作品一覧

  • 基礎からわかる数学入門 数の発展から微分積分まで

    基礎からわかる数学入門 数の発展から微分積分まで

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻2,420円 (税込)
    ※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 無理数・虚数・関数・不等式・指数対数・三角関数・極限・微分・積分……。 先生と二人の生徒との対話を通して、高校の授業でわからなかった数学のポイントが確実に理解できます。用語の意味や数式展開も飛ばすことなく、じっくりていねいに解説しています。
  • 数の不思議 初等整数論への招待

    数の不思議 初等整数論への招待

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,760円 (税込)
    ※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 221/493を約分できるうまいやり方、「ピタゴラスの数」の見つけ方、2進法を使ったゲーム必勝法などの身近な話題から、現代代数学の入り口まで、ガウスが「数学の女王」と呼んだ整数論の世界を、具体的な実例や計算で解説。数学の再入門に最適の1冊です。
  • 親と子で学ぶ算数入門 数と計算のしくみから関数の初歩まで

    親と子で学ぶ算数入門 数と計算のしくみから関数の初歩まで

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 急所さえ押さえれば、算数・数学はちゃんとわかる。算数・数学教育で定評のある著者が、「ここがわかれば算数・数学は大丈夫」という基本ポイントを伝授。数学をゼロから学びたい方、子どもにしっかり教えたい方への最高の入門書です。
  • 遠山啓のコペルニクスからニュートンまで

    遠山啓のコペルニクスからニュートンまで

    ビジネス・実用

    4.5
    1巻1,650円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 力学的世界観が形成されていく近代科学のダイナミックな歴史を、哲学や芸術や社会とのかかわりを背景に親しみやすく語りかけた市民講座の記録。地動説の成立に不可欠であった微分積分の思考と方法が、力学との関係で、鮮やかに描かれている。当時の図版も百点以上収録。

    試し読み

    フォロー
  • 初等整数論

    初等整数論

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,496円 (税込)
    「やさしい整数のなかには思いがけないほど深く、ほとんど神秘的といってよいほど美しい様々な法則が潜んでいる」(本書「はしがき」より)。整数論には「帰納と演繹」、「構造」といった数学の柱となるような重要な概念や未解決の問題が含まれ、いちど知ったら忘れることがないくらい、鮮やかな印象を与えると著者は説く。数学を実用主義的観点から解き放し、「おもしろさ」、「楽しさ」を不可欠の要素として見直した出色の入門書。『微分と積分』と並ぶ主著。文庫版付録として「数学教育の2つの柱」を収録。
  • 代数的構造

    代数的構造

    ビジネス・実用

    3.5
    1巻1,496円 (税込)
    よく似たしくみをもつもの同士を同じものと見なす「パターン認識」。それは数学的な構造としては20世紀に深化発展した。数や多項式、関数などから、群・環・体などの有用な構造が取り出された。本書は抽象代数の基本概念を、歴史的背景をおりまぜつつ、ていねいな叙述でひもとく。随所に登場する卓抜な比喩は理解を助け、ガロア理論の意味まで望見させる。「体Σ/Kは地上に生えている大木に似ている。……基礎体は木の根に当たる。ガロア群は木を揺さぶる外からの力に比べられる」「秘密を探るのに、まずそれを揺さぶってみる……ここにガロアの理論のもつ射程の大きさがある」と。
  • 現代数学入門

    現代数学入門

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,496円 (税込)
    現代数学は数学者だけの高度なものと考えがち! だが、じつは考え方そのものは日常の生活のなかでよく経験している。著者はそういって、集合・関数・構造・群・位相などの概念の本質を、古代からの数学の歴史をたどりつつ、卓抜な比喩で解き明かす。本書前半「数学は変貌する」では、読者はその名調子に身をまかせ安心して聞きほれることができる。堅苦しい数学観も一変するにちがいない。学校数学になじんだ理系学生にも、その闊達な筆致のデッサンは魅力だろう。後半「現代数学への招待」はその詳論。解説はらせんを描きながらより高みへと読者を誘う。
  • 微分と積分 ──その思想と方法

