堀之内出版作品一覧

  • なぜ人は締め切りを守れないのか
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    「締め切り」から、現代社会に深く埋め込まれたルールを描き出し、豊かな生き方を探る哲学的冒険。仕事の締め切りから、人生の締め切り、「死」まで考える。 ●千葉雅也さん推薦! 私たちは実のところ、「締め切り」のことをよく知らないまま生きている。 ときに私たちを苦め、ときに私たちを奮い立たせる「締め切り」とは何なのか? 「締め切り」から、現代社会に深く埋め込まれたルールを描き出し、豊かな生き方を探る哲学的冒険。 “我々は、いわば「時間的な無理」をさせられている。生きることの柔軟性をどう取り戻すか。この時間論には、哲学の新しい文体がある。すごく良い本だと思った。元気が出る本だ。” ──千葉雅也 時間について:時間とはそもそも何なのか? 計画について:昔の人はもっとのんびり生きていた 仕事について:無理な要求から逃れる方法は? 死について:最大にして最後の締め切りを考える ●締め切りの間を縫って、私たちが〈いい時間〉を手に入れるために “残業によって得られる賃金は計算できる。さまざまな締め切りの集合体である「プロジェクト」は、時間を対価に成果を提示する。いっぽうで、愛する人と過ごす時間、趣味に没頭する時間の価値は計算が難しい。私たちは、〈いい時間〉を計量することができずにいるのだ──。” 【目次】 序章 なぜ人は締め切りを守れないのか 第1章 いい時間とわるい時間──私たちはどんな「今」を生きたいのか? 第2章 プロジェクト──私たちから時間を奪うもの 第3章 生きている時間──私たちはいつも何かに間に合わない 第4章 いろいろな遊びの時間を旅する──時間の遊び論 第5章 いい時間をつくる──時間正義のためのデザイン 第6章 デッドライン──死から締め切りの本性を考える あとがき ブックガイド 新しい時間をデザインするために 参考文献 【著者】 難波優輝 1994年生まれの美学者。専門は、分析美学とポピュラーカルチャーの哲学。他の著作に『物語化批判の哲学〈わたしの人生〉を遊びなおすために』(講談社現代新書、2025年7月発売予定)、『SFプロトタイピング』(共編著、早川書房、2021年)。
  • なぜオフィスでラブなのか
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    小説から紐解く公私混同の過去~未来 「職場で出会った人とつきあっています/結婚しました」という話は一般的で、珍しいことではありません。 でも、冷静に考えてみると、仕事を目的とする場で、なぜそんなに恋愛が発生するのでしょうか。 小説を題材に日本の「オフィスラブ」について、労働にも造詣が深い新進気鋭の著者が論じます。 【目次】 まえがき 1 なぜオフィスなのか? よしもとばなな 『白河夜船』 2 祖父母たちのオフィスラブ伝説 田辺聖子 『甘い関係』 3 絶対安全不倫小説 東野圭吾 『夜明けの街で』 4 忘れられた名前を呼ぶとき、オフィスラブが始まる 川上弘美 『ニシノユキヒコの恋と冒険』 5 オフィスラブとセクハラの境界 綿矢りさ 『手のひらの京』 6 私たちが同僚を好きになる不思議 長嶋有 『泣かない女はいない』 7 近代家族と父娘関係の切なさについて 源氏鶏太 『最高殊勲夫人』 8 東京ラブストーリーの貞操をめぐる闘争 柴門ふみ 『東京ラブストーリー』 9 シングルマザーのオフィスラブ 津島佑子 『山を走る女』 10 未来のオフィスラブはプラトニックである 雪舟えま 『プラトニック・プラネッツ』 11 オフィスラブの魔法で人生はときめくか 津村記久子 『カソウスキの行方』 12 オフィスラブと「私」の物語 あとがき 【著者】 西口想 1984年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、テレビ番組制作会社勤務を経て、現在は労働団体職員。
  • 戦う姫、働く少女
