麦秋作品一覧

  • 小津安二郎
    4.5
    「晩春」「麦秋」「東京物語」――世界に誇る傑作群には、盟友への鎮魂歌がいつも静かに流れていた。鶏頭、麦畑、未亡人、粉雪、京都東山、龍安寺、そして壺……。激動の戦後史の中で、名匠は画面のディテールに秘められた想いを託す。生者と死者との間の「聖なる三角関係」が織り成す静寂の美の謎を解き明かす決定的評伝!
  • 角川俳句コレクション 鑑賞 季語の時空
    -
    1~3巻1,980円 (税込)
    3.11以後の視点で読み解く、俳句・短歌約230作品。巻末に掲載句、掲載歌索引つき! 1 異界からの使者 燕来る国/雲雀幻想/鳥は何処へ/眠る胡蝶/ほたるの山河/雁が残したもの/こおろぎの闇/海鼠の底力/不滅の狼 2 万象変化 さみだれのあまだれ/氷菓一盞の味/秋風が/二つの月の港/野分から台風へ/天の川の出会い/時雨西東/枯野の夢、夢の枯野/降る雪/凩の果/雪女あはれ 3 滅びと再生 梅の精/桃の花の下/蚕飼の世の終焉/春雪三日/遠田の蛙/夏草の変転/麦秋とはったい/蘆のふところ/蝉時雨/柿食ふや/葛の花の向う/菌生え/クリスマス一夜
  • 彼女が演じた役 原節子の戦後主演作を見て考える
    3.0
    『東京物語』を初めて見た著者は、紀子役を演じた原節子に魅せられる。『晩春』『麦秋』を含めた紀子三部作を中心に、彼女が主演した戦後映画十一本を精細に論じて、「クリエイティブな能力を無限に持った」原節子の魅力と、それを引き出した小津安二郎監督の卓越した演出を分析した異色の映画論。

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  • ことばの歳時記
    4.5
    季節のことばとは、私たちの住むこの風土を認識することば。たとえば「春一番」「青葉潮」「やませ」――季節感だけではなく、喜怒哀楽に満ちた生活の知恵をも感じさせる。古来より世々の歌よみたちが思想や想像力をこめて育んできたそれらの「季の詞(ことば)」を、歳時記編纂の第一人者が名句や名歌とともに鑑賞。生活習慣や気候が変化する現代においてなお、感じることのできる懐かしさや美しさが隅々まで息づいている。 解説・宇多喜代子 (目次) 【春】 春 その一/春 その二/立春/春めく/水温む/春一番/フェーン/東風/霞/末黒の薄/若草/たんぽぽ/黄色い花/夜の梅/椿/桜鯛/魚鳥の季節/春暁・春昼/日永/麗か・長閑/春の蝶/蛙のめかり時/囀/雨の名風の名/花曇/花 その一/花 その二/花 その三/春の暮/三月尽 【夏】 新緑/深山霧島/山時鳥 その一/山時鳥 その二/青葉潮/筍流し/卯の花腐し/雨の文学/薫風/あいの風/やませ/南風/雲の峰/風知草/落し文/麦秋/万緑/底幽霊/泳ぎ/河童/鵜飼/涼し/花火/真夏日/赤富士/夜の秋 【秋】 踊/月/雁/秋がわき/野分/青北風/虫/虫のいろいろ/ごりと鰍/鶉/鵙の草ぐき/うらなり/蔓たぐり/物のあはれ/身に入む/馬・鹿 その他/鹿・猪/猿の親子/高西風/紅葉/秋の暮 【冬(附・新年)】 時雨/狸と貉/虎落笛/冬籠/息白し/雪/味の讃歌/討入りの日/去年今年/初春/雑煮/富士への讃歌/探梅/厄払い  歳時記について  解説『ことばの歳時記』のこと 宇多喜代子
  • シナリオ構造論
    4.5