    微分と積分 ──その思想と方法

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,397円 (税込)
    「微分積分という学問の本質的性格をていねいに解き明かした教科書はあんがいに少ないのではあるまいか。たしかに微分積分学はきわめて広い応用範囲をもっていて、それらをすべて網羅しようとすれば、何冊あっても足りないだろう。だが、その思考法の本質にねらいを定めて解説すれば意外に簡単なものである」(本書「はしがき」より)。微分積分法をその根底にある思想から数学史に即して語り、微積のエッセンスを基本から丁寧に分かりやすく説明する。数学者数学教育者として一流であった著者による、曖昧な説明や証明の省略を一切排した微積分学最高の入門書。
  • 代数入門 ──数と式

    代数入門 ──数と式

    ビジネス・実用

    5.0
    1巻1,397円 (税込)
    数学では、変化する数や量を表す際に、x、y、zのような記号を用いる。この「代数的方法」なくして数学をすることはできないし、実際、高校数学でははじめに「数と式」を学ぶ。けれど、そもそも「数や量を記号で表す」とはどういうこと? 文字だらけの数式を見るだけで、たじろく人も多いはず。本書はトランプや樹形図のように具体的な例を出発点にして、種々の多項式や方程式に慣れるところまでを目指す。「たくさんの人に数学を」という著者の思いの結実した、晩年の名教科書。遠山数学の集大成がここにある!
  • 最終講義 学究の極み

    最終講義

    小説・文芸

    -
    1~2巻1,386円 (税込)
    日本の知の礎を築いたのは、飽くなき探求心を持ちつづけた学者たちだった。土居健郎は言う、「まず「わかる」とはどういうことかということをわかる必要があるでしょう」。禅の本質を説く鈴木大拙、インド思想史に人類史的な普遍性を見た中村元、心理療法の目的を自身の物語の発見に見いだした河合隼雄、人間と自然の関係の変化が歴史学に課題をもたらしたと指摘する網野善彦……。日本を代表する「知の巨人」たち、その学問の総決算ともいえる最終講義を精選したアンソロジー。「学究の極み」篇では、日本の知の礎を築いた学者たちが生涯をかけて追究した研究テーマ、その集大成を披露した講義を収録。冒頭に各講義の要約を付し、難解な講義も概要をつかみやすくした。推薦・若松英輔
  • 水源をめざして

    水源をめざして

    小説・文芸

    -
    1巻1,100円 (税込)
    戦前は数学のなかに隠遁していたのに、戦後はなぜ人間に向かって歩んだのか。学問や芸術はどんなに人間を豊かにするか。鋭い視点と巧みなユーモアで学問・芸術・文学の深奥に誘う。朝日新聞評……平易なことばのなかに科学者と人間の融合を感じさせる高雅な随筆。

    試し読み

    フォロー
  • 数学と人間

    数学と人間

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,034円 (税込)
    「近ごろ数学がいろいろの所に顔を出すようになって、数学ぎらいの人々を困らせたり、うんざりさせているようだ。この本はそういう人々のために書いたいくつかの文章を集めたものである。どの文章も数学とはそれほど恐いものでも、また人間ばなれしたものでもなく、ただの人間たちが、何千年も昔から、寄ってたかってつくりあげた、きわめて人間くさい学問なのだ、という立場から書かれている。」(あとがきより)  数学の歴史や、数学のなかのいくつかの典型的な概念について、また、子どもも親もセンセイも悩ませる「集合」についてなど、平易でありながら本質的な数学論が語られる一冊。 『数学は変貌する』を改題、「数学と人間」「現代社会と数学の役割」「文科のための数学」の三篇を増補し、〈弔辞〉大岡信、〈追悼エッセイ〉森毅「異説遠山啓伝」を収録。 【目次より】 プロローグ 数学とはなにか 数学は変貌する――古代から現代まで  古代の数学  中世の数学  近代の数学  現代の数学 連続と不連続 数学の方法  分析―総合の方法  等質化の方法  操作的方法 「集合」おそるるにたらず 数学と人間 現代社会と数学の役割 文科のための数学  あとがき  弔辞(大岡信)  異説遠山啓伝(森毅)
  • 数学入門 上

