書がある。

    神社とは何か (講談社現代新書)
    by 新谷尚紀
    しかし、水田稲作を基本的な生業として定着させていった社会では、恵みの基本である水に対して、その水源への感謝と管理と祭祀、そして水利についての管理と維持などの技術は必要不可欠のものとなったと考えられる。それをよく示すのが、水田稲作を普及させ定着させた社会で誕生した「稲の王」の遺体を葬るための巨大な墳墓、すなわち古墳の築造と、それと密接に関連している水源祭祀と水利灌漑技術の持続的な活用であったと考えられる。磐座祭祀の早い例である三輪山遺跡の三輪山麓には数多くの古墳が築造されているが、それらはいずれも三輪山麓の水源祭祀と水利灌漑技術の持続的活用と不可分の関係にあったものと考えられる。

    天皇と摂関貴族の触穢思想  つまり、七~八世紀には天皇をはじめ貴族層もさかんに肉食を行なっていたが、九~一〇世紀になると、その肉食は禁忌視されるようにと大きく変化していったのである。それは神聖なるまつりごと、つまり、神祇祭祀と摂関政治に奉仕する平安貴族たちにとって必要不可欠とされた清浄性の維持のための規範であり、禁忌とされていったのである。この九世紀から一〇世紀の変化は、藤原良房 による幼帝 清和 の強引な即位という異常な実行によって起こされたところに起因する連動的な転換現象であった。それは日本の古代国家の重要な構造的な転換であり、一言でいえば、律令制から摂関制への転換である。

    日本の古い神社の本殿としては、伊勢神宮の神明造、出雲大社の大社造、住吉大社の住吉造、春日大社の春日造が印象的であるが、それらの建築様式を伝える神社は実際にはその数は少ない。大社造はほぼ島根県域に限られているし、春日造も奈良県を中心に和歌山、大阪、兵庫などに限られている。そのような中で、日本の神社本殿の形式でもっとも多く、全国で約一〇万社もあるといわれる日本の神社のうちで全体の約六割を占めているのは、この上賀茂神社と下鴨神社のような流造の本殿である。そして、この流造の本殿の最古のものがほかならぬこの上賀茂神社と下鴨神社なのである。  流造は多くの参拝者が本殿にまで昇殿し参入することなく木階の下から本殿の祭神に向かって拝礼できる形式である。そうしたところから、中世、近世の神社建築では流造の本殿が普及していった。だから、いまでも日本各地でもっとも目にする機会が多いのが、この流造の建築様式の神社本殿なのである。

    その流造の最古式の神社が、上賀茂神社・下鴨神社の両社であり、切妻造・平入の三間社で、屋根は檜皮葺だが千木と鰹木はつけない。他にも、宇佐八幡宮や石清水八幡宮、祇園八坂神社、安芸の宮島の厳島神社など、平安時代の神社建築には、千木と鰹木はつけないのがふつうである。そして、賀茂社では本殿の柱の下に井桁に組んだ土台をもつ点が特徴である。上賀茂神社と下鴨神社が、古い建築様式であるはずの掘立柱ではなく本殿の下に土台をもつことについては、遷宮との関係で説明されてきている。

    不思議な社  日本の各地の神社の中で、なかなかその正体を見定めることが困難な不思議な神社、それが熊野三山の神社である。古代からの長い歴史をもち、しかも強力な霊験力のある神仏としての独特の世界を形作ってきているのがその熊野の信仰である。その熊野信仰の構造について読み解く上で重要なのは、その基盤に、柳田國男が『遠野物語』(一九一〇) で発見し「 山人 考」(一九一七) や「山人外伝資料」(一九一三、一九一七) などで精力的にその情報を収集した、日本列島の先住民の子孫として山に棲み続けてきた山人たちの生業と信仰とがあるという点である。

