ボールペンは消せないのが当たり前でしたが、今は、消せる方が当たり前かも知れません。それくらい浸透したフリクションの開発物語。
もはや有名な話ですが、紅葉を見て色の変わるインクを思いついたというのは、現代のニュートンのリンゴとして、今後伝説になるかも知れません。そんな話も詳しく紹介されています。
...続きを読む
しかし、それがゴールではありません。30年にも渡る開発の歴史が事細かに書かれています。なぜ30年もかかったのか。なぜ30年も続けることができたのか。偶然と奇跡の不思議さを感じずにはいられません。
そして私が心に残った言葉は、p.147「新しい発見は、教科書を捨てるところから始まるということを実感しました。常識にとらわれずに、むしろ常識を捨てる勇気を持てば局面は打開できることを知りました」なかなか捨てるのは難しいのが常識ですが、実績があるだけに心に響きました。