ティヌス作品一覧

  • 告白(上)
    -
    著者はキリスト教神学の集大成をなしとげた初期キリスト教会の教父。「神を賛美する」とも題されるこの書は、みずからがたどったキリスト教信仰への道のりを、隠すことなく率直に述べた稀有な自叙伝。幼年時代に学業をさぼったこと、青年期の女への執着と放縦な生活との葛藤、キケロの著作によって目をひらかれ、アンブロシウスの説教に心を動かされ、キリスト教に目覚めてマニ教から足を洗ったこと をつぶさに記し、最後には永遠の休息を神に希求して神への賛美を高らかにうたう。

    試し読み

    フォロー
  • アウグスティヌス『告白』の哲学
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 人間と神についての省察の記録である『告白』全十三巻を統一的に把握する道を切り開き、その全体像に迫った、わが国初の本格的研究。 【目次より】 まえがき 第一章 『告白』の主題と形式 第一節 執筆の時期と背景 第二節 主題と統一性 第三節 神との対話 第二章 不安と神探究 第一節 不安な心 第二節 『ホルテンシウス』体験 第三章 マニ教の克服 第一節 悪とは何か 第二節 信仰と理性 第四章 ミラノ体験と回心 第一節 ミラノ体験とは何か 第二節 道としてのキリスト 第三節 意志の自由と人格的統一 第五章 内面の世界 第一節 記憶論の構造 第二節 心と内 第六章 永遠と時間 第一節 時間とは何か 第二節 神のことば あとがき 註 参考文献 英文要旨 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 岡野 昌雄 1939年生まれ。哲学者。国際基督教大学名誉教授。元フェリス女学院学院長。専門は西洋古代中世哲学。国際基督教大学卒。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。文学博士。 著書に、『アウグスティヌス『告白』の哲学』『イエスはなぜわがままなのか』『信じることをためらっている人へ』 『古典解釈と人間理解』(共編著)など、 訳書に、『アウグスティヌス著作集 第7巻、第14巻』 A.H.アームストロング 『古代哲学史』(共訳)『アウグスティヌス著作集 第25巻、第26巻』(共訳)などがある。
  • アウグスティヌスにおける教育
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 古代の教育を来るべき新時代の方向へと転換させた「西洋の教師」アウグスティヌス。彼のキリスト教的人間観と、教育の中心にある説教の新しい教授法、さらに教師と学習者についての考え方を考察。異教徒文化、教養の基礎である自由学芸をキリスト教的哲学と聖書註解のための基礎教養として位置づけ、キリスト教と異教文化との融合を図って西欧的教養の基礎をすえた歴史的意義を解明する。 【目次より】 凡例 まえがき 引用著作一覧 序章 教師アウグスティヌスの形成 第I部 アウグスティヌスの教育活動 第一章 回心前のアウグスティヌスの教育活動 第二章 回心後のアウグスティヌスの共同生活と教育活動 第三章 修道者アウグスティヌスの教育活動 第四章 聖職者アウグスティヌスの修道生活と教育活動 第五章 聖職者アウグスティヌスによる入信者の教育 第六章 聖職者アウグスティヌスの一般信徒への説教 第II部 アウグスティヌスの教育論 第一章 アウグスティヌスの人間観と教育 第二章 アウグスティヌスによる教授と学習『教師論』を中心に 第三章 アウグスティヌスによる教授(説教)法(I) 第四章 アウグスティヌスによる教授(説教)法(II) バシリカ、絵画・彫刻、歌唱による 第五章 アウグスティヌスによる記憶と学習 第六章 アウグスティヌスによる自由学芸と哲学 第七章 アウグスティヌスによる自由学芸と聖書解釈 『キリスト教の教え』を中心に 補遺 カッシオドルスによる修道生活への自由学芸の導入 あとがき 注 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 岩村 清太 1931年生まれ。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期中退、大東文化大学名誉教授。 著書に、『ヨーロッパ中世の自由学芸と教育』『西洋教育史』など、 訳書に、『大グレゴリウス小伝』『カロリング帝国の統一と分割』『母が子に与うる遺訓の書 ドゥオダの『手引書』』『キリスト教神秘思想史〈2〉中世の霊性』(共訳)などがある。
