作品一覧

  • 被差別部落の青春
    4.1
    1巻628円 (税込)
    部落差別はまだまだ厳しいという悲観論があり、一方で楽観論もある。その「間」はどうなっているのだろう。普段は気にしないが、ある場面で差別にぶつかる。そんな人々の日常を書きたいと思った――。丹念な取材を通して語る結婚、ムラの暮らし、教育。しなやかな視線で「差別と被差別の現在」に迫るルポ。
  • ゆめいらんかね やしきたかじん伝
    -
    没後3年、今明らかになる視聴率男の真実。 2014年1月3日、歌手でタレントのやしきたかじん氏が食道ガンで死去した。 関西を中心に活動してきたローカルタレントながら、安倍晋三総理、星野仙一元楽天監督、作詞家・秋元康など各界の著名人と交遊を持ち、死後は追悼番組や評伝も多く執筆された。 だが、『東京』をはじめ、たかじん氏の楽曲を多く手がけた作詞家・及川眠子氏が「小心者で、優しくて、気の弱いおじさん。あの人は、やしきたかじんを演じていたと思う」と評したように、その実像は知られていない。 なぜ東京進出に失敗し、その後、東京の番組出演を頑なに避け、さらには東京への番組配信すら禁じたのか。なぜ全身全霊を捧げた歌手活動を突如封印したのか。晩年、なぜ政治に接近し、橋下徹前大阪市長ら政治家を生む原動力となっていったのか――。 取材を進めるうちに見えてきたのは、一見、剛胆にみえるたかじんのあまりに一本気で繊細すぎる一面だった。本書は内なる葛藤を抱えながら、自らに求められた役割を「演じ続ける」たかじんの“心奥”を、たしかな取材で描いていく。 大反響を呼んだ単行本に、大幅加筆を加えた決定版評伝――。
  • ピストルと荊冠 〈被差別〉と〈暴力〉で大阪を背負った男・小西邦彦
    3.0
    1巻814円 (税込)
    部落解放運動の闘士は暴力団の構成員だった。二足のわらじをはき莫大な富と権力を握った小西邦彦。晩年に「飛鳥会事件」で逮捕され失意のなかにこの世を去った。バブル時代には1ヵ月に呑み代1000万円、その力は市行政、警察、税務署、財界にまで及んだ。昭和44年、部落解放同盟支部長に就任、40年の長きにわたりその職にあった。人生の「貧富と清濁」を体現した"極道支部長"の波乱万丈、74年の生涯を描く本格評伝!
  • よりみち部落問題
    3.6
    1巻935円 (税込)
    私は被差別部落に生まれた。自らの出自を考えずに自由に生きることこそが、部落問題の解決ではないか。そう考える著者がたどりついた地平は――。被差別部落のみならず、あらゆる差別を考える一冊。たまたま被差別部落に生まれたために、部落問題についてあれこれ思い悩んだ半世紀。記者として取材した差別、共同体の過去・現在・未来、今こそ語りあかす。
  • ふしぎな部落問題
    3.8
    1巻935円 (税込)
    二〇〇二年に同和対策事業が終了した。しかし、それは部落差別がなくなったことを意味するわけではない。インターネット上には、どこが部落か、などといった情報が氾濫している。一方、差別を解消しようとする部落解放運動も時を経て、変化を余儀なくされている。「歴史」から学び、「メディア」によって現在を知り、「地域」から未来の方向性を模索する、これまでにない部落問題の決定版。
  • カニは横に歩く 自立障害者たちの半世紀
    値引きあり
    4.0
    行動するCPたちの痛快・青春ノンフィクション! 「カニって横に歩いてるやん。誰も不思議に思わへんやん。障害者が健全者と違う歩き方をしてるのは当たり前のことちゃうの」
  • とことん!部落問題
    4.0
    「差別の真相」、どこまで知ってますか? 同和対策事業の変遷、潜在する「身元調査」、いまだに残る「恋愛・結婚・就職」差別の実態。奇しくもこの10年余は、解放運動の明と暗が浮き彫りになった期間であった――。被差別部落に生まれ育ち、大学卒業後、地方紙の記者などを経てフリーライターになった著者よる「差別」の現場のルポ。雑誌などに発表した原稿を加筆・修正して単行本にまとめました。 ●部落問題とは何なのか 部落差別は大きく変わった。一般的に、若い世代の人は部落問題の知識があまりない。だから、著者は昔のように部落差別の実態を執拗に訴えることに違和感を持っている。しかし、人は時には得体の知れないものに惑わされることがある。たとえば、心霊スポットなどに代表される怪奇現象のように。気になる人はとことん気になるが、気ならない人はまったく無関心。その心理は部落差別と近いのではないか――。本書では、差別の本質的な問題を考察したエッセイを多数収録しました。 ●ルポ 部落の現場から 阪神淡路大震災では被差別部落でも大きな被害とたくさんの犠牲者が出た。当時、被災者となったマイノリティ(在日韓国・朝鮮人や障害者など)には取材陣が殺到したが、部落問題と震災の現場を報じたメディアはほとんど皆無だった。なぜマスコミはこの問題を黙殺したのか。そして震災当時、被差別部落では何が起きていたのか。著者がその現場をルポした。 その他、被差別部落が外国人をどう受け入れた(あるいは排除したか)、その姿を描いたルポなども掲載しました。 ●小西邦彦被告インタビュー 元暴力団組員にして、部落解放同盟支部長、社会福祉法人の理事長も務めていた小西邦彦が逮捕されたのは06年5月のことだった。容疑は業務上横領。マスコミは犯罪と同和行政の関係をこぞって報道したが、この事件はそれほど単純なものではなかった――。小西被告が著者だけに見せた「素顔」は読み応え充分。 〇本書の内容 被差別部落の青春群像 ◎差別されはじかれて辿った「ヤクザ」への道 ◎大学生、屠場を撮る ルポ部落の現場から ◎皮革工場の外国人労働者 ◎報じられなかった「阪神大震災と被差別部落」 危ういマスコミ ◎新聞社が『現代』広告を拒否 飛鳥会事件の深淵 ◎小西邦彦被告インタビュー 『同和利権の真相』の深層

