倉田幸信の作品一覧
「倉田幸信」の「ALLIANCE アライアンス」「2050年 世界人口大減少」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
人口動態について書かれた本を読むのも3冊目だが、どの本にも「出生率を上げる方法」なんて書いていない。歴史的にそれを達成した国も地域も存在しない。
なぜなら、少子化は「都市化と女性教育の充実」が引き起こすものであり、それらは不可逆だから。都市では子供は農作業ができず負債になる。女性教育が進むと女性は学歴とキャリアのために晩婚化し、釣り合う相手を求め続け、知識と医療へのアクセスをもって子供の数をコントロールする。家族と離れるから血族、宗教によるプレッシャーも軽くなる。子育て支援ではこの現象に対抗できない。また移民の出生率も2世代目には移民先と同じ値になる。
実際に、出生率が高止まりすると従来考えられてきたアフリカ各国、ブラジル、インドで少子化が進んでいる。これを現場で確かめているのが本書の価値だと思う。新型コロナウイルスの流行前に出版された本書の中ですら、出生率が人口置換水準の2.1を下回ると考えられる国が多数ある。国連の中位推計は当てにならない。ジェトロのウェブページで見たが、2025年時点で既に中国では百万人単位で人口が減っている。日本とは桁が違う。
多分著者2人がカナダ人だから紹介されているのだと思うが、カナダは少子化に上手く対応しているらしい。つまり大勢の移民を受け入れて国民を増やしている。それはカナダに難民としてやってきたユダヤ人をドイツに追い返した歴史の反省であり、また元々人種がモザイク的に存在し、国家としてのアイデンティティが薄いというお国柄によるものだそうだ。日本で真似できるかというと道のりは遠そうだが、せめて民間で移民を受け入れる努力をするところは見習うべきだと思う。外国人の書いた本は新たな知識と視点を与えてくれる。
確かに、不可避不可逆の少子化のなかで国民を増やしたいなら移民を募るしかない。しかし移民の出身国でも少子化なのだから、移民は各国で取り合いになる。少ない移民は吸引力の高いアメリカやカナダに行き、日本には来ない。日本は現実を直視して特に社会福祉を考え直すべきだろう。
少子化は社会が進歩した結果である。都市化と女性教育を巻き戻せば繁栄できるわけではないし、そもそも巻き戻すことはできない。むしろ少子化によるメリットもあって、人が減れば環境破壊やエネルギー不足、食料不足は長期的に改善する。
一方で、本書には2050年に人口が減りはじめるまで、つまり人類がそれまでは増え続けるなかで、平和と安定と環境をどう保つかという視点はない。これも難題である。
Posted by ブクログ
人生に恐れるべきことは何もありません。ただ理解するだけで良いのです。キュリー夫人
恩師コールに対してきちんとものを言い、さらに時を経て和解をするとは互いに素晴らしい関係であると感じた。
私は話が得意ではない。私にできることは真実を伝えることだ。ソクラテス
メルケルの信念は、静寂の中にこそ力がある。
暴力に暴力で対抗してはならない。
多文化主義は偽善。と述べたことは当初移民を推進していた彼女にとっては深い言葉だと思う。ドイツを異なる民族集団がバラバラに存在し続ける国にはしたくない。という著者の解説。
道徳的人間の要素しか持たない人がいれば、それは馬鹿であろう。ハンス・モーゲンソー。ドイツの政治学者
Posted by ブクログ
【文章】
とても読みやすい
【ハマり】
★★★★★
【気付き】
★★★★・
2050年から人口は減少する。
飢饉、自然災害、戦争、感染症などの外圧によってではなく、自分たち自身の選択による人口減少は、人類史上初めての経験。
先進国だけでなく、発展途上国でも出生率は低下傾向にある。
出生率低下の原因は、都市化と女性の教育水準の上昇。
経済合理性の観点で考えた場合、子供を産むことは、農業社会では「投資(働き手が増える)」であるが、都市社会では、「負債」になる。
女性に対する教育水準が上がるほど、子供の数が減る。
田舎暮らしは環境負荷が高い。
人々が暮らす場所は集約した方がエネルギー効率が良い。
人口が減れば、地球温暖化に歯止めがかかる。
日本が今の経済を維持・発展させていくには、移民の受け入れが必須。しかし、やみくもに移民を受け入れてしまうと、治安の悪化つながってしまうため、基準を設ける必要がある。
ただ、移民を出す側の国の人口も減少傾向のため、長期的には移民に頼ることはできない。
これまでのデータをみる限りでは、女性の教育水準と出生率には、負の相関関係があるようだが、今後、さらに教育水準が上がった場合でも、その相関関係が維持されるのかどうかは、気になるところ。