遠山啓のレビュー一覧

  • 数学入門 上

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    数の概念についてよく噛み砕いて説明してくれる良書。古い本なのに読みやすいの、かなり凄いことなのでは。

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    2024年03月17日
  • 無限と連続

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    初版は1952年で、私の本は2022年の第67刷でした。
    無限にも大小があるという不思議なことや、数字ではなくて「働き」についての話など、正直言って半分も理解できていないと思いました。
    でも、はしがきに書かれている、音符が読めなくても、感受性さえあればすぐれた音楽の鑑賞家にはなれるはずである。まったく同じように、数式なしで数字を「鑑賞する」ことはできないだろうか。
    という感じで、数学の雰囲気は鑑賞できたと思います。

    この本の数学は現実世界とは関係ない世界で人間が創造したものかと思われましたが、量子力学や相対性理論の世界では、これらの数学があてはまる、ということなので、こういう数学も人間が創造

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    2024年03月04日
  • 無限と連続

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    遠山啓(とおやま・ひらく)
    1909-1979年。熊本県生まれ。東京大学数学科に入学するも退学、のち東北大学数学科を卒業。海軍教授をへて東京工業大学教授。数学教育への関心から民間教育団体「数学教育協議会」を結成、長く委員長をつとめた。数学教育の理論と方法を開発・提唱し、その水道方式、量の理論などは、教育現場に大きな影響を与えた。著書に『無限と連続』『数学入門(上・下)』(以上、岩波新書)、『代数的構造』『現代数学入門』『代数入門』(以上、ちくま学芸文庫M&S)『競争原理を超えて』(太郎次郎社)などがある。教科書や雑誌の創刊にも多く関わった。


    一口にいってしまえば,集合論は

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    2024年01月23日
  • 文化としての数学

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    この人の文系向けに書かれたいろんな解説を集めたもの、というかんじ。数学がどんなものか、まずおおまかにその考え方、"哲学"みたいなものを理解したい、という人にはとてもいいと思います。

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    2021年10月19日
  • 数学入門 上

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    もっと早く出会いたかった名著です。高校生の頃いきなり難しい応用問題の授業をされて数学が解らなくなった経験があります。この本の存在を知っていればと唯一後悔してます。

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    2021年03月29日
  • 無限と連続

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    集合論、群論、位相空間についての一般向け入門書。いわゆる”理系”でない人にもわかりやすくしようと、数式はあまり使わないように書かれている。ただ、昔の本は最近の類似の入門書より、内容が高度だったり、例がかなり圧縮された記述でパッとわかりにくかったり、でこの本も例に漏れない。薄さの割には内容が圧縮されていて、けっこう時間をかけて楽しめる。(この本がさらっと読めてしまう人はそもそもよむ必要があまりない人だろう)含蓄もあり古典感がある。もうちょっと具体的に、という人は同じ著者の『現代数学対話』がいいと思う。
    昔の”本を読む人”は賢かった、ということもあるだろうが、今ほど本が溢れていないからもっとゆっく

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    2021年03月08日
  • 数学入門 下

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    8 数の魔術と科学
    9 変化の言語ー関数
    10 無限の算術ー極限
    11 伸縮と回転
    12 分析の方法ー微分
    13 総合の方法ー積分
    14 微視の世界ー微分方程式

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    2018年10月26日
  • 数学入門 上

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    1 数の幼年期
    2 分離量と連続量
    3 数の反意語
    4 代数―ずるい算数
    5 図形の科学
    6 円の世界
    7 複素数―最後の楽章

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    2018年10月26日
  • 無限と連続

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    現代数学の概念、集合、群、束、トポロジー、非ユークリッド幾何学などを極力数式を使わないで平易に説明されている。平易でも抽象数学なので頭をフル回転しないといけないな。1952年に発行の岩波新書だが、現在にも価値がある一冊である。

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    2018年10月20日
  • 数学入門 上

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    上巻は、古代の数から、分離量と連続量、正と負、代数、図形、円、複素数までを扱う。数について改めて考える時間をもらった。

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    2018年10月20日
  • 代数入門 ──数と式

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    高校数学を終えて、大学数学の架け橋となるレベルか。

    決して易しくないが、解答や定理への道すじが詳しく示されているので、努力すれば、必ず報われると思う。よりスマートな別解がいくつか載っているが、こちらの方が理解は難しい。

    個人的には2章の組み合わせに苦戦したが、対称式、ベルヌーイの多項式は興味深かった。

    最後の解説は最初に読むと迷うことなく、全体への理解が進むだろう。

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    2017年04月02日
  • 数学入門 上

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    齷齪と問題と格闘する数学から離れて、悠々と俯瞰しあれこれバックグラウンドやエッセンスを知る本。数学では何をしている(いた)のか考えることができた。
    極めてよくある疑問に
    ・加減より乗除を優先するのはなぜか?
    ・どうして分数の割り算はひっくり返してかけるのか?
    ・負数どうしの積はなぜ正数か?
    がある。この本の中で述べられている。
    説明の仕方は色々あり、納得の仕方も人それぞれだろうが私はこの本の語りが好きだ。
    "腑に落ちる"という言い回しがあるが、数学の疑問が解決したときの安心感は心地よい。