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    1巻1,980円 (税込)
    ポップカルチャーを縦横無尽に論じる新しい文芸批評! ジブリの少女やディズニープリンセスは何と戦い、どう働いたのか。それは現代女性の働きかたを反映していた―。『逃げ恥』から『ナウシカ』まで。現代のポップカルチャーと現代社会を縦横無尽、クリアに論じる新しい文芸批評が誕生! 【目次】 はじめに 第一章 『アナと雪の女王』におけるポストフェミニズムと労働 第二章 無縁な者たちの共同体――『おおかみこどもの雨と雪』と貧困の隠蔽 第三章 『千と千尋の神隠し』は第三波フェミニズムの夢を見たか?―アイデンティティの労働からケア労働へ 第四章 母のいないシャカイのユートピア──『新世紀エヴァンゲリオン』から『インターステラー』へ 第五章 『かぐや姫の物語』、第二の自然、「生きねば」の新自由主義 終章 ポスト新自由主義へ 【著者】 河野真太郎 専修大学教授。1974年山口県生まれ、一橋大学大学院商学研究科准教授を経て2019年4月より現職。関心領域はイギリスの文化と社会。著書に『〈田舎と都会〉の系譜学』(ミネルヴァ書房、2013年)、共著に『文化と社会を読む 批評キーワード辞典』、(研究社、2013年)訳書にピーター・バーク『文化のハイブリディティ』(法政大学出版局、2012年)、共訳書にレイモンド・ウィリアムズ『共通文化に向けて―文化研究1』(みすず書房、2013年)など。
  • 貧困理論入門 連帯による自由の平等
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    1巻2,200円 (税込)
    「貧困理論」を基礎から解説する初の入門書 貧困とは何だろうか? 本書では、ブース、ラウントリーらの貧困調査による「絶対的貧困」からはじまり、べヴァリッジの社会保障論を経由して、タウンゼントの「相対的貧困」、EUの「社会的排除」へといたる、「貧困概念」の歴史的な拡大過程を追いながら、貧困対策の理論的核心を探っていく。貧困研究で期待の若手が、資本主義における階級と階層の両概念に改めて光をあてつつ「貧困理論」を基礎から解説する初の入門書。 【目次】 [第1章] 「貧困」とは何か――諸概念の整理 [第2章] 絶対的貧困理論 [第3章] 相対的貧困理論 [第4章] 社会的排除理論 [第5章] 「自由の欠如」と現代日本の貧困問題 [第6章] 階層論的貧困理論と階級論的貧困理論 【著者】 志賀 信夫 県立広島大学保健福祉学部准教授 一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。NPO法人結い理事。日向市子ども未来応援会議副会長(宮崎県日向市による子どもの貧困対策会議)。主な著書に、『貧困理論の再検討―相対的貧困から社会的排除へ』(単著、法律文化社、2016年)など。
  • 残らなかったものを想起する 「あの日」の災害アーカイブ論
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    1巻2,420円 (税込)
    【災害のあった「あの日」を、あなたはどう伝えますか?】 能登半島地震、東日本大震災、阪神・淡路大震災、御嶽山噴火…… 巨大災害が頻発するこの国では、防災、減災、命の大切さといった「残すべき目的」を掲げた「アーカイブ」が作られ続けています。 しかし、そこで残すべきとされるものは、ほんのひと握りでしかありません。 私たちはもっと豊かなものを、もっと多様な手法で、留めたり、取り戻したりすることができるのではないでしょうか。 本書では、現場の偶然性をとりこみながら「残らなかったもの」への想起の回路を開こうとするユニークな15のメディア実践を紹介。 あなたにとっての「災害」、そして「アーカイブ」のイメージを大きく変える実践がここにあります。 