坂本湾のレビュー一覧

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     単調な仕事に就き、日々それを繰り返すことによる不安感や閉塞感が表現されていた。著者は、宅配センターの仕分け作業について自身の経験を通し「身体は疲れるけど、脳は暇」と言い表していたが、実感がわかない。
     私は仕事を通して、勤務に関わらず責任が問われる緊張感や、終わりが見えず時間が侵食される感覚をおほえ、脳の疲労を感じている。
     単純作業を生業とすることは、表面的には自由や開放感を与えるが、長期的には虚無感や孤独感に苛まれるのだろう。
     無人島に身を投じることを想像したとき、自由と孤独の両方を感じる。だから、どちらということではなく、自由と孤独は表裏一体で、責任から逃れることは社会とのつながりを

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    2026年01月06日
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    第174回芥川賞候補作。地上波初放送が先日発表された映画『ラストマイル』よろしく大量の荷物を仕分ける宅配所の作業員たちを描いた物語。もし作業員に魔が差して荷物を盗んでしまったら?という一応のサスペンス設定はあるものの、建物内を濃霧が立ち込めた辺りから現実と虚構の境界がどんどん曖昧になり不気味な世界に誘われる。資本主義の下で心を殺して働く現代人を痛烈に批評する怪作。

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    2026年02月22日
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    私と何歳も違わない方がこんなにも解像度高く、でも謎に溢れた小説を書けるのか!と尊敬。

    ベルトコンベアで荷物の仕分けをする人たちの働く中での心の動き、もがき、葛藤...
    色んなものが煮詰まって装丁のようになっていく話。

    働き方を考え直すきっかけになったし、周りの人の人柄を考えて仕事選びをする大切さを教えてくれた1冊だなと感じた..!

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    2026年02月17日
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    語り手の視点が唐突に入れ替わり、現実と妄想の境界がなくて混沌とした世界。ループして抜け出せない感覚に陥って困惑した。陰鬱で殺伐として湿度高めの空気感、息苦しかったけれどこの雰囲気は好きだ。安がモノに妄執する様に「銃」を思い出した。次作が楽しみ。

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    2026年02月01日
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    気味悪い職場はデストピアかと思ったが、読んでいるうちに、これって現代の職場で感じるものそのものではないかと感じた。職場で何かあるとルールで縛られる閉塞感、正規と非正規の違い、仕事のやりがい、コミュニケーションがなくなっている現場。それによる孤立感、などなど。作品での描写は極端だけど、根底に流れているものを感じ取ると、自分が今置かれている状況とリンクする。ルールが作成されれば、現場では業務影響なければ許容する管理者も現実的で、これは閉塞感の中の救いみたいなものだろうか。

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    2026年01月18日
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    物流を担う現場を舞台にしたプロレタリア文学。設定が面白い。登場人物の鬱屈とした感情、無機質で居心地の悪い空間、現代ではなさそうと思わされる警報や怒号。いいバランスだ。霧がかかった室内も不気味さを助長していた。現実と妄想が混濁する展開にもう少し捻りが欲しかったが、真面目な安さんが盗みをはたらくまでに至る描写が良かった。

    単館系で上映している不気味な北欧ホラーのテイストで好み。

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    2026年01月17日
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    霧に包まれた宅配所で働く主人公。ベルトコンベアーで運ばれてくる箱の中身を想像することで単純労働に耐えていたが、ある日箱の中身を見る機会が到来する。
    芥川賞候補作。テーマの扱い方が上手くて題材も時流に即してるし面白い、巧みな現代の病理の詰め合わせ。六面体の内部に思いを馳せる人間の、ドロドロとした劣情を描くいびつな作品。混在する視点が1つの空間を暴こうとする試みと、コンベアに乗せられたような人間の労働を描く(110頁★3.8)

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    2026年01月15日
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    薄霧たちこめる宅配所で仕分け作業する安は箱の中身を妄想することで単純作業の憂鬱を紛らせていた。
    それがいつしか…
    夢か現か、4人の視点が交錯し不条理な会話劇を観てるような、霧の中で迷い続けてるような、困惑するけどクセになる読み心地。
    作品紹介を読んで面白そうだな、と思い読みはじめたら想像の斜め上を行く展開だった。
    終盤の三行に「え?」と声が出た。
    そういう、こと?と一瞬意味を掴みきった気になったけど、やっぱり霧の中、、まだ理解が追いついてないかも…?

