坂本湾の作品一覧

「坂本湾」の「BOXBOXBOXBOX」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

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作品一覧

  • BOXBOXBOXBOX
    NEW
    3.9
    1巻1,650円 (税込)
    宅配所に流れる箱を仕分ける安(あん)。ある箱の中身を見た瞬間から次々に箱が消えていって――顔なき作業員たちの倦怠と衝動を描くベルトコンベア・サスペンス。第62回文藝賞受賞。

ユーザーレビュー

  • BOXBOXBOXBOX

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    霧に包まれたような、モヤモヤとした不思議な読後感だった。
    濃霧が立ち込める宅配所でライン作業をしている従業員視点の話。
    視点がコロコロ変わるので、今誰の話だ?と一瞬なるのが読みにくく感じた。でもそこがこの本の不気味な雰囲気を作っているとも感じた。

    箱を盗んでしまう従業員。箱の中身からドラマが生まれるかと思いきや、箱を盗むことそのものに陶酔してしまう。
    他にも色々問題を抱えている人たち。
    工場現場って、低学歴や年配、移民の集まりみたいにまとめられているけれど、蓋を開けるとその辺のそこそこの企業の会社員よりも、問題を抱えている、不謹慎な言い方をすればドラマがある人たちが多いのかもしれない。
    本作

    0
    2025年11月29日
  • BOXBOXBOXBOX

    Posted by ブクログ

    むちゃくちゃ好き。

    どこからが現実で、どこからが思考で、
    どこまでが妄想で、どこまでが自分なのか。

    霧のように輪郭がぼやけているのに、
    不思議な引力でぐんぐん読み進めてしまう。
    むっちゃ面白かった。

    今の時代、「こんなことないでしょ」とも言えない
    題材が真ん中にあって、とても現実感のある瞬間もあれば、妄想や思考が入り混じって白昼夢のような瞬間もあって。それがなんだかサスペンスっぽさに繋がってて続きが気になって一気読みしてしまった。

    結局彼は今も霧の中なのか、
    運び出すことに成功したのか。

    あとカバーを外した時のダンボールのような装丁が粋。中表紙が蛍光色なのも、作中の表現をうまく拾って

    0
    2025年11月19日
  • BOXBOXBOXBOX

    Posted by ブクログ

    同じことを繰り返す日々の中で生きる4人それぞれの思考。何が現実で何が妄想かは分からない。正常なのか、狂っているのかも分からない。共感ができるというわけでもない。それでもなぜか物語の中に、霧の中に入り込んでしまう感覚。気づけば読み終わっていた。

    0
    2025年11月25日
  • BOXBOXBOXBOX

    Posted by ブクログ

    視点が次々と切り替わる構成がとにかく冴えていた。

    登場人物ごとに温度も癖も違うのに、そのたび空気の色まで変わるようで、醍醐味があった。

    同じ出来事でも、誰の目から見るかで意味が揺らぐ感じが面白く、全員の心情がほどけるようにわかっていく。

    テンポのよさが裏目に出る場面もあって、感情の余韻がもう少しだけ深く沈んでくれたら完璧だったかもしれない。

    視点の切り替えで物語が立体化していく感触が心地よく満足感があった。

    0
    2025年11月25日
  • BOXBOXBOXBOX

    Posted by ブクログ

    薄霧の立ち込める宅配所で日々働く4人の物語。一人一人にスポットライトが当たり、何を考え、何を心に抱えて生きているかが描かれている。少しずつ、だけども確実に狂っていく4人を箱の外から覗いている感覚に陥った。安と同じく4人を覗くことをやめられなかった。

    0
    2025年11月23日

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