    構造から「映画」を考える、シナリオ創作の伝説的入門書、半世紀を経て待望の復刊! 『晩春』、『麦秋』、『東京物語』、そして『秋刀魚の味』…… 世界にも名高い日本を代表する映画監督・小津安二郎の片腕として「小津組」の中核を担い、日本映画の黄金期を築いた伝説的脚本家・野田高梧が、映画における「脚本」の役割を真摯に追求し、実践的に解き明かした、歴史に残る画期的シナリオ創作論。 著者の野田高梧は1924年松竹に入社、「愛染かつら」(1938年)の爆発的ヒット、脚本部部長などを経てフリーとなった。その後も親交の深かった小津と本格的にタッグを組み、『晩春』(1949年)から小津の遺作となった『秋刀魚の味』(1962年)までの全作品を手がけ、小津の持ち味を活かした粋な日本のホームドラマの達人として尊敬を集めた。1950年にシナリオ作家協会が設立されると初代会長を務め、後進の指導にも尽力した中で執筆されたのが本書である。 1952 年の初版刊行以来、何度も版を重ね改訂され、日本の脚本術の先駆けである本書は、事例として取り上げるのは主に1940~50 年代の邦画、洋画、文学作品ではあるものの、今日においても通じる作品づくりの普遍的な基礎を抽出しており、これまで数多くの脚本家、小説家の生涯の友として愛用され、名だたる人材を育てている。長らく絶版状態にあった本書だが、脚本家、シナリオライターのみならず、あらゆる創作者にとって永遠に必携の一冊であることは間違いないだろう。 なお、2016年7月、日本映画の黄金期を担った小津安二郎督初め多くの映画人が集った蓼科高原に「新・雲呼荘 野田高梧記念蓼科シナリオ研究所」がオープンし、遺された貴重な、膨大な資料が保存、公開されている。 http://www.noda-tateshina.jp/
  • 殉愛 原節子と小津安二郎
    -
    世界に誇る名監督、小津安二郎。日本映画の巨匠の名作に多数出演し、圧倒的美しさと存在感で多くの人々を魅了しながら、突如42歳で銀幕を去った"伝説の女優"原節子。映画史に永遠に輝く二人の、知られざる"殉愛"とは? 小津作品の中でも頂点とされる紀子三部作、『晩春』『麥秋』『東京物語』をはじめ、数々の名作ゆかりの地を訪ね歩き、多くの関係者にインタビューして綴られた名作誕生秘話と"伝説の愛"。評伝の決定版。
  • 殉愛―原節子と小津安二郎―
    3.8
    「もう一度、小津先生とごいっしょに、精一杯の仕事ができたらと、それだけが、ほんとうの心残りです」映画に殉じ、六〇歳で世を去った名監督。その彼に殉じ、四二歳で銀幕を去った「永遠の処女」。『晩春』『麦秋』『東京物語』……名作と所縁の地を丹念に訪ね歩いて紡がれる、世紀のプラトニック・ラブと、その全貌――。

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  • 紀子が三人いた夏
    完結
    -
    全1巻275円 (税込)
    最も「日本的」と言われた作品を通じての「日本」批判 聡明なアメリカ人ジャーナリストの女性と日本人の男性。ほぼ全篇、二人によるディスカッションで成立している中篇小説。内容は、小津安二郎監督の『晩春』『麦秋』『東京物語』、原節子演じる「紀子三部作」についてだ。極めて日本的な映画であり、エディプスコンプレックスがそこにはあると一般的に解釈されているその見解を退け、彼らは核心に「性」をもってくる。限定されようとしている「性」の大きな可能性こそが原節子という類い稀な女優によって提示された映画だと。そしてそれは痛烈な「日本」批判でもある。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 原節子、号泣す
    -
