辛夷作品一覧

  • おさん
    4.1
    純真な心を持ちながらも、女の“性”ゆえに男から男へわたらずにはいられないおさん――世にも可愛い女が、その可愛さのために不幸にひきずりこまれてゆく宿命の哀しさを描いた『おさん』。芸妓に溺れ込んでいった男が、親友の助力で見事に立ち直ってゆくまでを描いた『葦は見ていた』。“不思議小説”の傑作『その木戸を通って』。ほかに『青竹』『みずぐるま』『夜の辛夷』など全10編を収める。

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  • 辛夷の花
    3.9
    九州豊前、小竹藩の勘定奉行・澤井家の志桜里(しおり)は嫁いで三年、子供が出来ず、実家に戻されていた。ある日、隣家に「抜かずの半五郎」と呼ばれる藩士が越してくる。太刀の鍔(つば)と栗形(くりかた)を紐で結び封印していた。澤井家の中庭の辛夷の花をめぐり、半五郎と志桜里の心が通う。折しも小竹藩では、藩主と家老三家の間で主導権争いが激化していた。大切な人を守るため、抜かずの半五郎が太刀を抜く!
  • 辛夷の花 ――父 小泉信三の思い出――
    -
    日本の知識人の代表だった小泉信三──父であり夫である家庭でのふだん着の姿を、長女の著者が「掌編小説の趣がある」と評された名文でつづった追憶記です。最近、子供の問題で父親の人間像が問われていますが、昭和の骨太紳士はいったいどのような父親像を家族に見せていたのでしょう。戦後日本人の教養を、稀有な指導力でたかめ導いた小泉の意外な側面から、「見事な父親」としてのひとつの具体的な答を、あなたは本書の中に見出すでしょう。
  • 殺人鬼がもう一人
    4.1
    都心まで一時間半の寂れたベッドタウン・辛夷ヶ丘(こぶしがおか)。二十年ほど前に連続殺人事件があったきりののどかな町だが、二週間前の放火殺人以来、不穏な気配が。そんななか、町いちばんの名家の当主・箕作ハツエがひったくりにあった。辛夷ヶ丘警察署生活安全課の砂井三琴は相棒と共に捜査に向かうが……。悪人ばかりの町を舞台にした毒気たっぷりの連作ミステリー!
  • 紬の里
    5.0
    紬と絣の研究をしている高階は、越後に旅して志保子を知った。夫に死別し、ひとり娘を育てながら、雪に埋もれてひっそり塩沢紬を織る志保子。しかし二人の愛は辛夷の花が散るように、もろくも崩れてゆく……。微妙にかみあわなくなる女の情念と男のエゴイズム。その心理の揺れを、落日の雪山に、また雪どけ水を運ぶ魚野川の冷たい流れに映して、鮮烈な抒情をかもしだす長編ロマン。
  • パープル・ドリーム
    -
    1巻495円 (税込)
    愛する人との出会いと別れ、夢、年を重ねることの悲しさ  面白いもので、年配の人が若い人を十把ひとからげに、「今どきの若いもんは」と言うのと同じように、若い者も、年寄りのことはみなひと括りにして見てしまうところがある。(中略)高齢化の波とともに、老人問題は今、日本でも、目にし耳にしない日はないほどの、重要な問題になっている。けれども、そうした問題を論じる時、私たちは十把ひとからげをできるだけ避ける気持ちを持たなければいけないと思う。私には私の顔があるように、人にはみな、その人だけの大切な人生があるのだ。当たり前のことだけれど、ついつい私たちはそのことを忘れてしまう。(「あとがき」より)  本書は、お年寄りをテーマに、あふれる想いをしっとりとした筆致で描くハートフルロマン。表題作ほか10編の短編小説を収録。 ・パープル・ドリーム ・旅は道づれ ・上野毛辛夷 ・戻り春 ・行かなかった道 ・コンビニパラダイス ・靴下の中 ・たかが犬… ・アンビリーバブル ・七年目の氷解 ●神津カンナ(こうづ・かんな) 1958年、東京生まれ。作家、エッセイスト、コメンテーター。母は女優の中村メイコ、父は作曲家の神津善行。弟は画家の神津善之介。東洋英和女学院にて、幼稚園から高等部まで学び、1977年3月、東洋英和女学院高等部を卒業。同年5月に渡米し、9月サラ・ローレンス・カレッジに入学、演劇を学ぶ。著書『親離れするとき読む本』は、体験的家族論として注目され、ベストセラーとなる。その他、『美人女優』『パープル・ドリーム』『長女が読む本』『あなたの弱さは幸せの力になる』など著書多数。以後、執筆活動の他、テレビ・ラジオ出演、講演また、公的機関や民間団体の審議委員等も数多く務めて精力的に活動している。
  • 文豪と女 憧憬・嫉妬・熱情が渦巻く短編集
    -
    無垢な少女から妖艶な熟女まで一一。鴎外、花袋、荷風、漱石、谷崎、安吾、太宰たちが、憧れ、翻弄された女性たちを描く。女性は思春期を経て、恋愛・婚約・結婚に。悩みや荒みを抱えながら、やがては倦怠または不倫へと至ることも? 時代の変化に応じて、社会的自立や自覚が芽生えた主人公の生き様からは、近代日本の「女の一生」がみえてくる。 (収録作品) 森鴎外「杯」 田山花袋「少女病」 立原道造「白紙」 永井荷風「庭の夜露」 山川方夫「昼の花火 泉鏡花「雪の翼」 夏目漱石「硝子戸の中」 中島敦「下田の女」 谷崎潤一郎「青い花」 芥川龍之介「なぜソロモンはシバの女王とたった一度しか会わなかったか?」 高見順「強い女」 堀辰雄「辛夷の花」 坂口安吾「いずこへ」 久生十蘭「姦」 太宰治「葉桜と魔笛」
  • 身近な「くすり」歳時記
    完結
    4.0
    暮らしの中にある身近な「くすり」。先人たちから受け継いだ、生活の知恵。 古来使われてきた身近な「くすり」である生薬・漢方薬を、12カ月の月別にあげ、行事や気候、文化・風習とともに歳時記として語る。 一月 屠蘇と七草 松竹梅 白朮と南天 蜜柑と落花生 二月 梅と蓬 土筆と蕗 椿と水仙 片栗と繁縷 三月 土と水 桃と連翹 大葉子と錨草 辛夷と木瓜 四月 桜と月桂樹 甘茶と山葵 甘草と独活 梔子と山椒 五月 笹と菖蒲 人参と熊胆 藤と紫陽花 牡丹と芍薬 六月 紫蘇と薄荷 十薬と玉葱 枇杷と杏 牛乳とチーズ 七月 麦茶と麦酒 大蒜と辣韮 桜桃と紅花 胡瓜と茄子 八月 朝顔と枸杞 鳩麦と玉蜀黍 黄柏と蒲 胡麻と鬱金 九月 生姜と茗荷 竜胆と千振 茜と玄草 糸瓜と胡桃 十月 茸と葛 山芋と納豆 柿と林檎 葡萄と通草 十一月 菊と銀杏 花梨とアロエ 葱と大根 サフランと木蓼 十二月 柚子と南瓜 河豚と鮟鱇 膃肭臍と鼈 酒

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  • 夢の階段
    4.3
    微禄の若者小森又十郎は、辛夷の花のようだと憧れていた首席家老の娘の再婚相手に指名され、夢見心地。しかし三日後、彼は周囲の猛反対を尻目に縁談を断り、武士を捨て、陶器職人となる道を選んだのだった……表題作他、処女小説「厨房(キッチン)にて」から、直木賞受賞第一作「踏切は知っている」、「忠臣蔵余話 おみちの客」まで、〈作家池波正太郎〉誕生の跡をたどる、ファン必読の未刊行初期短編9編。

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