  • アウグスティヌスの懐疑論批判
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 本書はアウグスティヌスが回心後、最初に着手した初期の代表作で難解をもって知られる『アカデメイア派論駁』の世界でも初の総合的な研究成果であり、研究/翻訳/註解の三分より構成される。アウグスティヌスはアカデメイア派懐疑論の論駁を通して真理論や知識論に関する新たな理解を示したが、著者はそれがヘレニズム期のものともデカルト以降の近代の懐疑論とも異なり、命題の真偽、真理と善という価値をわれわれの生のあり方にどのように位置づけるかに核心があることをはじめて解明した。原著は19世紀以来、デカルト懐疑論との比較や新プラトニズム研究の視点などから考察されてきたが、未だその全体像は明らかになっていない。本書はアウグスティヌスの戦略的論法を読み解いて原著の意図を分析し、真理と行為の問題性を摘出した画期的作品。 【目次より】 まえがき 第1部 『アカデメイア派論駁』研究序説 第2部 『アカデメイア派論駁』 第3部 『アカデメイア派論駁』註解 第I巻 第1章1~4節 ロマニアヌス宛て書簡 第2章5~6節 討論の開始 第2章5節:全体的問題の提示 第2章5~6節:第I巻の問題の提示 第3章7節~第4章12節 知者 第3章7~8節:キケロと懐疑論の紹介  第3章9節:人間のfinis 第4章10~12節:誤謬の定義 第5章13節~第8章23節 知恵 第5章13~15節: 道 第6章16節:知恵の定義 など 第II巻 第1章1節~第3章9節 ロマニアヌス宛て書簡 第4章10節~第6章15節 アカデメイア派の紹介 第4章10節:設定 第5章11~12節:アウグスティヌスによるアカデメイア派の紹介 第6章14~15節:アリピウスによるアカデメイア派の紹介 第7章16節~第8章21節 ジュニアメンバーとの討論 第7章16節~第8章21節:父親似のたとえ など 第1章1節~第2章4節 序 第1章1節:導入 第1章1節~第2章4節: fortuna 第3章5節~第6章13節 シニアメンバーの討論(その2) 第3章5~6節:問題の提示 第4章7~10節:自分は知っていると思う 第5章11節~第6章13節:assensio 第6章13節:締めくくり 第7章14節~第9章21節 連続講話 第7章14節:モノローグの導入 第7章15節~第8章17節:アカデメイア派の評判 第9章18~21節:ゼノンの定義 第10章22節~第13章29節 認識 第10章22節:カルネアデス登場 第10章23節~第11章26節:自然学 哲学者の不一致 感覚・夢・狂気 第12章27~28節:倫理学 第13章29節:論理学 第14章30節~第16章36節 同意と行為 など ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 岡部 由紀子 美学者、哲学者。熊本保健大学教授。東京大学文学部卒業、同大学院人文科学研究科修士課程修了(美学・藝術学)。文学博士(慶応大学)。 著書に、『アウグスティヌスの懐疑論批判』など、 訳書に、ハンス・ベルティング『マックス・ベックマン 近代芸術における伝統の問題』 マルテキン・バルンケ『クラーナハ“ルター” イメージの模索』などがある。
  • アウグスティヌスの言語論
