作品一覧

  • 甘夏とオリオン
    3.8
    1巻792円 (税込)
    ※本書は、角川書店単行本『甘夏とオリオン』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。 人はいつだって、誰かを待っているんやね。 大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見――。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきて――。
  • 波の上のキネマ
    3.7
    1巻891円 (税込)
    尼崎に祖父が創業した小さな映画館「波の上キネマ」を継ぐ安室俊介。座席数100余りの小さな映画館は、収益を上げることは年々難しくなっており、ついに新聞に「年内に閉館する見通し」との記事が出てしまう。そんなある日、創業者である祖父の名前を出した問い合わせが入る。それがきっかけとなり、祖父の前半生に興味を持った俊介は南へ向かう。祖父は脱出不可能な絶海の島で苛酷な労働を強いられていたが、そこにはジャングルの中に映画館があったという。祖父はなぜその島に行ったのか。なぜ映画館があったのか。運命に抗う祖父が見たものは……。壮大なスケールで描く驚嘆と希望の長編小説。
  • 今夜、喫茶マチカネで
    3.8
    1巻1,760円 (税込)
    「閉店って。店、やめるってことか」 私は無言のまま、ちいさくうなずいた。 昭和29年に待兼山駅の近くで、父と母が始めた書店と喫茶店。1階の書店を兄が、2階の喫茶店を弟が継いだが、時代の流れもあり、最寄駅の名称が変わるタイミングで店を閉じることに。 喫茶マチカネの店主・今澤敦己は、店を愛する客からの提案で、残された数カ月の間、心に残る不思議な経験をゲストが語る会「待兼山奇談倶楽部」を開催する。そこで語られた、人生におけるとっておきの出来事とは……。 心あたたまる連作短編集。 (第一話:待兼山ヘンジ/第二話:ロッキー・ラクーン/第三話:銭湯のピアニスト/第四話:ジェイクとあんかけうどん/第五話:恋するマチカネワニ/第六話:風をあつめて/第七話:青い橋)
  • あの夏のクライフ同盟
    4.6
    1巻1,881円 (税込)
    14歳のおれたちは自転車を走らせた。 サッカーの“神”に会うという夢を乗せて。 恋愛、友情、夢、大人への憧れと逃避……。 傑作青春小説。 しっかり者だがどこか流されがちなぺぺ、気弱なオカルト好きのツヨシ、運動神経抜群で人気者のサトル、ムードメーカーのエロ番長・ゴロー。北九州に住む中学生4人組は、いつでも一緒のサッカー仲間だ。そんな彼らのもとに歓喜と絶望のニュースがやって来た。大ファンで、雑誌で見かけてはサッカーの「神」と崇めてきたヨハン・クライフ。彼がオランダ代表で出場するW杯が日本初の生中継されるが、九州は放送地域外だという。馬鹿馬鹿しくも時に切ない日々を過ごしながら、4人は“クライフ同盟”の名の下に秘密の計画を進めていく。大型台風が接近する中、放送を見届けることはできるのか?
  • われらみな、星の子どもたち
    4.1
    1巻1,980円 (税込)
    どこ行ったって、へこたれんと生きていく。 それが能登の人間や――。 懸命に生きようと見上げた空には、いつも「星」があった。 父が語り始めた、波瀾万丈の生涯を送った一族の物語とは――。 人生の輝きが胸を打つ、感動のファミリーストーリー。 2024年元日、能登半島に震度7の地震が襲った。大阪で暮らすホテルマン・星場恵介は、故郷で震災が起こったことを入院中の父に伝えた。 能登半島で生まれ育った両親は戦後、若くして大阪に出、今は二人とも入院生活をしている。同じ病院にいながら会うことのできない両親を案ずる恵介に、父はこれまで語らなかったふるさとでの母との思い出、そして故郷を離れ波瀾万丈の人生を送った一族の話を語り始めた。 著者渾身の新たなる代表作。

ユーザーレビュー

  • あの夏のクライフ同盟

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    情報取得が簡単でないこの時代ならではの面白さ。

    周囲の大人たちが最高だった。
    子供たち自身で考え行動することを尊重し、見えないところで最大限に守る、理想的な教育。

    0
    2025年11月29日
  • われらみな、星の子どもたち

    Posted by ブクログ

    家族は温かいものだと再認識。
    親とすぐ喧嘩をしてしまう毎日ですがこの本を読んで親と色々なことを語りたいと思いました。

    0
    2025年11月15日
  • われらみな、星の子どもたち

    Posted by ブクログ

    大阪で暮らす星場恵介は、2024年元日、能登半島の地震を入院中である両親に伝える。
    両親は、戦後若くして大阪に出てきてクリーニング店を営んでいた。
    母が脳梗塞で倒れて言語に障害が残ってからは、同じ病院で入院していた父が、恵介に能登での話をするようになった。
    父が語った話は、星場の名前の由来から波乱万丈の生涯を送った一族のことだった。

    懸命に生きようと見上げた空には、いつも「星」があった…それは船から放り出されて和歌山を目指した親戚のことかもしれないし、北海道で山菜を売り歩いていた親戚のことかもしれないし、それは能登で両親が見上げた空かもしれない。

    〈誰ひとりとして、楽な人生なんか、なかった

    0
    2025年09月02日
  • われらみな、星の子どもたち

    Posted by ブクログ

    久しぶりに本読んで号泣しました。
    自分の祖父母、両親、親戚と重なること多々あり。
    みんな必死で生きている姿が目に浮かびました。
    亡き祖父母、先祖に、感謝です。

    0
    2025年08月12日
  • 今夜、喫茶マチカネで

    Posted by ブクログ

    昭和レトロを感じさせる「喫茶マチカネ」が舞台
    店主の今ちゃん
    常連客の「ほんまのパン」の店主仁ちゃん
    のイマジンコンビ
    喫茶店でアルバイトをしている繭子
    そしてもう一人の常連客である沖口さん
    1階は「らんぷ堂書店」という本屋さんで
    今ちゃんのお兄さんが経営している本屋だ

    古くから待兼山に
    存在するこの喫茶マチカネから
    待兼山奇談倶楽部は発足する
    1人の強い意志と
    待兼山を愛してやまない街の人々の思いによって
    読み始めた時は喫茶店の日常の話なのかと思っていましたが
    不思議な話がどんどん出てきて
    その魅力に惹き付けられ
    あっという間に読み終えました。

    とても面白かったです。
    喫茶店に足を運びた

    0
    2025年08月11日

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