    数学入門

    ビジネス・実用

    4.3
    1~2巻1,034円 (税込)
    数学は試験のためにだけ必要なもの、卒業と同時にさっぱり忘れてしまうものではなかったか。しかし今日数学はあらゆる分野に活用されている。現代社会に活動するすべての日本人に必要な数学の知識を、日常生活の論理に定着させて分りやすく説き、会社経営や商品販売は勿論、家庭生活にも豊富な知恵とアイディアを提供する。

    試し読み

    フォロー
  • 数学の学び方・教え方

    数学の学び方・教え方

    ビジネス・実用

    3.5
    1巻1,012円 (税込)
    数学は、適切な教え方さえすれば、すべての子どもに理解できるはずのものである。こうした観点に立って、明治以来の数学教育の欠陥を指摘し、数学の土台と思われる量、数、集合と論理、空間と図形、変数と関数について、ていねいに説明する。父母、教師ならびに日本の教育の現状を憂慮するすべての人びとに贈る。

    試し読み

    フォロー
  • 文化としての数学

    文化としての数学

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻990円 (税込)
    数学が人間からかけ離れた絶対的な真理であるという思想、あるいは神が数学を創り人間に与えたとする神話は、古代から現代まで姿をかえてたえず登場してきた。だが、すでにできあがった数学を天下り式に子供に注入する教え方は、数学をつまらなくさせてはいないか? 人類と数学の出会いから今日の数学理論に至る発達史や、初等教育における分数の計算や数の抽象化の難しさなどを平明に語り、自然や人の営みと数学の関わりを説き明かす。 「数学には甘い菓子のようなおいしさはない。しかし、暑いときに飲む冷い真水のようなうまさはある」と語る著者の業績は、数学的側面だけでなく数学教育から障害児教育まで幅広く、かつ、学問・科学・芸術に対する深い造詣と、そこから教育や人間を捉える真摯な洞察に満ちている。本書は、50年代半ばから70年代前半に発表された、数学と文化について語った文章を集めたもので、著者の思想と、数学の面白さや奥深さを知る格好の入門書となっている。「数学勉強法」「数学と社会も変わった」の二篇を増補し、吉本隆明の追悼文を再録。 【目次より】 Ⅰ 数学はあらゆる分野に浸透する  これからの社会と数学  数学と現代文化  専門の違った人たちとダベってみる その一  専門の違った人たちとダベってみる その二 Ⅱ 数学はどんな学問か  数学は単純で素直である  数学は特殊な言語である  数学は学問的に孤立する危険をもつ  数学も時代の支配的イデオロギーに規定される  数学は自然や社会を反映する客観的知識  数学も人間を形成する  数学はほんとうに論理的か  数学と方法  数学の発展のために Ⅲ 数学はどう発展したか  数学の歴史的発展  現代数学の主役=構造とはなにか  構想力の解放 Ⅳ 科学を学んでいくために  科学への道――女性に与う三つの原則  数学勉強法  数学も社会も変わった   あとがき 巻末エッセイ  遠山啓――西日のあたる教場の記憶(吉本隆明)
  • 無限と連続

    無限と連続

    ビジネス・実用

    4.5
    1巻990円 (税込)
    集合論の創始者カントールが始めた破天荒の試みは「無限を数える」ことであった。それは現代数学が直面してきた課題である。難解とされる現代数学の根本概念を、数式を用いずにやさしく解説する「数学への招待」として本書は書かれた。音符が読めなくてもすぐれた音楽鑑賞家になれるように、数学を「鑑賞する」ための本といえよう。

    試し読み

    フォロー
  • いかに生き、いかに学ぶか 若者と語る

    いかに生き、いかに学ぶか 若者と語る

    ビジネス・実用

    -
    1巻880円 (税込)
    高校進学を拒否した作家志望の女の子が、働きながら、どのように生き、学ぶか。人間とはなにか、生・死・愛について、仕事と地位をめぐって、働くことの意味、生きることの目標について、人生観・世界観をどう身につけるか、若者にとっての羅針盤となる本。

    試し読み

    フォロー
  • 競争原理を超えて : ひとりひとりを生かす教育

    競争原理を超えて : ひとりひとりを生かす教育

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻880円 (税込)
    テストの点数による序列・選別は、貴賎・貧富につぐ第三の差別である。この賢愚による差別を生む序列主義を超えて、自立する人間を育てる教育・学問のあり方を追求する。朝日新聞評……テストや評価ということの本質に迫って読む人を思わずはっとさせる。