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 言語哲学と解釈学の視点からアウグスティヌスにおける言葉の真相を文献学的に解明、彼の言語論の全貌を初めて本格的に示した問題作。 【目次より】 はじめに 序論 声の現象学へ 第一部 言語哲学的視点から 声とことば アプローチ 第一章 声 I 意味の光 II 声 III 喚びかけの構造 IV 喚びかけの場所 第二章 ことば I 沈黙と発語 II 根源語 讃美と呻き III 光ることば 第二部 解釈学的視点から 経験と解釈 アプローチ 第一章 経験 I ホルテンシウス体験 II メロディア・インテリオル 『美と適合について』 III ミラノのヴィジョン 『告白』第七章における神秘経験 IV オスティアの経験 l’extase a deux 第二章 解釈 I 比喩的解釈 II 解釈の迂路 III ドケレの二重構造 第三部 『キリスト教の教え』の言語哲学 『キリスト教の教え』を読む アプローチ I いつだれのために書かれたか II 伝達の回路 III 本論のアナリシス 表現と伝達 IV 結論 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • アウグスティヌスの哲学 「神の似像」の探究
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 キリスト教の枠を超え人間の成立の普遍的な意味と構造を存在論的ダイナミズムとして分析、現代思想へ問題提示する。 【目次より】 はしがき 目次 序章 第一部 自己存在の探究 初期著作および『告白』を中心として 第一章 探究の甚本構造 序 第一節 探究の端緒 第二節 回心の意味と構造 第二章 確実性の問題 序 第一節 アカデミア派批判 第二節 内への超越 第三章 記憶と想起 知の成立根拠をたずねて 序 第一節 知への愛 第二節 知の両義性 第三節 ものと言葉 第四節 知の意味と根底 記憶論の展開 第五節 幸福の生の記憶 第四章 時間と志向 精神の発見 序 第一節 創造と時間 第二節 記憶・直観・期待 第三節 精神の志向的かたち 第五章 悪の問題 「自己・人間の成立」の機微をめぐって 序 第一節 問いの端緒 第二節 自己存在の謎 第三節 人間的自由の根底 第四節 創造と意志 第二部 「神の似像」の探究 『三位一体論』に即して 第六章 知を求める信 序 第一節 信という端緒 第二節 信と知との再帰的構造 第七章 自己知の探究 序 第一節 精神の三一性 第二節 自己知のアボリア 第三節 欲望と思惟 第八章 外なる人間の三一性 結合力としての意志 序 第一節 三一性の諸相と意志 第二節 精神の開かれたかたち 第九章 創造と原罪との問題 知の成立の意味と根底 序 第一節 人問の創造 第二節 原罪の成立とそのかたち 第三節 知恵と知識 第十章 信の構造 序 第一節 信の志向的かたち 第二節 幸福の生 第三節 不死性への与り 第四節 問題の展望 第十一章 「神の似像」の知と再形成とをめぐって 存在の現成のかたち 序 第一節 信の普遍的根底に向って 第二節 精神の自己還帰 第三節 神の似像の意味 第四節 還帰・転回の文脈 第五節 本源的な記憶と想起 第六節 神の似像の再形成をめぐって 第七節 神性の全一的交わり キリストの問題 註 あとがき 結語に代えて ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 谷 隆一郎 1945年生まれ。宗教学者。九州大学名誉教授。 東京大学工学部合成化学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。文学博士。 著書に、『アウグスティヌスの哲学』『東方教父における超越と自己』『人間と宇宙的神化』『アウグスティヌスと東方教父』『受肉の哲学』、 訳書に、『キリスト教神秘主義著作集 第1巻』(共訳)P.エフドキーモフ『神の狂おしいほどの愛』(共訳)『砂漠の師父の言葉 ミーニュ・ギリシア教父全集より』(共訳)『アウグスティヌス著作集 第18巻 2 詩編注解 2』(共訳)『フィロカリア 東方キリスト教霊性の精華 第3巻』『フィロカリア 第4巻』(共訳)『キリスト者の生のかたち』(編訳)『証聖者マクシモス『難問集』 東方教父の伝統の精華』など。
