佐藤信之の作品一覧
「佐藤信之」の「図解入門業界研究 最新 鉄道業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第4版]」「コミュニティ鉄道論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
日本のバスの輸送人数のピークは1970年と今から60年くらい前だそうです。
日本の人口がピークになる前から下り坂を辿っていることになります。
バス会社の経費は人件費の割合が高いということですが、運転手さんのお給料は他の職業のお給料と比べても低い水準ということだそうです。
お給料が低いのに人件費の割合が高い、って企業としてはかなり悪い状況かと思いました。
バス業界単独で考えるのではなくて、地域の基本的な生活インフラ(公共輸送や医療や買い物や文化芸術など)のひとつの要素として対策を考える必要性を感じました。
自動運転が早くレベル5の水準になって欲しいと思いました。
Posted by ブクログ
東京圏と大阪圏の鉄道の話。鉄道について、その究極の輸送力を発揮すべき通勤時の鉄道輸送力の推移をはじめ、人口動態や自動車など他の交通手段との比較等、深い科学的研究・分析がなされている。路線延伸や車両開発の歴史にも詳しい。今後将来に向けての問題点、解決案、展望等も参考になった。
「東京の西側郊外に開発された田園都市は、最初は分譲地の販売は不調であったが、関東大震災の後は、日本橋あたりの裕福な商家の人たちが競って購入するようになり、住まいは山手、職場は都心と職住分離したことで、毎日通勤する人々が生まれるようになった」p6
「通勤定期旅客が通勤によって失われた付加価値の1年間の総額は、6兆7000億円ということになる。なお、これは通勤時間を余暇に使うならばという数字である」p8
「ラッシュ時の運転本数が一番多いのは、東京の地下鉄丸ノ内線で、1分50秒間隔で1時間に32本である。JRで一番運転本数が多いのは、東京の中央線の2分間隔である」p20
「運転間隔は、駅間の運転条件と停車時間で決まる。駅間の運転条件では、前方の赤信号までに安全に停車できることが条件となる。電車が完全に停車できる距離は、通常は600mで停車できることが求められているので、衝撃なく安全に停車するには46秒かかる。少なくともこの秒数は前の電車との間隔を保つ必要がある。これに駅での停車時間を1分として、約1分45秒間隔とすると、1時間に32本までの運転は可能であると計算できる」p20
「地下鉄が急速に路線網を広げる中で、都心部では駅構内の水平・垂直と長い距離の(徒歩)移動を強いられるケースが見られるようになった。大手町駅は、東京メトロの千代田線、東西線、丸ノ内線、半蔵門線、都営三田線の5路線が複雑に交差している。千代田線の北側の出口から、東西線の東側の出口まで徒歩の行程で400mあまりの距離がある。ゆっくり歩いて10分はかかる。この距離には、かつて都電の時代には、神田橋、大手町、丸の内一丁目の3つの電停があった。都心部では電停の停留所の間隔はおおむね200mで、きめ細かいサービスを提供していた」p40
「都電代替バスは、合理化や地下鉄の開業によって廃止されたものも多い。もともと、都電の廃止は、交通局の経営問題から、起債の条件として自治省から求められたものであり、廃止が惜しまれる路線も多い」p42
「(上野東京ライン)この直通化の工事のために、東京駅を発着するブルートレインと呼ばれる客車の夜行特急・急行がすべて廃止された。客車列車は、品川の車両基地から東京駅まで機関車に牽引されて回送されてくるが、東京駅では機関車の付け替え作業が必要である。そのために回送列車を牽引した機関車は別の線路を使って下り先頭位置に転線することが必要である。その間、2つのホームがつぶれることになる。そのため、ホームが不足するようになると、いったん秋葉原側の引き上げ線に列車を逃し、1本前の回送列車を牽引してきた機関車を下りの先頭に連結して、発車ホームに据え付けるという手順をとっていた。この引き上げ線が現在の上野東京ラインの本線となるため、工事が始まると使えなくなった。そこで、機関車の付け替えの必要のない電車寝台の特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」だけを残して廃止されてしまった」p44
「ホームの数が限られるという条件の下で運転本数を増やそうとすると折り返し電車をやめてスルーさせるのが賢い方法であるが、中距離電車の長距離運用が増えたことで、他線区の事故・故障による影響をもろにかぶることになった」p45
