エミンユルマズの作品一覧
「エミンユルマズ」の「エブリシング・バブル 終わりと始まり――地政学とマネーの未来2024-2025」「エミン流「会社四季報」最強の読み方」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
こういう、様々な時代や文明を取り上げつつ、あるテーマの議論を展開していくスタイルの著書は大好物。
この本の内容を要約すると「ローマ帝国から現代の米中対立に至るまで、資源・貿易・基軸通貨・技術の4つの軸で世界史を読み解く経済教養書です。過剰なマネーが文明にもたらす盛衰のメカニズムを解説しています」とある。結局、著者は現代トランプがやっていることは危うくて、いつかそのつけを払うことになる、という考えを事例とともに論証しているように感じる。
日本のことも歴史を遡って、多く扱っている。その上で、現代米中二国間競争の中で、安定した日本の存在感は高まっていくと著者は結論づけている。いずれにしても、それがないと成り立たない領域のことを取っていくことが重要に思える。
Posted by ブクログ
トルコ出身のエコノミストがマネーの歴史をローマ時代から現代まで綴った本です。『歴史は韻を踏む』と言いますが、過去の歴史を知ることで温故知新、特に後編の半導体戦争や米中対立について、歴史を知っているからこそ、未来をある程度の予測ができていると感じました。
ローマのデナリウス銀貨は産業の空洞化や『パンとサーカス』などの財政拡大から、銀の含有量を減らすことが余儀なくされ、初期の95-98%から末期の2-5%まで減りました。つまり、通貨(銀貨)の価値が時代を経るごとにお大幅に下がったということです。
現在のドルやユーロや円などの通貨は金本位制ではないので、金銀などの資源に関係なく、中央銀行が発行しようと思えば発行できます。その代償としてインフレが起きた、過去にはなりますが、第一次世界大戦後のドイツのように制御不能なインフレになり、のちのナチズムの台頭に繋がった事例も紹介されていました。
もっとも興味深かったのは後半の2章で詳述されている、現代の石油といえる『半導体』戦争。そして、米中対立を意識して、中東から東アジアに防衛リソースを割きたいアメリカの思惑でしょう。
本書が出版された当時はイラン戦争やホルムズ海峡の封鎖より前ですが、大局観では当たっています。おそらくは著者が歴史的な経緯に詳しいので、現在の趨勢について予想できたのではないでしょうか。歴史を知ることは今を知ることに繋がると感じました。
Posted by ブクログ
PERについては、実績PERに対して予想PERが低くなっているものを選ぶと良いだろう。なぜなら、将来に向けて利益が増えると思われているからだ。
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基本的にトップシェアの製品やサービスを持っている企業は、価格決定権を持っているようなものなので、価格競争に巻き込まれにくい可能性がある。市場シェアは企業の力といっても良い。
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先ほど、チャートについて触れた。チャートは、株価の動向を示すものだが、実際に会社の価値を
考える時には、株価よりも時価総額に着目することをおすすめする。特に、事業規模に対する市場評
価が過小なのか、過大なのかを判断する際には、株価よりも時価価総額がわかりやすい。
先に説明したPSR(株価売上高償率)は、まさにそれを見るための指標で、時価総額を売上高で
割って求められるものだが、この計算で求められる数字が小さいほど、株式市場での評価が割安にな
る。そして、売上高に対して極端に時価総額が小さい企業の場合、遅かれ早かれそのギャップは是正
されると考えて良いだろう。たとえば売上高が1000億円ある企業の時価総額が300億円しかな
かったら、これはどう考えても株式市場での評価が低いと考えられる。
私は自分が投資している企業の株主総会には、時間が許す限り出席するようにしている。その目的
は、経営者に3つの質問をするためだ。
3つの質問とは、①御社がビジネスを展開している市場の規模感をどのくらいと見ているのか、② その市場規模は今後どのくらいまで伸びるのか、35年後、あるいは10年後に御社はどのくらいの市場シェアを握っていると考えているのか、ということだ。それだけを質問すれば、企業のポテンシャルは大体わかる。
たとえば現在の市場規模が1兆円だとして、その企業の市場シェアが10%だとすると、単純計算で売上高は1000億円になる。そうであるにもかかわらず、その企業の時価総額が500億円だとしたら、少なくとも時価総額は倍になる可能性を持っていることになる。つまり株価は倍だ。
次に、この1兆円の市場規模が、10年後にはどのくらいまで拡大するのかを質問する。それに対する経営者の答えが、10年後には5兆円まで伸びるでしょう」という話になったら、彼にその企業の市場シェアが10
%のままで変わらなかったとしても、5兆円の10%で、売上高は5000億円まで伸びることになる。現在の時価総額が500億円だから、これでテンバガーの達成だ。
さらに、それだけ市場が成長していくなかで、どのくらいまでシェアを伸ばせるのかを質問し、それに対する答えが「20%%は獲れると思います」ということであれば、5兆円の20%で売上高は1兆円になる。となると、今から10年後にかけて市場規模が5兆円に伸び、そのなかでシェア20%を確保できるというシナリオが実現すれば、株価は倍になるポテンシャルを秘めていることになる。
株価を基準にして割高、割安を判断するためには、PERやPBRを用いるというのが、一般的な投資の教科書に書かれているが、それよりも時価総額と売上で考えたほうが、より実践的である。