    試し読み

    フォロー
  • かけがえのない、この自分 教育問答

    かけがえのない、この自分 教育問答

    ビジネス・実用

    -
    1巻880円 (税込)
    学校に絶望した若者、心を閉じる生徒に悩む教師、五段階評価に苦しむ子どもと母親、有名大学に留年しつづける学生、なんのために学ぶかに迷う少年たち……。さまざまな教育への問いをめぐって、人間を点数で序列づける病理をつき、再出発の原点をさししめす本。

    試し読み

    フォロー
  • 古典との再会 : 文学・学問・科学

    古典との再会 : 文学・学問・科学

    小説・文芸

    -
    1巻880円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ドストエフスキー、チェーホフ、バルザック、ゲーテ、ブレークからニュートンまで、文学と科学にまたがる世界を開示し、文学・学問の真髄を語る。

    試し読み

    フォロー
  • 遠山啓著作集・教育論シリーズ 0 教育への招待

    遠山啓著作集

    ビジネス・実用

    -
    1~28巻880~1,650円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 教育入門…科学と教育、芸術と教育、理解と習熟、子ども論、家庭論など教育原理的な論文と講演を編む。遠山教育論への招待。

    試し読み

    フォロー
  • 教育の蘇生をもとめて

    教育の蘇生をもとめて

    ビジネス・実用

    -
    1巻880円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 死にかかった日本の教育をどのように蘇らせるか。第一線の学者・詩人・音楽家・画家たちと、科学と教育、芸術と教育をめぐって、この状況を超える視点をさぐる。

    試し読み

    フォロー

ユーザーレビュー

  • 数学入門 上

    数学入門 上

    ビジネス・実用

    Posted by ブクログ

    数の概念についてよく噛み砕いて説明してくれる良書。古い本なのに読みやすいの、かなり凄いことなのでは。

    0
    2024年03月17日
  • 無限と連続

    無限と連続

    ビジネス・実用

    Posted by ブクログ

    初版は1952年で、私の本は2022年の第67刷でした。
    無限にも大小があるという不思議なことや、数字ではなくて「働き」についての話など、正直言って半分も理解できていないと思いました。
    でも、はしがきに書かれている、音符が読めなくても、感受性さえあればすぐれた音楽の鑑賞家にはなれるはずである。まったく同じように、数式なしで数字を「鑑賞する」ことはできないだろうか。
    という感じで、数学の雰囲気は鑑賞できたと思います。

    この本の数学は現実世界とは関係ない世界で人間が創造したものかと思われましたが、量子力学や相対性理論の世界では、これらの数学があてはまる、ということなので、こういう数学も人間が創造したのではなくて、この世界にもとからあったのを人間が発見したのかな、などと哲学的なことを思いました。

    0
    2024年03月04日
  • 無限と連続

    無限と連続

    ビジネス・実用

    Posted by ブクログ

    863

    遠山啓(とおやま・ひらく)
    1909-1979年。熊本県生まれ。東京大学数学科に入学するも退学、のち東北大学数学科を卒業。海軍教授をへて東京工業大学教授。数学教育への関心から民間教育団体「数学教育協議会」を結成、長く委員長をつとめた。数学教育の理論と方法を開発・提唱し、その水道方式、量の理論などは、教育現場に大きな影響を与えた。著書に『無限と連続』『数学入門(上・下)』(以上、岩波新書)、『代数的構造』『現代数学入門』『代数入門』(以上、ちくま学芸文庫M&S)『競争原理を超えて』(太郎次郎社)などがある。教科書や雑誌の創刊にも多く関わった。


    一口にいってしまえば,集合論は「無限の数学」である.数学が無限という題目に立ち向かうことの危険を最初に警告したのは,アルキメデスやニュートン(1642–1727)と並んで,史上最大の数学者といわれるガウス(1777–1855)その人であった.19世紀においてはガウスの言葉は一つの意見ではなく,一つの掟であったに違いない.しかも,カントールはこの「無限」というタブーにあえて手を触れた最初の人だったのである.