    デビュー作にして芥川賞候補作、、
    今後の活躍が楽しみです。

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    2026年01月14日
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    ワタクシが排除される労働の観点では担保されない個人の有り様を書いた小説と私は読みました。立ち込める霧のせいで見通しが悪く、横の繋がりが断ち切られている宅配所で打たれた点のように流れ作業に励んでいる様子は、一見するとその場に個人が存在するように感じられるのですが、束の間、仕組みの外へ出て俯瞰してみると、すぐに代わりが補充され、作業が滞りなく進んでいることに彼は気付く。突きつけられる、その幸不幸含めて代替可能の労働力として消費され続けてゆく彼らは私であり、私ではない私たちではないだろうか。閉塞感が漂う明瞭ではないストーリー展開で好き嫌いがハッキリ別れそうな作品ではありますが、令和でも、というより令

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    2026年01月09日
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    ネタバレ

    宅配所で働く4人の群像劇。労働に対する人間の快楽と嫌悪が濃霧の中で不気味に描かれる。ついに解放かと思いきや、気づけば思考はループして宅配所から出られなくなっている安の姿に、この作品の持つ恐ろしさを感じた。

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    2026年01月02日
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    極めて閉じられた、荷物搬送の派遣の仕事とその空間。だんたんおかしくなっていく精神状態と、幻惑、そして単純作業を脳が拒否して盗みを働いてしまう。アドレナリンが出て高揚する感じが心地良くなり繰り返す。狂気の職場と、ひたすら流れていく箱。箱、箱。非常に短くも、きちんと盛り上がって、そしてどんよりと戻っていく波のように、優れたダークな表現力で読みながらぐいっと掴まれる感じだ。

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    2026年01月02日
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    芥川賞候補作は肌に合わないと分かっているのに、つい手に取ってしまった。

    やっぱり、わけが分からない。
    でも、ベルトコンベアから流れてくる荷物(箱)の対応を延々としている登場人物たちの姿が、まざまざと目に浮かんできた。
    決して明るい職場ではない。むしろ、箱に嘔吐する奴がいれば、箱を盗む奴もいる。やばい職場だ。
    でもそのヤバさが、この職場では当たり前のように思えてきてしまう。何でだろう。

    まるで、箱と同様、登場人物たちも皆、職場にいる間は無機物なのではないかと疑えてきてしまう。
    この小説、読んでて何が面白いんだろう。けなしている訳ではなく、素直にそう思った。
    自分の知らない世界、自分の周りにい

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    2026年02月21日
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    霧が立ち込める宅配場という謎設定。
    レーンに流れてくる荷物をひたすら仕分けるという、単純化されたライン作業に、なんとかして刺激を与えようとする作業員達の淡々とした本能的な言動を読み進める感覚がフレッシュ。
    ポップなジャケに対して、中身は湿度が高く闇は深め。ページ数は少なくとも濃厚である。
    3.8点

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    2026年02月14日
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    霧に包まれた作業所のレーンに流れて来る荷物を別のレーンに載せるだけという作業を続ける安と稲森と斉藤、そして上司の神代。
    霧に包まれ朦朧とする中で全てが混沌として狂っていく摩訶不思議な世界。
    芥川賞候補、受賞は逃した。

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    2026年02月12日
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    ちょっと薄気味悪い??宅配所なんで霧が??隣の人が見えないくらいの霧??謎めいた宅配所での箱、箱、箱に翻弄され狂わされた人々の話。読みやすいはずのページ数に苦戦!!

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    2026年02月11日
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    霧が立ち込める宅配所を舞台にベルトコンベアで運ばれる箱たちの仕分けをする人たちの仕事と妄想と窃盗の物語。気になる段ボール箱の中、覗き込みたい気持ちがわかる。

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    2026年02月08日
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    「テープを引き剥がし、
     蓋を開けて、覗き込みたい」
    宅配所で箱を仕分けるうちに生じた、禁断の衝動ーー
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    こちらも昨年読んでました。
    買うか悩みましたが、
    どうしても表紙のデザインが気になって。

    終始不穏で、湿度が高くて。
    あとちょっと気持ち悪いです。苦笑

    登場人物の興奮?が上がる瞬間に、
    読みながら私も興奮しててなんか疲れました。苦笑

    カバーを外すと、
    段ボールのようになっていて、
    装丁も含めて面白い一冊でした。

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    2026年02月08日
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    推定枚数130枚
    退屈な作業のなか人の悪意が積もっていくのは面白かったけど最後妄想みたいな、夢オチ的な終わりはうーん

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    2026年02月06日
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    安、斎藤、稲森、神代の4人の人生を配送所を通して描く内容。芥川賞候補だけあって、かなり文学的というか、比喩が込められてる感じはした。

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    2026年02月05日
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    誰かが見ている夢をずっと見せられているような…

    一見普通に見えても人には誰にも言えない隠された欲望や事情を抱えている。それが薄霧立ち込める宅配所という舞台からも伝わってきました。

    不気味な物語ですが、それが行き過ぎると滑稽にすら思えてきて登場人物達に不思議な愛着が湧いてくる、そんな小説でした。

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    2026年01月30日