「京王は、もともと新宿駅東側の新宿三丁目から出ていたが、戦時中電力供給が不安定で国鉄線を乗り越える甲州街道の跨線橋の坂を登れなくなったため、新宿西口に駅を移した」p46
「東京では、昭和13年の陸上交通事業調整法に基づく交通調整により、近郊私鉄は山手線上をターミナルとし、その内側への乗り入れは認められなかった。戦前に開業した銀座線に続き、戦後、丸ノ内線の建設が始まるが、これも山手線の内側に収まっている。近郊私鉄のターミナルと都心を結ぶ役割を担い、近郊私鉄とは競合せず(大阪との違い)、むしろ補完する位置づけであった」p74
「東京では、列車種別が単純化しているうえに、複々線化されている線区も線路別の複々線であるために、同じホームの対面での乗り換えができない。緩急接続が機能しているのは、特別快速と快速が同じ線路を走っている中央線ぐらいである。その点では、大阪のJRの電車の方が利便性が高いといえる」p92
「なんば線の急行から降りた客は、2番線に停車中の梅田行きの車内を通り抜けて、垂直移動なしに1番線の梅田行き急行に乗り換えることができる」p94
「かつては、定員の3倍を超す「殺人的ラッシュ」という表現がついたひどい状況であった」p103
「大阪市の人口は、大阪万博が開かれた昭和45年には298万人あったが、40年経った平成22年には1割減少して266万人となった。よく横浜市と比較されることが多いが、横浜市の人口は、昭和45年の223万人から平成22年368万人へと、65%の増加を見た」p143
「大阪では、近郊私鉄はもともと軌道法に準拠し、使用電圧も600Vと、国電や東京の私鉄の多くが1500Vであったのに比べて低い電圧を使用していた。電圧が低いと、同じ馬力を出そうとすると多くの電流が必要となるので変電所や送電設備の負荷が大きくなる。編成両数を増やすことも難しかった。そこで、大阪の私鉄では、編成両数の増加よりも運行本数の増加で対応していた」p198
Posted by ブクログ
各地でバスの運転手不足が起こっている、なんて話がニュースになって久しい。
本書は現在のバス問題を歴史的な文脈に位置付けながら、どうしてそうなってしまったのかを説明していく。
一つのバス会社のケースを追っていくだけでも大変だと思うのだが、各地のバスの様々なケースを扱った、大変な労作(エラそうな言い方で恐縮だが)だと思う。
高度成長期、新規参入が行政に抑制されていたこともあり、利潤が上がる業界だったのが、60年代以降、自家用車の普及に伴い、都市では道路の混雑により乗客に敬遠され、周辺では過疎により路線が縮小していく。
やがて、オイルショックを機に、公共交通の重要性に注目が集まり、各地で様々な試みがなされた。
ラウンドタイム(毎時同じ時間に来る)や、基幹バス構想、市内高速バス、深夜バスなど。
80年代から90年代に進んでいくと、バリアフリーや環境問題への取り組みが求められたりする一方で、公営バスの民営化なども進む。
そもそも非採算路線で厳しいから公営だったのではないかと思うのだが、浜松や函館などに民営化した例があるというのが意外だった。
EVバスの開発は中国とアメリカが牽引、日本ではあまり進んでいないという話もやはり意外。
2000年代に入り、バス業界も規制緩和となる。地方バスは都市間の高速バスを収益の柱としていたところに、貸切ツアーバスが旅行会社の下請けとして入ってきたことで客を奪われていく。
ツアーバスの方も過重乗務により事故が頻発したりもして、安全のための規制が作られたりした。
が、そのツアーバス会社から、現在のバス業界をリードする会社(WILLER、イーグルバス)なども出てくる。
たしかに、WILLERの、上下分離方式による北近畿タンゴ鉄道の運行など、新しい取り組みは興味深く思われた。
最後の方はBRTについて説明されていたが、ここは今一つピンとこなかった。
今住んでいる町にも今年導入されたらしいけれど、イメージがわかないからかも。
大都市だけでなく、地方都市にも整備が進んでいるようなので、今後利用する機会があれば実感が持てるかもしれない。
シャーシーって何? 上下分離方式って…電車ならレールや駅と運行を分けることだけど、バスはどこを分けるの…?など、この問題に関して全くの素人の自分には、次々と新しい情報で息つく暇もない。
ただ、人手不足、運転手の高齢化、低賃金とバス業界の困難が構造的な問題であることもわかるが、さまざまな新しい取り組みも試みられていることもわかったことはよかった。