    代表作『東京物語』が、英国映画協会発行の映画雑誌「Sight&Sound」による2013年アンケートで世界の映画監督が選出したナンバー1映画になるなど、小津安二郎は今なお注目を集めている映画監督である。その小津作品の中でも頂点と評されるのが紀子三部作、『晩春』『麦秋』『東京物語』だ。各作品のフィナーレに近い場面で、ヒロインを演じた女優原節子は全身を震わせて泣き崩れる。小津が、不滅の名を残し得たのは、この三本の映画のフィナーレで原に号泣させたからだといっても過言ではない。「泣く」という行為を切り口に、幸福の限界、幸福の共同体の喪失、という小津の映画の主題と思想的本質に迫る画期的評論。【目次】はじめに/第一章 ほとんどの小津映画で女優たちは泣いた/第二章 小津映画固有の構造と主題/第三章 思想としての小津映画/第四章 原節子は映画のなかでいかに泣いたか/第五章 原節子をめぐる小津と黒澤明の壮絶な闘い/第六章 『晩春』[ I ]――原節子、初めての号泣/第七章 『晩春』[ II ]――娘は父親との性的結合を望んでいたか/第八章 『麦秋』――失われた幸福なる家族共同体/第九章 『東京物語』――失われた自然的時間共同体/第十章 喪服を着て涙も見せずスクリーンから消えていった原節子/おわりに/関連年表
  • 麦ちゃんのヰタ・セクスアリス 第2部 1
    完結
    -
    全3巻440円 (税込)
    季節は秋、母―冴子は、その子を麦(ばく)と名づけた。小説家の父―記(しるす)と、胸の病をもつ母のふたりの深い愛情の中で生まれたひとつの命。その後、母の胸の病は小康を保っていたが、結果的には、その出産の無理がたたってしまった。麦が生まれた翌年の麦秋、母は息をひきとったのだった。妻に先立たれながらも、愛情深く育てあげてくれた父のもと、亡き母への愛を胸に、秋田麦、いま青春!!
  • 〔普及版〕卵殻モザイク 桑原浜子の世界
    -
    自然がたたえる無限の色彩と、卵殻の輝きとが織りなす、懐かしき幻想の世界。 巻末で卵殻モザイクの作り方をわかりやすく解説。普及版として復刊。卵殻モザイクとは? 伝統的には、漆に卵の殻を塗り込め、磨きだし、卵の殻で図案を作る工芸としてつづいてきた。正倉院の御物の一部にも使われている。それが、昭和初期、矢崎好幸博士によって「着色卵殻」の技術が開発されて以来、桑原浜子によって、近代なる絵画的技法として新に発展することとなった。 【目次】 1林の道 2搗屋の裏 3小さな教会 4福寿草 5びわ 6庭の花 7花屋の窓 8葉鶏頭 9巨摩野の春 10のうぜんかずら 11山ぶどう 12山裾の秋の花 13ざくろ 14山の秋 1510月のあじさい 16椿 17ほたる 18麦秋 19甲斐山なみ 20稔り 21草もみじ 22村山(こんぴらさん) 23草群 24冬の白根三山 25雪 26ランプ 27早春 28ココちゃん 29みゆきちゃん 30天女散華 31ペルシャの壺 32ひつじ 【著者】 桑原浜子 1912年11月17日 東京に生まれる。父の死により、母の故郷甲府で成長する。1930年、山梨県立甲府高等女学枚卒業後、工芸家・矢崎好幸氏の研究所で卵殻モザイクを習得する。1933年、帝国美術工芸学校に入学。同校で卵殻モザイクの研究と日本画を学ぶ。2008年1月3日、御逝去。甲府市内の病院にて。
  • ヤメゴク I
    -
    ヤクザの組織離脱を助ける警視庁「足抜けコール」に異動した元マル暴刑事の三ヶ島翔は、暴力団に激しい恨みを持つ女警察官・永光麦秋に出会う。麦秋が抱える苦悩、そして翔が隠す秘密……話題のドラマ、ノベライズ!
  • ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~(1)
    完結
    5.0
    ヤクザの組織離脱をサポートする警視庁「足抜けコール」係。配属された三ヶ島刑事が出会ったのは、ヤクザを目の敵にする女警察官・永光麦秋! 大ヒット「SPEC」のスタッフが贈る刑事ドラマを完全コミック化。

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