誠信書房の検索結果
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対人援助職のための精神医学講座
かつて精神疾患は、一般の人々にとって身近なものではなかった。けれども現在では、うつ病、拒食症、統合失調症などの精神疾患の名前はすっかり一般的になり、知人がうつ病で休職したなど、精神疾患を身近に体験している人も多い。 薬物療法が開発され、以前に比べて社会生活と治療を両立させやすくなったこともあり、今後は精神疾患を抱える人とともに生きていくためには、どうすればよいか考えるという、新しい課題に取り組む必要がある。 このような流れの中で、精神疾患は、精神科の医療機関で働く職種だけでなく、さまざまな対人援助職が接するものとなっている。産業医、保健師、教育関係者、スポーツ指導者、そして精神疾患をもつ方が子どもを預ける保育園や幼稚園の保育者などにも、精神医学の基礎知識が必要になっていると言えるだろう。 これらの対人援助職は、精神疾患を「治す」立場ではないが、精神疾患を早期に発見したり不調を察する機会の多い第一線にある職種である。身体の疾患と同じく、精神疾患についても早期発見、早期の治療開始が経過によい影響を与えることは知られており、正しい知識をもった援助者が早めに声をかけ、治療の初動部分がスムーズに開始できることは非常に重要である。さらに初動の部分だけでなく、すでに治療中の人をどのように支え、対応するかも重要な課題である。 精神医学の教科書はすでに数多く出版されているが、精神病理学の用語は難しく、医師であっても精神科医以外にはなじみにくい。やさしく解説した本もあるが、言葉のレベルでやさしく書かれていても、当事者がその症状をどのように体験しているかについては想像しにくい。 本書では「その疾患の当事者がどのような体験をしているか」について、少しでも想像できるよう、事例などを設け、検討することで、精神疾患を身に迫る形で理解できるよう試みた。 さらに、さまざまな職種の人や学生が参加する精神医学講座でのディスカッションという形をとることで、精神疾患に対して、多職種の立場から、立体的に理解できることを目指した。職種によって視点が違うのは当然であり、さまざまな視点があるのは、望ましいことである。 日常的な言葉を使っての多職種による紙上討論を通し、読者はさまざまな視点を取り入れつつ、自分だったらどうするかを考えながら、精神疾患についてイメージを膨らませ、精神疾患についての理解を深め、対応を学ぶことができる。入門者に優しい1冊である。 -
大人の発達障害の真実
「自分は発達障害ではないか?」と疑って一般の精神科病院や精神科クリニックを受診する大人が増加している。発達障害の知識が広く一般にも認識されるようになり、自分にも当てはまるのではないかと気づく人が増えてきたのだと考えられる。 しかし本来、発達障害は生来性のものであるため、その特徴的な症状は幼児期から小児期に最も現れやすいはずである。なぜ、大人になるまで見過ごされてきたのだろうか。なぜ、大人になって初めて不適応をきたすようになったのだろうか。そして、小児期と大人の発達障害の病態は、どう異なるのだろうか。 本書では、大規模なコホート研究の結果を紐解くことでこうした疑問に答える。さらに、児童精神科医として長年子どもを診てきた著者がはじめた「大人の発達障害外来」のなかで見えてきた、その特徴、実態を明らかにし、クリニックで行われている診断方法、心理教育・薬物療法・精神療法などの治療、そして今後極めて有望な方法である認知機能リハビリテーションについて、具体的に紹介する。 大人の発達障害は決して特別な疾患ではなく、積極的な治療や支援が可能なのだ。 -
心理職のための身につけておきたい生物学の基礎知識
心理職の活躍する保健医療領域での「共通言語」は、生物学上の言葉が中心となる。また、世界規模で増えている心理学と生命科学の共同研究などでも、生物学の基礎は必須のものとなる。 しかし、私立大学の入試で生物学での受験可能校が少ないこともあり、公認心理師試験や現場に出てからも、生物学に苦手意識を抱える人が少なくない。 そこで、心理学部出身で今は医学部で教鞭を執る著者が、現場で必須の知識をできるかぎり噛み砕いて解説。各章のコラムも、生物学とこころの密接なつながりを感じさせてくれる。大学のテキストにはもちろん、現場に出てからの“虎の巻”としても使える書。 -
遠隔心理支援 物理的距離を超えてケアを継続するヒント
新型コロナウィルス感染症の流行により、対面での心理支援サービスの提供が大きく制限されているなか、物理的距離があっても可能な支援方法として注目を集めているのが、遠隔心理支援である。 姉妹書『アウトリーチ型電話支援の試み』でも触れているように、遠隔心理支援は一般臨床やメンタルヘルス支援に役立つ方法ではあるが、インターネットを用いる場合、その情報技術革新は年々進歩しており、支援の方法も実に多様化している。 そこで本書は、欧米で公表されているガイドラインをはじめ、各種支援技術ごとの実践方法の要点を紹介し、心理支援サービスに関わる方々の実践への一助になるよう編集したものである。 -
アウトリーチ型電話支援の試み 新型コロナウイルス流行下でのテレカウンセリング
新型コロナウイルスの感染防御のため、社会的距離を取ることが国内外で奨励され ている。そのようななか、様々な現場のメンタルヘルスへのニーズは高まっている一 方で、従来の対面式のカウンセリングや訪問支援は、非常に行いづらくなっている現 状がある。 そこで、東日本大震災および福島第一原発事故の膨大な数の被災者へ、8年にわたり 心理的援助を続けている電話カウンセリング・チームによる、対面ではなく、かつ、 援助者側からアクセスしてカウンセリングを行う、架電式のテレカウンセリングの方 法(アウトリーチ型電話支援)を紹介する。 経済的ダメージやテレワーク、感染対応等によるストレスからメンタルヘルスへの影 響が大いに懸念される今こそ、精神保健や福祉に関わる方々に取り入れていただきた い方法を、豊富なコラムや実施にあたっての留意点とともに示す。