坂本湾の作品一覧

「坂本湾」の「BOXBOXBOXBOX」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • BOXBOXBOXBOX
    3.7
    1巻1,650円 (税込)
    宅配所に流れる箱を仕分ける安(あん)。ある箱の中身を見た瞬間から次々に箱が消えていって――顔なき作業員たちの倦怠と衝動を描くベルトコンベア・サスペンス。第62回文藝賞受賞。

ユーザーレビュー

  • BOXBOXBOXBOX

    Posted by ブクログ

    題名の「box」に引っ張られているよう気もするが、安部公房的おもしろさがあり、中村文則的おもしろさがあった。不穏で尚且つ推進力のある小説。

    「濃霧」に「ブレインフォグ」とフリガナがふってある言語感覚も好きだ。

    「労働は返事をしない。献身の見返りは薄給で、いずれ体も思考も動かなくなって捨てられる。」p.26

    0
    2025年12月20日
  • BOXBOXBOXBOX

    Posted by ブクログ

    この作品は素晴らしい
    生きる上のモヤモヤをとても体現している
    芥川龍之介や太宰治のような不安さを感じた
    今年1いい作品だった

    0
    2025年12月15日
  • BOXBOXBOXBOX

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    霧に包まれたような、モヤモヤとした不思議な読後感だった。
    濃霧が立ち込める宅配所でライン作業をしている従業員視点の話。
    視点がコロコロ変わるので、今誰の話だ?と一瞬なるのが読みにくく感じた。でもそこがこの本の不気味な雰囲気を作っているとも感じた。

    箱を盗んでしまう従業員。箱の中身からドラマが生まれるかと思いきや、箱を盗むことそのものに陶酔してしまう。
    他にも色々問題を抱えている人たち。
    工場現場って、低学歴や年配、移民の集まりみたいにまとめられているけれど、蓋を開けるとその辺のそこそこの企業の会社員よりも、問題を抱えている、不謹慎な言い方をすればドラマがある人たちが多いのかもしれない。
    本作

    0
    2025年11月29日
  • BOXBOXBOXBOX

    Posted by ブクログ

    むちゃくちゃ好き。

    どこからが現実で、どこからが思考で、
    どこまでが妄想で、どこまでが自分なのか。

    霧のように輪郭がぼやけているのに、
    不思議な引力でぐんぐん読み進めてしまう。
    むっちゃ面白かった。

    今の時代、「こんなことないでしょ」とも言えない
    題材が真ん中にあって、とても現実感のある瞬間もあれば、妄想や思考が入り混じって白昼夢のような瞬間もあって。それがなんだかサスペンスっぽさに繋がってて続きが気になって一気読みしてしまった。

    結局彼は今も霧の中なのか、
    運び出すことに成功したのか。

    あとカバーを外した時のダンボールのような装丁が粋。中表紙が蛍光色なのも、作中の表現をうまく拾って

    0
    2025年11月19日
  • BOXBOXBOXBOX

    Posted by ブクログ

    好き、気持ち悪好き。
    さとしと、さやかが推薦していたから購入。作品の雰囲気としては、小山田浩子の工場に近いような(あちらの方が、カオスというかディストピア感強めだけど)。

    ラストもハッピーには終わらない感じがいいよね。さすが、芥川賞候補作品。

    0
    2025年12月13日

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