戸田裕之の作品一覧
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
人はどこまで信頼できるのだろうか。「人は誰でも、いつでも敵に変わる」という見方は、公的業務に従事する人間にも適用される。たとえ弁護士や警官であっても、「変わる」可能性は否定できない。刑事小説はそこを鋭く描く。ダイアナ妃の人質事件や、収監中の富豪とその妻、そしてその専属弁護士との駆け引きには興味を引かれる要素が多い。人と人の信頼関係は、名誉やお金といった要素によって揺らぎ変わる。
人は弱みに屈して生きる存在であり、貧困時にはもちろん、富裕層であってもさらなる「欲望」が「貪欲」と化す瞬間がある。
もう一点、小説で気になったのはダイアナ妃の人質事件を契機として、現代の要人警護と警備体制の在り方である。今後、国際会議や大規模スポーツイベントなどの警備を強化する際、警備人材の確保には限界がある。結果として、テロ対策には抜け道が生まれ、大衆を標的とする大事故が発生する社会像が現実味を帯びてくることが恐ろしい。