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    2016年02月28日
  • 遠山啓著作集・数学教育論シリーズ 4 水道方式をめぐって

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     本書は,遠山啓たちが唱えた「水道方式」についての他の教育学者たちからの批判に対して,遠山が再批判した論文が多く収められています。同じ民間教育団体のメンバーからも批判されていたのは知りませんでした。その分,遠山の再批判もきびしいものがあります。
     Ⅵ章でピアジェの紹介をしています。今じゃ,当たり前になったピアジェの論文も,このころは手に入らなかったんだですね。
     また,「解説」での山住正巳の指摘も興味深かったです。
     やはり,いい本は,いつ読んでも面白いなあ。
     それにしても,未だに,教科書の扱い方は中途半端なんだよなあ。

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    2015年04月19日
  • 現代数学入門

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    群・体などの代数系や位相などの“構造を扱う数学”の方が理解しやすいと説き、いくつかの例について定理や証明をきちんと出しながら紹介している。実数や複素数などの計算法・応用例・いくつかの定理を知らないと抽象代数学を楽しむことなどできるはずは無いと思っていたから、著者の考えと説明の仕方には驚かされた。

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    2014年11月08日
  • 数学の学び方・教え方

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     小学校で習う算数は、当然、易しいものから難しいものへ、順序よく並べられているはずのものです。しかし、それがどういう理論で体系づけられ整理されているのか、あまり深く意識したことはありませんでした。

     今から実に35年前に書かれたこの本では、その理論と体系を、水道方式の生みの親である遠山先生が、ずばり分かりやすく解説しています。

     序 章
     第1章 量
     第2章 数
     第3章 集合と論理
     第4章 空間と図形
     第5章 変数と関数

     序章では算数の特性に触れながら、黒表紙、緑表紙、水色表紙と呼ばれた古い教科書の話題などが出てきます。残念ながら当時の教科書は見たことがないのですが、今とどのよ

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    2014年03月08日
  • 数学入門 上

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    本書では主に,数(実数,複素数),代数,図形について解説している.
    過去から現在に至るまでにこれらの数学の概念がなぜ誕生したのかその背景と目的が明確に書かれている.これは、自分がこれまでに読んだ数学の教養書では書かれていない内容であったので非常に興味深いものであった.
    「もっと早く出会いたかった」と感じさせてくれる本でした.
    下巻にも期待したい.

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    2013年11月01日
  • 無限と連続

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    真の教養と呼ぶにふさわしい本。現代数学の道のりとは拡張、抽象化、妥当性の確認、不変量の発見を繰り返していたのか。数学的概念の真意を知る喜びがあった。

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    2013年03月18日
  • 無限と連続

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    ~とも言うべきだろう、という言い直しが多用されている。出発点と終着点とを入れ換えて高みを目指すスイッチバックが数学では頻繁に出てくるとのことだが、本書でも、言い換えで理解の高みを見せてくれる

    1952年出版とは思えないほど、分かりやすい丁寧な書き方。良書

    1部
    集合は順序を破壊し、残った数の多さを比べる。そのとき、要素の数が無限だと計数することは無意味なので、要素の一対一対応によって集合間の多少を判定する。加算無限集合では、次元は関係なくなる。ヒルベルトの無限ホテル

    2部
    要素間に関係を定義する。群

    3部
    点、距離、閉集合、位相

    4部
    幾何、射影、平行線、長さ、角度、非ユークリッド幾

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    2013年01月05日
  • 遠山啓のコペルニクスからニュートンまで

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    数学者遠山啓がその晩年に行った市民大学での連続講座を活字化したものである。コペルニクスからニュートン力学が完成するまでの歴史に沿って微分積分学と力学を解説している。
    遠山啓はかつて大学時代に『無限と連続』を読んで感銘を受けた。すでに亡くなっていることを初めて知った。

    本書は大判で挿絵が豊富で分かり易い。装丁も素敵だ。電子本では作れないテイストがある。こういう本を手に取ると紙の本もいいと思う。

    本書が書かれた目的として次のように書かれている。

    「元来、力学は数学と不可分の関係にあり、高校の数学の到達点ともいうべき微分積分、とくにその最高到達点ともいうべき微分方程式は、歴史的にいっても、力学

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    2012年12月24日
  • 数学入門 上

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    難しかったけど面白かった。上巻は、数字と図形について、その成り立ちや、よく知られている公式の証明がメイン。
    数字について、まずは自然数から始まり、数学者たちがいろいろな問題にぶつかりながら、分数、負数、無理数と発見していき、終いには虚数を発見するに至った経緯が丁寧に記載されていてとても勉強になった。
    特に複素数について、平面上(線状ではなく)に表現できるなんて知らなかったです。
    学校でも、公式が生まれた経緯とか教えれば、数学が苦手な子が減るのでは、と思いました。

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    2012年05月25日