  • アウグスティヌスの人間学
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 4~5世紀にかけて活躍したローマ帝国時代のキリスト教の神学者、哲学者、説教者であるアウグスティヌスは人間をどう考えていたのか。その全貌に迫る。 【目次より】 序論 人間学的伝統の受容と変革 第一節 精神史的境位 第二節 新しい人間学の出発点 第三節 人間学的自覚の発展 第四節 新プラトン主義の人間学の影響 第五節 パウロの人間親の受容と解釈 第一部 アウグスティヌス人間学の形成過程 第一章 初期人間学の特質 第一節 哲学の主題としての魂の問題 第二節 人間の定義、理性と身体の理解 第三節 知的救済論とキリスト教的意識 第四節 回心と神への対向性 第二章 魂と身体 第一節 魂の不滅についての論証の問題 第二節 身体論(一) 感覚論の問題 第三節 身体論(二) 創造・受肉・復活 第四節 人間学的区分法の問題 第三章 理性と信仰 第一節 理性と信仰の問題と基礎経験 第二節 優位性の問題 第三節 神の像としての精神の知性的認識 第四章 超越 内面性の問題 第一節 哲学者の神とキリスト教信仰 第二節 悪の存在論的考察と実存の超越 第三節 アフェクトゥスの超越性 第四節 超越の道と命法 第五章 自由意志 第一節 自由意志に対する初期の解釈 第二節 自由意志と悪の問題 第三節 自由意志と神の恩恵 第二部 アウグスティヌス人間学の特質 第一章 「心」(cor)の概念 第一節 「不安な心」(cor inquietum)と頽落存在 第二節 心概念の実存史的考察 第二章 人間存在と時間 第一節 時間と歴史性 第二節 創造と時間の秩序 第三節 歴史と時間の秩序 第四節 救済史の問題 第五節 人間学的三段階説 第三章 社会的人間存在 第一節 キヴィタスの社会学的概念 第二節 キヴィタスの神学的・人間学的意義 第三節 キヴィタスと国家および教会との関連 第四節 キヴィタスと世代との転換 第四章 神の前に立つ人間 第一節 宗教的自覚の深化 第二節 「あなたの命じるものを与えたまえ」の意味 第三節 ローマ書第七章の解釈の転換 第五章 奴隷的意志の問題 第一節 アウグスティヌスからルターヘの継承 第二節 初期から中期にいたる奴隷的意志の展開 第三節 後期の「拘束された自由意志」の理解 第四節 自由意志と恩恵との関係の三類型 第五節 アウグスティヌスにおける弁証法的関係 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 金子 晴勇 1932年生まれ。倫理学者。聖学院大学客員教授。京都大学文学部卒。同大学院博士課程中退。文学博士。専攻は、キリスト教思想史専攻。 著書に、『ルターの人間学』(学士院賞)『対話的思考』『宗教改革の精神 ルターとエラスムスとの対決』『アウグスティヌスの人間学』『恥と良心』『ルターとその時代』『対話の構造』『近代自由思想の源流』『キリスト教倫理入門』『倫理学講義』『愛の秩序』『聖なるものの現象学 宗教現象学入門』『マックス・シェーラーの人間学』『ヨーロッパの思想文化』『人間学から見た霊性』『宗教改革者たちの信仰』『霊性の証言 ヨーロッパのプネウマ物語』『ヨーロッパ思想史 理性と信仰のダイナミズム』など、 訳書に、C.F.v.ヴァイツゼカー『科学の射程』(共訳)マルティン・ルター『生と死について 詩篇90篇講解』C.N. コックレン『キリスト教と古典文化 アウグストゥスからアウグスティヌスに至る思想と活動の研究』エラスムス『対話集』など多数。
  • コンスタンティヌス大帝の時代 ──衰微する古典世界からキリスト教中世へ
    -
    ローマ帝国はなぜ滅んだか? ──ディオクレティアヌス帝からコンスタンティヌス帝にいたる4世紀初めの50年間が、古代ローマの歴史を決めた。栄光の異教的古代世界は衰退し、キリスト教中世への道が着々と準備される。「内的変質」をともなうドラスティックな変化、たった50年に凝縮されるこの変化に、いったいだれが気づいていたというのか。胸躍る文化史の金字塔、本邦初訳。
