滝田誠一郎のレビュー一覧
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商品を開発する苦労はもちろんですが、社内で支援してくれる人の存在、諦めずに続けること、伝え続けることで大きなチャンスが巡ってくることを感じました。
実に30 年をかけて商品化された「フリクション」ですが、大きな発明をガンガン推し進めたワケではなく、地道な研究を積み重ねた結果が表れています。当時は「不夜城」と呼ばれるほど徹夜で仕事をしていたそうですが、義務感でやっているのではなく「没頭している」からこそ熱を持った開発ができたのだと感じてます。
周りになんと言われようと、自分はどうしたいのか?なんのためにこれをしてるのか?を突き詰めて進みさえすれば支援者が出て、結果も自ずとついてくると思います。
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ボールペンは消せないのが当たり前でしたが、今は、消せる方が当たり前かも知れません。それくらい浸透したフリクションの開発物語。
もはや有名な話ですが、紅葉を見て色の変わるインクを思いついたというのは、現代のニュートンのリンゴとして、今後伝説になるかも知れません。そんな話も詳しく紹介されています。
しかし、それがゴールではありません。30年にも渡る開発の歴史が事細かに書かれています。なぜ30年もかかったのか。なぜ30年も続けることができたのか。偶然と奇跡の不思議さを感じずにはいられません。
そして私が心に残った言葉は、p.147「新しい発見は、教科書を捨てるところから始まるということ -
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今までは今一気に入らなくて使っていなかったフリクションボールを最近使い始めた。理由はいろいろあるのだが、最近になってようやくノック型の細字が出たのが大きかったと思う。何で今まで太字のキャップ式ばかりだったのかと不思議に思っていたが、もちろんそこには理由があった。
(特に鉛筆を使う習慣の薄い)欧米では筆記具の常識を覆して、世界的な大ヒット商品となり、今もなお他者の追随をまったく許さないフリクションボールの開発秘話を、パイロット社の様々なエピソードも交えて語る。正直、本としての出来は今一なのだが、これは素材が素晴し過ぎて、どう書いても面白い。 -
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「私の釣魚大全」「フィッシュ・オン」「オーパ」など、開高健が記した釣りにまつわる紀行と、その紀行に関わった人々への取材を通し、人間・開高健を生き生きと再構成して描き出した優れた評伝。
たとえ釣りにはまったく興味が無くても、この評伝を読み進めるうちに、開高健に魅惑され、ああ、叶うことなら、世界中を旅するその場に居合わせて、笑い、落胆し、驚く経験をしてみたかった、と思わずにはいられない。
京都の神学者、杉瀬祐は開高健を「作家が釣りをしている」と評したという。「この人は釣り師ではないと思った。釣り作家でもない。作家そのもの。作家が釣りをしているんだと思いましたね」(p.11)と。
小説家の残し -
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消せるボールペンとして確固たる地位を獲得したフリクション。その開発秘話と販売するパイロット社の歩みについて書いた一冊。
フリクションの仕組みについては簡単には知っていましたが、本書を読んで仕組みを理解するとともにメタモカラーというインキがボールペンとして活用されるまでの開発には様々な困難があったことや欧州での文具事情からフリクションが発売当初から圧倒的な人気を獲得したこと、そしてその後に日本でブームを起こしたことを知ることができました。
フリクションが発売される以前にも幾度となく消せるボールペンが発売されてきましたが、それまでのものとは一線を画してる理由や発売してからも様々な派生商品を発売 -
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パイロット社の消せるボールペン、フリクションシリーズが生まれるまでの30年間を描く話。事業撤退により、新しい研究のテーマを探していた研究員、中筋さんが紅葉に着想を得た色が変化するインクの研究とその後の文房具以外、メイクアップ人形での展開。そして、カラートゥカラーレスにはならないのか?というランジャール氏の問いかけから始まった透明なインクの開発という開発、製造、販売が一気通貫の組織だからこそ生まれたということを実感。メモ。第六感も働かせて自然と対話してみて下さい。その応答はひょっとすると世界初めての発見かもしれません。ワクワクする心が大事なのです。
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IT起業家のバブル前とその後の10年を追った一冊。
インターネットを代表とするITに強く可能性を感じて、10人の起業家は熱狂の時代を迎えて、その後それぞれの道を歩むことになる。
そのまま会社が軌道に乗る者、別の道に進むもの、経営者から退く者、それぞれの人生の中で印象的だったのがバブルの影響を少なからず受けているということでした。
ただ先見の明とリスクをも恐れぬ精神力でそこから這い上がっていく姿も印象に残っています。
最後の本書に記載のない三木谷氏を含む11人の成功の分析もまた印象的でした。
先見の明を持って不屈の闘志でITと向き合っている10人の起業家の凄さを感じた一冊でした。