雀野日名子の作品一覧
「雀野日名子」の「かぐや姫、物語を書きかえろ!」「幸せすぎるおんなたち」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「雀野日名子」の「かぐや姫、物語を書きかえろ!」「幸せすぎるおんなたち」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
生活保護や高齢者問題等の社会問題を内包したミステリ。そりゃあ不正受給は許せないと思います。ある意味の「正義」に燃える人たちの思いも、分からないではありません。だけど……。
本当に。なぁんにも見えていませんでした。
当事者でなくては、いや、それどころか当事者であってすら、見えていないことって決して少なくありません。先入観と偏見によって、見えるものはがらりと変わってしまいました。
スリリングな展開のあとで訪れたこのカタルシス。やりきれなさを感じつつも、読後感は穏やかでした。だけどそれが本当なのかな? というのもまた疑ってしまいそうで。いろんな意味で恐ろしい作品でした。
Posted by ブクログ
ミステリーという帯を付けないほうがよかったのに……と惜しまれます。
出版社側が「ミステリー」を謳う帯をつけてしまうと、ミステリーファンしか手に取らなくなり、「小説として面白いか」ではなく「謎解きが優れているか」の基準で評価されるのです。
手練のミステリー読みが本作を「謎解きもの」として評価する場合、ちょっと厳しめの評価が出るように感じました。
では「小説」としてどうかと言うと、考えさせられるテーマ性もあり、ページをめくる手が止まりませんでした。
ただ、出版社側にとっては「一般小説」枠に入れるより「ミステリー」枠に押しこんだほうが、売上が見込めるということなのでしょう(ミステリー市場は大きいです
Posted by ブクログ
疎外されることがどんなに辛いか、「鬼女」(個人情報を調べあげてネット掲示板に晒す集団)がどれだけ怖いかを知っている、元いじめられっ子の主婦。
理不尽な格差社会のなか、底辺一歩手前の人生がいかに惨めかを知っている、若いフリーター。
わが子に虐待される老人の増加を案じ、自分も将来息子に虐待されるのではないかと憂う定年前の男。
弱者の痛みや虐げられる苦しみを知る、社会的弱者である彼らの心のなかに、するりと「鬼」は入りこむのだ。痛みや苦しみを知る彼らのなかに。
ジャンルはミステリーではあるが、どちらかというと「ミステリー風の集団劇」か。ラスト近くで「えっ?」という驚きがあるが、狙いはミステリー好きに