  • 初期アウグスティヌス哲学の形成 第一の探求する自由
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 第一の探求する自由 思想史的視野の下、新プラトン主義とキリスト教思想の結晶を通してアウグスティヌスの宗教的探求の意味を解明。若きアウグスティヌスの思想、ことにミラノでの回心における新プラトン主義とキリスト教の関係をめぐる問題についてのこれまでの論文をまとめた。 【目次より】 序章 第一の探求する自由 アウグスティヌスの「回心」をめぐる新しい視点 第一篇 若きアウグスティヌスの精神的遍歴 第一章 「ホルテンシウス体験」と「知恵の探求」への決意 第二章 アウグスティヌスとマニ教 第三章 アウグスティヌスと懐疑主義 第二篇 神探求の場の発見 ミラノにおける新プラトン主義的キリスト教との出会い 第一章 アウグスティヌスと新プラトン主義 第二章 神と魂と真理 第三章 絶対の相の下に 若きアウグスティヌスにおける悪の問題 第四章 プロティヌスに遡って 第三篇 探求的信仰の確立と「回心」 第一章 信憑的なものと信仰 「信」の成立する場の究明 第二章 宗教的「探求」の位置づけ 第三章 探求の二重の道 初期アウグスティヌスにおける信仰と理性 第四章 創造における conversio あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 片柳 栄一 1944年生まれ。宗教哲学者。京都大学名誉教授。京都大学文学部哲学科(基督教学専攻)卒業、同大学院文学研究科博士後期課程宗教学(基督教学)専攻、単位取得退学。文学博士。専門は、アウグスティヌス研究。 著書に、『初期アウグスティヌス哲学の形成 第一の探求する自由』など、 訳書に、『出会い(ティリッヒ著作集 第10巻)』(共訳)『アウグスティヌス著作集 第16-17巻 創世紀注解』M.ヴェルカー『聖霊の神学』(共訳)などがある。
  • [新訳]フロンティヌス戦術書 古代西洋の兵学を集成したローマ人の覇道
    -
    本書は、帝政ローマ時代に生きたセクストゥス・ユリウス・フロンティヌス作の古典軍事研究書『ストラテーゲーマトーン』を、ハーバード大学出版部刊の「ローブ古典文庫」版のフロンティヌスの巻を頼りに和訳と注解を試みて、即物的に『[新訳]フロンティヌス戦術書』と題して刊行するものである。マキャベリやモンテスキューらも、その近代政治哲学に想到するに先立ち、ローマ時代の史書や軍学書を渉猟していた。その参考書中に『フロンティヌス戦術書』もあることは、注意深い読書人には周知だが、その和訳書はなかった。マキャベリやモンテスキューが参考にした文献が日本語で全部読めるようにもなっていないのに、どうして日本人はマキャベリやモンテスキューを、あるいは西洋軍学を咀嚼できるだろうか。また、欧米指導者層の基礎教養について日本人だけが無知であることは、わが国に思わぬ損害をもたらしかねない。

    試し読み

    フォロー
  • [新訳]ローマ帝国衰亡史・上<普及版>
    3.7
    1776年に初巻が発売されるやたちまち希代の名著としての地位を確立したギボンの『ローマ帝国衰亡史』。チャーチル、ネルー、アダム・スミス、バートランド・ラッセル……。多くの知識人・指導者たちを魅了し、いまも人類の知的財産として愛され続けるこの壮大なる文明盛衰の物語から、現代人はなにを学ぶことができるのか――。本書は、原著に記された各時代の代表的な章を選んだ抄訳本であり、上巻(第I章~第VII章)においては、初代皇帝アウグストゥスの時代からコンスタンティヌス帝および子息帝らの治世までの歴史を眺望し、各章ごとにその時代の解説を付している。淡々としかしながら卓越した文章力で、人間の歴史を描ききる本書には、愛・嫉妬・歓喜・失望・憎悪・怒り・不安……といった人間の感情・情念が歴史自体をつくりあげていくのだということを読者に伝えることに成功している。そして、「歴史の法則」を見出すのは読者諸氏に託されている。

