作品一覧

  • 台湾漫遊鉄道のふたり
    4.1
    1巻2,530円 (税込)
    炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。 結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。 ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。 「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。 そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」 古内一絵さん大満足 1938年、五月の台湾。 作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。 現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、 台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。 しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。 国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差――― あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。
  • 四維街一号に暮らす五人
    4.1
    1巻2,090円 (税込)
    全米図書賞受賞作家の最新作! 台湾グルメ×レトロ建築×女子共同生活 「あんたと一緒にいない日々は、とても寂しかった」 ワケあり住人たちが味わう未知の痛みと、百年前の台湾料理。 昭和十三年築の日式建築・四維街一号には、 四人の大学院生と酒呑み大家が暮らす。 一階は、BL作家の知衣と聡明でモテる小鳳、 二階は、苦学生の家家とシャイな乃云。 互いに秘めた想いを抱え食卓につく住人たちは、 あるとき『臺灣料理之栞』という古書を発掘する。 五人の孤独が手繰りよせた〈ある家族の苦い歴史〉とは――― ◆池澤春菜さん満腹◆ 「なんでこんなに懐かしいの? 四維街一号に、きっとわたしも住んでいた」
  • オールド台中食べ歩き 歴史小説家が案内する老舗屋台の味
    4.3
    1巻2,420円 (税込)
    『台湾漫遊鉄道のふたり』で日本のみならず世界で多くの読者を魅了した楊双子。小説に次々と登場する台中の美食が気になっていた読者も多いはず。満を持して、楊双子による台中の屋台グルメエッセイが登場。 「オールド台中」を体現する老舗屋台を厳選し、台中らしい食、台中ならではの食を紹介する。 もちろん楊双子の筆にかかれば、単なるグルメガイドでは終わらない。老舗の諸説ある歴史を探り、料理が誕生した背景を検証し、台中の歴史や文化までを浮かび上がらせる。 台中で生まれ育ち、台中を愛する著者が悩みに悩んで選んだ20軒。 ・台中のソウルフードかんすい麺 ・強盗してでも食べたいおにぎり ・チリソースを注入する焼き肉まん ・正体不明のフライドチキン ・焼きそばなのに和える「台中焼きそば」 ・伝統を守るかき氷か、迷うほどトッピングが選べるかき氷か ・坂神本舗の「長崎カステラ」 ・店の名前すらない屋台の絶品ベビーカステラ、 ・台中屋台の定番パパイヤミルクとトースト、などなど カラーイラスト入り、巻末には食べ歩きMAPも。 読んでいる最中から今すぐ台中へ飛び存分に食べ歩きたくなる、特上の食エッセイ。

ユーザーレビュー

  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

     国際ブッカー賞翻訳書部門受賞作。
     今、台湾文学がアツい。
     日本人として台湾文学を読むとき、そこには日本で失われたノスタルジーを台湾に見出す。
     その上で、本作に描かれている台湾の風景も、すでに失われている。
     失われた風景もあるが、残される食文化がある。
     本作は「食」「鉄道」そして「シスターフッド」が描かれる。
     それに加えて、失われた風景のノスタルジーがテーマにあると思うのだ。
     

     舞台は戦前、日本統治下の台湾。
     著作が映画化された女流作家の青山千鶴子は講演に招致され、一年以上台湾に留まることになった。
     通訳の王千鶴とふたり、台中に留まりながら台湾西海岸を北へ南へ鉄道に乗り、

    0
    2026年06月30日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    なんという作品だ。
    鉄道×グルメ×百合という、聞いたことも読んだこともないジャンルの顔をしつつ、統治者と被統治者の溝に真正面から切り込んで来る。私たち日本人が「台湾は新日だから〜」と言っているのも、植民地化の時代を生き抜いて、財産も土地も文化も奪われた方々からすると、まさに作中の千鶴子や美島が感じた思いを抱いているに違いない。
    また、向こうではこの作品の売り方についてかなり批判があったようだが、著者の楊さんは「文学と歴史、どちらがより真実に近いのか問うてみたかった」という趣旨のことを語っていたようで(訳者あとがきより)、この一言には重みがある。実際私も最後はかなりドキドキしながら読んだし、あま

    0
    2026年06月28日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    台湾のご飯が美味しそうで、ご飯の描写は読んでいて幸せになった。台湾へ行くためにパスポートを取ろう。
    千鶴子は感じていた違和感が後半になってどんどん言語化されていった。
    無意識って怖い。

    0
    2026年06月24日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    "台湾グルメ×百合×鉄道旅"は本質ではない

    植民地統治や差別とは何か
    被支配者から見れば歴史修正主義であることに、支配する側はたいてい無自覚だ

    「日本はいいこともした」論を深掘りさせるし、日本にアンビバレントな感情を抱く台湾ならではの小説だと思う

    0
    2026年06月21日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    ファンタジーの余韻から現実へ引き剥がすようなあとがきパート含め、全部好きだし新鮮だった。
    まず、千鶴子の痛々しい言動に、痛烈な共感性羞恥を覚えた。
    台湾グルメと鉄道旅の鮮やかな描写に惹かれて読み進めるうちに、自分の中にも覚えのあるおめでたくも独りよがりで都合の良い解釈に気付かされるからだ。
    千鶴子の無自覚な特権階級の傲慢さと、千鶴ちゃんの圧倒的な大人の対応の対比に、息も絶え絶え悶え苦しむほどだった。
    対等とはなんだろうか。対等でないと友情は育めないのか。
    現代の自分を翻って、組織における上司と部下の関係にも綺麗にスライドして追体験できる素晴らしい読書体験だった。

    0
    2026年06月12日

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