語り 復元模型 被災写真 報道写真 育児日記 絵画 手記集 朗読 展覧会 記念式典 災害遺構 文化施設 映像 美術館 演劇 etc…… 高森順子/⽮守克也/杉山高志/磯村和樹/槻橋 修/溝口佑爾/松本 篤/林田 新/武居利史/佐藤李青/竹久 侑/福田 雄/林 勲男/⾨林岳史/青山太郎/⼭内宏泰/富田大介 【目次】 ●はじめに 実践知としての災害アーカイブ 【第Ⅰ部】 「あの⽇」以前の暮らしへの回路を創造する ●第1章 語り ●第2章 復元模型 ●第3章 被災写真 ●column 01「わたし」を主語にする──育児日記の再読をとおした震災経験の継承の試み 【第Ⅱ部】 「あの⽇」への想起のダイナミクス─モノを創造する ●第4章 報道写真 ●第5章 絵画 ●第6章 手記集 ●column 02 応答のアーカイブ─東日本大震災から「10年目の手記」 ●column 03 展覧会というメディアの可能性(1)─「3・11とアーティスト:進行形の記録」 【第Ⅲ部】 「あの⽇」への想起のダイナミクス──場を創造する ●第7章 記念式典 ●第8章 災害遺構 ●第9章 文化施設 ●第10章 映像 ●column 04 展覧会というメディアの可能性(2)──「3・11とアーティスト:10年目の想像」 ●column 05 12章「カタストロフィの演劇体験」への手引き 【第Ⅳ部】 未災者との回路を創造する──実践と研究の「あわい」から ●第11章 美術館 ●第12章 演劇 ●おわりに 【著者】 ⾼森順⼦ 1984年、兵庫県神戸市生まれ。情報科学芸術大学院大学産業文化研究センター研究員。大阪大学大学院人間科学研究科単位修得満期退学。博士(人間科学)。グループ・ダイナミックスの視点から、災害体験の記録や表現をテーマに研究している。2010年より「阪神大震災を記録しつづける会」事務局長。2014年度井植文化賞報道出版部門受賞。著書に『震災後のエスノグラフィ』(明石書店、2023年)、『10年目の手記』(共著、生きのびるブックス、2022年)など。
  • アートの力 美的実在論
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    私たちはいかに作品に向き合うべきなのか? 特定のジャンルを越え、すべての作品に通じる鑑賞態度を拓く。 美術の見方が変わる!天才哲学者、マルクス・ガブリエルによる初の芸術論。 「私たちがアート作品を生み出すのではない。アート作品こそが、自分を存在させるために、私たちを参加者として創造するのだ。」 知識、背景を教える本ではありません! 特定のジャンルや作品ではなく、アート全般に通用する鑑賞態度や思考を掘り下げる本です。知識や経験が豊富でなくても、アートの世界に分け入ることができます。 『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ)等のベストセラーで知られる哲学者が、アートの持つ力の根源に迫る。 【目次】 序文 ベルナール・ジェニエス アートの力 アートの価値 美学と知覚 パフォーマンスとしての解釈 自律性、ラディカルな自律性、オリジナリティ アートと(権)力 補論 懐疑のアート、アートの懐疑 訳者解説 大池 惣太郎 【著者】 マルクス・ガブリエル 1980年生まれ。哲学者。29歳で、史上最年少のボン大学哲学科教授に就任。 「意味の場」をキーワードに自身の新しい実在論を展開するほか、シェリングやヴィトゲンシュタイン、ハイデガー等、ドイツ哲学を中心に著作を執筆し、世界的な注目を浴びている。本書のほか、『神話・狂気・哄笑』(堀之内出版、2015年)や、『なぜ世界は存在しないのか』(講談社、2018年)等の訳書多数。
  • なぜ基地と貧困は沖縄に集中するのか? 本土優先、沖縄劣後の構造
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    1巻2,499円 (税込)