    試し読み

    フォロー
  • 存在と知 アウグスティヌス研究
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 哲学するとは「わたし」について考えることである、という問題意識はアウグスティヌスに始まる。新たな視点から考察することにより、アウグスティヌスの西洋哲学史上における決定的な意義を明らかにする。 古代から中世への転換期にギリシアに始まる哲学に何が起こったのか。近世哲学はギリシア哲学から何を受け継いだのか。これらの問題を考えるとき、アウグスティヌスの果たした役割は計り知れなく大きい。地中海世界にキリスト教西欧が誕生しつつあった時代、アウグスティヌスは、ひとりの人間として世界を見、自分を考えた。本書は「幸福とは何か」という古代世界に共通な問題関心から解き起こし、「存在」や「知識」に関わる哲学の基本概念を、アウグスティヌスがどのように捉え直し変貌させていったのかを、プロティノスの思想を踏まえて明らかにする。 【目次】 まえがき 目的と意志 第一章 生の目的 第二章 幸福への意志 知の確実性 第三章 認識の確実性 第四章 ことばと真理 第五章 信ずることと知ること 存在と知 第六章 知の永遠性と魂の不死 第七章 精神の実体性 内在と超越 第八章 観念としてのイデア 第九章 内在としての存在 あとがき 引用文献 中川 純男 1948~2010年。哲学研究者。慶應義塾大学文学部長。京都大学文学部哲学科卒、同大学院文学研究科博士課程満期退学。 著書に、『存在と知 アウグスティヌス研究』など、 訳書に、『初期ストア派断片集 1』『初期ストア派断片集 4・5 クリュシッポス』(共訳)『アウグスティヌス著作集 20/1 詩編注解 5』(共訳)などがある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 探偵犬クリス 柴犬探偵、盗まれた宝石を追う!
    4.3
    1~3巻726~792円 (税込)
    人見知りの少年・陽詩(ひなた)は、小学5年生。 祖父が連れてきた柴犬・クリスを飼うことになった。 とても優秀な警察犬だったらしいけど、 虫が大の苦手で、ちょっぴり頼りない……。 ある日の散歩中、パトカーのサイレンが鳴り響いた。 近所で宝石強盗事件が発生したようだ! 警察も必死に捜査を続ける中、 陽詩とクリスは、事件の“重要な手がかり”を見つけてしまって……? 勇かんだけど、虫嫌いのこわがり柴犬が名探偵!? 「幽霊探偵ハル」シリーズの田部智子さんによる、 絶対おもしろいミステリー、始まる!【小学中級から ★★】
  • 哲学入門 死ぬのは僕らだ! 私はいかに死に向き合うべきか
    4.3
    ソクラテス、プラトン、アウグスティヌス、パスカル、ニーチェ、ヘーゲル、カミュ、レヴィナスという古今の8人の哲学者が残した“決めゼリフ”を、「いかに生きて死すべきか」という視点から読み直し、その言葉の中に見えてきたさまざまなことについて考察している。著者は難解な哲学用語をほとんど使わずに、「死」について哲学しているので、まさに、何度も何度も哲学書に挫折してきた人にこそおすすめの一冊といえる。大学の哲学科の教授と寺の住職という二足のわらじを履いてきた著者が導いた「私はいかに生きて死すべきか」に対しての答えは・・・。
  • ベーダ英国民教会史
    -
    古代ローマ時代から8世紀初めまで、アングル人、サクソン人、ジュート人、そしてさまざまな侵略者たちは、いかにしてイングランド人として統合されていったか。初代カンタベリ大司教アウグスティヌスを始めとする伝道者たちの行跡、殉教者の苦難、さらに世俗権力の興亡を活写し、「イギリス史の源泉」と称される尊者ベーダ畢生の歴史書。アルフレッド大王版で読む待望の新訳。(講談社学術文庫)

最近チェックした本