坂本湾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
単調な仕事に就き、日々それを繰り返すことによる不安感や閉塞感が表現されていた。著者は、宅配センターの仕分け作業について自身の経験を通し「身体は疲れるけど、脳は暇」と言い表していたが、実感がわかない。
私は仕事を通して、勤務に関わらず責任が問われる緊張感や、終わりが見えず時間が侵食される感覚をおほえ、脳の疲労を感じている。
単純作業を生業とすることは、表面的には自由や開放感を与えるが、長期的には虚無感や孤独感に苛まれるのだろう。
無人島に身を投じることを想像したとき、自由と孤独の両方を感じる。だから、どちらということではなく、自由と孤独は表裏一体で、責任から逃れることは社会とのつながりを -
Posted by ブクログ
ワタクシが排除される労働の観点では担保されない個人の有り様を書いた小説と私は読みました。立ち込める霧のせいで見通しが悪く、横の繋がりが断ち切られている宅配所で打たれた点のように流れ作業に励んでいる様子は、一見するとその場に個人が存在するように感じられるのですが、束の間、仕組みの外へ出て俯瞰してみると、すぐに代わりが補充され、作業が滞りなく進んでいることに彼は気付く。突きつけられる、その幸不幸含めて代替可能の労働力として消費され続けてゆく彼らは私であり、私ではない私たちではないだろうか。閉塞感が漂う明瞭ではないストーリー展開で好き嫌いがハッキリ別れそうな作品ではありますが、令和でも、というより令
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Posted by ブクログ
芥川賞候補作は肌に合わないと分かっているのに、つい手に取ってしまった。
やっぱり、わけが分からない。
でも、ベルトコンベアから流れてくる荷物(箱)の対応を延々としている登場人物たちの姿が、まざまざと目に浮かんできた。
決して明るい職場ではない。むしろ、箱に嘔吐する奴がいれば、箱を盗む奴もいる。やばい職場だ。
でもそのヤバさが、この職場では当たり前のように思えてきてしまう。何でだろう。
まるで、箱と同様、登場人物たちも皆、職場にいる間は無機物なのではないかと疑えてきてしまう。
この小説、読んでて何が面白いんだろう。けなしている訳ではなく、素直にそう思った。
自分の知らない世界、自分の周りにい -
Posted by ブクログ
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「テープを引き剥がし、
蓋を開けて、覗き込みたい」
宅配所で箱を仕分けるうちに生じた、禁断の衝動ーー
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こちらも昨年読んでました。
買うか悩みましたが、
どうしても表紙のデザインが気になって。
終始不穏で、湿度が高くて。
あとちょっと気持ち悪いです。苦笑
登場人物の興奮?が上がる瞬間に、
読みながら私も興奮しててなんか疲れました。苦笑
カバーを外すと、
段ボールのようになっていて、
装丁も含めて面白い一冊でした。