    記紀神話と熊野  一つは、『古事記』では 伊 邪 那 美神 が 神 避 りしとき出雲国と 伯 伎 国の堺の 比婆山 に葬ったというが、『日本書紀』では 伊 弉冉 命 は紀伊国の熊野の 有馬 村に葬ったといい、土俗によればこの神の魂を祭るには、花の時には花をもって祭り、鼓吹幡旗をもって歌い舞い祭るとある。もう一つは、神武東征伝承にみえる熊野の 高倉 下 と 八咫烏 の伝承である。天照大神や 高木 神 の命令により、 武甕槌神 が 葦原 中国 を平定したときの 横刀 を、熊野の高倉下を介して神武に与えて、熊野の山の荒ぶる神々を皆切り 仆 して難局を乗り越えたという。その横刀を『古事記』では 佐 士 布 都 神、 甕 布 都 神、また 布都御魂 といい、いま石上神宮に坐すという。『日本書紀』ではその横刀を韴霊と書いている。そして、神武の軍勢を熊野の奥深い山中から大和高原の 宇陀 の地へと先導したのが八咫烏(記)、頭八咫烏(紀) であったという。また、『日本書紀』では、神武が熊野の 神 邑 に着いたとき天の 磐盾 に登ったとある。神話伝承ではあるが、その天の磐盾を現在の熊野速玉神社の摂社・神倉神社の巨大な磐座と考えることもイメージとしては否定しがたいところではあろう。

    厳島神社は瀬戸内海に浮かぶ宮島の波静かな入り江の海上に鎮座しており、その島全体が聖なる神の島とされている。現在の社殿は、仁安二(一一六七) 年に平清盛によって建てられた優美で壮大な海上の社殿群からなっている。その後、鎌倉時代の建永二(一二〇七) 年と貞応二(一二二三) 年の二度にわたる焼失の後、仁治二(一二四一) 年に当初の社殿のままに再建され、その後は造替や改廃や新設が加えられながらも、平清盛の時代の造形がそのまま現在まで忠実に再現されてきている。

    つまり、現在のような壮麗な海上社殿は、 大輪 田 泊 の港湾の大改修や 音 戸 瀬戸 の開削など、陸上だけでなく海上の港湾整備という大土木工事を実現させた平清盛の政権の技術力をもって、入り江の土砂を大量に除去した上で、硬い岩盤が水中に現れた海上にすべての柱を立てて、寝殿造を模した壮大な社殿を建築したものに他ならない。厳島神社の海上社殿は決して砂上の楼閣ではなく、硬い岩盤の上に建てられた強固な建築物なのである。いまでも積もっている大量の土砂を除去すれば、美しく輝く 雲母 や石英などを含む岩盤が水中に現れ、壮麗な寝殿造の厳島神社がその上に建てられていることを実見できるであろう。

    足利義満と五重塔建立   足利義満 の祖父、足利尊氏 は建武年間の騒乱の中で、いったん敗れて海路を西走したとき、二月一八日厳島に参拝して祈念をこめたあと、 赤間関(下関) に向けて出発し二五日に着いたという(「新出厳島文書」一五二号)。そして、九州で勢力を回復して京都へ向けて東上する途中、建武三(一三三六) 年五月には安芸国造 果 保(東広島市高屋町) を厳島神社の造営料所として寄進している。『太平記』によれば、尊氏はその五月一日に厳島に船を寄せ、 参籠 すること三日、その結願の日に 持明院 からの院宣が届き、五日に厳島を出発した、と脚色的に記しており、尊氏の厳島神社への信仰心の篤かったことを伝えている。その尊氏の奉納経もあり、足利将軍家にとって重要な神社であった厳島神社に、尊氏の孫の足利義満もその後に参詣している。南北朝の混乱の終息も近い康応元(一三八九) 年三月、讃岐の細川氏との提携、周防長門の大内氏への対策、九州探題の 今川了俊 へのてこ入れなど政治的な意味のある遊覧であったが、今川了俊の『 鹿苑院 殿厳島詣記』などにその義満の厳島への参詣の様子が記されている。義満からの引出物には白太刀一、料足三〇〇〇貫などがあったが、とくに注目されるのは五重塔の建立であった。