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株式の持ち合い
会社Aと会社Bがお互いの株を持つこと。
例
* A社がB社の株を5%持つ
* B社もA社の株を5%持つ
これを「持ち合い」という。
目的は
* 取引関係を強くする
* 敵対的買収を防ぐ
* 長期的な協力関係を作る
昔の日本企業でよく見られた。
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資本提携
株を取得して協力関係を作ること。
例
* A社がB社の株を20%取得
* 共同開発をする
* 販売網を共有する
この場合、B社はA社の株を持たなくてもいい。
つまり、
株式持ち合い資本提携
株を持つお互い片方でも可
目的関係維持・安定事業協力・成長
必ず事業提携する?しない場合もあるすることが多い
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投資ニュースで
「○○社と△△社が資本提携」
と出たら、
「お互い仲良くします」
ではなく、
「何の事業で協力するのか」
を見るのが大事。
株価的には、AI・半導体・データセンターなど成長分野での資本提携だと好感されやすい。逆に「ただ株を持ち合っただけ」だとあまり評価されないことも多い。
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良い。①御社がビジネスを展開している市場の規模感をどのくらいと見ているのか、②その市場規模は今後どのくらいまで伸びるのか、③5年後、あるいは10年後に御社はどのくらいの市場シェアを握っていると考えているのか、ということを質問する。
その時、「あ、この社長なら安心して経営を任せておける」と思えるのは、これらの質問に対して、明確な数字を挙げて説明してくれた時だ。
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でも、ここで大事なのは、社長が自信を持って数字を挙げて語れるかどうかという点だ。恐らく社長も絶対に達成できると思って数字を語るわけではない。ただ、明確なビジョンを持っている社長であれば、そのビジョンを達成するために必要な、具体的なプランをしっかり立てている。
こうしたプランを持っている社長は、仮に目標を達成できない恐れが生じてきた場合でも、状況に
応じてフレキシブルに対応できる。
逆に、将来予測を明確に語れない社長は、最悪だ。「世界一の人1会社になります」とだけ言われ
ても、具体的なイメージが全く浮かんでこない。仮に世界一の人工会社になるとしても、いついつま
でに、どれだけの世界シェアを達成するのかを、数字を挙げて語れない社長は、信用できないし、そ
のような社長が引っ張っている企業には投資できない。具体的な数字を持って語れない社長は、社長
自身が何もわかっておらず、場当たり的にさまざまな事業に手を広げている恐れすらある。
Posted by ブクログ
歴史をマネーから見るべき理由
マネーの意味。私の理解では「=期待」である。マネーとは期待だ。
人間は何かに期待し、その見返りが欲しい。カネを払い、食物を得て生体の材料や動力源を得る。カネを払い、感動を得て生き続ける意志を得る。カネを稼ぐのと期待を集めるのは一緒。期待を集める人が豊かになり、期待を集める地域が繁栄する。
そう理解している。
そして、そういう角度からエブリシング・ヒストリー(全史)というものを見る必要があると思っている。歴史を勉強する上でマネーの観点は必須だ。
追うべきは、偉人の生い立ちではなく、人々の期待の流れであるべきなのだ。人々の期待がどう集積していったのか。信長の伝記より、愛知県が繁栄した背景を勉強すべきだ、ということである。日本の歴史教育、あるいは歴史ドラマ制作は、改めた方がいい。ついでに政治報道も。
地政学は、マネーを語る上で不可欠な切り口だ。資源は人を豊かにし、国家を繁栄させるからだ。しかし、資源は偏在する。持つ国と持たない国が現存する。現代も、国家による資源の争奪戦が繰り広げられている。米中新冷戦は、世界覇権を握るための資源獲得争いだ。
そういうことをつらつら考えていた中で本書に出会えたので、いちいち肯きながら読めた。
さて、この本の副題には「マネーが生み出す文明の「破壊と創造」」とある。著者はこう述べている。
信用創造がもたらす貨幣の伸縮性は、資本主義経済にダイナミズムを与える一方で、不安定な景気循環を生み出す主因ともなってきたが、経済学者シュンペーターは信用創造を「破壊的」イノベーションを供給するのに不可なメカニズムと見なしていた。まさに、破壊と創造の起点にマネーがあるのである。
シュンペーターをちゃんと勉強したことがないので、Gemini proに訊いてみる。マネーを主語にして説明しろと頼むと、次のような答えであった。
「マネーは、信用創造を通じてイノベーターの『未来の可能性』を実体化した軍資金となり、その圧倒的な購買力で古い産業からリソースを強引に引き剥がして新領域へと再分配することで、旧時代を破壊し、新たな時代を切り拓く。まさに、マネーとは単なる交換の道具ではなく、**「未来を現在に引きずり込み、世界を強制的に書き換えるための執行権」**であると言えそうです。」
んんん。また、いいテーマをくれた。マネーのこうした側面について、もっと考えてみたくなった。
ということで、読後感ですが、立ち止まってはGeminiと一緒に考え、立ち止まってはGeminiと一緒に考え、というのができて、有意義な時間を得られた。
余談だが、キリスト教もイスラム教も利子を取る金貸しは禁じていて、金貸しはユダヤ人が担うことになった、という話が出ていて勉強になった。こういうキリスト教、イスラム教の文化圏では常識であることも、私は知らず、教えてもらえてありがたかった。