池田光史の作品一覧
「池田光史」の「歩く マジで人生が変わる習慣」「いざ都市対決!」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
「歩くこと」をテーマに、膨大な引用と実体験をベースとした考察で書かれており、知らないことを知る、新たな視点を得るという意味で非常に良書だった。
まず、序盤は歩くことが何故良いことなのかを過去の偉人たちの言葉も引用しながら説く。
マーク・ザッカーバーグがオフィスの屋上に広大な散歩コースを作っていることを知らなかった。
ウォーキング・ミーティングの効用を知ると、なぜ広まっていかないのか不思議に思うぐらいだ。
座り過ぎが体に良くないことは、色々なところで目にするが、歩くことでストレス軽減効果や、認知症予防、海馬を回復させる効果まであるとは驚きだ。
そして、特に自然のなかで歩くことで顕著な効果があるということで、今すぐにでも実践したくなった。
都市生活者で車ユーザーでもないので、そこそこ毎日歩く方ではあるが、自然を感じられるところを歩くことは最近あまりできていない。本来歩く動物だったものが座って行動することが増えて、歩けばリラックスして脳や身体の働きが活性化される(いや、元来に戻る)という説明には、なるほどと思った。
確かにオフィスワーカーという働き方の人が増えたのも長い歴史で見れば最近のことだろう。地方に暮らした祖父母は、お勤めをしていても兼業で農業もしていたり、地域の役割があったりで、日頃そんなに座る時間はなかったはずだ。(一方で車に乗るようになってからは、都市にやって来ると駅などで沢山歩くのがしんどいということは言っていた。)
まだ日本人は平均的に歩いている国の人ということだが、歩きやすい街というのは当たり前ではなく、歩きやすい道がある街にスコアをつけるサービスがあることも初めて知った。歩きやすい道ということ当たり前ではないことに気づかされるが、そんなことを考えたこともなかった。
車社会によって歩行者のルールが定められ、それを当たり前と受け入れていることさえも自然ではないのだなと気づきを得た。
中盤から後半にかけては、人間の機能としての足についてと、靴の歴史についての考察だ。自分自身、幅広甲高で靴選びには苦労していた方なので、合わない靴が足を痛めるということは身をもって知っている。しかしながら、高機能シューズが余計に人間の本来の足の能力を奪っている側面もあるという指摘にハッとさせられた。
最終章は、人間本来の歩くことに魅了された著者が長期休暇を取り、息子と一緒にアイスランドの過酷なトレイルに挑戦するルポだ。荷物の準備をすることで本当に必要な物を優先順位をつけて選ぶ思考になるということ、広大で過酷なな自然に置かれることでこそ、人間本来の幸せとは何かに気づけるということを身をもった経験として語っている。