     「無限」という言葉はしばしば使われてきたが,しかし,常識的には,それがはっきりとした意味をもつものとしてではなく,むしろ人間の数える能力を超えたものを意味していた.それは「有限でない」という単に否定的な意味しかもっていなかった.そのようなものがどうして正確さを生命とする数学の研究題目になりうるだろうか.まず,だれにもこのような疑問が湧いてくるに違いない.  「無限を数える」とはいっても,有限を飛びこえていきなり無限に立ち向かうわけにはいかない.どうしても「有限を数える」ことから始めるのが順序である.無限は有限とはかなり異なったものではあるが,それでもやはり多くの点で似かよっていることもたしかである.

     「新教育」は数学のなかから論理性を抜き去ることによって,数学を実生活に即した実用的なものにすることができると考えていたらしいが,結果において,2+3の計算はできるが2 0000 0000+3 0000 0000の答は出せないというはなはだ非実用的な子供たちができあがらなければ幸いである.

    最も初歩的な加減乗除においてさえ,一つ一つ数えるという素朴な手続き以上の論理が含まれており,この論理を最大限に利用したものが現代数学にほかならない.ちょうど天文学者が望遠鏡によって,また細菌学者が顕微鏡によって肉眼の不足を補うように,数学者は論理によって肉眼の欠陥を補うのである.

    だが,部分が全体と等しいことの発見は何もカントールに始まるのではない.このことはすでに1638年に現われた本のなかにはっきりと書き記されているのである.その本というのは近代物理学の生みの親であるガリレオ(1564–1642)の『新科学対話』(今野武雄・日田節次訳,岩波文庫) である.

    ある統計好きの人が調べたところによると,数学の研究論文をのせる雑誌は大小合せて全世界で800種以上にのぼるという.これだけの新研究を多量生産している現代数学に,おびただしい記号が必要であることはいうまでもないが,それでも注意深く用いれば,だいたい,ローマ字,ギリシャ字,ドイツ字だけで事足りている.だが,カントールは,集合論という新しい酒はとても古い革袋には盛り切れないと考えたので,わざわざヘブライ文字を持ち出してきたのかもしれない.しかし彼がわれわれの漢字を知らなかったのはいささか残念であった.数学が千年使っても使い切れないほどたくさんの象形文字のストックを持って少なからず当惑しているわれわれは,喜んで文字の輸出に協力しただろうに…….

    しかし,たとえば黄河やナイル河のような大河のほとりに多くの人が集まって農耕を営み,国家ができあがるようになって,田畑の面積を測り,収穫量を測り,租税を割りあてる必要が起こってくると,もはや1, 2, 3, 4, ……の自然数だけでは足りなくなる.どうしても割り算,掛け算の必要が起こってきて,いつでも割り算ができるようにするには分数が要求されてくる.したがって古代中国,エジプト,インド,バビロニヤのような大きな農業国家において要求された数はせいぜい分数までであった.このように生産様式が大局的には数学の発展段階を定めているのである.ガリレオに始まる近代物理学は,その手段としてニュートン,ライプニッツの微分積分学の成立を促したが,ここでは分数以上の数である無理数が不可欠となってくる.

    現代の数学でとくにいちじるしい対立をなしているのは「もの」の概念と「働き」の概念である.もちろん,一つの文章はすでに「何かの もの が何かの 働き をする」という形をとっているのと同じく,数学のなかにもこの二つが対立していることは当然であろう.ガロアの輝かしい功績は,この「働き」をきわめて明瞭な姿で数学のなかに持ち込み,それを数学全体の指導原理たらしめた点にあるといわねばならない.

    数学では簡単だからかえって難しいことがしばしば起こる.位相空間の定義などもその一例である.なぜなら,このような簡単さはただの簡単さではなく,複雑なものから極度の精錬をへて得られた簡単さだからである.

    いっきょにそのような抽象の高みに飛躍することはやめて,根気よく一歩一歩登ってゆくことにしよう.この登山が決して楽ではないことはたしかであるが,一度頂上が征服された暁にはすばらしい展望が開けてくることも約束していい.位相空間は現代数学の山脈のなかの高峯の一つだからである.そしてこの登山の道中で現代数学の方法を一とおり学びとることができるだろう.

