作品一覧

  • 四維街一号に暮らす五人
    4.3
    1巻2,090円 (税込)
    全米図書賞受賞作家の最新作! 台湾グルメ×レトロ建築×女子共同生活 「あんたと一緒にいない日々は、とても寂しかった」 ワケあり住人たちが味わう未知の痛みと、百年前の台湾料理。 昭和十三年築の日式建築・四維街一号には、 四人の大学院生と酒呑み大家が暮らす。 一階は、BL作家の知衣と聡明でモテる小鳳、 二階は、苦学生の家家とシャイな乃云。 互いに秘めた想いを抱え食卓につく住人たちは、 あるとき『臺灣料理之栞』という古書を発掘する。 五人の孤独が手繰りよせた〈ある家族の苦い歴史〉とは――― ◆池澤春菜さん満腹◆ 「なんでこんなに懐かしいの? 四維街一号に、きっとわたしも住んでいた」
  • 台湾漫遊鉄道のふたり
    4.4
    1巻2,530円 (税込)
    炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。 結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。 ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。 「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。 そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」 古内一絵さん大満足 1938年、五月の台湾。 作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。 現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、 台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。 しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。 国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差――― あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。

ユーザーレビュー

  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    台湾グルメ紀行文かと思いきや、なかなか気づくことがあった。
    日本人の多くが青山千鶴子みたくなってないか?
    親切心のつもりで「日本」を押し付けてないか?
    某国は日本のお陰で文明化したとか無邪気に言っちゃってないか?
    そうなのかもしれないし、新日かもしれないし、そこには日本のものが溢れているかもしれない。でも「ほら、よかったでしょう?」とか言われちゃう方はモヤるだろうな、と物語の中でさりげなく見せてくれた。
    パターナリズム:父が子に対するように、温情のつもりで干渉すること。雇用関係や、医師と患者の関係などにみられる(三省堂国語辞典)

    0
    2025年11月27日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    素晴らしい小説でした。
    日本時代の台湾を舞台に、妙齢の日本人女性作家青山千鶴子と教養あふれる台湾人女性通訳王千鶴の旅と美食と、お互いが寄せ合う心情の機微とが描かれます。二人の立場の違いのせいで、心を寄せ合っていながらも離れざるを得ない二人がなんとも悲しかったです。
    初めて読んだときはこの機微に気づかずに、ちょっと鈍感な青山さんのように、王さんがなぜ離れていくのかわからず、最後の場面で二人の真情に触れた思いでしたが、今回はそれぞれの場面で王さんの思いが行間からにじみ出てきて胸に迫るものを感じながら読み進めました。
    再読することで感動が増し、すっかり作者の楊双子さんのひいきになってしまいました。

    0
    2025年11月27日
  • 四維街一号に暮らす五人

    Posted by ブクログ

    とてもよかった。

    堂々たる四十路のおっさんである手前、百合な部分はどうぞどうぞご自由にということで、繊細な恋愛の機微も、友情の萌芽も、そんなものなんですねと受け止めつつ、、、
    五人全員が魅力的なキャラクターだったが、それぞれがしっかりと、学問に身を置いた経験があるからこそ滲む、知性のようなものが見え隠れしてて、ただのイマドキな若者たちではない芯のようなものを感じて眩しかった。(全員が学部生ではなく、大学院生、または大学院経験者ってのがいいですよね)
    個人的に、後書きに出てきた雲林科技大に仕事で訪れたことがあり、四人の通う大学って、などと想像したりしつつ、楽しかった。

    きっとこれから、ドラマ

    0
    2025年11月05日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    昭和初期。母と叔母と住んでいる青山千鶴は小説家。おうちにいるとお見合いの釣書ばかり見せられるのに嫌気がさし、小説「青春記」が映画化された記念に台湾より招聘されたのを良いことに台湾へと旅立つ。そこで共に大食いの王千鶴さんが通訳としてつく。台湾国内を漫遊しつつ、「台湾漫遊記」を連載。公演などしながら、台湾の旅や食を楽しむふたりだが、もっと仲良くなりたい千鶴と、職業上の関係を保ちたい王の間ですれ違いが起こる。帝国と島、男性と女性、内地人と本島人の差別に敏感なふたりに友情は育まれるのか?あとがきに「青山洋子(千鶴娘)」と「王千鶴」によるものがあったので、本当にあったことなのか!!と驚いたところで、種明

    0
    2025年11月01日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    日本の植民地時代の台湾を描いたものである。政治的な説明ではなく、本省人と内地人という立場で、日本人の女性が台湾を旅行して台湾の食べ物を食べ尽くすという形式である。隣国の・・・という本で紹介されていた。フィクションではあるがよく書かれていて台湾に行った気になる。

    0
    2025年10月30日

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