作品一覧

  • コロナ禍と出会い直す 不要不急の人類学ノート
    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    最後のお別れすら許さない病院、火葬すら立ち会わせない予防策、子どもたちへの黙食指導、至る所に設けられたアクリル板、炎天下でも外せないマスク、連呼された「気の緩み」――あの光景はなんだったのか? 人類学者が「不要不急」のフィールドワークから考えた、「和をもって極端となす」日本社会の思考の癖、感じ方の癖! 【本書の内容】 コロナ禍で連呼された「大切な命」というフレーズ。それは恐らく、一面的には「正しい」フレーズであった。しかし、このフレーズのもとに積み重ねられた多様で大量の感染対策が、もとから脆弱であった人々の命を砕いたのも事実である。そしてその余波は、いまだに続いている。 もちろん必要な対策もあっただろう。しかし、「批判を避けたい」「みんながそうしている」「補助金が欲しい」といった理由に基づく名ばかりの「感染対策」はなかったか。そのような対策が、別の命をないがしろにしていた可能性はなかったか。忘却する前に、思い出す必要があるはずだ。未来の命を大切にするために。 “出会いとは、自分が予想し得なかった人や出来事との遭遇のことを指す。だからこそ、出会いの瞬間、私たちは驚き、戸惑い、右往左往する。2020年冬にやってきたコロナも私たちにとっては出会いであった。驚いた私たちは困惑し、社会は恐れと怒りに包まれた。あれからすでに4年が経過する。人でごった返す繁華街から人影が消えたあの時の風景に私たちはどのように出会い直せるだろう。” 「出会い直し」とは、過去に出会った人や出来事の異なる側面を発見することを通じ、それらとの関係を新たに編み直すことを指す。本書では、コロナ禍のフィールドワークで集めた具体例とともに、「コロナ禍と出会い直す」ためのいくつかの視点を人類学の観点から提供する。現地に赴くフィールドワークを、研究者自らの手でエッセンシャルから「不要不急」に追いやっていいのだろうか。感染予防のためなら、暮らしのほとんどは「不要不急」になるのだろうか。 人間の生とは何か。人類学者が問いかける。

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  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学
    4.0
    1巻880円 (税込)
    私たちは病院に、答えを得るために足を運ぶ。心身の不調の原因が明らかになり、それを取り去るすべが見つかることを期待する。しかし実際の医療現場は、私たちが思う以上のあいまいさに満ちており、期待した答えが得られない場合も多い。そんな時私たちは、医療者に失望するが、それは医療者も同様に悩み、考えるときでもある。本書は、医療者のそんな側面を、本人たちへのインタビューをもとに紹介する。病気になったとき、私たちは医療者とともにいかに歩むことができるのか。かれらの語りを通じて考えてほしい。
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    3.4
    1巻850円 (税込)
    日本の未来はどうなるか――? 養老孟司 ユヴァル・ノア・ハラリ ジャレド・ダイアモンド 福岡伸一 ブレイディみかこ 角幡唯介 東畑開人etc. 22人の論客が示すアフターコロナの針路!朝日新聞大反響連載を書籍化新型コロナウイルスは瞬く間に地球上に広まり多くの命と日常を奪った。すべての人に平等に降りかかるこの感染症によって、社会は様変わりしてしまった。第2波の懸念も高まり、感染への恐怖が消えない中、私たちは大きく変容する世界をどう捉え、どのように考えればよいのか。現代の知性たちのパースペクティブを通し「コロナ後」を思考する糧を届ける。
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学
    4.3
    生の手ざわりを求めて――。 “正しさ”は病いを治せるか? “自分らしさ”はあなたを救うか? 不調の始まる前から病気の事前予測を可能にし、予防的介入に価値を与える統計学的人間観。 「自分らしさ」礼賛の素地となる個人主義的人間観。 現代を特徴づける一見有用なこの二つの人間観は、裏で手を携えながら、関係を持つことではじめて生まれる自他の感覚、すなわち「生の手ざわり」から私たちを遠ざける。 病いを抱える人々と医療者への聞き取り、臨床の参与観察、人類学の知見をもとに、今を捉えるための三つ目の人間観として関係論的人間観を加えた。 現代社会を生きる人間のあり方を根源から問う一冊。
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること
    4.3
    「やせたい」、そう願う人はたくさんいる。でも、どうしてやせたいんだろう? 健康のため? 「かわいい」あるいは「かっこいい」と思われたい? おしゃれがしたい? 理由はいろいろあるけれど、それに人生、振り回されていませんか? 食べること、他者と生きることをあらためて見つめなおす一冊。
  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学

    Posted by ブクログ

    医療者として医療を少し外から当事者を見る機会がないので、客観と主観の間で読める一冊であった。自身の心が科学などに盲信してしまい辛いことも見なくなってしまうのも実際で、それがそれぞれの登場人物により言語化され、再度自身の信念を新たに強固に立て直せるような、そんな気持ちにさせてくれる一冊である。医療者として勧めたい本である。

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    2024年10月27日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

    Posted by ブクログ

    情報経験が体験を上回る現代の問題を考えさせられた。特にコロナ対策における、自分の思いを事実のように語る姿勢には違和感があった。また、人生は長さよりも質や深さが大事であり、最短距離を目指すのではなく、多様な経験を積むことで豊かになるという視点を得た。人は個人ではなく、他者との関係性の中で形成されるという「分人」という考え方にも共感した。

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    2024年09月22日
  • コロナ禍と出会い直す 不要不急の人類学ノート

    Posted by ブクログ

    この本を通じて、私はコロナ禍での日本社会の対応が、どれだけ多くの混乱や不確実性を生んだかを再確認しました。県外リスクの指摘やアクリル板の設置、さらには国民の気の緩みが感染拡大を招いたという論調など。様々な対策や指導が行われましたが、それらが果たしてどれほど有効だったのか。
    日本人がそのような状況下で、身体的に「基本だ」とすり込まれた行動様式は、理論や合理的な考えが入り込む余地を失わせ、感情や不安に基づく対応が優先されるようになったのではないかと感じました。

    さらに、「あなたの無自覚な行動が人を殺す」というフレーズが、まことしやかな説得力があり、戦時中の日本国民の感情と重なる部分があると感じま

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    2024年08月24日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

    Posted by ブクログ

    人類学の眼差しは普段巡り会う機会がなくとても新鮮で、他者への想像力をより豊かにしてくれる感覚があります。
    本書も例外なく興味深く、サイエンスを冠しながら単純化されたエビデンスも確かでない狩猟採集民族への幻想に対する批判や自分らしさが結局他者との関係性の中で成立することへの指摘などに触れることができ、自分自身がなんとなく感じていた違和感のひとつ答えのかけらに出会った感覚がありました。

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    2024年08月21日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

    Posted by ブクログ

    全国の思春期の女の子に配りたい。

    やせたい気持ちを否定するのではなく、
    「どう付き合っていくか」という切り口なのが好き。

    0
    2024年04月14日

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