    これからのべられる議論が外見的にはいかにも抽象的であるために,このような理論は現実と何らのつながりももっていない思考遊戯にすぎない,と考える人が多いに違いない.しかし,数学者にこのような理論の建設を強いたのは,数学者の抽象癖ではなく,より現実的な学問である物理学や力学であったことを強調しておきたい.具体的即現実的,抽象的即非現実的という連想は常識的であるが,数学のなかではこの常識は必ずしも通用しない.ある意味ではその反対なのである.

    盲目といえば,われわれは現代の世界的数学者L. S. ポントリャーギン(1908– )を思い出さずにはいられない.13歳のときポントリャーギンはある爆発事故のため両眼とも失明し,永遠の暗の世界につき落とされてしまった.盲目の少年がどうして世界的数学者になりえたか,これはまさしく一つの奇蹟といわねばならない.

    そのためには,不具者に行きとどいた保護の手をさしのべる社会的環境が前提となることはもちろんであるが,彼の場合には,その上に母親の深い愛情が秘められていた.彼の母親はたいした教養もない一裁縫師にすぎなかったが,盲目の愛児を毎日学校につれてゆき,あらゆる教科書や文献を読んで聞かせた.やがて彼は世界的なトポロジスト,アレキサンドロフ(1896– )を指導者とする学派に加わってたちまち頭角を現わし,24歳でモスクワ大学の教授に任ぜられた.

    小人の王を持ち,小人の人民からできている小人国に12倍の身長をもったガリバーが流れついて,小人たちの間に大騒ぎが起こる.『ガリバー旅行記』の作者の非凡な推理力は,12倍の身長から引き出されるであろうところのあらゆる結論を,非難の余地のない正確さで描き出している.ガリバーの身長が12倍だということさえ承認すれば,それ以外には何一つ不合理なことは発見できない.その正確さはまったく驚嘆のほかはない.この物語を読む人は,まるで直線だけでできている見事な幾何模様のような美しさを感じとるに違いない.もっとも,スウィフトは計算があまりじょうずでなかったとみえて,ガリバーの食料配給量が身体の容積に比例すべきであるといういとも科学的な議論をのべたあとで,さて計算の段になると123 =1728とすべきところを123 =1724と答を出している.この計算違いはたしかに不朽の名作とともに残る不朽の御愛嬌であろう 4).

     『ガリバー旅行記』はその内部には矛盾を含まないが,やはり小人国以外の国から見れば架空の物語であることをまぬかれない.非ユークリッド幾何学も,その内部には矛盾を含まないにしても,やはり「健全な常識」からみれば一つの寓話にすぎないと思える.しかし,はたしてそうであろうか.いや,非ユークリッド幾何学は『ガリバー旅行記』よりははるかに現実的な意味をもっていることを示したのはクラインとポアンカレであった.この二人の方法は少しく異なっているが,ここではクラインの方法をのべることにしよう.

    建築技師であったデザルグは職業上の必要から投影法に上達していた.アカデミックな数学者とはおよそ似てもつかない活動的な技師であったデザルグは,もっぱら実用的な動機からこの新しい幾何学を発展させたのである.彼はまた労働者の教育に努めた熱心な技師でもあった.彼の論文のなかには「木」とか「枝」とか「小枝」とか「 節」とかいう珍らしい術語が現われるが,これらの言葉のなかにアカデミーの選ばれた学者の前で講演をしている数学者ではなく,夜学に集まった知識欲に燃えた労働者に講義している熱心な技師の姿をしのぶことができよう.

    0
    2024年01月23日
  • 文化としての数学

    Posted by ブクログ

    この人の文系向けに書かれたいろんな解説を集めたもの、というかんじ。数学がどんなものか、まずおおまかにその考え方、"哲学"みたいなものを理解したい、という人にはとてもいいと思います。

    0
    2021年10月19日
  • 数学入門 上

    数学入門 上

    ビジネス・実用

    Posted by ブクログ

    もっと早く出会いたかった名著です。高校生の頃いきなり難しい応用問題の授業をされて数学が解らなくなった経験があります。この本の存在を知っていればと唯一後悔してます。

    0
    2021年03月29日

新規会員限定 70%OFFクーポン 今すぐGET