ユーザーレビュー

  • よりみち部落問題

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    部落問題がインターネットでとりあげられることでどのようになるのか、という現在の問題を提起している本である。今までの様々な部落問題はあるが、現在はどうなっているかで、かなり状況が変わっていることを示している。事実、YouTubeでは部落と言われる場所を動画で撮影したものが出回ってる状態であり、YouTubeの規制をかいくぐっって掲載されているのが現状である。

    0
    2025年08月24日
  • とことん!部落問題

    Posted by ブクログ

    東京に住んでいるとあまり意識することはないのですが、部落問題は今も根強く残っていることを知りました。

    この本を読んたあと、京都の柳原銀行記念資料館にも行ってきました。この銀行は、被差別部落の住民によって過去に設立された、日本で唯一の銀行です。

    When you live in Tokyo, you hardly ever give it much thought, but I learned that the discriminated Buraku issue is still deeply rooted today.

    After reading this book, I also v

    0
    2025年06月15日
  • ふしぎな部落問題

    Posted by ブクログ

    これまで茫洋とした輪郭でしか認識したことのなかった部落問題の今を非常にクリアに見ることができた。全国の被差別地域が第4章で紹介された大阪・北芝のような活発でポジティブな「おもしろ共同体」と同様の位置に辿り着けているわけではもちろんないだろう。益のない、もはや全く意味をなさない差別など1日も早く解消されてこの小さな島国のどこででも一人一人が自分らしく生きられる、そんな日が来ることを願ってやまない。

    0
    2017年05月31日
  • とことん!部落問題

    Posted by ブクログ

    『「差別の真相」、どこまで知ってますか?同和対策事業の変遷、潜在する「身元調査」、いまだに残る「恋愛・結婚・就職」(中略)』知らないことはたくさんありますね。

    こういう問題が比較的ないところで育った僕がこの問題を追うきっかけになったのは「ゴー宣」とベタといえばものすごくベタなんだけど。島崎藤村の『破戒』この二つを 中学生のころに読んでいたからなんですが、そういうものが現在でも表には出ない形で『ある』と知ったのは東京で暮らしていたときなのかもしれません。

    僕が見聞きしたことで、具体的なことはあれこれあげませんが。やはり、存在はします。著者の出身は関西の「ムラ」ですので。言ってみれば『当事者』

    0
    2011年08月15日
  • 被差別部落の青春

    Posted by ブクログ

    『普段は気にしないが、ある場面で差別にぶつかる。そんな人々の日常を書きたいと思った――。』とあるように、「ムラ」に住んでいる人間から彼ら自身の生活の見た記録です。結構あっけらかんとして面白いのですが。

    僕はもともと北海道出身のなので、いわゆる『同和問題』というのは東京で暮らすまでは縁遠かったのですが、僕の身近に京都の大学にいっていた人がいたので、その人に
    『関西地方に行くとこういう問題は今でも根深いものなのか?』と聞いてみると
    「関西地方にはそういうものは根強く残っている。特に奈良、大阪、京都はそう。だから、そういうことは知っていても公の場では決して口にはしない。」
    とのことでした。

    なる

    0
    2015年03月21日

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