    鳥居と山門  神社といえば鳥居である。寺院といえば山門である。このちがいは神社と寺院のちがいをよくあらわしている。寺院は、病院や学院や修道院などと同じく院の一種であり、壁囲いなどで周囲を囲い、一定の領域を主張する。それは世俗の世界から隔離した特別な場所であるという意味を発信しているものである。したがって、その独自の領域を主張する寺院には、入門と出門という言葉も生まれている。禅宗寺院では、禁 葷酒 入山門、不許葷酒入山門、などと書かれた石碑もよく見かけられる。

    神社とは文字通りにいえば神の社のことです。神を祭る建築物です。では神とは何か、社とは何か。神とは、人間が生活している自然界の生命力のことです。天空の太陽や月星や大地の山野河海の恵みと脅威です。自然界の恵みと脅威に対する敬いと畏れがその基本です。その自然の生命力を畏れ敬うために、人びとが設営し祈りと祭りをささげてきているのが神の社です。社とは屋代のことであり、自然界の生命力を神として信仰し迎え祭るその場所と建物のことです。

    0
    2024年06月17日
  • 京都異界に秘められた古社寺の謎―歴史を動かした京千二百年の舞台裏

    Posted by ブクログ

    タイトルはオカルト本のような趣もあるが、至って真面目な京都に関する歴史の本。平安時代には怪異が信じられていたので、この時代について語ろうとすればそういった話が出てくるのは当然のこと。著者は研究者なので内容は信頼できる。京都散策がより面白くなる一冊。

    0
    2023年02月10日
  • 遠野物語 全訳注

    Posted by ブクログ

    原文と現代語訳、解説が載っていてとてもわかりやすい。遠野物語が古文的な文章で書かれていると知らずに手に取ったが、訳がある本で良かった。

    昨今都市伝説やモキュメンタリーがブームだけど、この本に載ってるのは当時の田舎の都市伝説(伝承)みたいな感じだろうか。作り話とも本当のことともしれない話もたくさん出てくる。
    山に住むサンカのことは知っていたが、里と本当に接触しないで住んでいた人たちがいたんだろうなあ。いわゆる神隠しも、超常現象ではなく山の人たちの誘拐だったりしたのかも…。神様のいない現代だって、一瞬目を離した隙に行方不明になる子供がいるのだし。
    ある日行方不明になった里の少女が、三十年経って年老いた姿で今は山の民と暮らしているが故郷の親戚に会いたいと一瞬だけ里に戻ってきてまたすぐ山へ戻っって行った話とか、不思議な、怪異の話ではなく、誘拐されてたんだ…と思うと悲しい。
    また、出会った得体のしれない者は、旅人でない限りえいやと殺しちゃうのも時代的になんかすごいな。

    最後の付録には、民俗学は文化人類学の中に位置づけるべきではない、広い意味での歴史学に位置づけるべきである、という柳田國男の主張が紹介されている。この民俗学、文化人類学、歴史学の違いが、大学生の頃からいまいちわからない自分は、柳田がなにに怒っていたのかがわからない。
    ただ、この本は著者が言うように柳田民俗学つまり民間伝承学、民俗伝承学の立場から原点であり原典である「遠野物語」を読み解いてみようとしたものだろう。最後の付録まで含めて、この本が柳田の主張に沿って「遠野物語」を読み直す本だったのだと思う。

    0
    2026年08月30日
  • 季節の行事と日本のしきたり事典ミニ

    Posted by ブクログ

    個人的にはきちんと行事やしきたりについて知識を得ようとしたことがなかったので、基本的な知識が書かれていてよかった。
    例えば正月飾りやおせち料理の一つ一つの意味合いや、行事の指針となる二十四節気など、簡潔に書かれていてわかりやすかった。

    0
    2025年11月12日

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