    基地と貧困の公正で民主的な一体的解決をめざす提案の書 「本土復帰」から50年を経てもなお、いまだに基地と貧困が集中している沖縄。 安全保障のためには基地の集中は仕方ないという、一方的な主張に加え、近年、沖縄の貧困問題は、沖縄の人びとの文化や性質に原因があるとする自己責任論が増えてきた。 本書では、このような主張に対して真正面から対峙する。 沖縄の基地問題と貧困問題に共通する原因として、「本土優先―沖縄劣後」という差別構造によりつくられた「自由の不平等」に焦点をあて、基地と貧困の公正で民主的な一体的解決をめざす提案の書。 【目次】 第1章/貧困問題と基地問題を貫く差別の問題 第2章/沖縄の基地問題の歴史と課題 第3章/沖縄の貧困問題の歴史と課題 第4章/平等と平和 第5章/沖縄論の変遷 補論1/現代的レイシズム論からみた沖縄 第6章/新しい提案 補論2/日本国憲法には「平等権」が保障されていない? 第7章/シティズンシップを求めるアイデンティティ・ポリティクス 第8章/沖縄の貧困問題と基地問題の一体的解決を目指して 【著者】 安里 長従 沖縄県石垣市出身、司法書士。沖縄国際大学非常勤講師。石垣市住民投票裁判原告弁護団事務局。「辺野古」県民投票の会元副代表。沖縄生活保護基準引下げに基づく保護費(減額)処分取消請求裁判原告弁護団事務局。 基地問題などに関心を持ったのは、2002年に司法書士となり多重債務者の対応などをしているなかで沖縄の構造的な問題に気づいたのがきっかけ。それ以来、「基地」と「貧困」の一体的な解決を求めて活動を続けている。 志賀 信夫 県立広島大学保健福祉学部准教授 一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。NPO法人結い理事。日向市子ども未来応援会議副会長(宮崎県日向市による子どもの貧困対策会議)。主な著書に、『貧困理論の再検討―相対的貧困から社会的排除へ』(単著、法律文化社、2016年)など。
  • 声なきものの声を聴く ランシエールと解放する美学
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    ランシエール美学の核心に迫る一冊。“声を持たないとされてきた者の声を聞こえるようにし、不可視とされてきた者を可視的にし、能力を持たないとされてきたものの能力を主張する。それこそが政治なのだ──” 【第4回東京大学而立賞 受賞作!】 本書ではフランス現代思想の重鎮、ジャック・ランシエールの美学・芸術思想を扱う。だが、取り上げるのはランシエールだけではない。ドゥルーズ、ブルデュー、カント、リオタール、グリーンバーグ、フローベールらを手がかりに、現代思想のあり方そのものを問い、日常生活のなかに息づく美や感性を見つめ直す。 若き俊英による待望の芸術論。 “声を持たないとされてきた者の声を聞こえるようにし、不可視とされてきた者を可視的にし、能力を持たないとされてきたものの能力を主張する。それこそが政治なのだ──” 【目次】 第一章 ランシエールとモダニズム/ポストモダニズム 第二章 シラー『美的教育書簡』を再起動する──《ルドヴィシのユーノー》と「宙吊り」の作用 第三章 崇高から美へ──ランシエールとリオタール 第四章 『哲学者とその貧者たち』の美学思想――ブルデューに抗してカントを擁護する 第五章 詩人の地位変化──ランシエールにおけるマラルメ 第六章 エクリチュールの複数の政治性──フローベール解釈の諸相 第七章 ランシエール、ドゥルーズ、自由間接話法 【著者】 鈴木亘 1991年生まれ。現在、東京大学大学院人文社会系研究科助教。専門は美学。主な論文に、「ランシエールの政治的テクスト読解の諸相──フロベール論に基づいて」(『表象』第15号、2021年)、「ランシエール美学におけるマラルメの地位変化──『マラルメ』から『アイステーシス』まで 」(『美学』第256号、2020年)。他に、「おしゃべりな小三治──柳家の美学について 」(『ユリイカ』2022年1月号、特集:柳家小三治)など。

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